沖縄県では、昨年度(令和元年度)より、災害派遣福祉チーム員登録・養成研修を行っており、今年度は新型コロナウイルス感染予防のため、オンラインによる登録研修を実施しました。
沖縄県は、島しょ県であり、大規模災害時の離島支援や本土からの応援到着に相当の時間を要するなどの課題があります。高齢者や障がい者等の災害時の要配慮者への避難支援やその後の生活支援の体制整備は、災害関連死を防ぐ上でとても重要な取り組みです。
昨年度、沖縄県災害派遣福祉チーム(DWATおきなわ)が発足し、被災地における要配慮者支援に携わるDWATおきなわチーム員の活動がスタートしました。令和2年8月現在、78名のチーム員が登録されています。
研修はZOOMを使っての実施となり、前半では説明と質疑応答を中心に進め、後半では写真を使ったフォトランゲージ演習やブレークアウトルームを使ったグループディスカッションも取り入れた研修となりました。
コロナ禍における研修のあり方を模索しながらのオンライン開催でしたが、リアルの集合研修の代替という意味だけでなく、離島からの参加のしやすさなど、オンラインのメリットも生かした人材育成の手法として確立していけそうです。
<研修概要>
令和2年度沖縄県災害派遣福祉チーム員登録研修(オンライン開催)
主催 沖縄県災害派遣福祉支援協議会(事務局:沖縄県子ども生活福祉部・福祉政策課)
主管 社会福祉法人沖縄県社会福祉協議会・県社会福祉法人経営者協議会
期日 令和2年7月22日(水)10:00~17:00
参加対象 福祉系国家資格を有し、3年以上の実務経験がある方
参加人数 38名
オンライン会議システム ZOOM
講師 桒原英文(福祉防災サポートオフィス未來 代表)
宮道喜一(福祉防災サポートオフィス未來 ディレクター)
研修内容
講義Ⅰ:災害派遣福祉チーム(DWAT)とは
・DWAT創設の背景 ・研修の趣旨説明
講義Ⅱ:被災者が置かれる状況の理解
・災害のフェーズと被災者理解 ・被災者が抱えるニーズ ・DWATの10の機能
講義Ⅲ:避難所の種類と機能の理解
・住民避難の流れ ・災害時要配慮者支援の変遷 ・避難所運営ガイドライン
講義Ⅳ:被災者支援の諸制度の理解
・災害対策基本法 ・災害救助法 ・被災者生活再建支援法 ・特例措置など
演習①:フォトランゲージ<DWATの活動視点の理解>
・ハイリスクな状態にある被災者の特定 ・一般避難所からのスクリーニング
演習②:グループディスカッション<被災者支援の主体の理解>
・多様な支援主体 ・他・多職種連携の必要性 ・グループディスカッション
演習③:グループディスカッション<避難所における被災者支援の理解>
・ハイリスクな状態にある被災者のトリアージ ・取組方法の検討
掲載日:2020.8.28
文・写真:特定非営利活動法人まちなか研究所わくわく 事務局長 宮道喜一(FEEL Do研究員)