878 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:09:02 ID:mvNjrfRk0前回のあらすじ・処刑人ヘリカル、でしたかね。彼らの同族の間では大層恐れられていたとか・さて、お見事でした流石探偵。裏切者の討伐、全て完了です・実里のこと、よろしくね?
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ | 流石だよな、俺ら | \_ _____ __/ V V d( ´_ゝ`)人(´<_` )b \ /. \ / l l l l //l | | l\\  ̄  ̄.  ̄  ̄
【標準AA環境】
※右のAAのズレない環境が標準です。 | |\|/ | | | | ∧ ∧ |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ | |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|
879 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:09:36 ID:mvNjrfRk0Case9-Day1_ __ _ ::' ..:: :.... .. :l. | ̄ | | ̄ | _ , ---, __. _ , ‐┐ __ ._ ... ...: :l ,| | | | //| ___ . | ̄| | | | | | ̄|| ::| ̄ | . | | 、\ ̄| :| | ̄ ̄l.. ...:::.. ... | ̄ ̄l | ̄| l/ _ /| | | |_ | |_|::.:.:..:| ,──┐ _|...:::::... ...: :.| | :| ̄| | _ :l::l  ̄ ̄ l::::::::::::::::|_| ̄ |_|| l | ̄ ̄| | |_|/ |l二二l::::l二| ̄ ̄ | |_::::::::::::::::: |_| :| l 二l::::|\ :|:::::: ̄ ̄ , ,, __. ̄_| l | | |二二l_/l:::::::::::: : | |_|_| _l\|_|、:::::::: | | ̄ .|:: ,,...,, / ,/l_.ノl ̄l | | |___l/:::::::::: _| | ̄ l::: |\ \ | ̄ |:::::::::| |/::: _ ::::::| ̄ ̄| :| .| l::::::::| | |__::::::::::_:::: ,,.,,,, / | l─┘| \\  ̄ \:::| |. / _/l | | :| .l/l::::, |__| /|/|_|_|| |_, |___|┐二l . _,,., \l二二二ll\_| | ̄ | l:: | | :| ̄l /l二二二l// /|| ::::|  ̄ ̄ ̄ |::::::::: ,,,.., ::| |:::::| | ̄w,, | | l:: | | :l::::/| ̄ ̄ ̄ ̄l/| ||// / ̄|_____| ̄|:: :|_|\\. _ | | l:: | | :|__l二二二二二二 |_|l/ ''"' ,| ̄|────| ̄|┐ \ \| |─ /|__| /.|__|//l:::::::::::::::::::::::::::::::::::: / |_|____|_|│ ,,wv.,. \.|_| ̄_,l: ̄ ̄ ̄,l 二二二二l/ |─, ┐::::::::::::::: ,,iiv,, / ____ :|  ̄.| ̄ ̄,,/l二二二二二l// :l |:::::::::: | ̄ ̄|____| ̄ ̄| ,,iw,, ...:::::::::_ ̄ ̄| |:| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |:| :l_|::::  ̄ ̄  ̄ ̄ .....::::::::::::::::_ |_|,|_| ̄ ̄ ̄l,l_,|_|,|/ ,,ww,,v,, ''"' ''" ...........::::::::::::::::::::::::::::::::..... / ̄ ̄ ̄/ ....................:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::  ̄ ̄ ̄
880 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:10:09 ID:mvNjrfRk0
(´<_` )「ここか」
( ´_ゝ`)「みたいだな」
(´<_` )「しかしどうしたんだよ、急に墓参りだなんて」
( ´_ゝ`)「偽物とはいえな。思うところはあるだろ」
(´<_` )「うーん……無いと言えば嘘になるけどな」
( ´_ゝ`)「沢近もミノリちゃんの為だか知らんがよくまあ死人を冒涜するようなことしやがるわ」
(´<_` )「……そういう意図は感じないけどな。むしろ……」
( ´_ゝ`)「むしろ?」
(´<_` )「必要な舞台を機械的に整えた結果、と思える」
( ´_ゝ`)「ふむ……」
881 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:11:33 ID:mvNjrfRk0
(´<_` )「あの試練とやらの本質って結局のところ「踏み絵」だろ。 感情に流されず真実を見つめられるかっていう」
( ´_ゝ`)「それは……そうだな」
(´<_` )「千手烏賊の例で言えば、盛岡さんが裏切者だったら? 増田弘子さんが裏切者だったら?」
( ´_ゝ`)「……きっついな正直。しかも全然ありえた」
(´<_` )「件の試練はあんな荒唐無稽な設定だからこそ選択を誤らなかったが、 もっとリアリティのある設定だったら……俺は正直自信ないね」
( ´_ゝ`)「うむ、流石の俺も疑惑抱え落ちする気がする……そう考えるとあれだな、ワクチン的な」
(´<_` )「ああ、的な趣」
( ´_ゝ`)「ちっとは免疫できた気がする」
(´<_` )「兄者の場合は二回接種だしな」
( ´_ゝ`)「そこちょっと引っかかってる、何故弟者は一回なのか」
882 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:12:06 ID:mvNjrfRk0
(‘_L’)「お待たせしました」
( ´_ゝ`)「あ、ども」
(´<_` )「こんにちは」
(‘_L’)「急な話で驚きましたよ」
( ´_ゝ`)「すまんね」
(´<_` )「お時間割いて頂きありがとうございます」
(‘_L’)「いえ、別に構いませんが」
( ´_ゝ`)「や、ありがとう」
(‘_L’)「では、ご案内します。こちらへ」
―――。
883 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:12:39 ID:mvNjrfRk0 /二二ヽ | | | 竹 | | 切 | | 家゛ .| | 之 | __| 墓 |__ / └──┘ \ |´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ソ ソ::::::::::::::::::::::::::::::::ソソ / ソ ̄|;;;;;;;lll;;;;;;;| ̄ソ \ |´ ̄ ̄ |. [廿] .|´ ̄ ̄.| |:::::::::::::::| |::::::::::::::| |:::::::::::::::| ̄ ̄ ̄|::::::::::::::| . ̄ ̄ ̄|_______|´ ̄ ̄゛
884 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:13:13 ID:mvNjrfRk0
( ´_ゝ`)「流石の瀬茂さんも埋葬くらいはしたのか?」
(‘_L’)「そう聞いています。直葬らしいですが」
(´<_` )「まあそうでしょうね……」
(‘_L’)「それにしてもどうしたんです? あなた方との繋がりは風狸とネーノくらいでしょう?」
( ´_ゝ`)「ちょっと思うところがあってな……」
(‘_L’)「ふむ?」
(´<_` )「根野さん逮捕に関わった人間として、お参りくらいはと」
( ´_ゝ`)「……そういや、どうなりそうなんだ?」
(‘_L’)「というと?」
( ´_ゝ`)「起訴から結構長いなって」
(‘_L’)「ああ……詳細は見えませんが中々紛糾しているようですね。裏にある事件が事件ですから」
(´<_` )「まあ、そうですよね……」
(‘_L’)「筋書きを練っているというのもあると思いますが、身柄を守る意味もあるでしょうね」
( ´_ゝ`)「……なるほど」
885 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:13:46 ID:mvNjrfRk0 ,.-'´ ノ ノ ノ⌒'' - ''´ ( ( ii ii || .|| || .|| || .|| || .|| || .|| || .|| || .|| || .|| _,,.. --||-||-- ..,,_ (`''─------─''´) /`''─------─''´', { } ヽ..,,,_ _,,,..ノ ノ__ノ ̄ ̄ヽ__ヽ
886 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:14:20 ID:mvNjrfRk0
(‘_L’)「さて、私は用事を済ませてから帰りますが……そちらは?」
( ´_ゝ`)「この後依頼人と約束があるから直帰」
(´<_` )「……地味に時間やばいな」
( ´_ゝ`)「うむ、渋滞なければ普通に大丈夫だとは思うが」
(‘_L’)「おや、それは急いだ方がよさそうですね」
( ´_ゝ`)「ありがとう、助かった」
(´<_` )「ありがとうございました」
(‘_L’)「いえ、近くで用事があったので丁度よかったですよ。それでは」
―――。
887 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:14:53 ID:mvNjrfRk0【流石探偵事務所】 | | ̄ ̄ ̄|:l | | ::| ,| | | ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | | 流 石 探 偵 事 務 所 | | l__________________,| | | |`''-、_ | | | | 「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | | | | | | | | | | | | | | | | r‐┐| r‐┐ ,| | | | | | ||! ! .| |ノヽ-ヘィiヘl^ヽ-, | | l └‐'゙ l└‐' | |―――――┐ス ! ! | | | | | ,レi | | |______,|_____,,| | | Z | | / ,|_|/ | ヘ |_|/
888 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:15:26 ID:mvNjrfRk0
( ´_ゝ`)「ふぅ、プチ渋滞捕まったが何とか間に合ったな」
(´<_` )「あまり長くなくてよかったな」
( ´_ゝ`)「うむ。……さて」
(´<_` )「ああ」
( ´_ゝ`)「久々ミノリちゃん案件」
(´<_` )「身構えちまうなあ……」
( ´_ゝ`)「二度あることは三度あるってやつ」
(´<_` )「奇跡的にチョロい依頼だったりしないもんか」
( ´_ゝ`)「さて、そうだと良いが……」
「こんにちはー」
( ´_ゝ`)「おっ、来たか」
889 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:15:59 ID:mvNjrfRk0
ノリ^-^ノリ「こんにちはー」
( ´_ゝ`)ノ「おひs……んん!?」
(´<_` )「こんにち――!?」
/フフ ム`ヽ / ノ) ) ヽ ゙/ | (;;・∀・;;)ノ⌒(ゝ._,ノ「失礼します!」 / ノ⌒7⌒ヽーく \ / 丶_ ノ 。 ノ、 。|/ `ヽ `ー-'_人`ーノ 丶  ̄ _人'彡ノ ノ r'十ヽ/ /`ヽ _/ 十∨
(;´_ゝ`)((えっ、誰あの黒マッチョ!?))(´<_`;)
890 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:16:56 ID:mvNjrfRk0
ノリ^-^ノリ「あ、こちらは黒磯さんです」
(;;・∀・;;)「黒磯と申します! よろしくお願いします!」
(´<_` )「あ、はい、よろしくお願いします」
( ´_ゝ`)「……ボディーガードさんかな?」
ノリ^-^ノリ「看守役です」
( ´_ゝ`)「えっ、監視役??」
ノリ^-^ノリ「看守役です」
(;;・∀・;;)「ははは、またまたご冗談を!」
( ´_ゝ`)(護衛兼お目付け役、ってとこか? ……まさかとは思うがマジで軟禁されてたり……?)
(´<_` )(看守役、ねぇ……只者じゃなさそうな風格だな)
891 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:17:35 ID:mvNjrfRk0
(´<_` )「ええと……あ、どうぞお掛けください」
ノリ^-^ノリ「ありがとうございます」
(;;・∀・;;)「……」
(´<_` )「……あの、こちらどうぞ」
(;;・∀・;;)「いえ、お構いなく!」
(´<_` )「あ、はい」
( ´_ゝ`)「……何だろう、個性的な人だな?」
ノリ^-^ノリ「そうですよね」
(;;・∀・;;)「ありがとうございます!」
ノリ^-^ノリ「褒められてはいないと思いますよ」
( ´_ゝ`)「それな」
892 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:18:09 ID:mvNjrfRk0
(´<_` )「兄者」
( ´_ゝ`)「ん……あ、お茶淹れるね」
ノリ^-^ノリ「ありがとうございます」
( ´_ゝ`)(聳え立つ黒マッチョのインパクトでちょっと動転しちまった)
(´<_` )(すげーガタイだな……クックルよりでかいぞ)
(;;・∀・;;)「何か?」
(´<_` )「……何かスポーツでもやられてるんですか?」
(;;・∀・;;)「趣味はトレーニングです!」
(´<_`;)「な、なるほど……」
ノリ^-^ノリ「なるほどですよね」
( ´_ゝ`)つ旦「はいお茶」
ノリ^-^ノリ「ありがとうございます」
( ´_ゝ`)「黒磯さんは?」
(;;・∀・;;)「遠慮しておきます!」
( ´_ゝ`)「あ、そう」
893 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:18:42 ID:mvNjrfRk0
(´<_` )「それで、今回のご依頼ですが」
ノリ^-^ノリ「はい。魔法少女セイクリッドという漫画をご存知ですか?」
( ´_ゝ`)「いや、知らないな」
(´<_` )「聞いたことありませんね」
ノリ^-^ノリ「黒磯さん」
(;;・∀・;;)「はっ! こちらです!」
__________ (\ \ \\ \ \\ \ \\ \ \\ \ \\_________\ ヽゝ==========ゝ
( ´_ゝ`)(薄い本だな。同人誌か?)
(´<_` )「拝見します」
894 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:19:17 ID:mvNjrfRk0
( ´_ゝ`)「んん……?」
(´<_` )「えっ、これって……」
_,,, --──- 、 /..::::::::::::::::::::::::::::.... `ヽ _,,, /..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::... 丶 <´ `Y、_:::::::::/:::::::::::::::::::::iヽ:::::::':、:::::... 、 〉 '''‐〈 ノ、_/:::::::::::/:::::::::::゙、 \::::ヽ:::::. 、 〈 / ̄ノ !::::::::::::|ヽ:::::::::::゙、 ヽ::::゙、::: 、 、 /::;;;;;;;/ /∨ |:::::::::::::| _\::::::ヽ \|:::: !ヽ 、 /:::::::;;;〈_ |::::::::|::::|/ ヽ、;;\ ヽ::: j ヾj ,':::::::::;;;;;;;; ̄`''''´;|:::::::|、:::! yr=ミ:、 行ミt゙、/. l::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!;;;;::| ヾ| :{_ヒri}゙ ヒrリ.》 !. !:::::::::::::;;;;;;;;;;;;;::::::;r‐゙、;;:゙、 .i  ̄´ , |. !:::::::::;:::::;;;;|、;;;;;;:::{ ー\:ヽ| __ / {::::::::i;:::::::;;l \;;;::`ー-、\| /. ゙;:::::::i゙、:::::;゙、 `''ー-ニ;;_ゝ /::l ゙、:::{、ヽ:;:::::\_ ,,,,ノニ/、_ 7'''''  ̄ |:::::::i:j ヽ::゙、\ヽ:;;:::::_}\  ̄j、_ |:::: /゙
( ´_ゝ`)「「あっ(察し」」(´<_` )
895 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:19:51 ID:mvNjrfRk0
ノリ^-^ノリ「この本の作者の人にお願いしたいことがあって……黒磯さんが」
(;;・∀・;;)「そうなのです!」
( ´_ゝ`)「「いやそっちかよ」」(´<_` )
ノリ^-^ノリ「?」
(;;・∀・;;)「何としてもお願いしたいことがあり、作者の方を探して頂きたいのです!」
(´<_` )(十中八九内藤さんだと思うが……教えて良いものか?)
( ´_ゝ`)(……目的次第、かな? オカルト絡みだとちょっとな……)
(´<_` )「ちなみにどのようなお願いでしょうか?」
(;;・∀・;;)「続きを! 続きを描いて頂きたく!」
( ´_ゝ`)「「えぇ……」」(´<_` )
ノリ^-^ノリ「意外ですよね」
896 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:20:25 ID:mvNjrfRk0
(´<_` )「えと。そもそもどこで入手されたんですか?」
ノリ^-^ノリ「国際クオリティ大学の学園祭ですね」
( ´_ゝ`)「なるほど」
(´<_` )「であれば、作者の方もその場にいらっしゃったのでは?」
(;;・∀・;;)「生憎とその時点では興味がなく!」
ノリ^-^ノリ「読んで貰ってからもう凄いんですよ?」
( ´_ゝ`)「とりあえず経緯は把握」
(´<_` )「うーん……見つけることはそれほど難しくなさそうですが。 描いて貰えるかはわかりませんよ?」
(;;・∀・;;)「それで構いません!」
( ´_ゝ`)「描いて貰うなら謝礼も必要になると思うんだが」
(;;・∀・;;)「予算はこれくらいでお願いします!」
( ´_ゝ`)((予想より桁が一つ多いんだが……))(´<_` )
897 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:20:59 ID:mvNjrfRk0
(;;・∀・;;)「これでは足りないでしょうか!?」
( ´_ゝ`)「いや、むしろ足りすぎるというか」
(´<_` )「……今回の依頼料はこれくらいになります。 それを差し引いた金額で交渉し、残りはご返金という形でよろしいですか?」
(;;・∀・;;)「問題ありません!」
(´<_` )「では、書類をご用意しますので少々お待ちください」
( ´_ゝ`)「お茶のおかわりいる?」
ノリ^-^ノリ「あ、大丈夫です」
―――。
898 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:21:33 ID:mvNjrfRk0
(´<_` )「では、ひとまずの結果は明日ご報告しますので」
(;;・∀・;;)「わかりました!」
( ´_ゝ`)「ミノリちゃん」
ノリ^-^ノリ「はい?」
( ´_ゝ`)「彼女、君のこと案じてるみたいよ」
ノリ^-^ノリ「……えっ?」
(;;・∀・;;)「さあ帰りましょう! ありがとうございました!」
ノリ^-^ノリ「……はい。ありがとうございました」
―――。
899 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:22:06 ID:mvNjrfRk0
( ^ω^)「いらっしゃいませー」
( ´_ゝ`)ノ「よっ」
(´<_` )「こんにちは」
( ^ω^)「あっ、探偵さん!」
( -@ω@)「お、いらっしゃい」
( ´_ゝ`)「大将、ちょっと内藤くん借りていい?」
( -@ω@)「ん? ああ、ちょっとだけなら」
( ^ω^)「おっ? 何かご用ですかお?」
(´<_` )「この本、内藤さんが描いたものですかね?」
(;^ω^)「おっ……そ、そうですお。何故それを?」
( ´_ゝ`)「実はさ、これの続きを描いて貰って欲しいって依頼受けちゃって」
(;^ω^)「続き……ですかお?」
(´<_` )「かなり本気の人らしく、結構な謝礼をお支払いする用意があります」
(;^ω^)「おっ……」
900 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:22:41 ID:mvNjrfRk0
( ´_ゝ`)「あんまり気乗りしない感じ?」
(;^ω^)「いや、そういうわけじゃ……ただ、ちょっとびっくりして……」
(´<_` )「それじゃあ、描いて頂けますか?」
(;^ω^)「おっ……暫くかかると思いますお。それでもよければ」
( ´_ゝ`)「原稿料いくら欲しい? たぶん言い値で出せる」
(;^ω^)「そ、そんなお金とかは……」
(´<_` )「せっかくですし、貰えるものは貰っておいては?」
(;^ω^)「そ、それじゃあ……一万円?」
( ´_ゝ`)「えっ」
(;^ω^)「えっ、多すぎましたかお!?」
(´<_` )「いえ、流石に少なすぎますかね……もっと払いたいと言われそうです」
(;^ω^)「えぇ?」
( ´_ゝ`)「ちなみに提示された予算がこれ」
( ゚ω゚)
( ゚ω゚ )
901 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:23:14 ID:mvNjrfRk0
(;^ω^)「えこれマジですかお?」
( ´_ゝ`)「マジ」
(;^ω^)「えぇー……いくらなんでもそんなに貰えませんお」
(´<_` )「であれば、漫画家の原稿料相場下限で計算して……これくらいでしょうか?」
(;^ω^)「あー……それでも恐れ多いですけど、それでお願いしますお」
( ´_ゝ`)「よろしい」
(´<_` )「用向きは以上です」
( ´_ゝ`)「さて腹減ったゾ」
( ^ω^)「……あ、何か食べて行かれますかお?」
( ´_ゝ`)「もち。トンカツ定食大盛」
(´<_` )「梅しそ重ねとんかつで」
( ^ω^)「かしこまりましたお」
902 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:23:47 ID:mvNjrfRk0
( ´_ゝ`)「そんなんあったっけ?」
m9(´<_` )「新メニューらしい。あそこに書いてる」
( ´_ゝ`)「あ、ほんとだ。重ねかつってあれか、ミルフィーユかつ」
(´<_` )「のはず。結構好きなんだよな」
( ´_ゝ`)「俺は食ったことないな」
(´<_` )「そうだったか? まあ確かにイメージないが」
( ´_ゝ`)「興味はあるんだが手は伸びない感じ」
(´<_` )「あー……何かそんなポジションの料理ではあるな、気になるけど敢えて選びはしないって人は多そうだ」
( ´_ゝ`)「だよな」
(´<_` )「結構うまいんだけどな」
( ´_ゝ`)「一切れ交換してくれ」
(´<_` )「む……良いだろう」
903 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:24:20 ID:mvNjrfRk0 。 _|\ _ 。 O / 。 u `ー、___ ゚ 。 \ヽ / u ⌒'ヽ゛ u / ゚ - ・。 / ; ゚― u⌒ヽ i @ 。 , ゚ 0 ─ { U u r- ゝ \ .| / 。 ,'´ ̄ ̄`', ゚ ,,、,r-'⌒l u //トェェェ、 ) 。゚ / o ,! ハ ハ ! 。 ゚ r-'⌒`ー-'´ヾ,. ir- r 、//u / 。 ・゚ l フ ム l ヾヽ、_,,,、-、/ミ,ヽヽ/ ノ_, -イ-、\ ∠ ハ ッ j ー = ^~、 ̄r'´ ̄`''jヽ、 〃ヾ ゚ 。 ヽ フ / jヽjvi、人ノl__ / / ヽ´{ミ,_  ̄`'''-ヽヾ ` ̄ ̄ ) ハ 7 / / `'='´l  ̄i'-、_,,ン ノ 。 ) フ て / / !。 l l - ニ 7 ッ ( __ヽ、__l ___ .!。 l__l__,-=-,___ ) !! ( ,-=-, ∠ヾゞゝヽ ,-≡-,l l-=二=-, ^⌒~^⌒^~⌒^└==┘  ̄ ̄ ̄ ヽ==ノヽ=ノ\__/
( ´_ゝ`)「ああ~とんかつ。これよこれ」
(´<_` )「これは良いぞ。ミルかつの軽い食感に梅しその爽やかさでいくらでも食えそう」
( ´_ゝ`)「それもうまそうだがなあ。やはりずっしりした肉こそ」
(´<_` )「わからんでもない。いずれにせよここの衣はやはり素晴らしい」
( ´_ゝ`)「適度な焦げ臭さほんと正義なんだよなあ」
(´<_` )「上手く綺麗に揚げるだけが道ではないということだな」
904 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:24:53 ID:mvNjrfRk0【流石探偵事務所】 | | ̄ ̄ ̄|:l | | ::| ,| | | ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | | 流 石 探 偵 事 務 所 | | l__________________,| | | |`''-、_ | | | | 「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | | | | | | | | | | | | | | | | r‐┐| r‐┐ ,| | | | | | ||! ! .| |ノヽ-ヘィiヘl^ヽ-, | | l └‐'゙ l└‐' | |―――――┐ス ! ! | | | | | ,レi | | |______,|_____,,| | | Z | | / ,|_|/ | ヘ |_|/
905 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:25:27 ID:mvNjrfRk0
( ´_ゝ`)「あっ」
(´<_` )「どうした?」
( ´_ゝ`)「そういやミノリちゃんに紹介忘れてたな」
(´<_` )「ああ、砂緒さん」
( ´_ゝ`)「……まあ、あの黒磯さんの前で話すのが果たして正解かというのはある」
(´<_` )「たぶん不正解だろうな。看守役だぞ看守役、普通に出る言葉じゃない」
( ´_ゝ`)「仲はよさそうだったが、あの言葉に嘘がなさそうだったのもまた事実。どうもよくわからん関係だ」
(´<_` )「嘘がなさそうってのは、黒磯さん側も?」
( ´_ゝ`)「あっちはあっちで本当に冗談だと思ってそうな感じだったな」
(´<_` )「ふむ……お互いの立場について認識齟齬があるのか?」
( ´_ゝ`)「もしくは、どっちかが態度で嘘ついてるか」
(´<_` )「むぅ……」
906 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:26:00 ID:mvNjrfRk0
( ´_ゝ`)「……ま、一旦保留か」
(´<_` )「そうだな」
( ´_ゝ`)「あちらさんには一旦話通しといてもいいかな?」
(´<_` )「いいんじゃないか? 口止め料は飯でも奢ってやれば十分だろうし」
( ´_ゝ`)「おし、じゃあ早速アポ取るか」
(´<_` )「任せる。……ん?」
( ´_ゝ`)「ん?」
∬´_ゝ`)「ふぅん、久しいな愚弟ども」
(;´_ゝ`)「「うわっ!?」」(´<_`;)
907 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:27:08 ID:mvNjrfRk0
(´<_` )「いい加減忍者ムーヴやめろよ」
( ´_ゝ`)「そうだゾ」
∬´_ゝ`)「毎度同じことを言う。実に芸がない……愚かにもほどがある」
( ´_ゝ`)「そっくりそのまま返すぞ」
(´<_` )「全くだ」
( ´_ゝ`)「……で、何しに来たんだ?」
∬´_ゝ`)「観光帰りに少し寄ってみた」
(´<_` )「観光? 横浜か?」
∬´_ゝ`)「その通りだ」
( ´_ゝ`)「ん、じゃあ渉さんは?」
∬´_ゝ`)「今回は友との観光だ、渉はいない」
(´<_` )「ダウト」
( ´_ゝ`)「姉者に友人とかありえないだろ」
∬´_ゝ`)「ふぅん、地味な方の弟にだけは言われたくないのだがな」
908 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:27:41 ID:mvNjrfRk0
( ´_ゝ`)「……え、マジなん?」
∬´_ゝ`)「何故そんな嘘をつく必要があるというのか。やはり愚かだな弟よ」
( ´_ゝ`)「うるせえ」
(´<_` )「姉者の友人だと……? 一体どんなイロモノが……」
∬´_ゝ`)「ならばその目で確かめるがいい……シーナ!」
爪゚ー゚)「ん? 呼んだかい?」
( ´_ゝ`)「「あっ」」(´<_` )
( ´_ゝ`)((ガチのイロモンじゃん……))(´<_` )
909 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:28:15 ID:mvNjrfRk0
爪゚ー゚)「やあ、久しぶりだね二人とも」
( ´_ゝ`)「うむ、半年ぐらいぶりか」
(´<_` )「お元気そうで」
爪゚ー゚)「うん、そちらもご活躍みたいで」
( ´_ゝ`)「あ、うん……知ってるのか」
爪゚ー゚)「まあね」
∬´_ゝ`)「ん? 何の話だ?」
爪゚ー゚)「いや、こっちの話」
∬´_ゝ`)「?」
(´<_` )「しかし驚きました。どこで知り合ったんです?」
爪゚ー゚)「面白い占い師がいると聞いてね」
( ´_ゝ`)「確かに姉者の口調は面白いが……」
(´<_` )(一回仕事風景見てみたくはあるな)
910 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:28:49 ID:mvNjrfRk0
爪゚ー゚)「流石って言うからまさかと思ったけど、会ってみたらそっくりでさ」
( ´_ゝ`)∬´_ゝ`)「「そうか??」」(´<_` )
爪゚ー゚)「そうだよ」
∬´_ゝ`)「むぅ……不本意だ。私はこのような愚か面でも地味面でもない」
( ´_ゝ`)「うるせぇ」
(´<_` )「ってか俺ら双子だから顔はほぼ同じなんだが……」
∬´_ゝ`)「ふぅん、内面から滲み出る風格というものよ」
( ´_ゝ`)「確かに姉者は不遜面だわ」
(´<_` )「何納得してるんだよ」
爪゚ー゚)「ふふ、兄弟仲がいいね」
( ´_ゝ`)∬´_ゝ`)「「そうか??」」(´<_` )
爪゚ー゚)「ぷっ……くくく、そうだよ?」
911 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:29:22 ID:mvNjrfRk0
爪゚ー゚)「そういえば弟くん、美和が会いたがっていたよ」
(´<_` )「え?」
( ´_ゝ`)(おっ?)
爪゚ー゚)「こっちもいい加減落ち着いたからね、お誘いが来るかもしれないよ?」
( ´_ゝ`)「弟者」
(´<_` )「ん、何だよ?」
( ´_ゝ`)「美和ちゃんをデートに誘え」
(´<_`;)「はぁ!?」
爪゚ー゚)「お、それは良い案だね」
∬´_ゝ`)「うむ、愚弟にしては愚かではない提案だ」
( ´_ゝ`)「美和ちゃんの様子はどうだったんだ?」
爪゚ー゚)「いやー本人は否定してたけど絶対惚れてるよあれ。 そういうの興味ないもんだとばかり思ってたけど、まさか子供の頃の恋を引きずってるなんて。 我が友ながらどれだけ一途なんだか、ちょっとヒいちゃうよね」
( ´_ゝ`)(そう言われると確かになという顔にならざるを得ないんだよなぁ……)
912 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:29:56 ID:mvNjrfRk0
(´<_` )「いやいや。あんまり適当なこと言わないでください」
爪゚ー゚)「うん? 適当なことを言ったつもりはないけど」
(´<_` )「俺なんかに惚れてるなんて誤解しちゃ美和ちゃんに失礼ですよ」
爪゚ー゚)「えぇ……?」
∬´_ゝ`)「おい、愚弟」
( ´_ゝ`)「わかってんだろ、韜晦じゃねーよ」
∬´_ゝ`)「……なんという地味な愚かしさだ」
( ´_ゝ`)「地味な愚かしさとかいう新表現を生み出すのやめろ」
爪゚ー゚)「ではこう返そう。惚れていないなんて誤解するのは美和に失礼だよ」
(´<_` )「なっ……?」
( ´_ゝ`)「すげー返し手だな」
∬´_ゝ`)「うむ、流石は我が友だ」
913 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:30:30 ID:mvNjrfRk0
爪゚ー゚)「ふむ、でもそうだね……そもそも二人には向き合う時間が必要なのかもしれない」
( ´_ゝ`)「それはそうだろうな。だからこその提案」
爪゚ー゚)「ああ、なるほどね。というわけで弟くん、美和をデートに誘ってくれないか?」
(´<_`;)「えぇ……?」
( ´_ゝ`)「俺には散々狩りデート煽っておいて自分はできないのか弟者?」
(´<_` )「そうは言うが……別に俺は美和ちゃんのことを好きでは……」
( ´_ゝ`)「ないのか? 本当に?」
(´<_` )「魅力的な人だとは思うが……」
∬´_ゝ`)「ふぅん、ならば問題なかろう。交流を深めた上で見極めれば良い」
( ´_ゝ`)「おっ、仮にも既婚者は伊達じゃないな」
∬´_ゝ`)「仮ではない、訂正しろ」
(´<_` )「うーん……」
爪゚ー゚)「迷惑じゃないかとか考えているなら心配は無用だよ? 会いたがっていたのは厳然たる事実だからね」
(´<_` )「ん……そういうことであれば」
914 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:31:06 ID:mvNjrfRk0
爪゚ー゚) "全く、どれだけ朴念仁なんだい弟くんは?"
(;´_ゝ`)「!?」
∬´_ゝ`)「む? どうした?」
(;´_ゝ`)「いや、何でも……」
爪゚ー゚) "返事できるから念じてみて?"
(;´_ゝ`) "……魔術?"
爪゚ー゚) "正解。最近覚えたんだけどなかなか便利だよ"
(;´_ゝ`) "日常でサラっと魔術使ってくるとか相変わらずイカレてるな……"
爪゚ー゚) "そうかい? まあ良いじゃないか"
( ´_ゝ`) "……弟者はああいう奴だ"
爪゚ー゚) "そうみたいだね"
( ´_ゝ`) "美和ちゃんマジでそんな状態なん? ちょっと意識してるレベルだと思ってたけど"
爪゚ー゚) "ちょっと意識してるレベルが僕の知る限り初めてなんだ"
( ´_ゝ`) "マジか……そりゃ応援したくもなるわな。弟者も……まあ似たような感じ"
爪゚ー゚) "その含みはちょっと気になるけど……なるほどね"
( ´_ゝ`) "何て言うのかな……異性に性的魅力を感じないわけじゃないが、 誰も彼も自分の相手として想定すらしていないというか"
915 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:31:42 ID:mvNjrfRk0
爪゚ー゚) "ああ、わかるわかる。美和もまさにそんな感じ"
( ´_ゝ`) "……地流さんは結構経験豊富そうだよね"
爪゚ー゚) "割と節操ない自覚はあるよ、男も女もいけるし"
∬´_ゝ`)「……何を見つめ合っているんだ?」
爪゚ー゚)「アイコンタクトってやつだね」
( ´_ゝ`)「まあそんなところか」
∬´_ゝ`)「ふむ……? まあいい、今この場で連絡するのだ、地味な方の弟よ」
(´<_`;)「はぁ?」
( ´_ゝ`)「そうだな、そうじゃなきゃ絶対しないし」
爪゚ー゚)「む、そうなのかい? 二人は兄弟だけあってよくわかってるね」
(´<_`;)「そ、そんなことは……」
( ´_ゝ`)「あるだろ」
(´<_`;)「……」
爪゚ー゚)人「ねえ頼むよ、弟くん……この通り!」
∬´_ゝ`)「ふぅん、早くしろ弟よ」
916 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/11/26(土) 23:32:15 ID:mvNjrfRk0
∬´_ゝ`)「ここでヘタレたことが母者に知れたらどうなるか、わからんわけではあるまい?」
Case9「地味な愚かしさ」 Day1「デートの誘い」
To be continued...