鳥取県日野町では、昨年4月から月1回、「認知症になっても大丈夫という町をつくるため」誰でも寄れる場、「わすれんぼカフェ」を開いています。
町内の気になる方に声をかけ、お茶を飲んで話をしながら、高校生によるハンドマッサージ、歌やハーモニカ、手作業など参加者それぞれが気の向くことを楽しむ月と、みんなで昼食を共にする月と隔月で。
日野ボランティア・ネットワークのメンバーなどボランティアや、役場の地域包括支援センター、社会福祉協議会などの関係者によるグループ「わすれんぼくらぶ」のメンバーが、できるだけ参加者と壁をつくらないよう一体となって運営しています。
新型コロナウイルスの影響でカフェは休止中ですが、日頃の参加者が心配で、お役立ち情報などを載せた「わすれんぼ通信」を作って、馴染みのスタッフがお届け訪問しています。内容も大切ですが、何より顔を合わせることで喜ばれています。
運営ミーティングもこれまで控えてきましたが、先日は3グループ3日間に分けて、町内の家庭バラ園でミーティング。各種のバラが香る開かれた空間で気持ちも和んで話も弾み、高齢者など気にかかる方や町内の状況、給付金をめぐる話などの情報交換をし、「カフェ」の打ち合わせを行いました。
ひきこもることで何ごとも億劫になり、何かあっても声をあげることが常日頃以上になされなくなってしまうのでは、と懸念される状況ですが、声をかけること、その一人ひとりからまたその先に声がかけられること、大きな集まりはできなくても、小さな動きを積み重ね、その動向を把握して、課題があれば近隣でサポートしていくこと。こうした小地域での取り組みを、状況変化に応じて不断に見直しながら行っていくこと、そこに身の周りにある資源をできる限りいかしていくことが、いま大切なのではないかと考えています。
〈文・写真:2020.6.8 日野ボランティア・ネットワーク 山下弘彦(FEEL Do研究員)〉