817 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:38:00 ID:udmYCWYk0前回のあらすじ・これから一人づつ話を聞かせて貰いたい。可能なら部屋の捜索も・つまりどうやってニッくんの部屋に出入りしたかが唯一のポイントなんだね・瀬藻さんを殺した犯人は――
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ | 流石だよな、俺ら | \_ _____ __/ V V d( ´_ゝ`)人(´<_` )b \ /. \ / l l l l //l | | l\\  ̄  ̄.  ̄  ̄
【標準AA環境】
※右のAAのズレない環境が標準です。 | |\|/ | | | | ∧ ∧ |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ | |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|
818 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:38:36 ID:udmYCWYk0Case3-Day2C|: :|>ー乂_乂ヘ ト _ ∨_∨__rzzzzzzzzzzzzzzzzzュ_∨__∨_rzzz〈〉〈〉〈〉〈^〉〈〉〈〉〈〉〈〉_∨_,ィ=ミ、ィ=ミ、_ `Y^| __ |::::::| | ̄: : ::|:l .| : :|: :| ̄`ー‐へ弌、._,|~゙|` 、|____|_弌芋芋芋芋芋芋艾 | :| 弌芋」」」」」」」}_,{LLLLLLj |_〈 __x⌒YY⌒Yx___,〉____|:::/_∧ |: : :| |: : : : ::|:|│: :|: :| ,.、‐‐'"乂゚_,.ィ| |\...| ゙̄|‐‐‐:|::i::i::{'´ || `'}::i::{::|‐‐‐:| ̄:|‐‐|::i::ソYY{..}'´{ }`Y^iY^V.:|‐‐ |_乂乂乂乂乂乂,,,|ーー|〈〈´ '/, .| : ::| |: : : :::::|:| |: :|: :| {;';';';';';':::/::| | | | | |::::: |‐‐‐:|::i::i::} ̄|| ̄{::i::{::|‐‐‐:|: : :|‐‐|::i:(_乂_乂_ノ{ }乂_乂_ノ):|‐‐ |ニニニニニニニニニニニ|ーー|: '/, '/, | :::..| |: : : :::::|.l |: :「」「」 ',;';';':::イ:::::| | | | | |:::: :|:¨¨¨|::i::i::{==||==}::i::}::|¨¨¨.|: : :|¨¨|::i::i::::{==||==∪:::| | | |: : |¨¨ | ||i:i:i:i:i:i:|||i:i:i:i:i:i:i|::|¨¨| |:..:'/, '/,..| : : | |: : : :::::|.|.|: :7'^Y7 `Y´ |:_:_「「」 | | |:::: :| |::i::i::}_||_{::i::{::| |: : :| |::i::i::::}_||_{::i::i:| | | |: : | | ||i:i:i:i:i:i:|||i:i:i:i:i:i:i|::| | |: :|'/, 「」「」:::: | |: : : :::::|:l.|: :|^i|'Y トv⌒|'´゙:|ノソ .| | |⊥i|⊥ |::i::i::| ̄|| ̄N:::{::| ⊥..⊥ |::i::i::::} ̄|| ̄}::i::i:| | l⊥⊥ .| ||i:i:i:i:i:i:|||i:i:i:i:i:i:i|::| 「」_「」 ハ V乂::::.:| |: : : : : |.|| : :|: :|│ :|:::| |::::::|゙「.| |_| |乂_乂 .|::i::i:ノ==||==Yi:{: | |^'^| |::i::i::::|==||==|::i::i:| | | |^^| | ||i:i:i:i:i:i:|||i:i:i:i:i:i:i|::| 乂乂 Vハ_ V,|: : ::| |: : : : :::|│:|: :|│ :|:::| |::::::| | |___,|:::: :| |‐r'|__,||_辷{:::| |: : :| |_i_j_ノ____||_V_j_j│ | |: : | | ||i:i:i:i:i:i:|||i:i:i:i:i:i:i|::| | |:_:|_ィ=ミ、 ̄.|: : ::|/ ̄ ̄~.N|: :|: :|│ :|:::| |::::::| |____(_):_:_| |7ハi¨ ̄|| ̄TIハ::| |: : :| |rrr゙|¨ ̄|| ̄ナナ]{ | | |:_:_| | ||i:i:i:i:i:j|||Li:i:i:i:i:|::| |_〉 f'' ソノ ゙̄|: : ::|¨¨¨¨¨¨¨゙|: :|: :|└‐|:::| |::::::| |¨゙||¨¨¨|| ̄_||─ f´`ヽ─└r┘‐〈 ̄`ヽニニ|_|:i::|┴─ァ'´ ̄ `ヽー|_|_|─ | |i:i:i:f´ ̄`Yi:i:i:i:i|::|─| {==f爪 ...|: : ::| |: :|: :|SS|:::| |::::::| |S|| :|| ̄_||‐‐圦 {l‐l二二二l|ヘ '. :|─|:i:_|─‐‐{ {─| |: : |─ | |厂  ̄}}i:|::|‐fニニニffニニニフ_|,_,|SSSSSS|`¨ニニヌ|TTニニニニニTT|| :|| ̄_||: : |::|i, 弋ィ≠ミソ:| | 圦xzzzzzx、弋ニニニ:} {ニニニア´ ̄`'{ ,、‐─:{{i:|::|:::|..r‐ュ.||─‐:|::|¨:| ̄| ̄ ̄¨¨弋ニ|‐‐{ |i:||: ::||¨¨ ̄_|:| ||¨¨¨|| ̄_||_|_圦_ノ_(ニニi{: | | |//─‐{ {く{ :{l::::::::{`{ }:_:_:: : |{,.、-─┴‐‐// ̄ ̄リ⊥|:::| | : | || |..|:_:|:_:_|: : : : : : : | ̄|: : | |i:||: ::||¨¨ ̄ |厂|「 ̄|「 ̄、丶`:.:.:.|YYY^i^^i{ ̄ ̄77ニニニ圦{¨{l:::/´{ {≧==≦{ {:i|`| |{二ニ====イイ{_,.イ{:`ヽ、└ ̄|_リ ̄ ノノ| | _|:_:_:_:_:_:_:_|:_:_|:_:_|¨¨||:_::||二ニ=┫ 、丶`:.:.:.:.:.:.:/j」 {:{:┘ {乂: : : {:| }:|: : ::{:{リ : Y:{: :{ }V⌒⌒V {:i| ノノ{: :`'⌒⌒Y 7厂 {_乂\: `ヽ、 `¨¨弌≧s。.,「_| ̄ ┘ 、丶`:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:. /乂ノ:. :.  ̄:. : : ノj ┘: : {乂 ノ_} } }′: : : : } }┘{乂: : : : : : :└'′: : :\: : \: : :`ヽ、 |:|:〕iトミ≧s。.,
819 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:39:11 ID:udmYCWYk0
从;゚∀从「……は? 今何つった?」
(;`ー´)「犯人が――」
(;‘_L’)「――わかった、ですって?」
( ´_ゝ`)b「その通り」
从;゚∀从「村っち、本当なのか!?」
(lll´Д`)「……うん、正直信じたくないけどね」
(;‘_L’)「ちゃんとした証拠もあるんでしょうね?」
(´<_` )「今からご説明しますよ」
( ´_ゝ`)「瀬藻さんを殺した犯人は――」
从;゚∀从(;`ー´)「「「……」」」(‘_L’;)从´ヮ`;从ト
(lll ,'3 )「「……」」(´Д`lll)
820 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:39:47 ID:udmYCWYk0
( ´_ゝ`)9m「根野さん、あんただ」
从;゚∀从(;`ー´)「「「!?」」」(‘_L’;)从´ヮ`;从ト
(lll ,'3 )「「……」」(´Д`lll)
821 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:40:23 ID:udmYCWYk0
(;`ー´)「ええっ!?」
从;゚∀从「ま、マジかよ!?」
(;‘_L’)「馬鹿なッ……!」
从;´ヮ`从ト「……」
(;`ー´)「ど、どうしてそんな話になったんですか……?」
从;゚∀从「そうだ! 説明しろ!」
(;‘_L’)「間違ってました、じゃ済まされませんよ……?」
(lll ,'3 )「……」
(lll´Д`)「……」
( ´_ゝ`)「うむ、当然の反応だな。それでは説明していくとしようか」
―――。
823 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:40:59 ID:udmYCWYk0
( ´_ゝ`)「まずは事件のあらましを振り返ろう」
(´<_` )「被害者は瀬藻新名さん。投資ファンドを経営するファンドマネージャー。 女癖の悪さと強引な仕事ぶりで様々な恨みを買っている」
( ´_ゝ`)「彼は今朝の午前9時前、別荘の自室で亡くなっているのを発見された」
(´<_` )「第一発見者は使用人の二人。起き出して来ない主人を起こしに行ったところで遺体を発見。 すぐに居間に引き返して医師のフィレンクトさんを頼った」
( ´_ゝ`)「風狸ちゃんに話を聞いた俺らも着いて行って全員で瀬藻さんの自室へ。 フィレンクトさんにより瀬藻さんの死亡が確認された」
(´<_` )「ここまではいいですか?」
(; ,'3 )「はい、間違いございません」
(lll´Д`)「……続けて」
824 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:41:35 ID:udmYCWYk0
(´<_` )「遺体は死後1~2時間が経過していると見られ、つまり犯行は午前7~8時。 遺体発見時部屋には施錠されており、密室の状態だった」
( ´_ゝ`)「昨晩最後に瀬藻さんの生存を確認したのは風狸ちゃん。 午前0時前に施錠をし、中嶋さんに鍵を渡した」
从;´ヮ`从ト「あってます」
(;‘_L’)「問題ありません、続けてください」
(´<_` )「つまり部屋は午前0時から午前9時まで、約9時間の間密室だったことになる」
( ´_ゝ`)「部屋の鍵は施錠から現在まで中嶋さんが所持。 普通に考えれば中嶋さん以外の犯行は不可能であるように思える」
从;゚∀从「そうだな」
(;`ー´)「ええと……それで何で僕が犯人だなんて話になってるんですかね?」
825 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:42:11 ID:udmYCWYk0
( ´_ゝ`)「まずは中嶋さんの疑いを晴らすところからかな。 とはいえ話の流れの都合上、まだ完全には晴らせないんだけど」
(´<_` )「まず一つ、中嶋さんには動機がない」
从;゚∀从「いやいや、そんなのわかんないだろ。私らが知らないだけで何かある可能性だって……」
( ´_ゝ`)「それがないんだ。それどころか少しでも瀬藻さんに長生きして貰わなきゃ困る」
(´<_` )「……何せ中嶋さんは、瀬藻さんの女性絡みの悪事を悪事と認識していない……」
( ´_ゝ`)「それどころか率先して協力し、一番に利益を享受してたんだからな」
从´ヮ`从ト「……」
从;゚∀从「ま、さか……!?」
826 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:42:47 ID:udmYCWYk0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・(´<_` )「メイドへのそういったことの教育はあなたが行っていた……再確認になりますが、そうですよね中嶋さん?」
(; ,'3 )「……はい……」
(;`ー´)「……」
(;‘_L’)「なん……だと……!?」
从;゚∀从「嘘だろ……風狸、まさかお前も……!?」
从´ヮ`从ト「……はい、たくさんご指導頂きました」
(;‘_L’)「な、なんてことを……ッ!!」
(´<_` )(瀬藻さんは許せて中嶋さんは許せない、か。それだけ大事な友人だったってことかね?)
827 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:43:23 ID:udmYCWYk0
( ´_ゝ`)「まあそんなわけで、瀬藻さんが殺人事件なんかに遭って警察に捜査されるのはものすごーく困るわけだ」
(´<_` )「自分の今までの悪事までバレてしまいかねないからな……」
(;‘_L’)「ですがそれだけで犯人ではないと決めつけるのは……」
( ´_ゝ`)「ああ、流石にな。だから次に……中嶋さんが犯人ならもっとやりようがある」
(´<_` )「わざわざ自分が真っ先に疑われるような状況で犯行するほど愚かなら、 今までの悪事の片鱗くらいは既に見えているはず」
( ´_ゝ`)「さて、根野さんと当事者の風狸ちゃん以外に気付いていた人はいたか? 少なくとも俺らは、風狸ちゃんの部屋で「メイド心得」なる怪文書を見るまで知らんかった」
(lll´Д`)「……」
从;゚∀从「……」
(;‘_L’)「……」
828 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:43:58 ID:udmYCWYk0
(´<_` )「……実はこの話には続きがありまして、凶器が見つかりました」
从;゚∀从「……中嶋さんの部屋から?」
( ´_ゝ`)「惜しい。キッチン」
(´<_` )「もう一度聞きましょう。中嶋さんがそこまで愚かだと思う人はこの場にいますか?」
(;‘_L’)「……ないですね、確かに、ない」
(lll´Д`)「流石にね」
( ´_ゝ`)「でもいくら良く知るみんながないと断言しても、警察は中嶋さんを逮捕するだろうな」
(´<_` )「状況証拠の数え役満だからな……。むしろこれで逮捕しない警察がいたら無能」
( ´_ゝ`)「おまけに掘れば掘るほど余罪出てくるからな」
(´<_` )「検察がフィーバータイムに入るな」
( ´_ゝ`)「「さて、皆の知る中嶋さんはそれほどまでに無能かな?」」(´<_` )
829 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:44:34 ID:udmYCWYk0
(;‘_L’)「……なるほど、話はわかりました。 確かに、中嶋さんが犯人である可能性は低いと言わざるを得ない……」
从;゚∀从「……逆に、そう思わせようとしてるってことも……」
( ´_ゝ`)「それなら密室にする必要はないんだよな」
(´<_` )「"誰かが罪を着せようとしている"状況を演出するだけならどう考えても過剰です。 下手をしなくてもそのまま自分がお縄になってしまう」
从;゚∀从「……確かに」
(;`ー´)「……それで、じゃあ僕はどうやってニッくんの部屋に出入りしたと?」
( ´_ゝ`)「なに、実にシンプルな話だ」
・ ・ ・ .・ .・ ・ ・ .・ ・ ・ ・(´<_` )「鍵のかかった部屋には出入りできない……つまり、鍵はかかっていなかった」
830 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:45:10 ID:udmYCWYk0
从;゚∀从「……はぁ?」
(;‘_L’)「何を言い出すかと思えば……前提の否定ですか? 中嶋さんと竹切さんが幻覚を見ていたとでも……」
( ´_ゝ`)9m「そうそれ、幻覚」
(´<_` )「ただし、見せられていたのは犯行に関わっていない我々全員です」
从;゚∀从「この状況で勿体着けてんじゃねーよ、早く言え」
( ´_ゝ`)「つまり……。 風狸ちゃんは意図的に施錠をしなかった……そうだよね、風狸ちゃん?」
(;‘_L’)「「!?」」从∀゚:从
从´ヮ`从ト「……」
831 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:45:46 ID:udmYCWYk0
从´ヮ`从ト「確かに施錠をしましたが……」
( ´_ゝ`)「あくまでそう主張するならそれでもいいよ」
(´<_` )「だが、閉め忘れた可能性までは否定できないでしょう?」
从´ヮ`从ト「それは……」
( ´_ゝ`)「さて、鍵がかかっていないなら後は簡単だ。 適当なタイミングで侵入して内側から鍵をかければいい」
从;゚∀从「おいおい、待てよ……中嶋さん達が起こしに行ったときは施錠されてたんだろ? ってことは……!」
(´<_` )「その時、根野さんは室内にいた……そういうことになります」
832 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:46:22 ID:udmYCWYk0
(;‘_L’)「ば、馬鹿な……! そんなことが……!」
( ´_ゝ`)「クローゼットとか、ベッドの下とか、死角になる場所はあったでしょ?」
(´<_` )「恐らく根野さんはそのどちらかに隠れていた」
(;`ー´)「ちょっと待って、そんなの破綻してるよ。じゃあ僕はどうやって抜け出したって言うんだ?」
( ´_ゝ`)「中嶋さん達が去ってから、普通にドアから」
从;゚∀从「待て待て、その時に鍵閉められたら終わりだぞ?」
(´<_` )「そのために竹切さんが一手打った。そうですよね中嶋さん」
(; ,'3 )「は、はい……らしくないほど感情的に私を急かしてきました」
( ´_ゝ`)「その後、風狸ちゃんは居間でわざわざ足を止め、俺たちに事情を説明した」
(´<_` )「何のためかは……もうわかりますね?」
833 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:46:59 ID:udmYCWYk0
(;‘_L’)「……全員を連れて行きたかった、か」
( ´_ゝ`)「そういうこと。自室にでも隠れた根野さんは、 俺たちが瀬藻さんの部屋に集まったタイミングを見計らって一階に降りた。
(´<_` )「そしてキッチンに凶器を隠した後、何食わぬ顔で居間で待っていたわけです」
从;゚∀从「……筋は、通ってるな。いや、だが……」
(lll´Д`)「……」
(;`ー´)「いい加減にして。確かにそれなら僕にも犯行が可能かもしれない。 でも、それが僕が犯人だと決定付けるわけでもないでしょう?」
( ´_ゝ`)「もちろん。また別のトリックを用いれば、犯行は高岡さんやフィレンクトさんでも可能」
(´<_` )「なのでここから、二人の犯行ではない理由を説明していきましょう」
834 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:47:34 ID:udmYCWYk0
( ´_ゝ`)「まず、高岡さん単独での犯行は不可能だ。密室にする手立てがない」
(´<_` )「高岡さんが犯人であるなら、必然的に中嶋さんかフィレンクトさんの協力が必要になる」
( ´_ゝ`)「中嶋さんと共犯って可能性が薄いのは説明するまでもないよな? じゃあフィレンクトさんはどうかって言うと」
(´<_` )「そもそも二人の性格から言って、突発的に殴り殺してしまうことはいかにもありそうだが」
( ´_ゝ`)「わざわざこんな回りくどい殺人を計画するとはちょっと思えないな」
(´<_` )「瀬藻さんが酔いつぶれていなければ、「深夜の密会の末ついカッとなって」というシナリオも描けたが」
( ´_ゝ`)「酔いつぶれてるとこにわざわざお話し合いに行くこともあるまいよ」
(;‘_L’)「……非常に腹立たしいですがあなた達の言う通りですね」
从;゚∀从「私とフィンじゃなあ……」
835 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:48:10 ID:udmYCWYk0
( ´_ゝ`)「「更に言うと、二人は昨晩おたのしみでした」」(´<_` )
从;゚∀从「急に何を言ってやがる!?」
( ´_ゝ`)「重要なことなんだよなあ。だって、これから人殺しをしようって時にそんなことする?」
(´<_` )「ありえないとまでは言いませんが、直情的であるとはいえ二人の頭脳は明晰」
( ´_ゝ`)「計画的な犯行なら、ちょっと考えられないかな」
(;‘_L’)「……よくわかってるじゃないですか、恐ろしいほどに」
从;゚∀从「……確かに、どっちかに目的絞るかなあ……」
836 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:48:45 ID:udmYCWYk0
( ´_ゝ`)「その場合の手順についても一応話しておこうか」
(´<_` )「まず、この場合も鍵が開いていたのは大前提。普通に部屋に入って瀬藻さんを殺害」
( ´_ゝ`)「瀬藻さんの懐から鍵を取り出して施錠」
(´<_` )「あとは医師であるフィレンクトさんは遺体発見時に必ず呼ばれるから、 遺体を確認する際に懐に鍵を戻せば完了」
(;‘_L’)「正直に言って、気付かれないように鍵を戻す自信はありませんね……」
(; ,'3 )「……そのような素振りはなかったかと思います」
( ´_ゝ`)「だから可能性がないわけではないってだけで、限りなく低い」
(´<_` )「おわかりいただけましたか?」
(;‘_L’)「……」
从;゚∀从「……」
(;`ー´)「……」
837 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:49:21 ID:udmYCWYk0
(;‘_L’)「ですが、それは結局のところ私達の疑いが薄れたにすぎません」
从;゚∀从「それだけでネーノが犯人だって決めつけるのは……」
(;`ー´)「……何か証拠でもあるんですか?」
( ´_ゝ`)「あるんだな、これが」
(;‘_L’)从;゚∀从「「!?」」(`ー´;)从´ヮ`;从ト
838 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:49:57 ID:udmYCWYk0
(´<_` )「それについて話す前に凶器について説明します」
( ´_ゝ`)「キッチンから見つかった凶器は、血まみれのビニール袋に包まれていた」
(´<_` )「見つかった場所は、中嶋さんによれば廃棄予定のものを置く戸棚らしいですが……」
( ´_ゝ`)「さて、それがどこなのかわかる人は挙手を」
(; ,'3 )ノ
(;‘_L’)……
从;゚∀从……
(;`ー´)ノ
从´ヮ`从トノ
839 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:50:32 ID:udmYCWYk0
( ´_ゝ`)「そんな場所にあったから昼食時にも見つからなかったわけだが」
(´<_` )「さて、わざわざそんなところに隠した目的はというと」
从;゚∀从「……中嶋さんが偶然見つけてしまわないように、か?」
( ´_ゝ`)「そう。自分で隠して自分で見つけたとなると流石に警察も不審に思うだろう」
(´<_` )「そして適切な隠し場所を選べるのは中嶋さんを含めて3人だけ」
(;‘_L’)「……で、それが証拠とどう繋がるんです?」
( ´_ゝ`)「返り血を防ぐことを考える冷静な犯人だ。流石に素手で凶器を握ってはいないと考えられる」
(´<_` )「手袋か何かしていたと思われますが……今、手袋をお持ちの方は挙手を」
(; ,'3 )ノ
(;‘_L’)ノ
从;゚∀从……
(;`ー´)ノ
从´ヮ`从トノ
840 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:51:08 ID:udmYCWYk0
(´<_` )「ところでフィレンクトさん、あなたならもう察したのでは?」
(;‘_L’)「……微物鑑定、ですか」
(;`ー´)「微物鑑定……?」
( ´_ゝ`)「そう。人を殺すほどの力で握りしめた凶器には、手袋の繊維がそれはもうしっかりと着いているはず」
(´<_` )「証拠としての精度に問題があると言われる微物鑑定でも問題がないほどに」
( ´_ゝ`)「根野さんがそれを知ってれば何とかして凶器を洗浄するなり、 あるいは手袋を燃やすなりしようとしてたんだろうけど。 それが可能なタイミングは今のところない」
(´<_` )「つまり今もポケットに入っている手袋。それが動かぬ証拠となります」
从;゚∀从「ネーノ、お前……」
(;`ー´)「……」
841 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:51:44 ID:udmYCWYk0
(;`ー´)「……はあ、微物鑑定とは盲点だったよ」
(;´Д`)「ネーノ……」
842 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:52:19 ID:udmYCWYk0
(;‘_L’)「何故ですか……何故、こんな馬鹿なことを……」
( `ー´)「何故? 何故ねえ……僕からしたらそれこそ何故って感じだけど」
从;゚∀从「風狸のためなのか……?」
( `ー´)「3割くらいはそうかな? それだけなら他にやりようもあった」
(;´Д`)「まさか、センコさんの……?」
( `ー´)「流石村っち、気付いたんだね。仙狐の件での恨み……それも3割」
(;‘_L’)「残りの4割は何だというんですか……?」
( `ー´)「……仙狐だけではなく娘にまでこんな仕打ちをした怒り。絶対に殺してやろうと思った」
(;´Д`)「む、娘? うそっ!?」
从;゚∀从「一体どういうことだよ!?」
( `ー´)「最初から説明するよ」
843 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:52:56 ID:udmYCWYk0
( `ー´)「彼女と出会ったのは横浜の料亭で修業をしていた頃だった。 行きつけのカフェの店員さんでね……詳しい経緯は省くけど付き合うことになった」
(´<_` )「なるほど」
( `ー´)「暫くして、いよいよ独立して店を持ったんだけど……最初は全くうまくいかなかった。 僕は料理の腕は自信があるけど商売の才能はからっきしだからね」
(;‘_L’)「確かに、あなたに商売の才能はないですね」
(;´Д`)「もっと頼ってくれてよかったんだけど」
( `ー´)「今だったらみんなに頼って解決したんだろうけど、当時はみんなそんな余裕なかったから。 ある時ついに不渡りを出してしまいそうになって、その時に助けてくれたのがあいつだった」
(;´Д`)「らしいね。ニッくんが相当無理して融資したって聞いてたけど……」
从;゚∀从「あいつらしくねーなと思ってたが……まさか?」
844 :名無しさん [↓] :2022/03/05(土) 22:53:24 ID:BOzpSG5M0やっぱり親子だったんだ…
845 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:53:31 ID:udmYCWYk0
( `ー´)「うん、丁度その頃「もう着いていけない」と言って彼女は出て行った。 当時は何の関連性も見出せなかったんだけど、実はこれが――」
(;‘_L’)「ニッくんの差し金だった、と?」
( `ー´)「そういうこと。仙狐があいつの慰み者になることを条件に融資したんだとさ」
(´<_`;)「ひでぇ話だ……」
( ´_ゝ`)「まあ自分が大変な時に友人を助けられるような聖人には見えないしな」
( `ー´)「……彼女は一年後に出産し、その時に産まれたのが――」
从;゚∀从「風狸ってことか……!」
从´ヮ`从ト「……」
846 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:54:07 ID:udmYCWYk0
( `ー´)「産まれるまでは自分の子だと思ってたらしいんだけどね。血液型が違ったんだ。 だから僕の子だって気付いたんだって。その時に急激に熱が冷めて――」
(;‘_L’)「ま、さか……そのまま母子を放り出した、と?」
( `ー´)「うん、酷いよね。まあ、忽然と消えてしまった今までのメイドさんを思えばまだ優しいかな? ねえ中嶋さん、あの子達はどこに行っちゃったのかな?」
(; ,'3 )「……」
( `ー´)「そういうこと、みたいだよ? 本当に酷い男だよね」
(´<_`;)「……まさか、口封じに消していたとでも……?」
(;´Д`)「いくらなんでもそんなこと……中嶋さん!」
(; ,'3 )「……」
从;゚∀从「おいおい嘘だろ……」
(;´_ゝ`)「流石にそこまでとは思わなかったな……やっぱり中嶋さん絶対瀬藻さん殺せないじゃん」
(;‘_L’)「まさかとは思いますが、この別荘は本当はそのために……?」
( `ー´)「たぶんそういうことなんだろうね」
847 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:54:43 ID:udmYCWYk0
( `ー´)「彼女はその後、あいつからいくらかの手切れ金を貰って横浜に帰った。 訳あって親族との繋がりが殆どない彼女は、相当苦労したと思う。 それでも風狸と二人、何とか生きていった」
从;゚∀从「……」
( `ー´)「風狸が小学生の頃、あいつは再び二人の前に現れた。 やはり惜しいと思ったのか、あいつなりの歪んだ罪悪感からか、それはわからない。 わかっているのは、あいつは月一で現れては行為をし、金を置いて行った」
(;‘_L’)「……」
( `ー´)「風狸から見れば「母親を泣かせる悪いおじさん」という認識だったようだけど。 そんな関係が数年間続いた」
(´<_` )(認識が的確すぎるな……)
848 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:55:18 ID:udmYCWYk0
( `ー´)「関係に転機が訪れたのは2年前。……あいつが風狸に性的な興味を示した」
(;´Д`)「最悪だ……!」
( ´_ゝ`)「なるほど、反吐が出る」
从;゚∀从「……ごめん、生々しすぎて生理的に無理。吐きそう」
(;‘_L’)「右に同じです、故人に申し訳ないですが流石に友人やめます」
(´<_` )「こう言っちゃなんだが、死んでよかったな瀬藻さん……生きてたら全員で助走つけてぶん殴ってるわ」
(;´Д`)「……何も反論できない……ごめんね、風狸ちゃん……」
( `ー´)「……反応がまともすぎて救われるよ」
849 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:55:54 ID:udmYCWYk0
( `ー´)「仙狐はあいつに媚を売ってでも風狸を守ろうとした。 想像するだけで腸が煮えくり返るね……もう殺したのに」
( ´_ゝ`)「みんな同じ気持ちだと思うぞ」
(´<_` )「違うのは殺すのか警察に突き出すのかくらいか。 兄者なら徹底的に人格否定して心底から罪の意識を実感させた上で死なせてくれと言っても聞かずに自首させそうだが」
( ´_ゝ`)「ちと物足りないが最低限それくらいはな」
从;゚∀从「なんだそれ、ある意味殺すよりやべえな……」
( `ー´)「ああ……そんなことできる人がいるならそっちにすればよかったかな? それを知って今更ながらちょっと後悔してるよ」
( ´_ゝ`)b「状況が許せば中嶋さんにはやっちゃるからまあ喜べ」
(lll ,'3 )……
850 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:56:30 ID:udmYCWYk0
( `ー´)「で、最終的に仙狐は二人目の出産時に死んだ。赤ん坊と一緒にな。そして風狸はあいつに引き取られた」
从;゚∀从「風狸は拒否しなかったのか?」
从´ヮ`从ト「……どうせ同じだってわかってましたから」
( `ー´)「ここまでがあいつと風狸から聞いた話。いくら酔ってたってこんなこと僕に話すかよ普通? 結局のところあいつは友達みたいな顔をしてずっと僕を何もできないゴミだって見下してたんだ。 みんなとは違ってね」
( ´_ゝ`)「その驕りに足元掬われて地獄行き、なんとも寓話的な話だよ」
( `ー´)「僕が風狸と初めて会ったのはそれからのことだね。 あいつから新しいメイドとして紹介された時」
从´ヮ`从ト「……」
851 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:57:06 ID:udmYCWYk0
( `ー´)「……初めて風狸に会ったとき、僕の脳裏には仙狐の幻影がちらついた。 だから色々調べたり、あいつと二人で飲みに行って問い詰めたりもした」
从´ヮ`从ト「……」
( `ー´)「はぁ……もっと早く気付いてればって、後悔しかないよ。 そうしたら仙狐も生きてて、風狸もあいつの毒牙にかからなかったかもしれないのに……。 でも、三人で幸せな家庭を築くことはもうできない」
(´<_` )「だから殺した、と」
( `ー´)「正直、自分でも自分の感情がよくわからないんだ、ごちゃごちゃになっちゃって。 感情の向かう先として一番しっくり来たのがそれだったってだけ。無意味なのはわかってる」
( ´_ゝ`)「そりゃ、そんだけのことがあれば混乱もするわな」
852 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:57:42 ID:udmYCWYk0
( `ー´)「うん。正直すっきりした、っていうのが今の気持ちかな。 見事にバレちゃったことも含めてね」
(;‘_L’)「ネーノ、君は……」
( `ー´)「愛する人の本心にも、その後の危機にも気づけなかった。 そんな駄目な僕だけど、彼女が残してくれたものだけは守れた」
从;゚∀从「だが、風狸は殺人の共犯で……」
( `ー´)「え、何のこと? 鍵は閉め忘れただけ……違ったかな?」
( ´_ゝ`)「……いいや、何もおかしくはないな」
853 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:58:18 ID:udmYCWYk0
(´<_` )「ま、風狸ちゃんが関わったという証拠は何一つない……。 現状では俺らが根野さんを追い詰めるために推測を述べたに過ぎない」
( ´_ゝ`)「当の根野さんがそう言うならそうなんじゃないか? 知らんけど」
(;´Д`)「えええええ!?」
(; ,'3 )「そ、それは流石に……!」
(‘_L’)∩「あなたは黙っていて頂けますか? 殴りますよ?」
( ´_ゝ`)∩「成り行きで悪事を暴露したところ暴れたため、やむなく制圧か」
(; ,'3 )「……」
从´ヮ`从ト「中嶋さんをそんなに責めないであげてください。 どうせ全てを失った上で地獄に落ちるんですし」
从;゚∀从「お前、今めっちゃいい笑顔してるぞ……」
从´ヮ`从ト「?」
854 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:58:54 ID:udmYCWYk0
( `ー´)「……高ちゃん。こんな僕が頼むのは申し訳ないんだけど……」
从 ゚∀从「……任せろ、風狸は私が預かる。なあフィン?」
(‘_L’)「そうですね……それが一番良いですか」
从 ゚∀从「……風狸は、それでいいか……?」
从´ヮ`从ト「はい」
(´<_` )(心の傷が癒えるには時間がかかりそうだな……)
(;´Д`)「それなら高ちゃんは本当に信用取引やめてね? ニッくんから解放されたと思ったら二人して借金取りに……とかシャレにならないからね?」
( ´_ゝ`)/「「ご依頼お待ちしてます」」\(´<_` )
从;゚∀从「わ、わかってるよ……だから依頼はやめろよ? 絶対だぞ?」
855 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 22:59:30 ID:udmYCWYk0
( ´_ゝ`)「さて、これにて一件落着……と言いたいところだが」
(´<_` )「根野さん。一つだけわからないことがあるんです」
( `ー´)「ん? これ以上何かあった?」
( ´_ゝ`)「連絡手段を絶ったのは何故なんだ? あんたの目論見なら、むしろすぐに警察が来てくれた方が良いように思える」
(;`ー´)「あ、その件……!」
(;`ー´)「……実は、僕は何もしてないんだ」
(´<_`;)「え……?」
(;`ー´)「だから、一体誰がそんなことしたんだろうって不気味に思ってたくらいで……」
从;゚∀从「え、マジ……?」
(;‘_L’)「本当なんですか、ネーノ?」
(;`ー´)「うん……もしかして探偵の二人なのかなって思ってたくらいなんだけど」
(;´_ゝ`)「いや、俺らも心当たりがない……」
(;´Д`)「……それってどういうこと?」
856 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 23:00:51 ID:udmYCWYk0
(;´_ゝ`)「……根野さんとは別に、何かを起こそうとしてる人がいる……? あるいは、いた?」
(;´Д`)「嘘でしょ……?」
(;‘_L’)「一体誰が何を……?」
(´<_`;)「根野さん。あなたは何時から瀬藻さんの部屋に?」
(;`ー´)「え? ええと……起き出して施錠されても困るから、人目を盗んですぐに」
(´<_`;)「……そうなると、クルーザーの鍵は誰も使えない」
(;´_ゝ`)「いや、合鍵はどうだ?」
(´<_`;)「……中嶋さん、どうですか?」
(; ,'3 )「い、いえ……クルーザーの鍵については旦那様の持っているもののみです……」
(;´_ゝ`)「……根野さんと中嶋さんが嘘をついていないなら、一体どういうことだ……?」
(´<_`;)「罪が公になっている二人には、この期に及んで嘘をつく必要性は正直ない……」
(;´_ゝ`)「そうなると、可能だったのは瀬藻さんだけ……?」
(´<_`;)「不可能だろ、一晩中見張られてたんだぞ」
(;‘_L’)「……いえ、一つだけ可能性があります。むしろこれしかない」
857 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 23:01:28 ID:udmYCWYk0
(;´Д`)「そ、それは一体……?」
(;‘_L’)「……ニッくんです。整備すると言って船に残っていたでしょう?」
(;´_ゝ`)「確かに……」
(´<_`;)「でも何で瀬藻さんが……?」
从;゚∀从「……探偵が来てるからって演出しようとでもしたか?」
从;´ヮ`从ト「それなら中嶋さんが何も知らないのは流石におかしいのでは……?」
(; ,'3 )「そのようなことは一切伺っておりません」
(;´_ゝ`)……
(´<_`;)……
(;´Д`)……
(;‘_L’)……
从;゚∀从……
(;`ー´)……
(; ,'3 )……
从;´ヮ`从ト……
858 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 23:02:03 ID:udmYCWYk0
(;-_L-)「……」
(‘_L’)「……流石さん、少し三人だけでお話できませんか?」
(´<_`;)「えっ?」
从;゚∀从「フィン?」
(;´_ゝ`)「それは構わないが……」
(‘_L’)「ではすみませんがご同行お願いします。 村っち、高ちゃん。この場はお願いしますね」
从;゚∀从つ「あ、おいフィン!」
(´<_`;)「すみません村上さん、お願いします」
(;´Д`)つ「えっ、ちょまっ」
―――。
859 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 23:02:39 ID:udmYCWYk0
(‘_L’)「さて……最初に前提の確認です。 真理男さん、そのペンダントはどのように手に入れました?」
Case3「絶海の孤島にて」 Day2C「解決、されど」
To be continued...
861 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 23:03:51 ID:udmYCWYk0Case3-Tips19 村っちがそう言うなら
(;´Д`)つ「……」
从;゚∀从「あー……村っち?」
(;´Д`)「もう、急に任されても困るよ」
( `ー´)「安心してよ、僕はもう何もしないし……何なら縛ってくれてもいいよ」
从 ゚∀从「いらん。むしろ心配なのはそっち」
( ,'3 )「……」
(;´Д`)「ぅ……」
从 ゚∀从「風狸は絶対私から離れるなよ? 人質にでも取られたらかなわん」
( ,'3 )「……はあ、そのようなことは致しませんよ。 旦那様があのような形で亡くなった時点で、逃れられるものでもありません」
从 ゚∀从「まあそうだろうな。ヤケを起こす性格でもないだろうし……」
(;´Д`)(いや勘弁してよフィン、この空気どうしろっての?)
862 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 23:04:27 ID:udmYCWYk0
(´Д`)「……よし、夕飯にしよう」
从;゚∀从「……は?」
(´Д`)b「ネーノも中嶋さんも何もしない、だったら一緒に夕飯の準備をしても問題ないよね?」
(;`ー´)「え、流石にそれは……」
(; ,'3 )「……正気ですか、村上様」
d(´Д`)「うん、このまま睨み合ってても仕方ないし……。 風狸ちゃんもお腹空いたでしょ?」
从´ヮ`从ト「あ、いえ……」
(´Д`)ノ「僕が責任持って監督するからさ! ご飯にしようよ!」
从 ゚∀从「んー……まあ、村っちがそう言うなら……」
从´ヮ`从ト「……そうですね」
( ,'3 )「……まあよろしいでしょう」
( `ー´)「うーん……やっぱり村っちは凄いな……」
863 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 23:05:02 ID:udmYCWYk0Case3-Tips20 「鹿狩り」の香那
( l┴l)「いらっしゃいませ!」
( ゚∋゚)「あ、どもっす」
( l┴l)「ん……? おお、クックルじょん! 超久しぶり!」
( ゚∋゚)「相変わらずテンション高いっすね」
( l┴l)「はは、お前は相変わらず落ち着いてるな!」
( ‘∀‘)「おお、噂の山ちゃん先輩?」
( l┴l)「む……どちら様? 彼女?」
( ^∀^)「ガハハ! こんなオバチャンがこんな若い子の彼女なわけねーだろ!」
(; l┴l)「ええ? 見たとこ俺と同い年くらいに見えるけど」
( ゚∋゚)「こう見えて35っすよこの人」
(; l┴l)「マジか!? いやーお若いっすね!」
( ‘∀‘)「最近よく言われるなー。周り爺婆ばっかでよくわからん」
( ゚∋゚)「Linerでちょっと書いた猟師さんっす」
( l┴l)「あー! 鹿狩りの!」
( ‘∀‘)「おー、なんか二つ名みたいでかっこいいな」
( ゚∋゚)「かっこいいですかね……?」
864 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 23:05:38 ID:udmYCWYk0
( l┴l)「で、今日はどうしたん?」
( ゚∋゚)「こちらの御前さんがお兄さんに会いにいくついでに筆府の案内を頼まれまして」
( ‘∀‘)「いやー流石都会の店! 面白そうなもんいっぱい置いてるなー」
(‘∀‘ ≡ ‘∀‘)
( l┴l)b「ガチ登山用具から面白系までバッチリ取り揃えてるっすよ!」
( ‘∀‘)ノシ「んじゃちょっと見させて貰うわー。若い二人はごゆっくり」
865 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 23:06:14 ID:udmYCWYk0
( l┴l)「来るなら連絡くれりゃよかったのに」
( ゚∋゚)「うーん、結構直前まで来るか迷ってましたからね」
( l┴l)「そうなの?」
( ゚∋゚)「はい。結局何となく着いてきましたけど」
( l┴l)「もしかして……あの人に惚れてんの?」
( ゚∋゚)「あ、そういうのいいんで」
( l┴l)「あっ、うん。じゃあ特に目的もない感じ?」
( ゚∋゚)「そうっすね。流石先輩の事務所は行ってみようかと思ってますけど」
( l┴l)「あー、それは間が悪かったかも。今日は絶海の孤島だってさ」
( ゚∋゚)「何すかそれ、如何にも事件でも起こりそうな……」
( l┴l)「だよな!? いやー聞いた時は笑っちまったよ!」
866 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 23:06:50 ID:udmYCWYk0
( ゚∋゚)「海かー……」
( l┴l)「おん? 海行きたい感じ? この時期寒くね?」
( ゚∋゚)「雪山ほどじゃないっすけどね」
( l┴l)「そらそうだ!」
( ゚∋゚)「たまには海に旅行でも行きたいなって最近ちょっと思いまして」
( l┴l)「あー……山に籠ってるとそういう時もあるな」
( ゚∋゚)「いや別に山に籠ってるわけじゃないんですが……」
( l┴l)「うん? まあそうか」
( ‘∀‘)ノシ「おーい! これ会計頼む!」
( l┴l)「あ、はい、ただいま! ……って多っ!!」
( ‘∀‘)「あー……何か見てたら色々欲しくなっちゃって」
(;゚∋゚)「うわ、多いですね……」
( l┴l)「ありがてえ! おまけさせて貰います「鹿狩り」さん!」
( ‘∀‘)「マジで? 助かるわー」
867 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 23:07:26 ID:udmYCWYk0Case3-Tips21 快気祝い
【中華料理 白虎飯店】 _,,.. -‐ '' "´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|::::::::|:::::::::::: >''":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|::::::::|:::::::::::: | ::::::::;′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.中 華 料 理 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|::::::::|r≦..... |:::::: ;′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|::::::::|∨....... |:::: ;′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|::::::::|::∨..... |::::;′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |::::::::|::: ∨.. |::;′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: |__:|:::::::∨ 7:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._竺三二ニ===--─ \:::::::∨:::::| ;′:.:.:.:.:.:.:_竺三二ニ===-‐==冖ニ二三 ̄ \',::::::::',:::: | ;二三 ̄::::::::::::::| | | _____',::::::::', : |  ̄ ̄`゙'、:::::::::::::| | |  ̄ ̄ ̄ ̄ |::::::::|::::| ∨::::: : | | |_竺三二ニ===--─===L:::_:|::::| | : :::::::|__________-=三二ニ===--─===冖ニ二三 「 .|::: : |::::| | : :::::::| r‐‐‐‐‐‐「 ̄ ̄ ̄ | | 白虎飯店 .|:. |::: : |::::| | : :::::::| |------.|---|㍾㍽ | | | | | .| :.|::: : |::::| | : :::::::| |_f!..rュ..|__.|㎏㎡| . | | | | | .|: :|::: : |::::| | : :::::::| |___,,,,,.:'´爻rァァ入.!___|__..|__..|____.!____.|: :|::: : |::::| | : :::::└―爻爻爻爻爻爻爻爻爻 .|:.:.:.:.:.:.:|:.| |:.|: ::.:.:.: |::: : |::::| ,'三三|彡爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻, .|:.:.:.:.:.:.:|:.| [|:.|: ::.:.:.: |::: : |::::| /:|三三|彡爻爻爻爻爻爻爻爻爻爻, .|:.:.:.:.:.:.:|:.| |:.|: ::.:.:.: |::: : |::::| ./:: |三三|彡爻;爻爻爻:爻爻爻爻爻ソ .|:.:.:.:.:.:.:|:.| |:.|: ::.:.:.: |::: : |::::| / _{ ̄三[二爻;爻;爻;爻;爻;爻;爻;爻'´ .|:.:.:.:.:.:.:|:.| |:.|: ::.:.:.: |::: : |::::| { : : : : : : : ≧ェ。。.⌒;爻;爻;爻;爻爻⌒_ └---:.:|:.| |/77777!:::::::|::::| `¨^^ ー : : : : : : `≧s。.{⌒__>''": : : :.|_.. ..|:.ト _ || | | | |..;:::::::;: : | `¨^^ ー : : : : : :.|: : : >''"  ̄`ト≧s。._ ̄ ||:::::::::::::;:::::::;:: : | `¨^^^¨´ /::::::::::::::::::....... .|ト-- 、√:::;:::::: |
868 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 23:08:02 ID:udmYCWYk0
リ `⊿´)「いらしゃいませー!」
( ^ω^)「えーと……」 _ヾ( ゚∀゚)y-゚「おう、ここだここだ」
('A`)y-゚「おっ、主役の到着だ」
ξ゚⊿゚)ξ「遅かったじゃない。ちょっと心配したわよ?」
(;^ω^)「ごめんお、自分で思ってるより体力落ちてて時間かかっちゃったお……」
ξ゚⊿゚)ξ「別に無事ならいいわ。……あんまり心配させないでね?」
(;^ω^)「は、はいだお……」
('A`)y-゚(うわー何かノッケから二人の世界に入ってるんだが) _( ゚∀゚)y-゚「んで何食うよ? やっぱチャーハンか?」
( ^ω^)b「豚バラチャーハンはマストだお」
('A`)「お前ホントそれ好きな」
( ゚∀゚)ノシ「すみませーん!」
リ `⊿´)「はーい!」
869 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 23:08:37 ID:udmYCWYk0
リ `⊿´)「お待たせしました! 生4つ!」 _( ゚∀゚)つ|_|「おっ、来た来た!」
ξ゚⊿゚)つ|_|
( ^ω^)つ|_|
('A`)つ|_|「えー、それではブーンの回復を祝って……乾杯!」
,. -‐==、、 ,. ===、、 o ○o. i :::ト、 _,/ `ヾ´´`ヽ、 ゚ .l :::ト、\乾杯! // .::::/ :::::!===l :::|ス. ', /./ .::::/ ::::l | __ ..... _::::|} ヽ l-、. ,ィク ,'..__ .::::/ ::::l :l '´ `)'`ヽ ヾ;\ /::{゙ ヽ、 ``丶、;/‐‐- 、::::l `'::┬‐--<_ } ./;:::::\ /::::::::! ,>---‐'゙ー- ...__)イ ,. -‐‐-、ト、 |l::ヽ /;';';';';::::\. /|::::::;';';'\/} (ヽ、 _/| (´ _,.ィ!::ヽ. ヾー'´;';';';';';';';';:: /ヽ、
_( ゚∀゚)「いやーそれにしても元気になってよかったな」
ξ゚⊿゚)ξ「ほんとね。中々回復しなくて、先生が変な汗かいてたし……」
('A`)「あー……(医者も気の毒になあ……どんな風に脅されたんだろ?)」
( ^ω^)「おっおっ。それもこれもみんなのおかげだお」
870 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 23:09:12 ID:udmYCWYk0
リ `⊿´)「お待たせしました! エビ卵炒め!」
ξ゚⊿゚)ξ「私これ好きなのよねー」 _( ゚∀゚)「おう、シンプルにうまいよな」
('A`)「ここのは椎茸入ってるから化学調味料と相まって旨味が暴力」
(*^ω^)「うめ、うめ……!」
リ `⊿´)「お待たせしました! 豚バラ青菜チャーハン!」
_( ゚∀゚)「ガッツリなチャーハンといやこれだな!」
ξ゚⊿゚)ξ「流石に脂っこいから私はお酢かける派」
('A`)「チャーハンにお酢もいいよな。あー……やっぱ青菜だわ。青菜うめえ」
(*^ω^)「うめ、うめ……!」
リ `⊿´)「お待たせしました! 青菜炒め!」
(*'A`)「ほほほ、これよこれ。シャキシャキおいしい」 _( ゚∀゚)「ツマミに丁度いいぜ」
ξ゚⊿゚)ξ「これほんとお手軽においしいわよね」
(*^ω^)「うめ、うめ……!」
871 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/03/05(土) 23:09:48 ID:udmYCWYk0
リ `⊿´)「お待たせしました! 回鍋肉!」
_( ゚∀゚)「うおおお! ご飯が進む! やはり肉!」
('A`)「相変わらず食うなあ……キャベツうまうま」
ξ゚⊿゚)ξ「お腹いっぱいになってきたけど箸が伸びちゃうのよねぇ……」
(*^ω^)「うめ、うめ……!」
_( ゚∀゚)「いやー食った食った!」
('A`)「めっちゃ進んだ米と意外と進んでない酒」
ξ゚⊿゚)ξ「あんた達中華だといつもそんな感じよね」
(*^ω^)「あ゛~……久々の中華、最高だお」
('A`)「医者がチャーハンの話してきたんだっけ?」
( ^ω^)「そうなんだお! だから退院したら中華行くって決めてたんだお!」
('A`)「それでいいのかトンカツ屋店員」
( ^ω^)「あっ、お昼は大将に挨拶がてら小豚だったお」
ξ゚⊿゚)ξ「病み上がりでそんなに食欲旺盛とか流石ね」 _( ゚∀゚)b「元気でいいじゃん? HAHAHA!」