53 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 19:47:36 ID:x7V4j8Ns0前回のあらすじ・そうですね。千手様は古くからこの地域を守ってきたと言われています・ま、心に留めておくと良いのですわ。気づいたら蒸し鶏に、なんてことのないように・増田弘子? そら知っとるけど……何や知り合い?
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ | 流石だよな、俺ら | \_ _____ __/ V V d( ´_ゝ`)人(´<_` )b \ /. \ / l l l l //l | | l\\  ̄  ̄.  ̄  ̄
【標準AA環境】
※右のAAのズレない環境が標準です。 | |\|/ | | | | ∧ ∧ |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ | |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|
54 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 19:48:16 ID:x7V4j8Ns0Case7-Day2B========冂======================冂==================冂== ノ ̄ ̄ ̄.ノ ̄ ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄| ノ 千 ノ ノ 手 | ノ 食 ! ! 堂 | `'─-─-''-─-─'└─-─└-─--'└-──└-─--┘─-─--┘ | :| | | | | | | | :| |i | | | | | | | |:. ,| _ |:. ,| | | | | | | | :| |営| |:. ,| | | | | | | |.i .| |業| |i | | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | |:. ,| |中! | :| | | | | | | | i| ゙ ̄ |i | | | | | | | | :| |:. ,| | | | | | | |i | | :| | | | | | | |, :.| ____|:. ,| |_|______|_|______| | | i|____
55 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 19:48:52 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「ふぅ、うまかった」
(´<_` )「熱い時にキンキンに冷えたやつは正義だなマジで」
( ゚∋゚)「貝出汁にゆずの香りが最高だったっすわ」
( ´_ゝ`)「そこにネギとイカ天とくりゃそりゃうまいわ」
(´<_` )「さて、それで午後どうする?」
( ´_ゝ`)「とりあえず一旦宿戻るか」
(´<_` )「うん?」
( ゚∋゚)「まーちょっと食休みもいいかもっすね」
(´・_ゝ・`)「じゃあ戻りますか。また案内必要なら呼んで頂ければ」
( ´_ゝ`)「うぃ」
56 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 19:49:32 ID:x7V4j8Ns0【客室】 | || | | | ⊂⌒⌒⌒フ | | | : :| | | | || | | |  ̄ ̄ ̄ | | | : :| | | | || | | | ⌒⌒ | | | : :| l | | || | | | ⌒⌒ | | | : :| l | | || | ⊂ニ⊃ | | | | | : :| l |__| || | | | | | │ : :l | ||  ̄| || | | | __| l=ニ三三三三三| : :| | || | || | ―― ――― ―‐ | |――――――――― ――=≦三三三| |三三三三三三:| : :| || || | || |________________| | ~~ r‐夬‐ァ | |_三三三三三三| : :| ||| || | || 「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`| | ~  ̄ ̄ | 「 ̄ ̄ ̄厂 ̄ ̄ \____,ノ|| || | ||二二二二二二二二二| | ~ ~ | |二二二二二二二{___} || || | || |三三≧、 ~ | | ~ ~ | | ノ / .:| l || || | ||二二二二二二二二二| | | |二二二二二二 / :| l || || | || |三三三三三\_____,| |~~~~^~~~~~'~~~~~~'| |: : : : : : : : : : : : :| :| l || ||_ | || | / ̄\ | | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | | / ̄\:| l || ||  ̄| ||ニニ| ヽニニニニ| | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | |ニニニニニ/ / │ l: || || | || | | /{ヽ______,|_|__ : : : : : : : : : _____: : : : : : : : :. :._|_|____/ /{ | l: || || | ||_|___|================ミヽ___/________\____/ , ================| l: || || | ||___| ヽ}__|______________|__/ / | :l: || || | | | | | | | { | | :l:..|| || /――――――――| | ― | | ――――― | | ―ト、__| |___,ノ|| ||/ ____ | l | | | | | | | ||―――――|\. // ̄\ | 二二二二二二二二二ニニ二二二二二二二二二二 |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \\ | / ヽ |________ 二二二二二二二二二ニニニニニニニ二二二二二二二 ____________| / ̄ ̄\\_| | |_______ 二二二二二二二二二二二ニニニニニ二二二二二二二二二 _______/ \ ∨ | 二二二二二二二二二二二二ニ二二二二二二二二二二二二二二 / / /.. ∨ | 二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二 / / /. ∨ | 二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二 | / /
57 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 19:50:09 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「さて、作戦会議といこうか」
(´<_` )「その口ぶり、盛岡さんに仕掛けたか?」
( ´_ゝ`)「プラス清浦さんに仕掛けた」
(´<_` )「おっと、それは思い切ったな……」
( ゚∋゚)「あれ、依頼の件話したってことっすか?」
( ´_ゝ`)「ああ。実家がこの辺だって聞いたことあるって体だけどな」
(´<_` )「それで?」
( ´_ゝ`)「素直に受け取るなら"帰ってきてない"んだが、なーんかおかしいんだよな」
( ゚∋゚)「何がです?」
( ´_ゝ`)「清浦さん、増田さんが神奈川にいたの知ってたみたいなんだよね」
(´<_` )「マジか。となると……」
( ´_ゝ`)「いつ知ったのか、だよな」
( ゚∋゚)「ずっとこの町にいるわけじゃないみたいっすから、神奈川行った時にでも会ったんじゃ?」
( ´_ゝ`)「そこでもう一つ気になったのが盛岡さんが知らなかったこと」
(´<_` )「どういうことだ?」
58 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 19:50:53 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「盛岡さん、彼女と結構親しかったっぽいんだよね。でも知らない」
(´<_` )「それは……清浦さんは誰にも言っていないってことか?」
( ´_ゝ`)「そういうことかと思う。行方不明の女の子見つけてそんなことあるか?」
( ゚∋゚)「……考えにくいっすね」
(´<_` )「彼女が口止めした可能性は?」
( ´_ゝ`)「それにしちゃ口ぶりがおかしかったな。そういえば、とごく普通に出てきた」
( ゚∋゚)「口止めされてたのを忘れてた、とか」
( ´_ゝ`)「なくはない。が、薄いかな」
(´<_` )「そもそも会ってたのをその時思い出した、とか」
( ´_ゝ`)「それはない。彼女のこと"当然知ってる"って言ってたからな。 実は彼女、ここいらでは割と有名人なんじゃないかと思う。そこは後で裏取るとして……」
(´<_` )「……帰ってきてるがそれを隠している?」
( ´_ゝ`)「可能性は十分あると感じた」
( ゚∋゚)「待ってください。それだったら不用意に神奈川にいた話を出すのはおかしくないっすか?」
( ´_ゝ`)「隠し事してる時って隠そうとしている部分以外は疎かになりがちなんだよ。 "今"を隠そうとして"過去"のガードが緩くなる可能性は十分ある」
59 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 19:51:49 ID:x7V4j8Ns0
(´<_` )「うーむ……」
( ゚∋゚)「仮にそうだとして、どうします?」
( ´_ゝ`)「……差し当たり盛岡さんを巻き込もうかと思うんだ。 人となりは十分わかったし、増田さんの件についてはマジで何も知らなそうだからな」
(´<_` )「まあ、アリだな。それで?」
( ´_ゝ`)「ひとまず実家を当たりたい。あとはうみねこの家の施設とかあればそっちも」
( ゚∋゚)「施設は見学って体でいけそうですけど、実家の方は?」
( ´_ゝ`)「盛岡さんから言ってもらえば何とかなるんじゃないか?」
( ゚∋゚)「なるほど……」
(´<_` )「そうと決まれば早速盛岡さん呼ぶか?」
( ´_ゝ`)「そうしよう」
―――。
60 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 19:52:26 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「――とまあそういうわけなんだが」
(;´・_ゝ・`)「ええと……待って、いきなり色々言われて混乱してる」
(´<_` )「ですよね」
(;´・_ゝ・`)「確かに僕もあれっ? とは思ったんだよね……」
( ゚∋゚)「清浦さんっすか」
(;´・_ゝ・`)「うん。行方不明なのにあんなこと言ってるんだもん」
( ´_ゝ`)「そりゃ盛岡さんの立場じゃそうなるよな」
(;´・_ゝ・`)「……ふう。でもお陰で初心に帰れたよ」
(´<_` )「初心というと?」
(´・_ゝ・`)「……そもそも、色々おかしいと思ってたんだよ……彼女"達"の失踪は」
61 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 19:53:02 ID:x7V4j8Ns0
(´<_` )「彼女"達"ですか……」
(´・_ゝ・`)「うん、そう――です」
( ´_ゝ`)「あーもういいよ敬語とか。こっちも腹割ったんだしざっくばらんにさ」
(´・_ゝ・`)「……そうだね……わかった」
( ゚∋゚)「それで、どういうことなんすか?」
(´・_ゝ・`)「彼女がいなくなったのは8年くらい前だけど。12年前にも失踪事件があってね」
( ´_ゝ`)「ほほう?」
(´・_ゝ・`)「五人が失踪した大事件だったんだけど」
(´<_` )「……そういえば聞いたことありますね。出版社の社長が家族ごといなくなったんだっけかな? 漁師町の二家神隠し……この町の事件だったのか……」
( ゚∋゚)「えっ、そんな事件あったんすね」
(´・_ゝ・`)「あったんだよ。出版社の社長と大学教授、その家族が一斉にいなくなった。 出版社の事務所に争ったような形跡があったことから、警察は何らかの事件に巻き込まれたとみて捜査していた」
( ´_ゝ`)「出版社と大学教授ねぇ……反社に都合悪い本でも出そうとしてたか?」
(´・_ゝ・`)「その辺はいまいちはっきりしないって話だね。 いなくなった大学教授の雨霧さんは民俗学の研究者だったから、 反社に都合が悪いっていうのもピンと来ないんだけど」
62 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 19:54:46 ID:x7V4j8Ns0
(´<_` )「雨霧……? それって……」
(´・_ゝ・`)「……うん、朝方会った雨霧さんは失踪した教授の娘を自称してるんだ。 全くふざけた話だよ、僕も彼女は知ってるけど断じてあんな狂った人間なんかじゃない」
( ´_ゝ`)「……その事件で狂っちゃった、とか?」
(´・_ゝ・`)「それは……それでも、あんな他人の迷惑を考えないなんて」
( ゚∋゚)「……警官の端くれなんで言いますけど。いるんすよね、壊れちゃう人って。 端から見れば些細な事件でも。ましてやそんな大事件なら……」
(´・_ゝ・`)「それは……しかし……なら何で警察は……」
( ´_ゝ`)「まあ一旦それは置いとこうか。それで?」
(´・_ゝ・`)「その事件の折、うちの宿に怪しげな外国人が泊まってたんだ。 父が言うには、自称大学教授で雨霧さんの友人という話だった」
( ゚∋゚)「うわめっちゃ怪しい」
(´・_ゝ・`)「そうなんだよ。で、その男。事件のあった夜に金だけ置いていなくなった」
(´<_` )「……それもう殆ど関係してますって言ってるようなもんですね」
(´・_ゝ・`)「だよね。警察もそれは知ってるはずなんだけど……」
( ゚∋゚)「……十年以上何もなし、と」
(´・_ゝ・`)「そういうことになるね」
63 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 19:55:22 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「そこまではわかった。それで? 増田さんの失踪とどう繋がるんだ?」
(´・_ゝ・`)「……直接的な関係はないんだ、これがね。でも、強烈な既視感があってね」
(´<_` )「それは……?」
(´・_ゝ・`)「彼女がいなくなった夜にもね、いたんだよ」
(;゚∋゚)「えっ、まさかその外国人が……?」
(´・_ゝ・`)「ではないんだけど。不審な宿泊客が」
( ´_ゝ`)「どう不審だったんだ?」
(´・_ゝ・`)「自称"フリーのカメラマン"の屈強な男だったね」
( ´_ゝ`)( ゚∋゚)((それ冨竹じゃね??))(´<_` )
(´<_` )「つかぬことを伺いますが、帽子被ってませんでした?」
(´・_ゝ・`)「えっ? 帽子は被ってなかったかな。……心当たりの人でも?」
( ´_ゝ`)「ちょっと心当たりある。ちなみにメガネは?」
(´・_ゝ・`)「かけてなかったけど?」
( ´_ゝ`)「ありゃ?」
64 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 19:56:00 ID:x7V4j8Ns0
(´・_ゝ・`)「竹葉不明門を名乗ってたけど、一体何者だったんだか……」
( ´_ゝ`)「寡聞にして聞き覚えないがめっちゃ偽名っぽいな」
( ゚∋゚)「その人もいなくなったんすか?」
(´・_ゝ・`)「うん、そっくり同じように金だけ置いていなくなった」
(´<_` )「うーむ……」
( ´_ゝ`)「それ、同一人物って可能性は?」
(´・_ゝ・`)「えっ? うーん……外国人はガリガリ、カメラマンは筋骨隆々だったから流石にないと思うけど」
( ´_ゝ`)「ふむ……」
( ゚∋゚)「関係ないんじゃないっすか? 彼氏の話によると家出なんすよね?」
( ´_ゝ`)「一概にそうとは言い切れんな。ちなみに増田さんも攫われそうな理由があったのか?」
(´・_ゝ・`)「それが、あんまり。町の有力者の娘だったのは確かなんだけど」
(´<_` )「有力者、ですか?」
(´・_ゝ・`)「千手神社の神主さんだよ。今の町長でもある」
( ´_ゝ`)「思った以上に有力者だった」
65 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 19:56:38 ID:x7V4j8Ns0
(´<_` )(そして神社か……)
( ´_ゝ`)(神社ねぇ……)
( ゚∋゚)「でもやっぱり攫われたんだとしたらその後が意味わかんないっすよ」
(´・_ゝ・`)「それは僕も話を聞いて思った。今まではずっと攫われたものだと思ってたんだけどねぇ……」
( ´_ゝ`)「まあ前段の事件のショッキングさを考えたら結び付けちゃうのはわかる」
(´<_` )「そっちも何も進展ないんですか?」
(´・_ゝ・`)「全くもって。警察も何をしてるんだか」
( ゚∋゚)「争った形跡もあったならいくらなんでも真面目に捜査してると思いますけど」
( ´_ゝ`)「そうだな。神奈川県警だと疑わしいと思ってしまうが」
(´<_` )「神奈川県警は色々やらかしてるからな……今の筆府署は信頼してるが」
(´・_ゝ・`)「あー……確かによく聞きますね、神奈川県警の不祥事」
( ´_ゝ`)「それはそれとして。真面目に捜査してるんじゃないかな」
(´<_` )「圧力でもかかってなきゃな」
( ゚∋゚)「圧力……」
66 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 19:57:19 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「圧力かかるような要素あんまなさそうだけど」
(´<_` )「そもそもの発端が圧力っちゃ圧力っぽいだろ」
( ゚∋゚)「捜査邪魔できるような圧力があるなら出版の方に圧力かけません?」
(´<_` )「一理ある……」
( ´_ゝ`)「そうなるといまいち権力に噛めてないが暴力には定評のある組織、が犯人像かな」
( ゚∋゚)「思い当たる組織あったりします?」
(´・_ゝ・`)「うーん……正直思い当たらないな。暴力団とかもこの町にはいないし……」
( ´_ゝ`)「……漁協とかは?」
(´・_ゝ・`)「漁協なら出版差し止め交渉から入るだろうから、話が耳に入ってると思う」
(´<_` )「……神社とか?」
(´・_ゝ・`)「各々信仰してるだけだから、組織立ってどうこうとかはできないんじゃないかな」
( ゚∋゚)「……うみねこの家は?」
(´・_ゝ・`)「喧嘩くらいならあるけど……それ以上の暴力沙汰とかは聞いたことないね」
( ´_ゝ`)「ふむ……」
67 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 19:57:56 ID:x7V4j8Ns0
(´<_` )「……竜宮会、という宗教団体に聞き覚えは?」
(´・_ゝ・`)「竜宮会? 聞いたことないな」
( ´_ゝ`)「なるほど。他のカルト団体とかは?」
(´・_ゝ・`)「皆が千手様を信仰してるこの町で?」
( ´_ゝ`)「うーん……ないか?」
(´<_` )(ってかサラッと言ったけど皆が信じてるのか……凄いな)
( ´_ゝ`)(やっぱりちょっとクサいけどなあ……組織化されてないってんじゃな。 神社関係が神社の娘攫うってのも意味わからんし)
( ゚∋゚)「やっぱ誘拐とかではないんじゃ?」
(´・_ゝ・`)「そうなのかな……」
lコ⊂(´<_` )「ちなみに竹葉という男はこの写真の人ではないですよね?」
(´・_ゝ・`)「体格は近いけどもうちょっと背が低かったかな? あと、顔つきはもっと精悍だったと思う」
(´<_` )「うーむ、そうですか」
( ゚∋゚)「逆に、家出する原因は心当たりないんすか?」
68 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 19:58:32 ID:x7V4j8Ns0
(´・_ゝ・`)「親御さんとうまくいってなかったらしい、としか」
( ´_ゝ`)「どううまく行ってなかったんだ?」
(´・_ゝ・`)「さあ、詳しくは話してくれなかったから。 長らく父子家庭だったから色々大変だったみたいだよ」
(´<_` )「父子家庭?」
(´・_ゝ・`)「お母さんは出産の際に亡くなったとか……」
( ゚∋゚)「地元で信仰されてる神社の家なら地域の支援も厚かったんじゃ?」
(´・_ゝ・`)「それはそうだね。それでも難しいもんさ」
( ´_ゝ`)(田舎で特殊なご家庭だと色々となー……)
(´<_` )「何かあったんですか?」
(´・_ゝ・`)「まあ、母親がいないことで揶揄われたりはしていたよね」
( ´_ゝ`)「子供って残酷だよなぁ……」
(´・_ゝ・`)「お父さんが他所の人だったから大人たちまで余計なこと言ったりね」
( ゚∋゚)「うわぁ……」
69 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:02:31 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「でも今じゃ町長になるくらい皆に信頼されてるんだな」
(´・_ゝ・`)「気配りが凄い人だから。少しずつ信頼を積み重ねていったね」
( ゚∋゚)「そんな人なら、親子関係に一体どんな問題が……?」
(´・_ゝ・`)「さっきも言ったけど、本人が詳細を語らなかったからわからないんだよ、これがね」
(´<_` )「肝心なところが……」
( ´_ゝ`)「本当に何も心当たりないのか?」
(´・_ゝ・`)「うーん……ないね、正直」
(´<_` )「町長さんの言動で気になったことなどは?」
(´・_ゝ・`)「……強いて言うなら、余所者贔屓かな? 自分が余所者だからだろうけど」
( ´_ゝ`)「それはそうだろうな」
(´・_ゝ・`)「あとはそうだな……彼女がいなくなった当初こそショックを受けてたけど、 その後は意外とあっさりしてたというか」
( ゚∋゚)「え? そうなんすか?」
(´・_ゝ・`)「組合長とかは結構警察に文句言ってたんだけど逆に諫めたりとかね」
( ´_ゝ`)「なるほど……」
70 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:03:07 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「清浦さんと言えばさっきは結局何しに行ったんだ?」
(´・_ゝ・`)「む……その話かい。雨霧さん、うみねこの家の人とは特別仲が悪くてね」
(´<_` )「えっ、まさか……」
(´・_ゝ・`)「昨日の喧嘩騒ぎは彼女だったそうだよ。聞いた話だとね」
( ゚∋゚)「うわぁ……」
( ´_ゝ`)「えっ、折られた人屈強な男だと勝手に思ってたんだけど違った?」
(´・_ゝ・`)「現役漁師じゃないからそこまで屈強じゃないけど、男ではあるね」
(´<_` )「なかなかイカレた女みたいだな……」
( ゚∋゚)「それ、警察には?」
(´・_ゝ・`)「喧嘩騒ぎなんて日常茶飯事だから一々届けないよ。 組合長なんか相当怒ってたみたいだけど、一応相手女性だしね」
( ´_ゝ`)「そんじゃ殴り返しに行くかともならなかった、と」
(´・_ゝ・`)「闇討ちされたんでもなきゃ、流石にかっこ悪すぎるからね」
(´<_` )(理解できん世界だな……)
71 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:04:22 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「んー、一旦情報共有としてはこんなとこか」
(´<_` )「正直謎が増えちまった感しかないが……」
( ゚∋゚)「比較的怪しげなのはその雨霧さんとうみねこの家っすかね」
( ´_ゝ`)「あとは神主さんの話も聞きたい」
(´・_ゝ・`)「それぞれ話を聞きに行く感じかな……?」
(´<_` )「そうですね」
( ´_ゝ`)「どうアプローチすべきかは正直悩むけどな……」
(´<_` )「どこから行く?」
( ゚∋゚)「一番考えなしで行けそうなのは雨霧さんっすかね?」
( ´_ゝ`)「そうだな。そもそも考えたところでまともな会話になるとは限らんし……」
(´<_` )「んじゃとりあえず突撃しとくか?」
( ´_ゝ`)「……向かいながら考えるか。案内よろしく」
(´・_ゝ・`)「うーん、雨霧さんかぁ……気は進まないけどわかったよ」
72 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:05:00 ID:x7V4j8Ns0【山中】:ヾゞ;;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾ /;;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞ |ii;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞヾ;ゞヾ:ヾノ;;ヾ ヾゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾ ヾゞ;| <;;/::ヾゞ;;ゞ:;ヾ:ヾ;;>;ゞ;;::iiゞゞ;;ゞゞ;;ゞヾ;;>;ゞヾ;ゞゞヾ ;ゞゞ;ゞiilヾ;ゞゞ゙ゞ;;:::ii| |;:ヾゞ "ヾゞヾ;ゞゞノヾゞ:ヾヾiii| <:;ヾ:ヾ;;>ヾ;ゞ'';ゞヾ;ゞ|;:ilヾ \ |::;ii| ヾ;ゞゞ''ノヾ|;:i| ノヾゞ:ヾヾ::ヾ\ |i;;:iii| /;;ゞ :;ヾ:, |i;ゞゞ|;:i| \`'';:::ii| ヾ:ヾ;;>;ゞヾ| |;:i|/^ '|i| |;:i| \`";;::ii| ノ / :ヾ;;>ヾ;ゞ ;ゞヾゞ|;:i| ゙ヽ,;:;;;l| /゙;ゞゞ;ゞ:::ii| |;:i| |i| |;:i| ~|ii;;:ii"´/ |;;::ii| |i|/|;:i| |:::;iii~ ノ ,,|;;::ii| |;:i| |i| |;:i| |i::;;iii|~ .|;;::ii| ''\|i|':;,`:ヽ|/,'|:;:;ii|:,:;*.,:;/.:::;.:":::"''''⌒ヾゞ γ''"""''""''"' |ii;;i;('')''"''''"""''"""'''''"""''";*'.:.:;”:;゙|:;;iii|`:;,':,*”:;:;.,:;.:;'.:.:;”:;ヾヾ)) ((,:ソミ;.:';';';::;.:". |i;;;::;iii|`:;,':,:;.,:;.:;';',: ':::;.:".:;.:';.:;”:`:;,' *”|:;:;ii|:,:;*.,:;/.:::;,':,*”:;:;.,:;.:;'.:ソ "''~`''"゙"'''~ノ;;ii;:iilli;ゝ"''~`''"゙"''~`''"゙"''~゙"''~`''"゙ ノノシillゝ"''~`''"゙"''~`''"゙"''~ "'''''''''''''''" ..,,、vji、iijww、ii.., "'''''''''" '""'''""'""" ,..,.,.,.,、 ,..,.,.,.,、 ''''""'"'''""";;;ゝ);;));ヾ;;) ,..,.,.,.,、 ''"""~))ゝ;;;ミ,,、,,;;;ゝ;;)ゝ))ゝ;;;) ;;;)ヾミゞ((;;;ゝヾ;⌒;;) iijww、ii. """~" ''"""~ヾミ;ソ(;;;ゝヾ;))ゝ;ミ;;(::;ゝ;;;)) ,..,.,.,.,、
73 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:05:36 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「えっ、普通に山ん中じゃん」
(´・_ゝ・`)「そうだよ?」
(´<_` )「さっき言ってただろ」
( ´_ゝ`)「いやそうだけど」
( ゚∋゚)「まあ登山ってほどの山でもないですし」
( ´_ゝ`)「そーいうことじゃなくてさあ……」
(´・_ゝ・`)「まあ気持ちはわかる。何でわざわざ山の中に、って思うよね」
(´<_` )「何か理由でも?」
(´・_ゝ・`)「わからないんだな、これが」
( ゚∋゚)「えぇー……」
( ´_ゝ`)「人目を避けたかったにしちゃ傍若無人な振る舞いだしなぁ……」
(´<_` )「自称研究者なんて酔狂なことやってる時点で家賃くらい余裕そうだしな……」
(´・_ゝ・`)「だよね。よくわからないよ本当に」
74 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:06:12 ID:x7V4j8Ns0【崖】 ノ::ヽ..く::::...............ノ........ ゛....,,....:::::::::ノ...:..... ....:::::) .........:::::::::ノ _,,, ,,, , ,,,, __......:....r'' ,,,,,, ,,/~ \,,,_______ノ ⌒~ ⌒''''''⌒ゝ'⌒⌒ヽ_ノ~ ̄ ̄....... :::::/ / ,, ,, //,,:::::r'' /|ヽ,, ,,, ,, /;;,,::::::) r/ ''ヽ,,,, ,,,, _ ,,, ,:ノ |li /ii ゝ, ,, ,,_ ,,, ;;,, '' '' ,,| ~ゝ, , ,,, ,,,, //ll |;,, ,,ノl⌒ ̄'' '⌒ゝ_ノ| l ̄ヽ |;;/ ,,,, , ,|r /i /⌒ | ヽ ll| / l /ii| ,, ,, ,, ||⌒/ ''ゝ,,, ,, ,,,, , _,,,, ,,,,, ,,,_ ,, || ll | ノ/ /ii ll > , lノ | ~|ll l |ii ̄l⌒ ̄ ⌒~ ~/;ヽ_,,,,ノ/⌒⌒// / ll| |ll l ノii / /ii l / |ノ ,, , , r)ノ ヽ /ii /;;;;/ ~ ヽ_人;;,ノ ノ_ノ / lll ll/ //ノ Y ,, ,, ヽノ ,,, ,, , 'ヽ'''i /^/ ii /ii |ll |_iiノ ,,,, ,, ,, , |ll ゝ ヽ|~ _|ll ll| |lll ノ ,,,,, ,,, ,, ,, ,,, | |ii |ii" ,,, ,, ,,,, ⌒ ヽ,,l_;;;::/⌒',,,,, ,,, ,,,, , ,, ,, // ii r' " ノ/ , /ii i "" ,, ,,, , ,, ,,,,, ,, ,,, ヽ_ | ii ii "" ,,,, , ,, , ゝ_ノl、ii l il| _  ̄\|_ノ
75 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:06:50 ID:x7V4j8Ns0
(;´_ゝ`)「うへ、こんなとこ住んでんのか……」
(´<_`;)「一歩間違ったら建物ごと落ちそうだぞ……」
(´・_ゝ・`)「着いたあだ名が"絶壁の魔女"だからねぇ」
( ´_ゝ`)「見事な双子山だったが……」
(´<_` )「おっさんか」
( ゚∋゚)「よく反射でそんな返し出るっすね」
( ´_ゝ`)「いやだってさぁ、見事だったじゃん?」
(´<_` )「その話続けんのかよ」
( ゚∋゚)「結構真剣な場面だと思うんすけど、何考えてるんすか?」
( ´_ゝ`)「えー、そこまで言う?」
(´<_` )「言われても仕方ないと思うぞ」
( ´_ゝ`)「そうか?」
(´<_` )「そうだ」
( ´_ゝ`)(とか言いつつ検討中なんだよね。どうすっかな……)
(´<_` )(何か知らんが迷ってそうだな?)
76 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:07:26 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「……よし、二人はここで待っててくれ」
( ゚∋゚)(´・_ゝ・`)「「えっ?」」
(´<_` )「そういう結論になったか」
( ´_ゝ`)「考えたんだけど、人数多いと逆に煙に巻かれそうで」
(´<_` )「あー……確かにな」
( ´_ゝ`)「うむ。俺らなら相手から見れば実質一人みたいなもんだし……」
(´<_` )「その理屈はおかしいが」
( ´_ゝ`)「そうか?」
(´<_` )「そうだ」
( ゚∋゚)「まあ、待てって言うなら待つっすけど」
(´・_ゝ・`)「……確かに僕が行くと引っ掻き回されそうだね」
( ´_ゝ`)「さっきの様子見る限りそれは間違いないと思う」
77 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:08:02 ID:x7V4j8Ns0【雨霧研究所】 ト イ / r /::::::.:.:.:... i イ /r /ヘ:::::::::::...:...::...... i/r t l ノ /.:.:.:.:..:.:.:::::::::::::::::::.:.:......ヾゞ/ r ト .: :.::... .:.:. :.. .:::. _,-‐-.、:::::::........ ......:::::::,r'"゙ヽ、 .....::::::::.:."`i''/l''';.l .:.:. .: .:.:.:. :._,,r' ::::::::::: :ヽ、_,.r‐.、__,,..r''":::::::::::...`ー'`ヽ、:::::::: l::.:.. iii| """""""r'´..::::::::::::::....:.......::::::...........::::::::::::::::::::::::....:::.....`' "" |.: ..:...;l / ̄ ̄ ̄ ̄~`''ー-...、 ,-─-、 ....::::::::::::::::::.:.:.:....... l.;.;.: .:il /.:.::.:..::\::::..:.........::::::::::::::~``''|:::......::| .....::::::::::.:.::.::::::::::::.:::::::..:...... l,;..;:,;,il| ...::::::::::::i.:.:.:.::::::.::.:.:::\::::::::::::::::::::::::::: : :.|:::.....:::|~``''=ー-、..,,_ ::::.:.::...:.:....... "''`'''``':... ..::::::::::::::::::::'.、::.::.:.:.:::::.:.:.:.:\:::::::.:.:.::::::::::.:: .`ー一'....:::::::.:.:.::.:.::::.:.:~``''=ー-、..,,_ .:.... .:: .:. : : :.: :......:::::::::::::::: i`.、.:.:.:.:.:.:.:.:::./.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ .:.:..:.v.: .;: vi.: :.:.:......::.:::::::::: : l .`.、.:.:.:.:./,r=====================================、.\:.: : : : : : :. : .: .: :.:... .:.:...... .`、 `.、/_,/:::::::::.:.:.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.::`.、\.: : : : : : :: : : : :: ::..::.... `、  ̄|:.::.:.:.:.::: .: ::: : : : : : : : :. :. :..: . . :. : : :. :: . : : : ::::::::: : . :.:|  ̄:. \..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::......... `、...:::: |.:.:.:::::::::::::::.:.:::.::::::::..::..:.:.::.r────、. . .:: :: ::::::::::: :.:. | .:.::::::...:.:.:.:.:.:.:..V.:.:.:.:.:.:.............:.:.:.:.:.:..... `、.:. :|.:.:.:.:::::.:.:.:.:.:.:.:.::::::.::..:..:.:.:::|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|...:┌──┐ : :. | :.:.......:.:.:.:.:从...:.:.:.:.:::::i 从 .:.:.:..: .:........ `、. .|..........:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:::::..:.:.:...:.|.:.:.:.:.:.:. .:.〔〕|.:.:.:| |.:.:.::::.| ..::::::... . . : : : : : . : . : :. : .: . :从 .:. :.: .: . .`、l.:.;;;;;;;;;;;;;;;..;;;;;;;;;;;,;,;,,;,;,;,;,;,;|;,;,,;;,,;;;;;,;;;;,;;;|;,;,└──┘;;;,,;,;|... :..:::....: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶、 .: . ヾ.:..::::::::::::::::::::.:.:::::::::::.:.:.....: : : :. . . :. : .: .: .: . : . . :. : .: .: . :. . .:. . :. :./ ̄ ̄ ̄/i:.:.: . : . :. : . ) ,i.: .: : :. :. . . : . :. :. : .: . . ..:. : .:. :. :. . .. .: . : . : : :. : .: :. : . .: : .: . . .: .i ̄〒 ̄..::i.:l: .:.. . :._,. - ' .: . . /.:.: .:. :.: . :. :. :. : .: .: . :. :....;,: .: . :. :. :.: . :V从. :. : .: . :. :.: .: . : .: . :. :.:::l ━━..:::i/_,,. -‐ ..:.::.: . ..ノ. :. :. :. : .: .: . :. : .: . . : .: . :. ..: .: .: . :Vvik .: . :. :.: . :. : .: . : ._ ,,. --─ ' ̄I___I ̄ .:.:.;;.:.:::.:. . :../. .:.: . . . :.:. :. :. :. :. .: . . :. :. :. .:
78 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:08:38 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「研究所とは名ばかりのプレハブにしか見えんが……」
(´<_` )「そもそも町の風土研究で研究所とは?」
( ´_ゝ`)「確かに割と謎……」
(´<_` )「インターホンは……あれか」
ピンポーン
"はい"
(´<_` )(ん? 男の声?)
( ´_ゝ`)「ども。雨霧さんいる?」
(´<_` )(えっ、そんなノリでいいのか?)
lコ"失礼ですがどちら様でしょうか?"
( ´_ゝ`)「探偵の流石だけど」
lコ"探偵……? ご用件を伺います"
( ´_ゝ`)「この町で起きた失踪事件についてちょっと話を聞きたくて」
(´<_` )(ド直球で行くなあ)
79 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:09:14 ID:x7V4j8Ns0
lコ"あら? 誰かと思えば先ほどの蒸し鶏さんじゃございませんの"
( ´_ゝ`)「ん?」
lコ"白髭さん、入れて差し上げて"
lコ"おや、よろしいのですか?"
lコ"だってあんなことを言われたら……ねぇ?"
lコ"ククク……そうですな"
lコ"フフフ……少々お待ちくださいませ"
(´<_` )「……何かやーな感じだな」
( ´_ゝ`)つ「安心しろ、いつも通り仕込んである」
(´<_` )「最早息をするように……流石だな兄者」
( ´_ゝ`)「それほどでもない」
( ´W`)「お待たせ致しました。さ、どうぞお入りください」
80 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:09:50 ID:x7V4j8Ns0【雨霧研究所 応接室】: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : || // || //: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |└―――――――――┴┴――――: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: : : : : : : : : : : :,. ───────- 、 ,──────── 、 : : : : : : : : : : : : : :────, ─i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`i´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`i--- 、─────‐───/ /| | | ├───── i´ ̄`i |_________,|___________i´ ̄`i | |/ | | | | |´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`i´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`| | | | | | | |__|___ , -─────┴────- 、___,,|__| / | / | (_____________ノ | || | | | |l | |  ̄  ̄
81 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:10:27 ID:x7V4j8Ns0
ミサ ^ー^)ト「今日はよくお会いしますわね」
( ´_ゝ`)「そうだな」
( ´W`)つ旦「粗茶ですが」
( ´_ゝ`)「あ、ども」
(´<_` )「ありがとうございます」
ミサ ^ー^)ト「では、改めて用件をお伺いしますわ」
(´<_` )「……過去にこの町で発生した失踪事件についてお尋ねしたいです」
( ´W`)「失踪事件というと……あれですかな、12年前の」
( ´_ゝ`)「まずはそれだな」
ミサ ^ー^)ト「えぇえぇ、その件についてはそれはもう世界中の誰よりも詳しいですわよ」
(´<_` )「あなたとご家族も失踪したと聞きましたが……」
ミサ ^ー^)ト「ええ、綺麗さっぱり失踪致しましたわ」
( ´_ゝ`)「一体何があったんだ?」
ミサ ^ー^)ト「死にました」
(´<_` )「……は?」
82 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:11:02 ID:x7V4j8Ns0. \::::ー┤ | /| 斗―ト| |斗―:ト∨ | (_:::::/ \ | |/ | .|____| | | |_ | ∨/ | (:/ ⌒|/ | 斗― ミ 斗― ミ / ∨ / ⌒'( んJハ んJハ )⌒ V. / Λ _)//} _)//} / | 「死 に ま し た」. _,′ Λ V^ソ V^ソ ./ / } ⌒L / ! } 、 { | / /⌒ / 人 _______ } { _|___ / /_,/ |\ __) :::::: `Y_ ‘ー ⌒ ー'’ _、___):::::::::ヾ |/ | |::::::::::::::::: | ‐ _ _ -ニ|::::::::::::::::::| |. | 乂::::::::::::ノニニ>_ イニニニ乂:::::::::::::ノ |\. | / ̄ 「∨ニニニニ≧ ≦/ニニニ |  ̄Λ | \ / | | ∨ニニニニ\ /ニニニニ/| Λ ∨ \ ノ / . | |. ∨二ニニニ/ニニニニニ/ .| Λ /
83 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:11:40 ID:x7V4j8Ns0
(;´_ゝ`)「……それは、あんた以外全員死んだ、そういう意味でいいのか?」
ミサ ^ー^)ト「私自身、無惨にもお亡くなりになってしまいましたわ」
( ´W`)「美人薄命とはよく言ったものですね……ククク」
(´<_`;)「ですが、あなたは生きてらっしゃるようですが……」
ミサ ^ー^)ト「まあ、おだてても何も出ませんわよ?」
(´<_`;)「???」
( ´_ゝ`)「……なんだ、ただのゾンビか」
ミサ ^ー^)ト「ゾンビ……これは言い得て妙ですわね!」
( ´W`)「ククク、まさに言い得ているかと。なかなかユーモアのあるお客人ですね」
( ´_ゝ`)「ええと……少なくとも生命活動はしてる、よな? 戸籍上、精神上……どっちだ?」
( ´W`)「おやおや、見事に捕捉されていますぞ?」
ミサ ^ー^)ト「探偵と言うだけありますわね。面白い蒸し鶏さんですこと」
( ´_ゝ`)「実は生命活動してないんだって返されなくて心底ほっとしたよ」
(´<_` )(まったくだ)
84 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:12:17 ID:x7V4j8Ns0
ミサ ^ー^)ト「ふふ、ご安心なさいませ。飲食も排泄も致しますし、生殖だって可能ですのよ?」
( ´W`)「少々はしたないですぞ。少しはオブラートに包みませんと」
ミサ ^ー^)ト「ふふふ、これは失礼致しましたわ」
(´<_` )(駄目だ、着いていけねぇ)
( ´_ゝ`)「んーまあ12年前の方は一旦いいや。本題は8年前の方なんだよね」
ミサ ^ー^)ト「……なるほど?」
( ´W`)「……なるほど」
( ´_ゝ`)「なるほど……?」
(´<_` )(ん? 止まった?)
( ´_ゝ`)(ここまで全然読ませなかったくせに随分露骨だな……まさか構えてたか?)
ミサ ^ー^)ト「8年前というと弘子ちゃんですわね」
( ´_ゝ`)「彼女が今どこにいるか知ってたりしない?」
ミサ ^ー^)ト「もちろん存じておりますわ」
(´<_`;)「はっ……!?」
85 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:12:52 ID:x7V4j8Ns0. \::::ー┤ | /| 斗―ト| |斗―:ト∨ | (_:::::/ \ | |/ | .|____| | | |_ | ∨/ | (:/ ⌒|/ | 斗― ミ 斗― ミ / ∨ / ⌒'( んJハ んJハ )⌒ V. / Λ _)//} _)//} / | 「私 が や り ま し た」. _,′ Λ V^ソ V^ソ ./ / } ⌒L / ! } 、 { | / /⌒ / 人 _______ } { _|___ / /_,/ |\ __) :::::: `Y_ ‘ー ⌒ ー'’ _、___):::::::::ヾ |/ | |::::::::::::::::: | ‐ _ _ -ニ|::::::::::::::::::| |. | 乂::::::::::::ノニニ>_ イニニニ乂:::::::::::::ノ |\. | / ̄ 「∨ニニニニ≧ ≦/ニニニ |  ̄Λ | \ / | | ∨ニニニニ\ /ニニニニ/| Λ ∨ \ ノ / . | |. ∨二ニニニ/ニニニニニ/ .| Λ /
86 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:13:37 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「嘘つけ」
ミサ ^ー^)ト「あら?」
( ´_ゝ`)「彼女は家出だろ。本人から聞いてる」
ミサ ^ー^)ト「あらららら??」
( ´W`)「プッ……ククッ……見事に切り返されてしまいましたね」
ミサ ^ー^)ト「もう、そんなに笑うなんて酷いですわ!」
( ´W`)「はいはい、申し訳ございませんね……ククッ」
ミサ ^ー^)ト「むー!」
( ´_ゝ`)「……んで? 知ってんのか? 知らねーのか?」
ミサ ^ー^)ト「まことに不本意ながら存じあげませんわ。それより、彼女にお会いになったんですの?」
( ´_ゝ`)「群馬でね」
ミサ ^ー^)ト「へー、そうなんですの」
( ´W`)「はて、それで居場所を気になさっているとなると……また家出でもされましたかな?」
( ´_ゝ`)「むしろ実家に帰るって言ってたんだが」
(´<_` )(流石だな兄者、徐々に会話が成立し始めてる……)
( ´_ゝ`)(カマかけ乗ってこないか……)
87 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:14:13 ID:x7V4j8Ns0
( ´W`)「ふむ? お帰りになったのであれば騒ぎになりそうですが……」
ミサ ^ー^)ト「そうですわね。私の時も騒ぎになりましたし」
( ´W`)「まるで信じて貰えていないのは少々面白すぎましたがね……プッ!」
ミサ ^ー^)ト「まあそれはそれで正解ですわ。幽霊みたいなものですし」
( ´W`)「しっかり脚が生えてお花も摘みに行く幽霊ですがね」
ミサ ^ー^)ト「うらめしやー」
( ´W`)「おお怖い!」
(´<_` )(また盛大に脱線してるが、回答自体は信用できそうか……?)
( ´_ゝ`)「そんなこと言って、実はこの研究所にいるんじゃないのか?」
ミサ ^ー^)ト「いませんわよ?」
( ´W`)「いらっしゃいませんねぇ」
( ´_ゝ`)「……死体だからいない、なんて言わないよな?」
ミサ ^ー^)ト「まさかまさか」
( ´W`)「そんなそんな」
88 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:14:51 ID:x7V4j8Ns0
ミサ ^ー^)ト「人様をいきなり殺人者呼ばわりなんて流石にどうかと思いますわよ?」
( ´_ゝ`)「殺したなんて誰も言ってないんだが?」
( ´W`)「プッ! これは一本取られましたな……ククッ!」
ミサ ^ー^)ト「えぇえぇ、見事な揚げ足取り一本ですわね」
( ´_ゝ`)「一本取ったということで、ここは一つ真面目に答えて貰うわけには?」
ミサ ^ー^)ト「私はいつだって大真面目ですわ」
( ´_ゝ`)「なんだろう、嘘つくのやめて貰っていいですか?」
( ´W`)「言われてますよ?」
ミサ ^ー^)ト「言われちゃってますわね?」
(´<_`;)(兄者がここまで翻弄されてるのは初めて見るな……)
( ´_ゝ`)(うーむ、手ごわいな……)
89 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:15:27 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「否定しないなら通報しちゃうけどいいかな?」
ミサ ^ー^)ト「むっ、やりますわね。そう言われたら否定せざるを得ませんわ」
( ´W`)「増田様はいらっしゃいませんし、死体もございません。これでよろしいですか?」
( ´_ゝ`)「嘘か本当かは知らんけど結構。それじゃあ逆に心当たりとかないか?」
ミサ ^ー^)ト「うーん、そうですわね……あの生ゴミどもが怪しいですわ」
( ´W`)「そうですな」
( ´_ゝ`)「……それってもしかして清浦さん……うみねこの家のことか?」
ミサ ^ー^)ト「ええ、そんなような名前でしたわね。わたくし生ゴミの名前を覚える趣味はございませんの」
(´<_` )「……怪しいと言うと? 帰ってきたところを拉致でもされたと?」
ミサ ^ー^)ト「さあ? でも、悪いことは全部奴らの仕業ですのよ」
( ´W`)「ゴルゴムの仕業……月島さんのおかげ……まあそんなところでしょうか。ククッ」
( ´_ゝ`)「盛岡さんからもちらっと聞いたけど、何でそこまで嫌ってるんだ?」
ミサ ^ー^)ト「生ゴミを嫌うのに理由がいりまして?」
( ´W`)「臭い汚い暗い、所謂3Kというやつですな」
ミサ ^ー^)ト「まあ、うまいこと言いますわね!」
90 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:16:03 ID:x7V4j8Ns0
(;´_ゝ`)(つ、疲れる……)
(´<_`;)(盛岡さんいたら怒っちゃって更に収集つかなかったろうな……)
ミサ ^ー^)ト「用件はそれだけですの?」
( ´_ゝ`)「増田さんが何らかのトラブルに巻き込まれていたとして、協力して貰うことは可能か?」
(´<_` )「えっ、やなんだけど」
(;´_ゝ`)「おい」
(´<_`;)「あっ」
ミサ ^ー^)ト「ふふふ、勿論ご協力致しますわよ? ねぇ白髭さん?」
( ´W`)「ククク、あなたのような名探偵に私共の協力が必要なのかは聊か疑問ですがね?」
( ´_ゝ`)「今々完全に迷える探偵だっての。んじゃLinerだけ交換させてくれ」
ミサ ^ー^)ト「わかりましたわ」
―――。
91 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:16:43 ID:x7V4j8Ns0
(; _ゝ )「あー疲れた」
( <_ ;)「何なんだよもう……」
(;゚∋゚)「うわ、大丈夫っすか?」
(´・_ゝ・`)「あー……あの人の相手をまともにするとそうなるよね……」
( ´_ゝ`)「小さいが3つほど収穫はあったぞ」
(´<_` )「えっ、マジで?」
( ´_ゝ`)「一つ。警察を呼ばれるのは割と困るっぽい。そこまで致命的なあれじゃないと思うが」
(´<_` )「……なるほど? まあそれは俺もそんな感じしたが……」
( ´_ゝ`)「一つ。恐らくあれ失踪した本人じゃないかな?」
(;´・_ゝ・`)「嘘でしょ……?」
( ´_ゝ`)「いくつかポイントはあるけど。一番は、本人とも別人とも主張しなかった。 別人がわざわざ名乗るなら微塵も本人アピールしないのは若干不自然」
(´<_` )「そう言われるとそうかもな……あの感じだと不自然どうこう関係あるのかってのはあるが」
( ゚∋゚)「それで、最後の一つは何なんすか?」
92 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/06(土) 20:17:20 ID:x7V4j8Ns0
( ´_ゝ`)「ありゃ何かしら知ってるぞ。どの程度の情報なのかはわからんがな」
Case7「千手烏賊の夏」 Day2B「絶壁の魔女」
To be continued...
98 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/13(土) 19:59:24 ID:7Su8QnLk0Case7-Tips1 あまりにも危険すぎる
(´・ω・`)「「あっ」」(‘_L’)
。(‘_L’)/ スッ...「……」
(´・ω・`)「いや、無言で構えるのやめて貰いたいんだが? まさかこんな場所でやりあう気はないだろ?」
(‘_L’)「……そうですね。場所を変えましょうか」
(´・ω・`)「生憎そっちに付き合う義理はない。どうしてもというなら店までどうぞ」
(‘_L’)「ふん、それこそ付き合う義理はないですね。一対多でどうにかなると思うほど馬鹿じゃありませんよ」
(´・ω・`)「ふぅん、一対一でも手も足も出せずに負けてるの考えるとやっぱり馬鹿なんじゃないか?」 。(‘_L’)/ 「……やはり殺しましょうか」
(;´・ω・`)「待って待って待って、ここでぶっ放すのはマジで勘弁。僕が悪かった、すみませんでした」
(‘_L’)「……軽いジョークですよ。夜道の一人歩きにはお気をつけて」
(´・ω・`)「いや絶対本気だったろ。というかいい加減諦めて欲しいんだが?」
(‘_L’)「無理ですね。あまりにも危険すぎるんですよ、あなたは」
99 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/13(土) 20:00:00 ID:7Su8QnLk0
(´・ω・`)「……まあ、あんたの言う通りだと思うよ」
(‘_L’)「であればさっさと自害して頂けませんか?」
(´・ω・`)「そいつは無理な相談だな。僕らだって好きでこうなったわけじゃない」
(‘_L’)「気の毒な話だとは思いますがね。捨て置くわけにはいかないんですよ」
(´・ω・`)「だったらくっちゃべってないで早く僕を殺せるように修行でもしたらどうだ?」
(‘_L’)「……それもそうですね。たまにはいいこと言うじゃないですか、化け物」
(´・ω・`)「せいぜい頑張ってくれよ、狂信者」
(‘_L’)「ふん、首でも洗って待っていなさい」
(´・ω・`)(……ふぅ。止められる人間が一人でも増えるといいんだが。 いつが"その日"なのかなんて僕にもわからないんだから……)
100 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/13(土) 20:00:37 ID:7Su8QnLk0Case7-Tips2 猫の手 (二二二ニ/二二ニ/二|二二ヽ二ヽ二ニニ) //_/__//_/__//_/| |ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ //_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ //_/__//_/__//_/__| |_ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽ 二二二ニ/二二ニ/二二二//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ //_/__//_/__//_/__///_/_//_/__//_/_ | |___ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ //_/__//_/__//_/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ //_/__//_/__//_/__//_| |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|__|_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ ○====○====○====○===.| |││││││││││││││││|| ||===○===○===○===○===○ | |││││││││││││││││|| || | |┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴|| || | |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬||__|| ___________| |││││││││││││││││| |____________ \/\/\/\/\/\| |││││││││││││││││| |\/\/\/\/\/\/ /\/\/\/\/\/| |││││││││││││││││| |/\/\/\/\/\/\ """ ̄ ̄ ̄'''''''''''''''""""" ̄""" ̄ ̄''''''''''""""""""""""""""""""""""""" ̄ ̄'''''''''"""" ̄ ̄ ̄ ̄"""""""""
101 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/13(土) 20:01:12 ID:7Su8QnLk0
爪゚ー゚)「で、今日は何の用件なんだい?」
<(' _'<人ノ「今奥の部屋で師範と特課の隊長さんがお話されてるんですけど、あなたに会いたいと」
爪゚ー゚)「……僕に? 何故?」
<(' _'<人ノ「先日の安易な魔術行使についてお叱りでもあるのかもしれませんよ?」
爪;゚ー゚)「うへ、それはご勘弁願いたいなぁ……」
<(' _'<人ノ「自業自得です」
爪゚ー゚)「そんなぁ……いいじゃないか魔術の一つや二つ」
<(' _'<人ノ「はぁ……私からももう一度お説教が必要ですか?」
爪゚ー゚)「是非ともお願いしたい」
<(' _'<人ノ「えっ?」
爪゚ー゚)「最近気づいたんだけど、君からお説教されるのは何て言うかこう……良いんだよねぇ」
<(' _';<人ノ「えぇー……」
爪゚ー゚)「今にも真っ二つにされるんじゃないかっていうスリルがたまらないよ」
<(' _'<人ノ「真っ二つになんてしません! ……もう、今度から殺気を込めるのはやめにします」
爪゚ー゚)「えぇー……」
102 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/13(土) 20:01:50 ID:7Su8QnLk0
<(' _'<人ノ「……あ、いらしたみたいですよ」
/ ①八①ヽ「おお、来ていたか地流君。こちらは特課の小野木君だ」
( `ゝ´)「小野木です。あんたがあのおっそろしい魔術を雑に使ったっちゅう地流さんですか?」
爪゚ー゚)「やあ、その地流さんで間違いないよ。特課の隊長さんが一体何の用かな?」
( `ゝ´)「端的に言やぁスカウトってやつですね」
爪゚ー゚)「ほぅ……」
<(' _'<人ノ「ええっ?」
爪゚ー゚)「正直とても興味はあるけどね。僕何かが加わったら命がいくつあっても足りなそうだ」
( `ゝ´)「なぁに、今すぐってわけじゃありやせん。 玄葉先生も少しばかりご協力頂けるってぇ話ですし」
/ ①八①ヽ「うむ、本人にその気があるのであれば指導をさせて貰おう」
爪゚ー゚)「おお、それは願ってもないね。丁度入門しようか迷っていたところだよ」
<(' _'<人ノ「そういえばそんなことも言っていましたね」
爪゚ー゚)「あの一件で自分の力不足は痛いほど痛感させられたからねぇ……」
<(' _'<人ノ「……」
103 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/13(土) 20:02:27 ID:7Su8QnLk0
( `ゝ´)「ま、うちに入るかは置いておいても少しばかり協力頂きたいんですわ。 県警の"そっち"係が完全に白目剥いちまってましてね……」
爪゚ー゚)「うわぁ……」
( `ゝ´)「このご時世、どこも猫の手も借りたいって有様ですからねぇ。 話通しといたんで、そろそろ打診が来るはずですわ」
爪゚ー゚)「ふむ……正直どこまで力になれるか自信はないけど……」
( `ゝ´)「なぁに、警官としてある程度の力量があって魔術が使えるなら十分ってもんですね。 そもそもうちの取りこぼした小さい案件を各々対処しているうちにできた枠組みです。 専門家なんて誰もいやぁしません」
爪゚ー゚)「それはそれで凄い不安になるなぁ……」
<(' _'<人ノ「……そちらまで漏らさないように、より一層努力しなければいけませんね……師範、小野木様」
/ ①八①ヽ「うむ、その通りだ高崎君」
( `ゝ´)「全く耳がいてぇこってす。本来は公僕として、おたくらに頼るのも間違ってるんですがねぇ……」
/ ①八①ヽ「なに、それこそが祈念流の本懐というものよ」
<(' _'<人ノ「そうですね。伊佐としても同じくです」
( `ゝ´)「全く面目ねぇ話ですが、よろしくお願いしますわ」
104 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/13(土) 20:03:09 ID:7Su8QnLk0Case7-Tips3 うみねこの家
( ・∀・)「うみねこの家について聞いてみたよ」
( ´ー`)「ほう。どうだったんです?」
( ・∀・)「うーん……微妙?」
( ´ー`)「はあ……?」
( ・∀・)「とりあえず指定監視団体ではないらしい」
( ´ー`)「なるほど」
( ・∀・)「ただ、怪しげなところもあるらしくて……グレーだって」
( ´ー`)「怪しげなところと言うと?」
( ・∀・)「噂レベルだけど、代表が竜宮会の幹部と度々会食してるとか何とか。 あとは職員に信者が多いらしい、とかね」
( ´ー`)「いや、流石にその程度の話じゃな……」
( ・∀・)「だよねぇ。NPO代表とかだとそういった繋がりって大事だし」
( ´ー`)「どっちも海辺で活動してりゃな。全くの無関係ってこともないだろうよ」
( ・∀・)「問題はどの程度の関係なのかなんだよなぁ……」
105 : ◆KDJGUfbY2o [] :2022/08/13(土) 20:03:44 ID:7Su8QnLk0Case7-Tips4 千手神社
<(' _'<人ノ「お母様」
(' _' レミ「何ですか、美和」
<(' _'<人ノ「千手神社ってご存じですか?」
(' _' レミ「千手神社ですか? ええ、知っていますよ。岩手の」
<(' _'<人ノ「そうです」
(' _' レミ「神主が代替わりしてからはあまりよくないと聞いています」
<(' _'<人ノ「えっ?」
(' _' レミ「先代の神主は私もお会いしたことがあって、とても素晴らしい神職でした。 彼女が亡くなってから旦那様が跡を継がれたそうなんですけど……」
<(' _'<人ノ「何がよくないんでしょうか?」
(' _' レミ「町外のことに協力的ではない、と」
<(' _'<人ノ「そうなんですか?」
(' _' レミ「私も噂で聞いただけですから。 逆に地元では町長を務めるくらいに人望があるようですから、どうなんでしょうね?」
<(' _'<人ノ「なるほど……」