一般社団法人コミュニティ・4・チルドレン(以下:C4C)がコミュニティ支援事業を行うタイ・コンケン県ノーンメック村では、毎年8月にワークキャンプを開催してきました。しかし、新型コロナウイルス感染症(以下:コロナ)の影響で、今年は開催することができませんでした。
東北タイの農村では出稼ぎが常態化し、子どもたちは、家庭崩壊や保護者によるネグレクトに直面しています。 親の離婚・再婚、出稼ぎによる別居などによって、両親が不在で祖父母と暮らす子どもたちが多くいます。C4Cでは、ノーンメック村で、行政区区長兼村長や行政区議員をはじめ、村の人たちとともに、子どもを見守り育てるコミュニティづくりに取り組んでいます。
コロナ禍でもつながりを切らさず、村の人たちやスタッフを応援しようと考え、このノーンメック村で村人が主体となって取り組む「地域を愛する子どもを育てる活動」に触れ、学び、考えるワークキャンプに参加した皆さんに呼びかけてオンライン交流会(8月8日(土)14時~15時過ぎ(日本時間))を開催しました。
初めに、スタッフのトゥックさんやテーオさんらから村の現状が報告されました。
「ノーンメック村は、昨年同様今年も干ばつに悩まされています。昨年は村の人たちやワークキャンプ参加者と田植えをした稲が干ばつのため全滅してしまいました。残念なことに、今年も干ばつが続き田植えができる状況ではありません。ですがここ数日、雨が降り田んぼが少し湿ったので、9日に田植えをしてみます。田んぼに穴をあけて苗を植え、雨を待ちます。今後の対策として地下水を溜めて野菜栽培などに年中利用できる貯水を検討しています。また、村人の仕事や教育など様々な面でコロナの感染拡大による影響が出ていて、出稼ぎのために村を出ていた多くの人たちが職を失ってしまい帰ってきました。帰村者の中には有機農業や牛の飼育を始める人が増え、野菜や果樹など多くのものを植えています。」
交流会参加者は、予定時間を超過して、結婚したこと、子どもを授かったこと、転居したこと、仕事についたことなど、それぞれに近況を報告し合いました。
中には、6年ぶりに村の人たち、スタッフとオンラインで再会をした参加者もいましたが、時間的な距離を感じさせない良い交流会となりました。
★一般社団法人コミュニティ・4・チルドレン ホームページ https://www.community4children.com/
〈文:2020.08.12 コミュニティ・エンパワメント・オフィスFEEL Do 代表 桒原英文(一般社団法人コミュニティ・4・チルドレン代表理事)〉