吹田市社会福祉協議会(大阪府)は、吹田市社協施設連絡会(以下、施設連)と共に、コロナ禍で頑張る学生たちを応援するため、市内在住・在学の学生を対象とした食料品配布「未来がきらり☆吹田学生応援プロジェクト」を実施しました。
●プロジェクト始動!
活動のきっかけは施設連会員施設からの「このコロナ禍で生活に困っている地域住民のために何かできないか、吹田は特に大学が多く困っている学生が多いのではないか」との声。コミュニティ・ソーシャル・ワーカーと施設連会員の施設長が共に市内5大学にヒアリングを実施しました。学生には公的な支援制度があまりないことや生活に影響を受けている学生が多数いるであろうことを聞き、施設連と社協で何ができるかを検討しました。以前から地域福祉活動で連携していた地元の生協からの寄付を活用し、食料品配布を行うことになりました。
●市内福祉施設の強みを生かす!
市内の大学、専門学校の協力を得て学生に周知した結果、令和2年度に計3回実施し、延べ234人の学生から申し込みがありました。
食料品は、施設連加盟施設と社協事務所で配布し、一緒に相談機関のチラシや施設連会員施設からの手書きの応援メッセージを配布しました。
受け取った学生からは、「時短営業でアルバイト収入がとても減ってしまったので助かった」「施設のスタッフに優しく声かけしてもらえて嬉しかった」「応援メッセージで勇気づけられた」などの感想が寄せられました。
●食料品支援時にアンケートを実施
受け取りの際に他に困りごとがないかなどを聞き取り、アルバイトがなくて困っていた留学生が加盟施設でのアルバイトにつながったケースもありました。
申し込み時のアンケートからは、「アルバイトが減った」「事情があって親に頼れない」など学生の厳しい生活状況を知ることができ、今年度も継続した食料品配布を検討しています。
●食生活だけが困りごとではない…
対面での交流が制限される中で、学生たちが“人とのつながり”を求めていることやボランティア活動への関心が高いことも確認できました。
今度はその“つながりづくり”を応援するため、新たに「オンライン学生交流会」を、当事者である学生有志メンバーと一緒に企画しています。
【吹田市社協施設連絡会とは】
吹田市社会福祉協議会の組織構成会員で、民間福祉施設(社会福祉法人、株式会社、NPOなど運営母体は問わない)を営む団体が会員となり運営しています。施設の種別や日常の業務を越え、「地域貢献をしたい」と言う目的のもとに活動を行っています。2021年6月末現在、104施設が加盟しています。
掲載日:2021.07.09
文:社会福祉法人吹田市社会福祉協議会 主任 山本浩世さん