155 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 20:54:25 ID:zM6O2kgY0前回のあらすじ・ああそれから。爪に化学繊維のようなものが付着していたとか・……ピッキング痕がある・被害者、灯りになるようなもの何か持ってたか?
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ | 流石だよな、俺ら | \_ _____ __/ V V d( ´_ゝ`)人(´<_` )b \ /. \ / l l l l //l | | l\\  ̄  ̄.  ̄  ̄
【標準AA環境】
※右のAAのズレない環境が標準です。 | |\|/ | | | | ∧ ∧ |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ | |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|
156 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 20:54:58 ID:zM6O2kgY0Case9-Day3B ' ☆ . ゚ 。 ゚ ゚ . 。 ゜ + ゜ 。 。 ゚ 。 ゚。 ' o ゜ ☆ ゜ +. ;/ ゜ 。 ' ゜ 。 ゜ 。 o ゚ ゚' ☆ . ' 。 * . ゜ 。 ゜ + 。 ゜ ゚ ゚ 。 . + 。 + ゜ 。 ゚。 + 。 * . ゜ ゜ ゜ 。 。 ゚ ,;/ 。 . + 。 . ' 。 ゚ 。. + 。 . ' ゚ 。 * . ゜ + ゜ 。 ,;/ ' ゜ o ゚ ゚ . 。 *'' * .゜ 。 ゜ 。' ゜ 。 ゚ ゚ ゜ + ゜ 。 ' ゜ / / ,。 ・ :* :・゚'
_ __ _ _ _ _ _ _ ___|田|_|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_|田|.|ロロ|_| ロロ|_
157 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 20:55:32 ID:zM6O2kgY0
リ`<´ リ「……何用だ」
爪゚ー゚)「えっと……昨日の事件について重要な事項が判明しまして」
( ´_ゝ`)「大変申し訳ないのですが、現場までご同行頂きたく……」
リ`<´ リ「よかろう」
爪゚ー゚)「そこを何とか……ん? 今、何と……?」
リ`<´ リ「望み通りに、同行しよう」
( ´_ゝ`)「ありがとうございます」
リ`<´ リ「だが暫し待て。着替える」
爪゚ー゚)「ええと……なるべく早めにお願いします」
―――。
158 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 20:56:06 ID:zM6O2kgY0
爪゚ー゚)「やあ、夜分にすみません」
(`>' )「……何のご用でしょうか?」
爪゚ー゚)「昨日の事件について重大な事項が判明しまして。 つきましては関係者にお話を伺いたく、現場までご同行をお願いできますか?」
(`>';)「えぇ……勘弁してくださいよ。今何時だと思ってるんですか?」
爪゚ー゚)「はい。大変申し訳ないとは思うのですが」
( ´_ゝ`)「……ご友人の死の真相に迫るための大切な聴取です」
(`>' )「……そう言われたら……断れませんね」
爪゚ー゚)「ずるいお呼び立ての仕方で申し訳ない」
(`>' )「いえ……大丈夫です」
―――。
159 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 20:56:40 ID:zM6O2kgY0
ル´央`ル「ふぁぁ……一体何ですか、こんな時間に」
(´<_` )「昨日の事件について、重大な事項が判明しました」
ル;´央`ル「なっ、なんですって……!?」
(´<_` )「つきましては、関係者を集めてお話を伺いたいのですが……すみません、居間をお借りしてもよろしいでしょうか?」
ル;´央`ル「は、はい、構いません」
<(' _'<人ノ「奥様はご就寝中でしょうか?」
ル;´央`ル「え、ええ」
(´<_` )「……申し訳ないですが、起こして頂いても?」
ル;´央`ル「わ、わかりました」
―――。
160 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 20:57:13 ID:zM6O2kgY0【央名宅】 l, /´ ' ‐- _ l, / ´ ' ‐- _ l, / ⌒ニ=ー- _ __ - l, / _ -=ニ゙_,ニ-''" __ -=ニ⌒ l, /⌒ニ''=‐- ..,,_ _ -=ニ゙_,ニ-''" __ -=ニ⌒ l,  ̄ ─-=ニ二_ ̄|_,,ニ-''" __ -=ニ⌒ l,  ̄ __ -=ニ⌒. Г¨¨"" '' ┓‐‐-- _ _ -=ニ⌒ ┌┯┓ nnn:‐┐ |`丶┗━‐‐-----'  ̄””¨¨““ ''' …─---‐‐=ニ⌒ └┴┘ 「「「| ̄| | | | | | | | ̄¨¨TT冖宀¬…┬‐-- .......,,,,,,__ | |__|] __ --‐‐‐┐ ‐┴…¬冖'' ¨  ̄ | | | :| | | | | |  ̄|丁¨¨丁 |¨¨ ̄:::::::::::::::::::::::: | nnn¬冖'''T ̄| | | | :| | | | | | || | | ::::::::::::::::::::::::::::::::: | _ | | | | | | | | | | | | :| | | | | | ||.:爻|:. ┌┐ | ::::::::::::::::::::::::::::::::: | :|:::|| ¨¨¨””””” ̄ ̄ ̄ | | | :| | | | | | ||爻爻 |::| | ::::::::::::::::::::::::::::::::: | :|:::|| nn‐VV :| ̄|| |_/ _| :| | | | | | ||爻爻 |::| ''冖¬━─-- _| :|:::|| __|_|_|__口_|_||_ //| | | | | | | ||爻爻 |::| __「」 .|:::|| n⊂⊃ __ //.:|ニニニニニ丶 ,,-‐[]─‐-- ミ ||.| ̄| └t| |::::::::: ̄|¨¨¨¨| 只只|:::|| 弋| |))__|_|_|--─ : :|¨| |___|_|_---─ ( )¨¨¨ ̄ ̄└┘ ‐- _l| └-=ニ.,_::|__|_| | ┌┐--‐‐ "'ー'' ̄ __,,. -- _,,|_,|_/_______| --‐‐||´"T冖冖冖T''゙|| ̄`丶、 . . : : : : : : └ニ- _  ̄|´"''ー=ニ(_) __,,.. -‐__二 ̄-‐=T ̄ :¨|¨|゙//¨¨~¨~¨~゙| h,`、 ” :||: : : : : :┘.:|| `丶、 . . . . : : : : : : :  ̄ニ=-|´"'' ー- _|二¨-‐=ニ¨丁::::::::::::::::::::: |::::::: : :|-//-----ーー| l''| `、 || || `丶、 . . . : : : : : : : |::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::: |::::::: : :|//---‐‐ー‐ー| |T `、 ” _ -‐ ¨¨ ̄ . . . . : : : : : : : |::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::: |::::::: : :.//¨¨¨¨ ̄ ̄ ̄| 「 ´'~¬冖 ¨ ̄ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ::|::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::: |::::::: //: : : : : : : | | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :|::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::: |:::::::
161 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 20:57:46 ID:zM6O2kgY0
リ`<´ リ「我を招集したこと、褒めてやろう」
(`>' )「こんばんは」
ル´央`ル「伊国さん、滑川さん」
ノノ lコvlコ)「三重さんはお呼びしないのですか?」
爪゚ー゚)「えぇ、三重さんは事件とはあまり関係ないと判断しました」
ル´央`ル「な、なるほど……」
リ`<´ リ「……それで。我らを集めて、何の話をするのだ?」
( ´_ゝ`)「非常に重要なお話です」
ノノ lコvlコ)「重要、というと……」
爪゚ー゚)「……えぇ、それはもう重要ですとも。なにせ」
(´<_` )「……事件の犯人が、わかりました」
ル´央`ルノノ lコvlコ)「「!!!!」」(`>' )リ`<´ リ
162 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 20:58:21 ID:zM6O2kgY0
ノノ;lコvlコ)「えっ?」
リ`<´ リ「犯人、だと?」
(`>';)「じゃ、じゃあ大路は……!」
ル;´央`ル「こ、殺された!?」
<(' _'<人ノ「残念ながら」
爪゚ー゚)「そういうことになります」
リ`<´ リ「冗談、ではないのだな?」
( ´_ゝ`)「それならよかったんですが」
(´<_` )「……これは殺人事件である、と結論付けました」
ノノ;lコvlコ)「そ、そんな!」
リ`<´ リ「なるほど……」
(`>';)「一体誰がそんなことを……!」
ル;´央`ル「そ、そうですよ!」
163 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 20:58:54 ID:zM6O2kgY0
爪゚ー゚)「なんというか、まあ。割と自明の結果ではあるんですよね」
( ´_ゝ`)「皆さん疑問に思っていたであろうことがまさにその通り、とでも言うべきか」
リ`<´ リ「……勿体ぶるのはやめろ。到底紳士的ではいられなくなる」
(´<_` )「ええ、勿体ぶるつもりはありません。大路さんを殺した犯人は――」
ノノ;lコvlコ)
リ`<´ リ
(`>';)
ル;´央`ル
.
164 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 20:59:28 ID:zM6O2kgY0
(´<_` )「犯人は――滑川さん、あなたです」
.
165 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:00:01 ID:zM6O2kgY0
ノノ;lコvlコ)「なっ!?」
リ`<´ リ「……」
(`>';)「はぁ!?」
ル;´央`ル「ええっ!?」
爪゚ー゚)「驚かれる気持ちもわかります」
( ´_ゝ`)「とてもそんなことをするような人には見えませんからね」
リ`<´ リ「……下らない理屈を捏ねるなら、塩くれてやる」
(´<_` )「もちろん、きちんと説明させて頂きますよ」
(`>';)「濡れ衣です」
爪゚ー゚)「そうであれば良いのですが」
<(' _'<人ノ「間違いでしたらきっちりと謝罪させて頂きます」
ル;´央`ル「……まずは説明を聞きたいです」
166 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:00:53 ID:zM6O2kgY0
(´<_` )「それでは説明しましょう。まず、これが事故ではなく事件であると考えた根拠についてです」
ノノ lコvlコ)「何か根拠があるんですか?」
爪゚ー゚)「ええ、もちろん」
(´<_` )「我々が屋上に到着した時、屋上への扉には鍵がかかっていました」
ノノ;lコvlコ)ル;´央`ル「「!?」」
リ`<´ リ(`>';)「「……」」
( ´_ゝ`)「更に、事件の前後で央名さん宅手前の監視カメラに映っていたのは、被害者と奥さんのみ」
(´<_` )「そして央名さんご夫婦は鍵を掛けてはいない……そうですよね?」
ノノ;lコvlコ)「は、はい……」
ル;´央`ル「昨日は上には行っていません。いつもは寝る前に確認に行きますが、昨日は警察の方が出入りしてましたし……」
リ`<´ リ「それは……どういうことだ?」
(`>';)「え、待ってください。鍵を掛けることができたのはお二人だけなのでは?」
167 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:01:31 ID:zM6O2kgY0
<(' _'<人ノ「そういうことになりますね」
ル;´央`ル「し、しかし……鍵を掛けたことがどうして事件であることに繋がるんです?」
(´<_` )「……その話をする前にもう一つ。大路さんの持ち物の中で一つ、なくなっているものがありました」
ノノ lコvlコ)「それは……?」
( ´_ゝ`)「スマートフォンです」
リ`<´ リ「スマートフォン……?」
爪゚ー゚)「これは、犯人が大路さんを殺害した動機に繋がっていると考えています」
<(' _'<人ノ「皆さん、思っていたのではないでしょうか? ……滑川さんのような人が大路さんをあくまで友人と言い張るのは、どこかおかしいと」
ノノ lコvlコ)「そうですね……失礼ですが、不思議には思っていました」
リ`<´ リ「で、あるな」
ル´央`ル「……思わなかったと言ったら嘘になるけど。そういうこともあるんじゃ?」
(`>' )「ちょっと、流石に怒りますよ?」
(´<_` )「滑川さん……あなた、大路さんに強請られていたのでは?」
168 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:02:06 ID:zM6O2kgY0
ノノ lコvlコ)「あっ……」
リ`<´ リ「……なるほど」
ル´央`ル「そ、そういうことか……!」
(`>' )「故人に対して何て無礼な……そんな事実はありません。皆さんも真に受けないでください」
( ´_ゝ`)「そうでもなければ説明が着かないんですよ、色々とね」
爪゚ー゚)「自分の店が入っているビルのオーナーから暴言を浴びてまで庇うほどの友人なのかというと……とてもそうは思えません」
<(' _'<人ノ「更に、被害者のお金周りについても説明が着きます」
(´<_` )「これは口座を調べればわかりそうなことですが……定期的に結構な金銭を渡していたのでは?」
(`>' )「言いたい放題言って……怒って手を出させようとでもしてるんですか?」
爪゚ー゚)「ふっ、とんでもない。 ああ、説明が終わった後で気が済まないということであれば訴訟でも何でもしてくださって結構」
(`>' )「……後悔しますよ?」
爪゚ー゚)「そちらこそ。あまり警察を舐めないで欲しいですね」
爪゚ー゚) (`>' )
169 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:02:39 ID:zM6O2kgY0
(´<_` )「……説明を続けます。扉の鍵の話に戻りますが……あれは外部から掛けられたものです」
ル;´央`ル「外部から……? まさか、鍵が盗まれたんですか!?」
ノノ;lコvlコ)「えぇ!?」
<(' _'<人ノ「いえ、鍵は無事ですのでご安心を」
( ´_ゝ`)「……屋上扉には、ピッキング痕がありました」
ル;´央`ルノノ;lコvlコ)「「!!」」
(`>' )「……」
リ`<´ リ「ふむ……続けるがいい」
(´<_` )「屋上扉は事件の後、外側からピッキングで施錠されたと考えられます」
(`>' )「滅茶苦茶です。そんなことをして何の意味があるんですか」
爪゚ー゚)「それはあなたが一番よくご存知なのでは?」
170 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:03:16 ID:zM6O2kgY0
ル´央`ル「……?」
(´<_` )「思い出してください。全うな手段で鍵を掛けることができたのは」
ノノ lコvlコ)「それは……私たち夫婦だけ、ですね。ま、まさか……」
リ`<´ リ「……二人に罪を着せようとした、ということか」
爪゚ー゚)「正直に言って、ないんですよ。わざわざ外側から扉の鍵を掛ける理由なんて、他には」
リ`<´ リ「だが少し待つがいい。まだ外側から掛けられたとは言い切れまい」
( ´_ゝ`)「確かに、凍死でも狙って央名さんが締め出した、という可能性も考えました」
ル;´央`ル「いや、流石にそんなことは……」
(´<_` )「ええ、そうでしょう。央名さん夫妻が締め出したのだとしたら、ないんですよ」
ノノ lコvlコ)「……スマートフォン、でしょうか」
爪゚ー゚)「そう、締め出したならスマートフォンがなくなる理由はない」
リ`<´ リ「……そして、締め出したのではなく奴を落としたのであれば、二人には鍵を掛ける理由がない、か」
<(' _'<人ノ「そういうことになります」
171 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:03:51 ID:zM6O2kgY0
( ´_ゝ`)「……うっかり掛けてしまったという可能性までは否定しきれませんが、ね」
ル;´央`ル「そ、それは確かに……」
(`>' )「……仮に鍵が外側から掛けられたとして、それなら何で俺なんです?」
( ´_ゝ`)「ん?」
(`>' )「鍵屋じゃあるまいし、ピッキングなんてできませんよ」
ル´央`ル「鍵屋といえば……」
リ`<´ リ「……我ではない」
(´<_` )「そう、あなたではない。……というよりも、ピッキングの心得のある人間ではない」
ノノ lコvlコ)「えっ……? それは、どういう」
( ´_ゝ`)「ピッキングの形跡は複数回分ありました。 このビルのセキュリティは失礼ながらザル……当然鍵も大したものではありません」
爪゚ー゚)「ピッキングの心得があるあなたなら、複数回試行する必要性はないでしょう?」
リ`<´ リ「その通りだ」
172 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:04:24 ID:zM6O2kgY0
ノノ lコvlコ)「……ピッキングというのは素人でもできるものなんですか?」
( ´_ゝ`)「えぇ。道具を入手し、原理を知った上で一つの鍵に絞って練習すれば、あなたでも可能でしょう」
爪゚ー゚)「つまり複数回のピッキング痕は練習の痕。多分に計画的な犯行ということになります」
(`>' )「……鍵の話は一旦置いておきましょう。どうやって監視カメラに映らずに屋上へ行ったと?」
ル´央`ル「確かに……一体どうやって?」
リ`<´ リ「……それだけではない。外から鍵を掛けたというのなら、その者は屋上に閉じ込められることになる」
( ´_ゝ`)「そこはまあ、実にシンプルな話です」
(´<_` )「滑川さんは屋上に出入りするために扉を通っていない。 ……壁伝いに上り下りをした。違いますか?」
ノノ lコvlコ)「は……?」
ル´央`ル「いやいや、流石にそれは……」
(`>' )「できませんよそんなこと」
( ´_ゝ`)「できるでしょう。……あなた、クライミングも齧ってますよね?」
(`>' )「……」
173 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:04:58 ID:zM6O2kgY0
(´<_` )「あなたは群馬県内の山でラジコンを飛ばすのが趣味と言っていました。 県内にはクライミングのポイントも多い……手を出していても不思議ではありません」
( ´_ゝ`)「昔多少齧っていたからわかりますがね。その手、現役でクライミングやっている人間の手ですよ。 そしてこのビルの壁は、多少齧った人間なら登ることに問題はないとも言っておきましょう」
爪゚ー゚)「素人でも『いけるかもしれない』と思える程度には突起がありますから。 実際、締め出されて凍えた大路さんが降りようとして転落、という可能性も考えました」
<(' _'<人ノ「ですが、クライミング経験者にはそう見えても、素人には絶壁……そうした可能性は低いです」
ノノ lコvlコ)「壁を昇り降りするという話ですが……外から丸見えなのでは?」
( ´_ゝ`)「そうですが、そうではありません」
(´<_` )「灯りと人通りがあるのは道路のある北側、付随して東西も不審に思う人間がいるかもしれない。 ですが南側はどうでしょうか? 見咎められる心配は殆どないかと」
ル´央`ル「確かにそうですね……」
<(' _'<人ノ「遺体が道路側に転落した理由がそれです」
爪゚ー゚)「大路さんは南東の位置でタバコを吸っていた。 それをわざわざ北側に落としたのは、帰路を見咎められにくくするため」
(´<_` )「更に言うと、4Fのバックヤードは南側。あなたが長時間バックヤードにいたのは監視カメラで確認済です」
174 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:05:57 ID:zM6O2kgY0
リ`<´ リ「ここまでの話を聴く限り、滑川が犯人であると思えてくる。……どうなのだ、滑川よ」
(`>' )「伊国さんまで……俺はやってませんよ。 俺が壁を昇り降りする馬鹿だったと仮定しても、どうやって大路を落としたっていうんです?」
( ´_ゝ`)「……ここから先は多分に憶測を含みますが」
(´<_` )「屋上に登ったあなたは、煙草を吸っている大路さんにこう声をかけたんじゃありませんか? 『たまには酒でもどうかと思ったが、オーナーにバレると煩いからこっそり登ってきた』と」
爪゚ー゚)「他の人間ならともかく、仮にも友人であるあなたなら可能な言い訳でしょう。 被害者は既にかなり飲んでいて、判断力も鈍っている」
( ´_ゝ`)「付け加えれば、満足する前に店を叩き出されたわけで、まだ酒を飲みたい欲求があったはずです。 欲望のコントロールに問題のありそうな被害者のこと、首を傾げつつもこの要求は通る」
<(' _'<人ノ「あなたは被害者に高級なウイスキーを勧めたのでしょう」
(´<_` )「そして、これは検査の結果待ちではありますが……恐らくは薬を盛った」
爪゚ー゚)「盛っていなかったとしても、まあ、寝る可能性は高いでしょうね。 普段飲まないような高級ウイスキーをストレートで行ったら」
( ´_ゝ`)「眠らせてしまえば、後は……説明する必要あります? ちなみに墜落の状況から、被害者は墜落時に意識がなかった可能性が高いと推察しています」
(`>' )「……」
175 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:06:49 ID:zM6O2kgY0
ル;´央`ル「ほ、本当に滑川さんが……?」
(`>' )「……証拠は、あるんですか?」
( ´_ゝ`)「んん??」
(`>' )「今までの話は全て推測に過ぎません」
爪゚ー゚)「ふむ? それで済まない程度には状況証拠が積み重なっているとは思いますが、まあ、そうですね」
(`>' )「俺が大路を殺したという証拠があるんですか?」
(´<_` )「……悪あがき、やめません? わかってるんでしょう?」
(`>';)「何を――」
( ´_ゝ`)「スマートフォン。まだ処分できてないですよね?」
<(' _'<人ノ「それだけならギリギリで言い訳もできるかもしれません。ですが」
爪゚ー゚)「犯行時の服。被害者の爪が引っかかったことはお気づきで?」
(`>';)「……」
(´<_` )「それの処分もまだ、ですよね。どう言い訳しようが流石に無理筋では?」
176 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:07:22 ID:zM6O2kgY0
(`>'#)「……クソッ!」
(`>'#)三≡― ダッ!
「おせぇよ」
「無駄です」
( ´_ゝ`)┫(`>';)\<(' _'<人ノ 「いっ、いつの間に……!?」
( ´_ゝ`)「部長」
爪゚ー゚)「ああ。……さて、滑川さん。逃げようとしたということは犯行を認めると。そういうことで良いでしょうか?」
(`>' )「……はい」
ル;´央`ル「そんな……!」
ノノ;lコvlコ)「どうして殺人なんて……」
177 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:07:57 ID:zM6O2kgY0
(`>' )「……まあ、刑事さん達の推測通りですよ。ずっと強請られてたんです。 このままじゃ店の継続が苦しいくらいになってきてしまって」
リ`<´ リ「わからんな。それならば警察に突き出せばよかったものを」
( ´_ゝ`)「そうしなかったということは……そうできない理由があった」
(´<_` )「その理由が何かまではわかりませんが」
(`>' )「……はぁ。どうせバレるんで言ってしまいますが。 俺、5年前にひき逃げしたんですよ」
爪゚ー゚)「……なるほど」
(`>' )「で、藁にも縋る思いでアウトローにツテのありそうな大路に頼ったんですが」
( ´_ゝ`)「あー……ヤクザな解体屋で車を処分したはいいが、強請りのネタを手元に残されてしまったと」
(`>' )「そういうことです」
(´<_` )(……何て奴だ。人畜無害そうな顔をして二人も殺してるなんて)
178 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:08:31 ID:zM6O2kgY0
(`>' )「しかしよくもまあ……群馬県警は思ったより優秀なんですね。絶対バレないと思ったんですが」
爪゚ー゚)「先ほども言いましたが、あまり警察を舐めないでほしいですね」
(´<_` )「……あなたの最大の失敗は、央名さんに罪を擦り付けるために鍵を掛けてしまったことです。 あれがなければここまで早く事件と断定はできなかったし、証拠隠滅の時間もあったでしょう」
爪゚ー゚)「何というか、偽装工作として間違ってはいないんだけど……地味に愚かというか」
(´<_` )(何かつい最近聞いたような言葉が……)
( ´_ゝ`)「死亡事故を隠蔽し、殺人の罪を他人に擦り付けようとする……あんたという人間自体は派手に愚かだけどな」
(`>' )「そうですか? みんなこんなもんだと思いますけどね」
<(' _'<人ノ「……もしそうなら今頃この世は地獄絵図になっていますね」
(´<_` )「随分と明け透けですが……悪いことをしたとは思わないんですか?」
(`>' )「死んだのは所詮他人ですし。どうでもいいです」
(´<_` )(糞過ぎる……人間性で言えば被害者の方がマシまであるぞこれ)
( ´_ゝ`)(人間性腐ってるが社会適応力だけはあった、ってとこだな正直)
179 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:09:05 ID:zM6O2kgY0
爪゚ー゚) "こんなの絶対更生できないよね?"
( ´_ゝ`) "再犯とかはそうそうないだろうが、反省はしないだろうな"
爪゚ー゚) "うーん、何かモヤモヤするな"
( ´_ゝ`) "しゃあないだろ。この場で成敗するわけにもいかんし"
爪゚ー゚) "魂抜き取っちゃおうかな?"
( ´_ゝ`) "こいつ平然と……マジか"
爪゚ー゚) "だってさぁ……逮捕しても意味ないよこれじゃ"
( ´_ゝ`) "だからって脱法的手段で私刑とか警察官やる資格ないだろ"
爪゚ー゚) "や、だから実際にやる気はないけどさ。ただの愚痴だよ"
( ´_ゝ`) "本当か……?"
爪゚ー゚) "ず、随分と信用ないな……流石にちょっと落ち込むね"
( ´_ゝ`) "日頃の行いって大事だよなって話"
180 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:09:39 ID:zM6O2kgY0
爪゚ー゚)「さて、署までご同行頂きましょうか。今後の話はそちらで」
(`>' )「はい」
爪゚ー゚)コ「あ、四井君? 無事済んだから車回して。そう、署まで。はい、よろしく」
(´<_` )「皆さん、夜分にお集まり頂きありがとうございました。 おかげで犯人逮捕に繋がりました」
( ´_ゝ`)ゞ「ご協力感謝します」
ノノ lコvlコ)「いえ、特にお力になれず……」
リ`<´ リ「見事解決したこと、褒めてやろう」
ル´央`ル「まさかでしたが……ありがとうございました」
<(' _'<人ノ「では、行きましょうか」
―――。
181 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:10:12 ID:zM6O2kgY0 ' ☆ . ゚ 。 ゚ ゚ . 。 ゜ + ゜ 。 。 ゚ 。 ゚。 ' o ゜ ☆ ゜ +. ;/ ゜ 。 ' ゜ 。 ゜ 。 o ゚ ゚' ☆ . ' 。 * . ゜ 。 ゜ + 。 ゜ ゚ ゚ 。 . + 。 + ゜ 。 ゚。 + 。 * . ゜ ゜ ゜ 。 。 ゚ ,;/ 。 . + 。 . ' 。 ゚ 。. + 。 . ' ゚ 。 * . ゜ + ゜ 。 ,;/ ' ゜ o ゚ ゚ . 。 *'' * .゜ 。 ゜ 。' ゜ 。 ゚ ゚ ゜ + ゜ 。 ' ゜ / / ,。 ・ :* :・゚'
_ __ _ _ _ _ _ _ ___|田|_|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_|田|.|ロロ|_| ロロ|_
182 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:10:46 ID:zM6O2kgY0
( ´_ゝ`)「……さて、終わったな」
(´<_` )「ああ」
<(' _'<人ノ「無事解決してよかったです」
( ´_ゝ`)「ほんとに」
(´<_` )「いつオカルト面に入るかヒヤヒヤしてたぞ」
( ´_ゝ`)「今回プロがいるから多少は安心感もあったが」
(´<_` )「そうだな。美和ちゃんがいてくれたおかげで落ち着いて捜査できたよ」
<(' _'<人ノ「いえ、あまりお役に立てず……」
( ´_ゝ`)「正直、途中まで伊国さんオカルト絡みの人じゃないかと疑ってたんだよな」
(´<_` )「わかる。あの貫禄だからな……」
( ´_ゝ`)「だからこそ美和ちゃんいてくれるだけで心強かった」
(´<_` )「違いない」
<(' _'<人ノ「そ、そうですか……それならよかったです」
183 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:11:20 ID:zM6O2kgY0
( ´_ゝ`)「しかし……腹減ったな」
(´<_` )「……まだ中途半端な時間だし、牛丼屋でも行くか?」
( ´_ゝ`)「悪くないな。美和ちゃんもどう?」
∬´_ゝ`)「ふぅん。愚かな選択だな」
(;´_ゝ`)「「うわっ!?」」(´<_`;)
<(' _'<人ノ「デイジーさん」
( ´_ゝ`)「だから気配消して背後から近づくのやめろって」
(´<_` )「毎度びびるわ」
∬´_ゝ`)「やはりぶったるんでいるな愚弟ども」
<(' _'<人ノ「お見事な隠行でした」
∬´_ゝ`)「ふっ、見抜いておいてよく言う」
184 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:11:54 ID:zM6O2kgY0
( ´_ゝ`)「で、何しに来たんだ?」
∬´_ゝ`)「シーナから連絡を受けてな。様子を見に来てやったというわけだ」
(´<_` )「いや様子を見に来られてもな……」
∬´_ゝ`)「自惚れるな、貴様らの様子ではない。伊国氏の様子をだ」
<(' _'<人ノ「えっ?」
∬´_ゝ`)「たまに飲みに来るのでな」
( ´_ゝ`)「マジか……いや何かすげー納得いくけど」
(´<_` )「素で伊国さんに負けないくらいキャラ濃いからな……」
∬´_ゝ`)「ふぅん。口だけは減らない愚弟どもだ」
( ´_ゝ`)「ん、そういや伊国さんまだ出てきてないな」
(´<_` )「仕込みでもしてるのか?」
∬´_ゝ`)「先ほど顔を出したが、オーナー夫妻に夜食を振舞うそうだ」
( ´_ゝ`)「む」
(´<_` )「……なるほど、ご相伴に預かろうと?」
185 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:12:37 ID:zM6O2kgY0
∬´_ゝ`)「既に了承は得ている」
( ´_ゝ`)「なにそれずるい」
(´<_` )「ぶっちゃけ羨ましい」
∬´_ゝ`)「愚か。何故わざわざ呼び止めたと思っている」
( ´_ゝ`)「えっ……まさか俺らの分も? そんなはずは……」
(´<_` )「馬鹿な……姉者だぞ?」
∬´_ゝ`)「ほう。そういった態度を取るのであれば取り下げても良いのだぞ?」
( ´_ゝ`)「すんませんでした」
(´<_` )「いやぁ素晴らしい姉を持って幸福だなぁ、兄者」
<(' _'<人ノ「……ぷっ。ふふっ……」
∬´_ゝ`)「ふっ、存分に笑ってやれ」
( ´_ゝ`)「ドヤ顔やめい」
(´<_` )「いやこれ姉者も含めて笑われてるからな?」
∬´_ゝ`)「なん……だと……」
<(' _'<人ノ「ふふっ……ふふふっ……!」
( ´_ゝ`)「めっちゃウケてる」
186 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:13:11 ID:zM6O2kgY0【居酒屋 天からお塩】 _//リ`<´ リ / // (\ /) /  ̄ ̄ ̄ ̄ ~ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /_________________________ / |_________________________ / / | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | 〔 ̄ ̄ ̄〕 〔 ̄ ̄ ̄〕 〔 ̄ ̄ ̄〕 〔 ̄ ̄ ̄〕 〔 ̄ ̄ ̄〕
187 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:13:49 ID:zM6O2kgY0
リ`<´ リ「さあ、来るがいい。夜食を与えてやろう」
∬´_ゝ`)「来たぞ」
ル´央`ル「あ、みなさん!」
ノノ lコvlコ)「先ほどはどうも」
( ´_ゝ`)「ども」
(´<_` )「「こんばんは」」<(' _'<人ノ
<(' _'<人ノ「すみません、私たちまでお呼ばれしてしまって」
リ`<´ リ「人は何かを那須食べに生を受け、梨を得た時死んでいく」
( ´_ゝ`)「ぶほっ」
<(' _'<人ノ「???」
ル´央`ル「いやーこのまま寝られそうもないですよねって話をしてたら、 夜食を作ってくれるって言うのでお言葉に甘えてしまいました」
リ`<´ リ「我とて、何かを為したい夜もある」
( ´_ゝ`)(落ち着かないから何かしてたいって感じか)
188 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:14:23 ID:zM6O2kgY0
ル´央`ル「いやー凄くおいしいですこれ」
ノノ lコvlコ)「落ち着く味で夜食には丁度いいですね」
リ`<´ リ「ならばよし」
( ´_ゝ`)「へー、これは……中華粥かな?」
リ`<´ リ「その通り」
(´<_` )「あー……うまそ。めっちゃいい匂いするし」
リ`<´ リ「暫し待つが良い。粥くれてやる」
( ´_ゝ`)(これもうキャラ作り年期入り過ぎて地になってないか?)
<(' _'<人ノ「ありがとうございます」
∬´_ゝ`)「ふぅん。粥などメニューにあったか?」
リ`<´ リ「ない」
∬´_ゝ`)「なるほど」
(´<_` )(キャラの濃さで姉者とタメ張れるのは素直に凄い)
189 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:14:57 ID:zM6O2kgY0
ル´央`ル「しかし今でも信じられません……あの滑川さんが」
(´<_` )「心中お察しします」
ノノ lコvlコ)「……今だから言えますが、私は……ちょっと気持ち悪い人だなと」
( ´_ゝ`)「ほう?」
ノノ lコvlコ)「何があってもあの調子なので……」
( ´_ゝ`)「ああ……確かに髪型の話とかもフラットに話してたし」
(´<_` )「それはちょっと怖いかも」
( ´_ゝ`)「普通は照れか自負か、何れにせよ多少なり笑いが入ると思うがな。 感情の振れ幅が小さいのか、表に出ないのか」
ノノ lコvlコ)「穏やか、と言ってしまえばそうなんですけど」
<(' _'<人ノ「……今となっては穏やかというより不感、という印象ですね」
(´<_` )「そうだな」
( ´_ゝ`)「だから何でもないことのように踏み越えちまった、ってことだわな」
∬´_ゝ`)「面白そうな話だ……最初から話せ。シーナは詳細をよこさなかったのでな」
( ´_ゝ`)「えぇ……まあいいけどさ。話すと長いから今度な」
190 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:15:33 ID:zM6O2kgY0
(´<_` )「そういえば……大変失礼ながら一つ伺っても?」
ノノ lコvlコ)「何でしょうか?」
(´<_` )「……伊国さんとは、本当に何もないんですよね?」
( ´_ゝ`)「えっ、この場でそれ聞いちゃう?」
ノノ;lコvlコ)「は、はい……」
リ`<´ リ「……」
ル;´央`ル「……」
( ´_ゝ`)(何もない、って反応じゃないが……あーあそんな反応するからオーナーめっちゃ不安な顔してるじゃん)
∬´_ゝ`)「ふぅん。不安ならばこの愚弟に依頼でもするが良い。これでも探偵の端くれだ」
( ´_ゝ`)「「あっ」」(´<_` )
ノノ lコvlコ)「えっ……?」
ル´央`ル「探偵……?」
リ`<´ リ「……どういうことだ?」
<(' _'<人ノ「あー……」
∬´_ゝ`)「ん? 何だというのだ?」
191 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:16:06 ID:zM6O2kgY0
( ´_ゝ`)「はぁ……バレちまっちゃあしょうがない」
(´<_` )「俺たちは警察から依頼を受けて捜査協力をしていた探偵です」
ル´央`ル「えぇ?」
ノノ lコvlコ)「そんなことあるんですか?」
( ´_ゝ`)「あったんだからしょうがない」
(´<_` )「普通はまあ、ないですね。色々と込み入った事情がありまして……」
( ´_ゝ`)「その辺の事情は守秘義務で話せないんでよろしく」
リ`<´ リ「それで納得しろ、と?」
( ´_ゝ`)「苦情は全部さっきの巡査部長まで。大体あいつのせいなんで」
(´<_` )「今回はほんとあの人に振り回されたなあ……」
<(' _';<人ノ「あはは……」
192 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:16:40 ID:zM6O2kgY0
リ`<´ リ「……完成だ」
( ´_ゝ`)「おっ、待ってました」
(´<_` )「ありがとうございます」
<(' _'<人ノ「わ、おいしそう……!」
リ`<´ リ「さあ、食うがいい」
( ´_ゝ`)「それじゃ遠慮なく」
(´<_` )「「いただきます」」<(' _'<人ノ
(*´_ゝ`)「「ふわぁ~……」」(´<_`*)<(' _'*<人ノ
193 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:17:14 ID:zM6O2kgY0
( ´_ゝ`)「あー……すんげー落ち着く」
(´<_` )「鳥ガラと貝柱の穏やかなダシ、めっちゃいいな」
<(' _'<人ノ「絶妙な塩加減……ネギも爽やかでいいですね」
( ´_ゝ`)「疲れに染み渡るなあ。ようやく人心地着いた感じする」
(´<_` )「いやー……やっぱ料理って凄いな」
( ´_ゝ`)「中華粥なんてあんま食ったことなかったけど良いもんだなあ」
<(' _'<人ノ「そうですね。このメニューの選択も食べる人のことをよく考えていると感じます」
ル´央`ル「ですよね。流石ですよ伊国さん」
(´<_` )「ありがとうございます、伊国さん。凄くおいしいです」
リ`<´ リ「ふっ……」
<(' _'<人ノ「……これ食べたら帰って仕事ですもんね、私たち」
( ´_ゝ`)「……うん、おかげで頑張れそうだ」
(´<_` )「ああ、力が戻ってきた感じ」
194 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/07(土) 21:17:47 ID:zM6O2kgY0
( ´_ゝ`)「「やっぱ人間、食事が資本だな」」(´<_` )
Case9「地味な愚かしさ」 Day3B「派手に愚かな男」
To be continued...
205 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/09(月) 22:25:08 ID:yilsNq6c0Case9-Tips3 護送中
爪゚ー゚)「馬鹿なことをしたもんです。余計に罪を重ねればそれだけ刑罰も重くなるのに」
(`>' )「バレないと思ったので」
爪゚ー゚)「鍵さえかけなきゃなあ。流石に外壁を昇り降りしたなんて思っても試さなかったんですが」
(`>' )「……試したんですか?」
爪゚ー゚)「それはもちろん。普通に考えて無理がありますからね」
(`>' )「あのビル、滅茶苦茶登りやすいんですよ」
爪゚ー゚)「ええ。実際に登った和夫君によると「丁度欲しいと思ったところに取っ掛かりがある」とか」
(`>' )「まるで登るために設計されたみたいに」
爪゚ー゚)「設計ミスですよね。泥棒に都合が良すぎる」
(`>' )「縄を掛けられる場所も多いし」
爪゚ー゚)「ああ、和夫君によるとその痕跡もあったらしいですね。説明がややこしいので省きましたが」
(`>' )「登りやすいといっても完全にフリーじゃ流石にきついので」
爪゚ー゚)「縄の回収まで考えてあって、どうして鍵かけちゃったかなあ」
(`>' )「そう言われても……」
206 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/09(月) 22:25:42 ID:yilsNq6c0Case9-Tips4 裏切り
リ`<´ リ「どういうことなのか、説明して貰おう」
ノノ lコvlコ)「……恋をしてしまって」
リ`<´ リ「愚かな。あれは学生であろう」
ノノ lコvlコ)「はい……」
リ`<´ リ「もうやめておけ。裏切り続けるというのなら、我とて紳士的ではいられなくなる」
ノノ lコvlコ)「……」
リ`<´ リ「返事はどうした」
ノノ lコvlコ)「……わかりました」
リ`<´ リ「不満か。ならば離婚すればよかろう」
ノノ lコvlコ)「それは……」
リ`<´ リ「どちらが本当に大切か、真剣に考えてみるがいい」
ノノ lコvlコ)「……」
207 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/01/09(月) 22:26:15 ID:yilsNq6c0Case9-Tips5 後日
タ Q、Qヒ「普通の事件じゃねーか糞が!」
ン ’カ’ン「ですぞますぞ!」
爪;゚ー゚)「あはは、すみません……」
タ Q、Qヒ「埋め合わせしろ!」
ン ’カ’ン「ですぞますぞ!」
爪゚ー゚)「ん、今度奢ります」
タ Q、Qヒ「キャバクラな」
ン ’カ’ン「私は焼肉を所望しますぞ!」
爪゚ー゚)「絹糸先輩、同性愛者じゃないのにキャバクラ好きですよね」
タ Q、Qヒ「そらそーよ、綺麗な姉ちゃんにチヤホヤされるのは良い」
ン ’カ’ン「理解できないですぞ!」
爪゚ー゚)「あれ? 乾先輩はあんまりですか?」
タ Q、Qヒ「こいつは二次元専門だからな」
ン ’カ’ン「そんなことはありませんぞ! 童貞じゃありませんぞ!」
タ Q、Qヒ「嘘つけ!」