舟形ライフル射場や大会に関する話題を気の向いたときに書き込みしたもの。
誤射(クロス・ファイヤー)(2017/6/14)
300mの大口径大会では長瀞でも舟形でも誤射はよくあります。距離が長い分、ほんのちょっとした照準方向のズレが誤射を誘発するわけです。今までの審査経験から、舟形では平均して1大会で1発ぐらいの誤射があるように思います。
射手は誤射するとスコア的にアウトですから、照準に入るとき、自分の射座から見てマーク(目印)するポイント(200mバッフルの的番号とか、あるいは両隣りの的の位置関係で見えるもの)を決めて、それを確認してから黒点にサイトインするよう注意してても、撃つことに気持ちが行き過ぎると、マークを忘れてやっちまうんだな〰。
審査が終わってから点数が1発分足りないことがわかってガックリくる次第、筆者も何回かあります。
誤射はポジションだけでなくベンチレストでもあります。舟形であったベンチレスト大会で、ベテランシューターの秋田のTさんが2射座隣りに誤射したのを見たことがあります。
ベンチレストは銃をレストに載せた状態なので照準方向のズレは生じないように思われますが、前後のレストや射手の身体の動き、銃の反動などで意外と大きくズレます。特に高倍率のスコープを使ってる場合は視野が狭いので要注意です。
春季大会では計4発の誤射がありました。そのうち3発はF40(ベンチレスト射撃)でした。同じ6mm径でしたが、隣り同士の標的の少ない弾着数と多い弾着数が一致してることから誤射(クロス・ファイヤー)と判定されました。
誤射した射手は集弾も良く高得点だったはずが約30点の減点、された方の射手は同じ口径なので低い点から3発分カットしてカウント、ボーナス点をもらったことになり予想外の1位になりました。本当に珍事です。
皆さん、気を付けましょうね・・少し頭を冷やして、”サイトインする前にマークを確認”
日ラ公認証(2017/3/29)
10年近く大会をやっているのに、射場公認証の話を載せるのもどうかと思いますが・・
改めまして日ラ公認は平成21年に取っております。それ以来、三県大口径大会を一応、公式大会として開催してます。競技は一部、ローカルルールなので記録は日ラ公式にはなりませんが競技実績は認められてます。(公認証は事務所内に掲示してます)
なんで今頃と思われますが、だいぶ前にFacebookで舟形の日ラ公認が話題になったことと、撮ってあった写真を見つけたもので・・
試射の撃ち過ぎ(2016/11/5)
秋季大会で、射座の後ろで見ていてもったいないな〜と思ったこと。年2回の大会を大口径を撃つ唯一の機会にしてる方も多いので、数多く撃とうという気持ちは良くわかります。でも、全体に試射を撃ち過ぎてるように思います。その結果、本射に入って、点数を落としてる傾向があるように思います。典型的な例ですが、F40(自由姿勢)、青森のキクチさん。
F40の試射時間は10分ですが、射群の関係でプローンと混合になった場合、特別ルールでプローンの試射時間20分に合わせています。そのときのF40の射手は、20分間フルに撃つことが多いです。1発/1分で撃つとして20発以上は楽に撃てます。
キクチさんも試射は20発以上撃ってたでしょうか。最初の約10発はサイティングでセンターに寄せる操作、後の10発は12時の9点と10点の中間に団子状に集弾し50円玉ぐらいの穴が開いてました。
後の10発は300mのベンチレストだったらトップクラスの集弾です。それでもまだ撃ってたように思います。で、本射になりました。弾着はまとまってません。キクチさんの本来の実力からみれば点数は1シリーズで5〜7点低い点数でした。4シリーズトータルで20点以上の減、明らかに試射の撃ち過ぎだったように思います。
試射を20発撃ったとして、40発競技では合計60発撃つことになります。大口径で60〜70発撃つのは結構疲れますよ。撃った数だけ目力が低下するし、狙点が見えにくくなることで注意力、集中力がなくなって疲れてくると最悪、撃発に身体が反応するようになります(これが大口径の怖いところ)。
筆者は昔から試射は10発と決めています。バレルウォーミングに5発、姿勢とサイトチェックに5発、良くても悪くてもそれ以上は撃たないようにしています。気力、集中力、目力を本射に残しておくためです。
穴熊の糞(2016/9/11)
9月10日(土)、薄曇り、22℃、風なし、久しぶりに汗をかかない天気で助かります。
これ200mバッフルを過ぎた路上に穴熊の糞です。上の写真左、道が少しカーブしてるところ、危うくバイクで踏みそうになりました。
”うんこ”の状態から1週間ぐらい前のものです。9月3日(土)は無かったのでその後ですね、ウンチしたのは。マツダさんは軽トラで来たとき林道を子熊が横切るのを見たことがあるそうです。
獣にケーブルを2回も噛み切られてるので何モノか気になっていたのですが、マツダさんやプーラーの方に聴くと射場周辺では獣は何でも居るとのこと。”猪”だけは出たという話は聞くけど舟形近辺でまだ見たことはないそうですが。
鹿、カモシカ、熊、穴熊(”まる”と言うそうですが)、地元の家の近辺ではハクビシンが増えていて、これらの小動物に生息域が侵食されてるためか”山鳥”が少なくなっているそうです。
ちなみに去年の秋に作業小屋の裏にあったこの丸い糞は”うさぎ”だそうです。獣たちは我々が捨てた弁当の残りやカップラーメンの汁とかバナナの皮とかの匂いに誘われて射場を徘徊してるのかも知れませんね・・今度、足跡を探して見ようと。
(2017/9/2 追加訂正)
朝、やったばかりのホヤホヤの状態で同じ場所に同じようにあった。事務所の方に見てもらったら”穴熊”だそうです。ビデオケーブルを噛み切ったのはこいつだな。癪なのでうんこの写真をFacebookに載せた。
トロフィー(2015/9/15)
今年の年間チャンプ・トロフィーです。今回はちょっと予算を奮発しました。いつだったかチャンプ常連のシタラ氏が ”オレ、もらったの、いづもちっちぇ~んだや~(山形弁で)” と言ってたので、何とかしなきゃなーと思ってました。
星形にカットしたクリスタルタイプ、格好いいです、アメリカ製、文字の刻印は日本です。早く用意できたので特別に公開します。
もちろん、新種目”F-Class"もあります。”F-Class"は今回は秋季大会だけの一発勝負なので誰が獲得するか楽しみですね。
陽炎、舟形の気候が変わった(2014/9/1)
8月にベンチレストを3回やりました。10日は風が吹きましたが、23日と29日は晴れて無風、陽炎が強烈でした。特に29日は弾着が見えません。弾痕どころか標的の同心円も見えずほとんど盲撃ちでした。オサカベさんやABKさんから聞いてはいましたがこんな状態は始めてです。
今、300m付近の射面は水たまりが多く泥んこ広場のようです。今年は雨が多いこととバックストップの斜面から地下水が常時流れ込んでいるのも一因です。さらに、毎年の雪で土砂が斜面から流れて300m付近の地盤が高くなって的枠を地面に直接、置いている状態なので、いやでも陽炎が強烈になり易い条件になっています。
かって”舟形”と云えばいつも風が吹いて無風は珍しかったのですが今は逆です。300mは晴れたら陽炎、大会ではビデオ監的が必須になってきました。秋の大会ではLANケーブル式伝送路(バッテリー不要)を6射座分用意します。
安全意識(2014/6/3)
最近、この大会も回を重ねるごとに少し慣れっこになって安全意識が低下してるように感じています。これは射場長としての私の反省を含めての話です。
一例ですが、アメリカのベンチレスト競技では、射場長の権限が強く、すべて射場長の号令でアクションにボルトを入れたり外したりするルールになっています。また、射場の中をアクションにボルトを入れたままで持ち歩くとボルトオープンでもその場で失格になるそうです。実際にアメリカの大会に行った人の話では、安全ルールについては想像以上に厳しいと言ってました。
また、アメリカの射撃に関する本を見ると、射手は必ず眼を保護するためのシューティング・グラスをかけなさいと書いてます。リローディングの例では、弾頭シート深さを測る方法の一つに空薬莢に弾頭を軽くシートして薬室に入れボルト閉鎖でランドタッチ位置まで押し込み、それでOALを測るやり方がありますが、その手順の中で安全確認として次の3つのことを書いてます。「The Book Of Rifle Accuracy」(著者Tony Boyer)
1.薬莢に火薬が入ってないこと。
2.薬莢のプライマーポケットに雷管が入ってないこと。
3.ボルトは撃針を抜いてること。(ボルトボディーだけにする)
我々は1,2項までは当然として、3項はボルトから撃針を外すツールがないとできないのでやらないで済ましてます。でも違うんだなー、彼らは。恐らく、作業をやっているうちに間違って生きた弾を入れても事故を起こさないようにするためだと思います。あちらは大会も射手も日本と比較にならないほど多く歴史的にも長いので、いろいろな事故を経験して厳しいルール、高い安全意識になっているような気がします。
2013年になってISSFルールのポジション射撃でもセフティー・フラグを付けることになりました。ようやくという感じですが、舟形の大会でももう少し安全意識を高めて行きたいと思います。具体的には射場長がその場(射座の後)を離れるときは必ず代理者を指名し、個々の射撃状況を絶え間なく把握するようにします。皆さんのご協力、よろしくお願いします。
6射座効果 (2011/5/27)
2010年秋の大会が終わって記録を見ていたら”高得点をマークしてるのは6射座が多い”ことに気がつきました。この大会を始める前から舟形でベンチをやっていて6射座で時々いいグループを出すことがあったので6射座は風の影響が少ないのではと思ってましたが風は複雑に変化するので確信を持てないでいました。
2010年秋までの計3回の大会は天候が比較的おだやかで風の影響は少ないと思ってたのですがそれでも6射座有利の傾向が見られます。それで今回(2011年春)は去年の記録順位で1射座から射座割りしました。5月21日は前方から強い風が吹きました。風の影響が出やすい条件です。結果、明らかに6射座有利です。舟形で多く撃っている長ヶ部さんによると5射座もいいそうです。私の経験でもそういう感じはします。参考に、計4回の大会の6,5射座の3位以上の順位と点数を記載しました。
2009年秋 P40(スコープ)6射座 1位 388 5射座 3位 368
2010年春 P40(スコープ)6射座 2位 538
F40 6射座 2位 350 5射座 1位 356
2010年秋 P40(スコープ) 5射座 3位 381
F40 6射座 1位 373 5射座 2位 365
2011年春 P40(アイアン) 5射座 2位 374
P40(スコープ)6射座 2位 392 5射座 3位 383
F40 6射座 1位 364 5射座 2位 363
舟形の射面は長い長方形のトレイのような形状で両側は土盛りした土手です。風は右側土手(6射座)の斜面後方からトレイの底を吹き払うように左側土手(1射座)前方に流れることが多いです。6射座は右側面の土手が近く壁になっていて風の影響を受けにくいのだと思います。恐らく風優位な射座は6→5→1の順で、真ん中の2,3,4は、ほぼ同等に風の影響をまともに受ける射座です。今までは大会の実績も少なくあまり重視してませんでしたが、これほど有意な差があると無視できないので射座割りの決め方は秋の大会から次のようにしたいと思います。
・射群は従来と同じようにエントリーによりあらかじめ決めておく。
・射座は当日の朝の抽選による。その中で、同じ口径が隣り合わないよう射座を調整するが、前回大会で上位者は1射座側とする。
舟形ライフル射場の気象 射場の様子は全景のページをみてください
クレー射撃場の右手の小高い傾斜面を300mの的方向に掘り進んだ地形のためか風がよく吹き気象変化に富んだ射場です。恐らく、1シーズンをとうして、これだけアウトドアの気象変化を楽しめる射場は他にないのではと思います。2008年春から通って感じた印象を書きました。大会参加の参考にしてください。
風
晴れてる場合、射座から200m付近までは右手斜め後方から吹く風が多く、200mから300m付近はバックストップの掘削した斜面から吹き降ろす風が出ます。200mまでの風とは逆に左から右に吹く風も出て200mから300m付近で巻いています。これは標的側の掘削した地形と関係していると思います。吹き方は一定に持続することがなく短く断続的です。風の強さも1m/s以下の微風から急にさーと強く吹いたり強弱変化もあり軽い弾頭の場合やっかいです。ベンチレストの場合は風見が必須です。弾頭が流される方向は概ね右から左です。
ときには風見が360度回転し荒れ狂うときもあります。そういうときは”信じるものは救われる”じゃないですが自分の射撃を信じて撃つしかありません。2010年はなぜか風のない日が多かったです。世界的に異常気象と言われているのに今年の舟形は静かでした。そのかわり陽炎が出ました。来年はどうなるでしょうか・・・
霧
最上地方は新庄市の南側を流れる最上川の支流がたくさんあり、そのせいか朝方、霧が良く出ます。一度、霧で標的が見えなくなり競技を中断したことがあります。ただ霧は長く続くことはありません。太陽が上がって気温が上がると空気が動き霧は晴れます。また霧が出るということは風がないということで、撃てなくなるほどの濃い霧は別として薄い霧で射撃を続行する場合は弾痕は見えなくても自分のイメージする狙点をしっかり捕らえて撃てば高得点をマークすることが可能です。
陽炎
風が無く晴れて日差しが強いときに陽炎が出ます。気象的には陽炎が出る二つのパターンがあります(風の無風条件は同じです)。真夏で気温が30°Cを越えるようなときは地面が乾いていても直射日光で空気全体が熱くなり射面全域が”陽炎”状態になります。もう一つは気温が低くても前日の雨や地下水の浸みだしで地面に水を含んでいるとき、直射日光が当たると蒸発する水蒸気で陽炎になります。気温20°C以下でも出るときがあります。
スコープで見たときの標的の見え方は、ほとんど無風のときは空気が温められて上昇する気流の動きで”泡立ち”状に上方向に揺れます。また標的背後の斜面から微風が吹き降ろしてくるときがあり、このときの標的イメージは横方向に”さざ波”状に小刻みに揺れて見えます。方向は主に右から左です。
陽炎が強いときは同じ状態のままでなく風がスーと吹いて弾痕が見えたかと思うとすぐボーと”泡立ち”状になって見えなくなったり、かと思うと”さざ波”状になったり息をつくように変化します。標的の中心に貼った30mm径の白丸パッチシールが歪んだり揺れたり複雑に動きじっとしていません。これは空気の動きによるもので射場の地形と関係していると思います。恐らく、射座によっても違いがあると思われます。
陽炎と弾着変位
一般的には”泡立ち”状の場合、光の屈折で標的イメージが上に変位して見えるため弾着も上になると言われています。実際に大会でも10発のグループがセンターの上にずれた標的がありました。ところがいつもそうなるかというと、そうでなく弾着偏位がまったくないこともあります。陽炎が出たときの射撃は1発毎の弾着がよく見えないためサイト修正ができず、かなり”リスキー”な射撃になります。粘り強く見える状態を待って弾着を確認しながら撃てばいいですが時間を浪費することと神経を使い疲れます。こんな時は弾の穴が大きい30径がほしくなります。
弾痕が見えなくて”見切り”発射””で撃つ場合、グルーピングは非常によくても(風がないので)センターからずれて点数が伸びないことがあります。10発で5点ぐらいは差が出ます。これはシリーズによっても違います。弾着偏位が起こる場合は上方向が多いようです。8月の”腕比べ大会”での舟形常連Hシューターの1枚、10秋三県大会の私の1枚がそうでした。”見切り発射”の射撃を避ける方法は山形Sさんが使っている無線ビデオカメラとモニターの監的システムですが・・・・
陽炎・最近、舟形で気になること
現在、200mから300mの地盤が少し高くなっています。標的中心と地面の間は80cmぐらいでしょうか。2010年の春から上がったように感じました。ページ「大会運営について」にある”標的交換”の写真は2009年秋です。このときはもう少し低かったのですが今は地面が的枠板の下端に着くくらいになりました。2010年の春先に300m付近にたまった土砂が多いので掻き出したそうです。これは雨雪が降ったとき標的背後や左右の斜面から土砂が流れ込むためですが、このように射線と地面の間が近いと陽炎が強く現れやすくなります。
日射で地表面から上がる水蒸気を含んだ気流は、高さが上がるごとに指数的に拡散していくので、標的位置が高いほど陽炎が少なくなります。今年、やたら陽炎を見る機会が多かったのは無風もさることながら300m付近の地面が上がったことも影響してるかもしれません。