577 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:24:57 ID:lCQnv0HM0前回のあらすじ・最低でもこの町の危機、というのは間違いないでしょうね。・料金は後払い10,000円です。占いが役にたった場合のみ、払ってください・あっ……これ、超級にヤバいですわね?
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ | 流石だよな、俺ら | \_ _____ __/ V V d( ´_ゝ`)人(´<_` )b \ /. \ / l l l l //l | | l\\  ̄  ̄.  ̄  ̄
【標準AA環境】
※右のAAのズレない環境が標準です。 | |\|/ | | | | ∧ ∧ |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ | |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|
578 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:25:30 ID:lCQnv0HM0Case10-Day2D Ⅲ A Ⅱ ∨ 日≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡ 目 W ][ ∩ Ⅲ _________ ̄ ̄ ̄ ̄. ――――――――――――
━┳━ ━┳━  ̄ ̄ ̄ ̄┻ ̄ ̄ ̄ ┻  ̄
579 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:26:04 ID:lCQnv0HM0
( -_ゝ`)「ウッ……?」
(´<_`;)「兄者!!」
(´・ω・`)「大丈夫ですか?」
( ´_ゝ`)「……ああ、最悪の気分だが」
从'ー'从「ふぅ、大丈夫そうですね」
( ´_ゝ`)「回復してくれたのか? ありがとう」
从'ー'从「いえいえ」
( ´ー`)「無事でなによりだが……どうだった?」
( ´_ゝ`)「ああ、それが――」
580 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:26:38 ID:lCQnv0HM0 ,。 \ ・:* :・゚ '☆,。・: *: \ ☆ ,。 ・ :* :・゚' ☆ ; . ヽ ヽ ☆ * ・
・ ☆ ,。 ・ :* :・゚' __ _ __ ,_ __ __ _ . __ |ロロ|/ \ __ |ロロ|/ \ __ |ロロ| __..|ロロ|/ \ _|田|_|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_|田|.|ロロ|_| ロロ|_ .........................................................................................................................................
581 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:27:12 ID:lCQnv0HM0
(;・∀・)「なん……だと……」
从;'ー'从「えぇぇー!? 伊藤さんって、あの伊藤さんですかぁ!?」
(´・ω・`)「……」
(;´ー`)「……とんでもねーことになってきやがった」
(;=゚ω゚)ノ「ですね……」
(´<_` )「マスター。現れたという九つ首の竜に心当たりは?」
(´・ω・`)「いえ、生憎。ですが、奴らの信仰対象には多数の竜神がいる。 その中でもとびきりの存在と言ったところでしょうね」
( ´_ゝ`)「そういや大名神社の周囲には「竜」の字の石が結界よろしく配置されてたな」
(´<_` )「九頭竜、か……各地に伝承がありますが」
(´・ω・`)「であるからこそ逆に、特定はできかねます。 連中の信仰するいくらかの竜神の名や姿は知っていますが……いずれも九頭竜ではない」
582 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:28:45 ID:lCQnv0HM0
( ・∀・)「なるほど、ね……。奴らにとっても秘蔵の竜神サマ、ってところか」
(´・ω・`)「そうなるでしょう。生半可な竜神なら縊り殺す自信もありますから」
( ´_ゝ`)「なのに見ただけで諦めるとか、そりゃ相当だな……」
(´<_` )「伊藤さんというのは?」
(´・ω・`)「……最大の恩人であり、師匠です。堕ち切ったため、処分しました」
从'ー'从「……」
( ´ー`)「そう思っていたが、生きていた、と」
(´・ω・`)「はい。真っ二つになって内臓ブチマケながら崖から落ちた、んですがね……」
( ´_ゝ`)「……あちら側の連中が手ぐすね引いて待ち構えていた可能性があるな」
(´・ω・`)「はい、真っ先にそれを思いました。……正直、甘かったです。 伊藤さんほどの存在が堕ちたなら、連中にとっては好都合でしょうから」
583 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:29:20 ID:lCQnv0HM0
(´<_` )「例の爆弾魔も戦力に加わっているようですしね……」
( ´_ゝ`)「それも大問題なんだよな。こっちのチート戦力が完全に足止めされてる」
( ´ー`)「教授の話が断片的に出てきたが、そっちはどういうことなんだ?」
( ´_ゝ`)「タイミング合わせて別府が足止めに行った、と解釈してるが」
(#・∀・)「ちっ、普段は偉ぶって動かないくせに肝心な時にすら使えない男だ。もういっそ切るか?」
(´<_` )「気持ちはわかりますが、それは早計かと。 逆に言えば、一番ヤバいのを結果的に足止めしてくれてるわけですし」
( ´_ゝ`)「にしたってこっちの応援に出すのがチーム雨霧だけってどうよ? 元締めの名折れとしか言いようがないぞ」
(´・ω・`)「あちらとしては、だからこその本拠カチコミでしょう。 元々の遊撃戦力である魔女以外は、招集後、打って出る前の段階で決戦となった……恐らくは」
584 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:29:53 ID:lCQnv0HM0
(´<_` )「……それは。教授と手勢を合わせても別府とその手勢の足止めがやっと、そういうことですか?」
(´・ω・`)「信じがたいことに、そういうことになります。 教授とその側近なら長岡程度の使い手が束になったところで蹴散らすことは容易いはず。 別府という男がそれだけ強大だということです」
( ・∀・)「うーむ……」
( ´ー`)「しっかし……こりゃどうしたもんか。 少なくとも何かしら手を打たねーと、とんでもないことになる」
(=゚ω゚)ノ「ですね……僕死んでるみたいですし」
( ´_ゝ`)「つかたぶんほぼ全滅してると思う」
从'ー'从「マスターが一目で絶望するほどの竜神……まあ、誰も止められないと思います」
(´<_` )「竜神が現れた時点でこちらの負け、ですね。 何とか作戦を立てて、召喚だか解呪だかを阻止する必要があります」
585 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:30:35 ID:lCQnv0HM0
( ´_ゝ`)「阻止するにあたって、二つほど問題があるな」
( ´ー`)「一つはすぐわかる。正面戦力不足だな」
( ´_ゝ`)「ああ。総戦力は拮抗してる可能性もあるが、多国籍軍で連携を密にできないからな。 敵の目標達成を阻むにはちと足りない感じ」
(´・ω・`)「……確かに、互いに陣形を組んでヨーイドンで当たるなら十分に勝機はありそうです。 それが不可能であることに目を瞑れば、ですが」
( ・∀・)「相手の目的からしてすり抜けられれば勝ち、だしなあ」
从'ー'从「かといって特課はそれ以上動けないんでしょうし、他にアテも……」
( ´_ゝ`)「……実は、戦力のアテはないこともない」
(´<_` )「美和ちゃんか? だが、大名神社繋がりであっちが安泰とも――」
( ´_ゝ`)「いや、母者だ」
(´<_` )「……なるほど」
586 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:31:09 ID:lCQnv0HM0
(´・ω・`)「……確かに只者ではなさそうでしたがね」
( ´_ゝ`)「俺を子ども扱いするレベルだからな」
( ・∀・)「とはいえ相手は我々を足止めできればいいだけだから、戦力増強ではどのみち厳しいだろう」
( ´ー`)「……うん? おい」
( ´_ゝ`)「ん?」
( ´ー`)「お前が言っていたもう一つの問題、わかったぞ」
从'ー'从「えっ?」
( ´ー`)「……情報漏洩、違うか?」
(=゚ω゚)ノ「!!」
( ・∀・)「……まあ、そういうことになるか」
(´・ω・`)「ええ……」
从'ー'从「ちょ、どういうことですか?」
587 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:31:43 ID:lCQnv0HM0
( ´_ゝ`)「ご名答だ白根さん。敵の戦力配分があまりにも的確すぎる」
(´<_` )「確かにな。それは俺も思った」
(´・ω・`)「……裏切者、か」
( ・∀・)「少なくとも、仁田のとこの誰かはそうだったんだろう」
( ´ー`)「いや、間違いなくそれだけじゃねーな。連中に正確な人員配置まで教えるわけがない」
(´・ω・`)「……この場にいる誰か。もしくは荒巻さん、フサさん、長岡……」
( ´_ゝ`)「特課の二人って線も十分にありえる」
( ・∀・)「ああ……流石に彼らには共有するだろうからね」
(´<_` )「手口は……例の催眠術みたいな魔術である可能性が高いか」
( ´_ゝ`)「そう決めつけるのは早計だ。擬態して紛れ込んでる可能性もある」
(´・ω・`)「いえ、その可能性は低いでしょう。 擬態であれば我々は臭いや魔力の雰囲気で概ね見抜ける」
588 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:32:28 ID:lCQnv0HM0
( ´_ゝ`)「ふむ、じゃあその線は薄いか」
( ´ー`)「安易な決めつけは危険だな。胡麻化す方法がないとも限らん」
( ´_ゝ`)「……実際記憶を辿ると思い当たるエピソードがある。 弟者、覚えてるか? 清浦vs雨霧の冒頭」
(´<_` )「ん……雨霧さん、魔力探知をすり抜けてきたんだったか」
(´・ω・`)「ふむ……確かに魔力を隠蔽することは可能ですが、 抑えることはできても波長を変えるのは……」
( ´_ゝ`)「ない、と言い切れるならそれも良い」
(´・ω・`)「……言い切れはしないですね。我々は魔術については所詮アマチュア、知らない魔術はごまんとある」
从'ー'从「ですねー……戦闘力はともかく、専門家としての魔術師じゃないですから」
(´<_` )「……雨霧さんに聞いてみるか? 気は進まんが」
( ´_ゝ`)「まともに聞き出せるかどうか運ゲーすぎる。下手すりゃ無駄にドンパチだぞ」
589 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:33:02 ID:lCQnv0HM0
(´・ω・`)「手段はともかく、一番可能性が高そうなのは長岡ですかね」
( ・∀・)「その心は?」
(´・ω・`)「自分が敵なら、うちで一番容易そうな相手を選びますから。 いや、砂緒さんが参加しているならそちらも可能性は高い、か……」
( ´_ゝ`)「その理屈で言うと俺らや警察組は……ちと危ういな」
(´<_` )「いや、兄者にはそいつがある。容易く魔術にかかる可能性は低いだろう」
( ´_ゝ`)「殺られて擬態ならわからんが」
(´<_` )「いや、考えたが擬態の可能性は低い。偽物なら態々決戦で殺される必要がないからな」
从'ー'从「た、確かに……」
(´・ω・`)「となると、限定的な洗脳系の何かか、或いは召喚時に生きていた誰かか」
( ´ー`)「あー……俺らは対魔術って意味じゃ自信はねーな」
(=゚ω゚)ノ「はい、正直……」
( ・∀・)「言うまでもないが、同じく」
590 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:33:37 ID:lCQnv0HM0
( ´_ゝ`)「……裏切者は嘘つきだ、か」
(´<_`;)「っ」
( ´_ゝ`)「参ったな……あれと違ってヒントもねーし、絞り切れん」
( ´ー`)「なあ、思ったんだが」
( ´_ゝ`)「ん?」
( ´ー`)「さっきの夢のなんちゃら、あれで確認するってのはどうだ?」
( ´_ゝ`)「多すぎぃ。無理無理」
(´<_` )「そう連発できるほど魔力ないしな」
(´・ω・`)「魔力は譲渡も可能ですが……精神がもたないでしょうね」
( ´_ゝ`)「正直に言ってキツイな。発狂すると思う」
( ´ー`)「むぅ、駄目か」
591 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:34:11 ID:lCQnv0HM0
( ・∀・)「既にかかっているのか、直前でかけられるのか。 そこすらわからないとどうにもならんね」
(´・ω・`)「魔術の影響下にあるか確認する魔道具はあります。 ひとまず、この場のメンバーだけでも確かめましょうか」
( ´ー`)「おお、良いもんあるじゃねーか」
从'ー'从「ただ、魔術限定なので。魔術以外の……例えば、特異能力などの場合」
( ´_ゝ`)「……検知できないわけね」
―――。
592 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:34:44 ID:lCQnv0HM0 ,。 \ ・:* :・゚ '☆,。・: *: \ ☆ ,。 ・ :* :・゚' ☆ ; . ヽ ヽ ☆ * ・
・ ☆ ,。 ・ :* :・゚' __ _ __ ,_ __ __ _ . __ |ロロ|/ \ __ |ロロ|/ \ __ |ロロ| __..|ロロ|/ \ _|田|_|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_|田|.|ロロ|_| ロロ|_ .........................................................................................................................................
593 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:35:18 ID:lCQnv0HM0
(´・ω・`)「……全員、魔術の影響下にはない、と」
( ・∀・)「誰かヒットしてくれれば話が早かったんだが。さて、どうしたものか」
( ´ー`)「……監禁作戦、行けるんじゃねーか?」
( ・∀・)「……なるほど? 確かに、3人に絞れるならありだな」
(=゚ω゚)ノ「えっ? どうして3人に絞れるんですか?」
( ´_ゝ`)「何故、連中は構えてるとこにわざわざぶつけてきたか、か。 こっちの動きがわかってんなら最初から回避して他の候補を当たることもできたはず」
(´<_` )「わかってないなら戦力配分の完璧さが不自然どころじゃない。 つまり、3人のうちの誰かである必要があったってことだな」
(´・ω・`)「なるほど、確かに」
( ・∀・)「3人だけなら一日監禁するくらいは問題なく可能だろう」
( ´ー`)「問題は……裏切者がいると結局主導権を握られる可能性が高い、ってとこか」
( ´_ゝ`)「そうなんだよなあ……んっ?」
(´<_` )「む?」
594 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:35:52 ID:lCQnv0HM0
( ´_ゝ`)「……聖水」
(´<_` )「あっ……! 確認しなきゃわからんが、魔術以外にも効果ありそうな気がする」
(´・ω・`)「それは……もしやバチカンの?」
( ´_ゝ`)「それ」
(´・ω・`)「我々にとっては毒ですが……逆に言えば、魔術以外にも効力を発揮するのは明白。 身中の虫を炙り出せるのであれば、多少の毒を食らうのも吝かではありません」
从;'ー'从「うえぇ……嫌だなぁ……」
( ・∀・)「……エクソシストのローレンツ?」
( ´_ゝ`)「うむ。この状況だし嫌とは言わんでしょ」
从'ー'从「私たちがいるのにあの人が協力してくれるとは思えないけどなぁ」
(´<_` )「確かにそうですね。でも、それなら予言で戦力に加わっていたのは……?」
( ´ー`)「大方その話は伏せてたんだろうよ。追加戦力として来る分にはわざわざ突っかからんだろ」
( ´_ゝ`)「いや突っかかりはすると思うけど……それで三つ巴構えるほどの愚者でもない、か」
595 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:36:25 ID:lCQnv0HM0
( ・∀・)「そうなると……どうする?」
(´・ω・`)「我々が悶え苦しむ様でも鑑賞させてやれば溜飲を下げるでしょう。あれはそういう男です」
从'ー'从「我々というかマスターが、ですね」
( ´_ゝ`)「……何か因縁でもある感じ?」
(´・ω・`)「何度か返り討ちにしたくらいですが」
( ´_ゝ`)「わぉ。プライドの高いフィレンクトさんなら、毒喰らって弱ったマスターを倒そうとはせんだろうしな。 俺らや警察組が頭を下げれば十分可能性はありそうだ」
( ・∀・)「金もいるな。……やれやれ、結局素寒貧か」
( ´ー`)「ちったあ出しますよ。な、伊藤」
(=゚ω゚)ノ「は、はい! 命が掛かってるので!」
(´・ω・`)「我々もカンパしましょう」
( ´_ゝ`)「俺らも多少は」
(´<_` )「あんまり余裕ないから本当に多少ですけどね」
596 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:37:07 ID:lCQnv0HM0
( ´_ゝ`)「それで何とかなるとして、あとはタイミングだな」
( ´ー`)「そこが難しいとこだな。洗脳らしきものを解いたとして、掛け直される可能性がある」
(´<_` )「集団行動を取ることである程度防げそうですが」
(=゚ω゚)ノ「でもそれも絶対とは……当然ですけど家は別々ですし」
(´・ω・`)「うちの面子は今の活動キャンセルして合宿にできますが」
( ´_ゝ`)「警察組はそうもいかんわな」
( ´ー`)「俺らはある程度何とかなるが、署長はな……」
( ・∀・)「うーん……そうなると、私は詳しい作戦を知らない方がいいかもしれないな」
( ´_ゝ`)「ああ、監禁のタイミングや手筈は伏せさせて貰おう」
(´<_` )「で、俺らは合宿か」
( ´ー`)「場所のアテはあるのか?」
(´・ω・`)「ええまあ。少しくらい人数が増えても大丈夫だと思います」
597 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:37:40 ID:lCQnv0HM0
( ´_ゝ`)「何はともあれまずはフィレンクトさんと交渉だな」
( ・∀・)「私から話そう。必要な分量は?」
(´・ω・`)「不明です。逆に、専門家であるあちらの意見を聞いた方が良いでしょう」
( ・∀・)「む……なら明日直接出向いた方がいいか」
( ´ー`)「ご一緒します」
( ´_ゝ`)「あ、一応俺らも」
( ・∀・)「アポを取ってみるからちょっと待ってくれ」
―――。
598 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:38:14 ID:lCQnv0HM0 ,。 \ ・:* :・゚ '☆,。・: *: \ ☆ ,。 ・ :* :・゚' ☆ ; . ヽ ヽ ☆ * ・
・ ☆ ,。 ・ :* :・゚' __ _ __ ,_ __ __ _ . __ |ロロ|/ \ __ |ロロ|/ \ __ |ロロ| __..|ロロ|/ \ _|田|_|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_|田|.|ロロ|_| ロロ|_ .........................................................................................................................................
599 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:38:48 ID:lCQnv0HM0
( ・∀・)「オーケー、明日の朝にアポを取れた」
( ´_ゝ`)「よっしゃ」
(´・ω・`)「我々の方も明朝に招集かけました」
(´<_` )「交渉が済み次第合流しましょう」
( ・∀・)「で、そこから先は私は特課との窓口か」
( ´ー`)「あちらに流す情報はちと考える必要があるな」
(=゚ω゚)ノ「ですね」
( ・∀・)「予言の情報だけで危機感持って編成変えてくれると楽なんだけど」
(´<_` )「奥多摩の方も不穏みたいですから、難しいかもしれませんね」
( ´_ゝ`)「未確認異能者の予言ってんじゃ信憑性低いしなあ……」
(´・ω・`)「まあ、まず通らないでしょうね」
600 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:39:22 ID:lCQnv0HM0
( ´_ゝ`)「全く、お役所仕事にも困ったもんだ」
( ・∀・)「こうなってくると奥多摩の方は陽動だと思うんだがなあ……」
( <●><●>)「……あの」
(´<_` )「あ」
( <●><●>)「私が聞いていい話、でしたか?」
(;・∀・)「……も、問題ないです」
( ´_ゝ`)「ほんとお??」
(´<_` )「煽るな兄者」
(´・ω・`)「まあ、作戦の詳細以外は問題ないでしょう。ですよね?」
(;・∀・)「あ、ああ……そうだな」
( <●><●>)「聞かなかったことには、しておきます」
601 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:39:55 ID:lCQnv0HM0
(´・ω・`)「……占いは、暫くは避けた方がよろしいかと」
( <●><●>)「そう、ですね。何か恐ろしいものを視た、のは思い出しました」
( ´_ゝ`)「何を見たかはそのまま忘れといた方がいいよ、うん」
( ´ー`)「すまなかったな。用件は済んだから帰って貰って大丈夫だ」
(´・ω・`)「……少しだけ不安ですね。これを」
( <●><●>)「これは……?」
(´・ω・`)「何かあったら千切ってください。こちらに危機が伝わります」
从'ー'从「一応護衛しましょうか?」
(´・ω・`)「……いや、巻き込む可能性が余計に上がるだろう」
( ´_ゝ`)「だな。この店周辺が監視されてる気配はなかったが、 一緒に歩いているところを見つかればあちらに目を着けられかねない」
( ´ー`)「ま、そうなるな」
602 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:40:29 ID:lCQnv0HM0
(´・ω・`)「ああそれから、お土産にこれを」
( <●><●>)「……先ほどのトマトポトフ、ですね」
(´・ω・`)「余らせても勿体ないので」
( <●><●>)「ありがとうございます。では、私はこれで……」
( ´_ゝ`)ノ「ありがとな」
( ´ー`)ノ「よかったらまた今度、仕事抜きで奢らせてくれ」
( ・∀・)「ご協力ありがとうございました」
( <●><●>)「失礼します」
―――。
603 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:41:03 ID:lCQnv0HM0 ,。 \ ・:* :・゚ '☆,。・: *: \ ☆ ,。 ・ :* :・゚' ☆ ; . ヽ ヽ ☆ * ・
・ ☆ ,。 ・ :* :・゚' __ _ __ ,_ __ __ _ . __ |ロロ|/ \ __ |ロロ|/ \ __ |ロロ| __..|ロロ|/ \ _|田|_|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_|田|.|ロロ|_| ロロ|_ .........................................................................................................................................
604 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:41:36 ID:lCQnv0HM0
( ´_ゝ`)「はぁ……一通り話し終えたら腹減ってきたな」
(´・ω・`)「おっ、何か作ります?」
(´<_` )「何か出しちゃいたいものとかありますか?」
(´・ω・`)「そうですね……サワラの炙り刺しなんてどうです? 今日出なかったら冷凍かなーと思ってたところなので」
( ´_ゝ`)「おっ、いいじゃん。ってか相変わらず仕入れに節操がないな」
从'ー'从「もう、そうなんですよ。フサさんにいつも怒られてるのに聞かなくって」
(´・ω・`)「反省はしていない」
从'ー'从「ちょっとは反省してくださいよぉ」
( ´ー`)「炙り刺しか……こりゃ日本酒だな」
(´・ω・`)「今なら水芭蕉、ありますよ」
( ´ー`)「おっ、春酒だな。それ頼む」
( ´_ゝ`)「「同じく」」(´<_` )
(´・ω・`)「あいよ」
605 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:42:25 ID:lCQnv0HM0
( ・∀・)「……せっかくだし私もちょーっとだけ貰おうかな?」
(=゚ω゚)ノ「あれ? 大丈夫なんですか?」
( ・∀・)「まあお猪口一杯くらいならね。伊藤君もどう?」
(=゚ω゚)ノ「日本酒はものによって得意苦手が……警部、これどんな感じですかね?」
( ´ー`)「甘口華やか系だな。これなら伊藤もいけると思うぞ」
(=゚ω゚)ノ「あ、じゃあお願いします」
(´・ω・`)「あいよ」
从'ー'从「マスター、私もー」
(´・ω・`)「まあそうだろうな。署長さん以外はグラスでいいですかね?」
( ´ー`)「おう」
(´<_` )「問題ないです」
606 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:43:00 ID:lCQnv0HM0
(´・ω・`)「水芭蕉 春酒。順番に注いできますね」
┌‐┐ ├‐┤ |.| |.| i | | i ,'. | |..', ,' . |_| ', ,' ', ,' ', .,'‐-------‐', i .i | ,/ ̄| | | |―水|/|.... | | |春芭|純|.... | | |酒蕉|米|.... | | ,_/..吟| | | |生醸| | | |貯/. | |‐-=======-‐| ゞ========='"
607 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:43:33 ID:lCQnv0HM0 ,ニニ-一===/ /  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄ー 〟'"~´ ./ /ーー ー ー、ーーー… ____ / / / `ヽ ` ` ヽ i( / / )| \ | ` .、 i ノ シ´.| ゝ | ` ー- ニ 二 、_.i_ ノ _ , ニ ニ - ‐ ´ ..| \ | ! ! | \ | i .i | \ | i i | | ;、, ,_〟" `ヽ i i .〟 、 | | i "~´ ヾ、 ⌒ i ⌒'" ` :、 | | l ` 、. ゜ ○゚ ( ノ .⌒ ` ´"i | | | ` ー. ゚ O O。 、, ,_〟.l | | i 。〇 ∩ "~´ | | | ; . ( )゜ ∪. i | | : (⌒ヽ ; | | 。( )o . : | | ( ノ | | (0 ノ | | ル | | | | | | 〟' " 、 | |∠ ヽi | 八 八 ` 、 , シ´ ` ー-ニ二、_____ , ニニ-一 ' ´
( ´_ゝ`)「おー……めっちゃ良い香り」
(´<_` )「瓶が桜色なのが春っぽいな。まだまだ寒いが」
( ´_ゝ`)「まあもう立春だし。あったかくなるまであっちゅう間よ」
(=゚ω゚)ノ「あ、中身は透明なんですね」
( ´ー`)「新酒は熟成してないからな、基本的に無色透明だ。色付けしてるやつもあるが」
(=゚ω゚)ノ「へー」
( ´ー`)「ん……うまい」
( ´_ゝ`)「んく……はぁー……華やか」
(´<_` )「甘いのにスッキリしてていいな」
从'ー'从「おいし。日本酒嫌いな人もこういうの飲めば印象変わると思うんだけど」
(=゚ω゚)ノ「あっ、これは駄目なやつです。スルスルいけちゃいます」
( ・∀・)「私は料理くるまで香りだけ嗅いどこうかな」
609 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:44:41 ID:lCQnv0HM0 ! / `'-、. `'-、 │ ./ `'-、 `'-、 , / | ,! \ `'-、 ., / _.. | ! \、 `-、..‐″ ._ / │ .! \ / ,..-'´ | │ / . _/゛ \ l │ / .,/゛ .\ `'-、 l ! / / \ `‐ ! .! __,,,,,.........---ーーー'''冖'''''''"゙゙゙゙゙゙゙゙ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ l_,,ヽ -―'''''''"゙ ̄´ .__,,,,,,,.......... ---――¬¨¨¨ヽ¨¨¨ _,,,.. -ー''''"´ ._,,,,.... -―'''''''゙フ ̄/ ヽ. ._,,.. -‐'''"゛ _,,,.. -―''r'"´ / ,/ ヽー'''"゛ ._,,, -‐'''"´ ..l. ヽ / .,/ ._.. -''"゛ ヽ ヽ / / .,/ ヽ ヽ ./ ./ .il ヽ ヽ/ ./ .\ lヾ . / `'- ..,、 / ,i'゙'、 `゙'''― ..,,,_ / / ヽ.ヽ- ..,,,_, ⌒"''''―--ニ....,,,,,____> . ̄"'''―-- ....,,,,__、  ̄ ゙゙゙゙̄"'''''''''''''¬―――――------------  ̄ ゙̄,゙'''''¬―---............,,,,,,,,___ / / ヽ  ̄ ̄ ̄¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨ ¬―― / . / ヽ / / ヽ, / / ヽ /
610 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:45:14 ID:lCQnv0HM0
( ´_ゝ`)「……気のせいか、マスターの包丁捌きが比喩じゃなく目にも留まらないんだが」
(´<_` )「たぶん気のせいじゃないなそれ」
(´・ω・`)「あまり待たせるのも悪いのでちょっと本気を」
从'ー'从「マスターほんと包丁うまいですよねー」
( ´ー`)「いや、うまいというか……」
(=゚ω゚)ノ「うまいのは間違いないと思いますけど……」
( ・∀・)「速すぎて常人には真似できない動きだなぁ」
( ´_ゝ`)「母者が鹿を捌くところを見ているかのようだ」
(´<_` )「いや全くそうは思わんが」
( ´_ゝ`)「そうか?」
(´<_` )「そうだ。合ってんの斬撃のスピードだけだろそれ」
611 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:45:48 ID:lCQnv0HM0 , /!ィ`´ , /! ,、ノ`::::'' ::/ ./ .::(ィ'' ::::'' ::'' i, ,,ィー ノ ::'' ゙::::'' .:'' ξ ‐:''__//ブ ,, rイ ノ`'´::'' ::'' イャ .,ィ' ./,ィー` // ノ::::'`'::::::::'' ゙:::./ ,,イ'',,, /(,,,ィ,,イ ,、/ ::::`'`:::::'' .::''ノ /::::: `´ ::: ,,ィ''´ .,,イ ,,,,,イ' ,ィ ,、/!イ:::::::'' ゙:::'' ::''> ー´:::: ゙:::::::゙ ィ,,,,,.イ ,_,,ィ'':::`´:::: ´!-‐イ、__,イー'`:::::::::::::::'' :::''ノ ゙:::::::::: ''´::::::'' ゙::'' .゙:::::::::::::::::::::::::::::::'' ::'' ヤ ::'' f´,、ィ ゙:::::''' イ ゙::: ノ :::'' ヤ .゙::( ::'' イ :::::: ( ゙:::`'(
612 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:46:21 ID:lCQnv0HM0
( ´_ゝ`)「炙りの良い匂いが」
( ´ー`)「それにこの音だな。さっき結構食ったのに食欲が湧いてきやがる」
( ・∀・)「炙りの魔力だな」
(=゚ω゚)ノ「ゴクリ」
从'ー'从「ワクワク」
(´・ω・`)「さっき仕入れに文句を言っておいて何だその態度は」
从'ー'从「えー、それとこれとは別問題ですよぉ」
(´・ω・`)「全く……よし、できた」
( ´_ゝ`)「マジで超速調理だったな」
(´<_` )「ああ、正直びびる」
(´・ω・`)「サワラの炙り刺し、お待ち」
613 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:46:55 ID:lCQnv0HM0 ................r,zzzx...∧ ̄`ヽ....N.......i.../.............N _ L____.........//ヘ::::::::.マ. }::::::::::}┬<...ィ......../........ヘ+` /^ヘ_ r.:::::::::::::\Y⌒ヘ::::::\ / ノ.}:::::::::}ノ!:::::::::i }:::::::マ.../.................ヤ¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨ .ハ / /::::≧s。::::::::::::h、 }シ\:.:.:.ヽ ニ:i:.:.:.:.:i }.:.:.:.: i }.:.:.:.:.Yヽ,....................l/! / / / j. / .「ゝ:::::::.:.:.:.:.`ヽ:.:. : : :ヽ ヽ : :ヽ j: : : :}.7. : : :,' /. : : : j:::::::マ..................,' _、+゙ ./ / ./.. 、 ` { i`i''< : : : :ヽ 、 . ..寸ム .i! / ,'./ .ノ:.:.:.:ノ> ............/.ィ 〃 ,心./ 「ヘ .八 j i i ヘ マヘ マ ] { / / _,,,,/_: :ノ .:.:::\..../ノ(_ .イ ,心ァ′. マ心、 ゝ }h, マム マ{ _, .ノ _∠::::::::::::`ヽ.:.:.:. ノx′ 爻 .,心ア < > }h, ム ゝ:ヘ ,,,,\ >x.::⌒:ヽ´:::::::::`ヽ:.:.:.:.:.:ヽ,゙ 爻 .,心ア .< > \ ` , \ィ' `ヽ/ ̄`ヽ:::::::`ヽ:.:.:.:.:.:ヽ : : : :.マ 爻 ,心ア .< > > _ 乂 _x; : ノ{ ヽ:.:.:.:..ヽ: : : : ヽ . . . マ 爻 .,心Y < > ¨¨^ゝ, ,,ノ / i }ハ: : : : ヽ :, 乂ィ爻. ,心: ノ < > `¨¨´ヘ ; ノ ゝ ヽ \ ヽ ,心:>´ ‐=ニ二=- 〕iト._ iヘ \ \ Y. ,心.ァ゙ ‐=ニ二ニ=- .‐ _ `ヽ ) )_ イ..,心ア. ‐=ニ二二ニ=-. 。 ,..__ ‐‐ ^ー‐‐´ _,心ア ‐=ニ二二二二二二二二]:{心ア ‐=ニ二二二二_.」|/
614 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:47:28 ID:lCQnv0HM0
( ´_ゝ`)「うひょー、最ッ高!」
(´<_` )「めっちゃ脂乗ってんな。春酒の爽やかさとよく合う」
( ´ー`)「焙られた皮目がまたいいんだ」
(=゚ω゚)ノ「いやーこれ……暴力的な組み合わせですね!」
从'ー'从「おいしー。流石マスター、炙り具合も完璧ですー」
( ´_ゝ`)「炙りの香りと春酒の香り、たまらんなあもう」
( ・∀・)「ん、旨い。良いサワラだ……斬り方も見事だし。なんだろう、ここ和食店だっけ?」
(´・ω・`)「バーです」
(´<_` )「そうですか?」
(´・ω・`)「そうです」
615 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:48:02 ID:lCQnv0HM0
( ´_ゝ`)「そういや前もサワラ出してなかったっけ?」
(´<_` )「あー、昆布締め」
(´・ω・`)「好きなんですよ、サワラ」
从'ー'从「おいしいですよねー」
( ´_ゝ`)「丁度沢近事件の後だったか」
(´<_` )「あー……そうかも」
( ´ー`)「あん時か。そういや食ったな」
(´・ω・`)「皆さんが若人の恋愛相談していた時ですね。確か一月だったから、もう一年ですか……」
( ´_ゝ`)「……そうか、まだ一年なんだよな。激動の一年だったわ」
(´<_` )「だな……挙句の果てにまさかこんな大事に関わるとは」
( ´ー`)「そりゃ同感だ。目に映るもんがすっかり変わっちまった」
( ´_ゝ`)「白根さんとも知り合って一年ちょっととは思えないわ」
( ´ー`)「確かにな。もっと前から知り合いだったような気がするぜ」
616 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/03/05(日) 21:48:36 ID:lCQnv0HM0
( ´ー`)「来年もまた、こうやってサワラでも食いたいもんだな」
Case10「連続自殺事件」 Day2D「作戦会議」
To be continued...