24 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:46:00 ID:6o6EHAUo0前回のあらすじ・……? 野生の上田幹雄でも出たのか?・えっ……トキって日本では佐渡島にしかいないんじゃ?・鹿や猪にしちゃ魔力が大きい……ワンチャン魔術師かも
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ | 流石だよな、俺ら | \_ _____ __/ V V d( ´_ゝ`)人(´<_` )b \ /. \ / l l l l //l | | l\\  ̄  ̄.  ̄  ̄
【標準AA環境】
※右のAAのズレない環境が標準です。 | |\|/ | | | | ∧ ∧ |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ | |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|
25 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:46:33 ID:6o6EHAUo0Case12-Day5B_/:;; ´;; ;,,〉、;;: l! /;; ,,;ヽ、―-'、 ;;;\ ___ /;;;__/ ;;_;\;;` ;;ヽ、,r‐-、 /____________;; 、;_;;/  ̄~ \/ ;;_〉 /;; ^` /\ \:: / :;;\'´;;;〉 i!く;;::: ‐、 /~`ヽ.../ \ \〉、;;: l! /;; ,,;ヽ、― ;; ::,-‐∠____\___________\⌒~`\ ̄";;、 〉;; / ; | λ | |'、;;:: ;;;::l‐、 l:./、:;/\ | / ヘ | |/ 〉~";;ヽ l / 〉.| ./ .ヘ | | ゞ―-、;;;l_ハ‐-'、"'''"''''''''|_/ ヘ__|_____________」 lく ;;;;〈ノ 〉 l!;; ; m ,. ; ' " ;" ''; : ,. ;/'' | ;i/ il ` /__ノi! ll : : ; ; . / '' ;゙ ;/ ;;" : !、;;l / l! ~`X;; " . 、 l; : " :;l ,. ;;v "; ゙゙ ;: ,V ;: 、; "'''"'''"'''"'''"'''"'''"'''"'''"'' n ; ;_ ; ;" ; : ; ,. ,. ; ;" ;; : ;"' '; ,..,.m ''゙゙ ; ; ;_/
26 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:47:06 ID:6o6EHAUo0
爪;゚ー゚)「……何かを追いかけてこっちに向かってるっぽい。 鹿や猪にしちゃ魔力が大きい……ワンチャン魔術師かも」
(;´_ゝ`)「なんだと?」
(´<_`;)「それは……どうする?」
<(' _'<人ノ「狼に追い立てられる程度の魔術師なら、どうとでもなります。 ここはこちらから接触して情報を得るべきでは?」
(;´・_ゝ・`)「"狼に追い立てられる程度"……」
( ´_ゝ`)「……うむ、そうだな。放置して近くをうろつかれる方が面倒だ。狼対処できれば一石二鳥だし」
(´<_` )「とりあえず結界いっとくか?」
( ´_ゝ`)「ああ、盛岡さんのガードは任せる」
爪゚ー゚)「僕は状況を見てフォローに入るよ。二人は好きにやりたまえ」
<(' _'<人ノ「了解です」
( ´_ゝ`)「助かる」
人(´<_` )「五行結界、救急如律令!」
爪*゚ー゚)「陰陽道……興味深いね!」
27 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:47:40 ID:6o6EHAUo0 }`V\ ,ィ´¨{w) ) ̄ミ < _ヵ' `、 ' ```''ミ、_ ャ''"´ ` ´ ミ ミ、. ゞ-=-_''" _ ヽ- 、__  ̄⌒ミ 丶ヽ`  ̄ ̄ ̄\ ハ ヾ` \ ', 、 ノ \ヽ ァ''" ̄ ̄/ ,, 彡. >、 } ヽ | /ー/ _ノ''‐、、、、_、_,< l ` 、 乂 ヽ、,,,,,_ ノ ) ′ , イ )h、 \_ `― 、 `爻 乂/ ./  ̄"'' 、、 ̄ -=、 \‐彳 __/ ,イ )h、 . Y\ 、> ァ´ ァ'' _/ _/ ,' `´ ゝ==彡 Y, , _,' `¨´
28 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:48:54 ID:6o6EHAUo0
三|゚ノ;^∀^)「はあっ、はあっ……!」
< _ヵ' `三「バウッ!」
三|゚ノ;^∀^)「ひいっ!?」
( ´_ゝ`)「……えっ?」<(' _'<人ノ「はっ……?」爪゚ー゚)「おんやあ……?」(´<_` )「!?」
三<(' _';<人ノ
(⊃<⊂(' _';<人ノ
( ´_ゝ`)「……えっ。なんで全裸なん、あの娘?」
爪゚ー゚)「ふむ、実に興味深いね」
<(' _'<人ノ「……見ましたか?」
(⊃<⊂;)「あ、ああ……ちらっと……」
<(' _'<人ノ
29 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:49:28 ID:6o6EHAUo0
( ´_ゝ`)┫「よくわからんが、とりあえず」
\<(' _'<人ノ「そうですね」
\<(' _'<人ノ「「やりますか」」( ´_ゝ`)┫
━━━━━━━━ ,イ━━ ,イ ,イ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ |l!1!|!l./ム―7 レ .レ i| !i| !li| |i! |! | |l!1!|!l |l!1!|.//ニ7/ .i| !li| |i! l: |l!1!|!l |l!1!|/' ̄7/ il !li| |i! | |l!1!|!l |l!1!|!l. // !li| |i! |l!1!|!l. |l!1!|!l. /' . __ li| |i |l!1!|!l |l!1!|!l /´ > ,.イ i| |!: |l!1!|!l |l!1!|!l ´ ̄ /_/ !| | |l!1!|!l |l!1!|!l // | | |l!1!|!l |l!1!|!l // .| | | |l!1!|!l |l!1!|!l | |/,イ,イ ,イ | | l| |l!1!|!l |l!1!|!l |! レレ // ,ィ | | l| |l!1!|!l |l!1!|!l |! /' / .i | |i || |l!1!|!l |l!1!|!l |! ./ / .|/レ'i || |l!1!|!l |l!1!|!l |!, // .|/|i | i || |l!1!|!l |l!1!|!l |!i ´ .| l / .i i.|| |l!1!|!l |l!1!|!l |!l , イ |i | | И /| .l l:|| |l!1!|!l━━━━━━━━━━━レ'━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
30 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:50:01 ID:6o6EHAUo0
< _ヵ' `「グルルルル……!」
|゚ノ;^∀^)「はわわわわ……!」 ┌ | lトミ____ _人∧:::〉::::::::::::::`丶 __ア´::::::/ __ァ―::: : `丶、 __フ⌒:::::::::::⌒ア´::::::::::::::::::::: : \ _ア⌒ニ::::::::::::::::::::::: T勿::::::::::::::::::::::::: }`:トミ. ⌒ア:::::::^7::::::::::::::::::::::::: : ⌒\:::::::::::::::::::::}::// /:::::::::::/_::::::::::::::::::::::::: _/ ノ^Y^弋勿:::ノ「 |l:::::::::::::::::::::::::::::::::: : /´{、__^L_〉 l/:::::::| イl::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|7/〉、 `丶、ノ::::::::::Ν. lИ:::::::::::::::::::::::::::::: : |/イ`¨¨¨l /:::::::::: Ν |::И:::::::::::::::::::::::::::: /l 乂_/7/::::::::::::/{ |::::::}::::::::::::::::::::::::: : {人_彡'7/::::::::::::/:::| l::::/:::::::: : }从:::::::: : `¨¨¨¨´从ハ∧{:::∧ ∨::::::::::::::::::::)ハ::: : /l/l/l/::::::::::: l/::::::∧ /::::::::::::::::::::::::: : l八ルヘハ::::::::::::: /⌒:::::∧ /:::::::::: : _,wWハ::::::::::::::::::::`7^'ヘ∨::::::::::∧. ,.'´/::::::::::::: /::::::::::/ ∨::::::::::::::::/ ∨::::::::::∧ /::::::/::::::::::::::∧::::::::::{ _/::::::::::::::: / `、::::::::::::`、. /:::::::l⌒ヽ:::::/_∧::::::::{ {:\::::::::/ `、::::::::::::`、. {:::::::::|::::::::::::::{ ∨::ノ〉 |::::::::/ `、::::::::::::`、 l__彡'|:::::::::|::::| ∨::{ |:::::::{ `、::::::::::::`、 l:::::::: ∨ {::::} |:::::::}
31 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:50:35 ID:6o6EHAUo0 ,イ ,イ ,イ/! レ .レ / /´;;;;;,.'" ゝイ ,>''~:::.. ゝノ \ ヽ;;;レ'.| |/!=/ ” /zVjWV{ィ_/, , \ ∨/ / __ /x≦λ" ̄ ̄`` '<イ, ヾレ゙.| | /´ > ,.イ (;;;) ,ァ'" / 'v ( "''<x、≧V|/ ´ ̄ ./_/` a_/ヾ、 { ;{ ハメV V;;;;;;;;;;;; //__/' ゝ--、 ゙; / ハミハ ',;;;;;;;;;;; // ,イ,イ ,イ'7 ' 、 ', , / Vハ v;;;;;;;; |/ レレ //.j i ' ,. ,.;;;;;;;;;;;ヽ ´ イ}ヽ、__;;;;; /'リ { -= {;::;;●;;;:;} =- jリイ⌒;;; ;、,; )__r―~ ゝ -=彡 ,..ー=ァ'"//'/ /≧=<  ̄ j `、ーヾ V//' /;;;;;;ヾ \_,, ー' レ 、 、// r;;/;;;;;;;; ;;,,ハ c`'-x、/ V' )/ィ , /;;;;;;;;;;; `、 ,、` ^¨^¨¨¨''T'"ヾ≦ /;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;ヽ `' ,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
32 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:51:09 ID:6o6EHAUo0
|゚ノ;^∀^)\<(' _'<人ノ !?
( ´_ゝ`)┫< _ヵ' `; !?
<(' _'<人ノ「動かないでください。動けば斬ります」
|゚ノ;^∀^)「……!」
( ´_ゝ`)┫「去ね」
< _ヵ' `;「「グルルルル……!」」
( _ゝ )┫「去ねッ……!」
< _ヵ' `;「「グルッ……!」」
< _ヵ' `;三 ダッ!
33 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:51:43 ID:6o6EHAUo0
|゚ノ;^∀^)「あっ……!」
( ´_ゝ`)「ふん、所詮は犬畜生」
<(' _'<人ノ「真理男くん、布か何かありませんか?」
( ´_ゝ`)「むっ……地流さん、そこの鞄の中」
爪゚ー゚)「ふむ、これかい?」
( ´_ゝ`)「そうそれ」
爪゚ー゚)「ん……これかな? 今持ってくよ」
バッ!<(' _'<人ノ
|゚ノ;^∀^)「えっ?」
<(' _'<人ノ「これでヨシ、っと」
( ´_ゝ`)(正直眼福だった)
爪゚ー゚)(って顔してるね?? まさか巨乳でしか反応しないとか?? 処すかこの男??」
( ´_ゝ`)「あの、聞こえてるんだけど……」
爪゚ー゚)「聴かせてんだよ」
34 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:52:16 ID:6o6EHAUo0
|゚ノ;^∀^)「あ、あの……?」
\<(' _'<人ノ「まだ動かないでください。所属と姓名を」
|゚ノ;^∀^)「ショゾク? セイメイ……?」
( ´_ゝ`)「あー……君はどこの誰なのか教えてくれ」
|゚ノ;^∀^)「わ、私は007……B-1地区の007番です」
( ´_ゝ`)「ビーワン地区……?」
<(' _'<人ノ「ゼロゼロナナ……?」
爪゚ー゚)「ふむ……興味深いね」
(´<_` )「……とりあえず、拠点の中で話すか?」
(´・_ゝ・`)「そうだね、それが良いんじゃないかい?」
( ´_ゝ`)「ン……そうだな」
\<(' _'<人ノ「歩くことを許可します。あちらへ進みなさい」
|゚ノ;^∀^)「は、ハイ……」
( ´_ゝ`)(おっかねぇな、戦士モードの美和ちゃん……)
35 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:52:49 ID:6o6EHAUo0【拠点】_/:;; ´;; ;,,〉、;;: l! /;; ,,;ヽ、―-'、 ;;;\ ___ /;;;__/ ;;_;\;;` ;;ヽ、,r‐-、 /____________;; 、;_;;/  ̄~ \/ ;;_〉 /;; ^` /\ \:: / :;;\'´;;;〉 i!く;;::: ‐、 /~`ヽ.../ \ \〉、;;: l! /;; ,,;ヽ、― ;; ::,-‐∠____\___________\⌒~`\ ̄";;、 〉;; / ; | λ | |'、;;:: ;;;::l‐、 l:./、:;/\ | / ヘ | |/ 〉~";;ヽ l / 〉.| ./ .ヘ | | ゞ―-、;;;l_ハ‐-'、"'''"''''''''|_/ ヘ__|_____________」 lく ;;;;〈ノ 〉 l!;; ; m ,. ; ' " ;" ''; : ,. ;/'' | ;i/ il ` /__ノi! ll : : ; ; . / '' ;゙ ;/ ;;" : !、;;l / l! ~`X;; " . 、 l; : " :;l ,. ;;v "; ゙゙ ;: ,V ;: 、; "'''"'''"'''"'''"'''"'''"'''"'''"'' n ; ;_ ; ;" ; : ; ,. ,. ; ;" ;; : ;"' '; ,..,.m ''゙゙ ; ; ;_/
36 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:53:23 ID:6o6EHAUo0
( ´_ゝ`)「んで、B-1地区の007番だったか」
|゚ノ;^∀^)「は、はい」
<(' _'<人ノ「あなたはここで何をしていたんですか?」
|゚ノ;^∀^)「……」
\<(' _'<人ノ「答えないのであれば、腕を斬り落とします」
|゚ノ;^∀^)「えっ」
(((;´・_ゝ・`)))
(´<_` )「おい美和ちゃん」
( ´_ゝ`)「ときに落ち着け」
<(' _'<人ノ「む」
爪゚ー゚)「やあやあ、僕は地流椎菜。君はこの島の人かい?」
|゚ノ;^∀^)「えっ? は、はい」
爪゚ー゚)「僕らは外から来たんだけど、よければ色々教えて貰えないかな?」
|゚ノ;^∀^)「外から? えっ、信徒様ですか?」
爪゚ー゚)「……なるほど?」
37 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:53:56 ID:6o6EHAUo0
( ´_ゝ`)「信徒様とやらではないな」
(´<_` )「むしろ推定正反対というか」
|゚ノ;^∀^)「正反対……?」
爪゚ー゚)「君は日本、もしくは日ノ本を知っているかな?」
|゚ノ;^∀^)「は……? き、聞いたことは……」
( ´_ゝ`)「ふむ。俺らはそのニホンカラキマシタ」
(´<_` )「何故に片言」
|゚ノ;^∀^)「えっ、あなた達があのニホンジン!?」
( ´_ゝ`)「どの日本人かは知らんが日本人だ」
|゚ノ;^∀^)「何百年の間、神々に抗っているという、あの……!?」
爪゚ー゚)「あーそういう感じか。それなら数百年では足りないね、千年以上だよ」
|゚ノ;^∀^)「せんっ……!?」
( ´_ゝ`)「何となく察せてきたな。この島には人間の大規模な集落があるのか」
<(' _'<人ノ「そしてそれは……人が人として生きては、いないのでしょうね」
38 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:54:30 ID:6o6EHAUo0
爪゚ー゚)「007……れい、おー、なな……ふむ、レモナとでも呼ばせて貰おうか」
|゚ノ;^∀^)「はい?」
( ´_ゝ`)「ふむ。君は今からレモナだ。いいね?」
|゚ノ;^∀^)「???」
(´<_` )「ユバーバかな……?」
<(' _'<人ノ「それで。あなたはここで何をしていたんですか?」
( ´_ゝ`)「美和ちゃんの圧が強い。覇王色」
|゚ノ;^∀^)「……ほ、本当にニホンジンなんですね?」
爪゚ー゚)「それはもう、この上なく?」チラッ
( ´_ゝ`)「だな」チラッ
(´<_` )「うむ」チラッ
(´・_ゝ・`)「そうだね」チラッ
<(' _'<人ノ「……どうして皆さんこちらを見るんですか?」
( ´_ゝ`)「そら、純和風だからな」
39 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:55:04 ID:6o6EHAUo0
|゚ノ;^∀^)「だ、だったら……お話しします」
( ´_ゝ`)「うむ、頼む」
|゚ノ;^∀^)「私は、逃げてきたんです」
<(' _'<人ノ「それは、どこから。……いえ、何から?」
|゚ノ;^∀^)「ええと……何と言っていいか」
(´・_ゝ・`)「ねえ、一度落ち着いて貰った方がいいんじゃないかい?」
爪゚ー゚)「そうだね。コーヒーでも淹れようか」
( ´_ゝ`)「あー……そうかもな」
(´<_` )「んじゃ、俺と地流さんでやってくるわ。美和ちゃんは周囲の警戒頼む。兄者は……盛岡さんと一緒に適当に解しといて」
( ´_ゝ`)「はいよ」
<(' _'<人ノ「わかりました」
(´・_ゝ・`)「えぇ……難しいことを言うね」
|゚ノ;^∀^)「あ、あの……?」
爪゚ー゚)「飲み物を用意してくるからちょっと待ってて」
40 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:55:38 ID:6o6EHAUo0 パチ ` ,ヾ、 ` ヽ、 ,ノ )´( 、 ノY ) Y 人 .Yィ (:.、)ノ' ノ ,(.ノY ' パチ パチ _,ノ .. . .ソ `ヘ( 从;: .:. ノ i /_) ,; . Y ⌒ヽ .;:.. ...::;, ヽ 丶 _人ノ, ... . ; ( 从ヽ ..;,ノ r===<彡イ二 ヘ;#;;从ノ="(ン(",, (\,ノ´フ,{='に}/{てニ}r=ィへ,)≡==- >`てk-'ト、iノ//ヽ)ー'レr小)人ミ三≧ (ノメ'トf //けi」(ノ'(ツハ)ト)三≧ ^^''"'"ケ) (ハ)"(ハ)ヽ)"^^
41 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:56:11 ID:6o6EHAUo0
爪゚ー゚)「はぁ……インスタントコーヒーも捨てたもんじゃないね」
( ´_ゝ`)「うむ、こういった状況ではな」
<(' _'<人ノ「落ち着きますね……」
(´・_ゝ・`)「飲まないのかい?」
|゚ノ ^∀^)「ええと……」
( ´_ゝ`)「もしかしなくても、コーヒーは初めてか?」
|゚ノ ^∀^)「コーヒー……?」
爪゚ー゚)「騙されたと思って飲んでみなよ。この通り毒ではないからさ」
|゚ノ ^∀^)「……んっ……」
|゚ノ*^∀^)「……お、おいしい……!」
( ´_ゝ`)「うむうむ」
(´・_ゝ・`)「口に合ったようでよかった」
(´<_` )「ですね」
( ´_ゝ`)(砂糖の在庫はちと気になるがな……)
42 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:56:45 ID:6o6EHAUo0
爪゚ー゚)「さて、一息ついたところで話を再開しようか」
( ´_ゝ`)「まずはやはり、ここに来た経緯を教えて欲しいな」
|゚ノ ^∀^)「ケイイ? ええと……畜舎から逃げて来たんです」
(´<_` )「……気のせいか、何か不穏な単語が聞こえたような」
<(' _'<人ノ「畜舎、ですか」
|゚ノ ^∀^)「は、はい。B-1地区の第三畜舎です」
( ´_ゝ`)「……一応聞いておくけど、君は家畜の世話をする仕事の人?」
|゚ノ ^∀^)「はい。家畜なので、他の家畜の世話をすることもあります」
爪゚ー゚)「ふむ? つまり君は家畜で、家畜同士で世話をすることもある、と」
|゚ノ ^∀^)「そうです」
<(' _'<人ノ「なんという……」
(´<_` )「なんだろう。酷く冒涜的な世界観だな」
(´・_ゝ・`)「なんかあんまり突っ込んで聞くと頭がおかしくなりそうだね……」
( ´_ゝ`)「とはいえ聞かんわけにもいかん。それで?」
43 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:57:18 ID:6o6EHAUo0
|゚ノ ^∀^)「はい。水浴びの時間に抜け出して、とにかく遠くまで逃げようとこっちの方まで」
( ´_ゝ`)「ああ、それであんな恰好だったのか……それで狼の群れに出くわしたわけだ」
|゚ノ ^∀^)「そうです」
<(' _'<人ノ「これは、まずいかもしれませんね」
( ´_ゝ`)「だな。畜舎からの距離は?」
|゚ノ ^∀^)「朝からずっと歩いてましたけど、真っすぐじゃないのでよくわかりません」
(´<_` )「ふむ……難しいな」
爪゚ー゚)「方向はわかるかい?」
|゚ノ ^∀^)9m「たぶん、あっちの方です」
(´・_ゝ・`)「西の方向かな? 内陸方面だね」
( ´_ゝ`)「とりあえず海沿いじゃなさそうなのは朗報。集落の規模は?」
|゚ノ ^∀^)「シュウラク? キボ?」
(´<_` )「あなたのいた地区にはどれくらいの人がいたんですか?」
|゚ノ ^∀^)「100よりはたくさんです。B地区はB-9まであります」
44 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:57:52 ID:6o6EHAUo0
<(' _'<人ノ「となると……1000以上は確実ですか」
( ´_ゝ`)「それ全部敵って考えるとゾっとしないな……」
爪゚ー゚)「まあ、真正面から争いになった時点で詰みだね」
(´・_ゝ・`)「まずくないかい? 追っ手にでも来られたら」
(´<_` )「誰かがあなたを追ってくるということは考えられますか?」
|゚ノ ^∀^)「ええと……たぶんないと思います」
( ´_ゝ`)「それは、どうして?」
|゚ノ ^∀^)「逃げ出す家畜なんて、聞いたことがないですから」
(´・_ゝ・`)「そ、それはまた……」
( ´_ゝ`)「……完璧に洗脳キマッてる、ってとこか? だが、それなら何で君は逃げ出したんだ?」
|゚ノ ^∀^)「思い出したんです」
<(' _'<人ノ「思い出した?」
|゚ノ ^∀^)「はい。私が死んだ時のことを。そして、死にたくないという気持ちを」
45 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:58:25 ID:6o6EHAUo0::::::::::::::::::::::::::::.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:. . . . . . . . . . . . 。 . . .::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. . . . . _,. -―- .,_ . ゚. . . ゚ . + .. .::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. .. . . . ,. ' .,,,::::;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::..` 、 . + . . .::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:. . . . ,. '゙;:::::"''''' ::::: ::::..."'':::::''::''::;;;: ` .、 . . . ゚ . . .:::::.:.:.:.:.:.:.:.: . . . . , ':::::::::'' ,;;;;;;;;;;;:::::::::::::. ;;;;;;;::;,. .ヽ ゚ 。::.:.:.:.:.:.:. . . . . ,.':::::::::;;;::::;;:::;;;;;;;;:::::::::::::::::::..,;;;:::::::::;;:";;. ヽ . . . . ゚ .:.:.:.:.:.: . . . ,.';::::::::::.:.:.:.::..;;;;;;;;;;:::::::.:.:.:.:::.:.:;;;:;:;;::;;:::::::. ,. . '., . . * . 。:.:.. . . . /;;;;;;;;;;;:;:;::;;;:;:;::::;:;:;::::::::::::''",,..,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:::::,,. .;;;;;;;,. ', 。 ゚ . . . .:.:. . . ,'::;;;;;;;;;;;;;:: : ;:;:;::;::.:::::::;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;:;:;:::;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:: ";;;;;' ', . . 。 ゚ .:. . . ; ';;;;;;;;;;:;:;:::,,:::::.:.:.:.::::::::;:;;;;:::::.:.:.;;;;;::::::;;;:;:;;;;;;;;;;;;;::::::., ;;;. ; + . 。. .. . { ,. ';;;;;;;;;;;;;;:;:;::::::.:.:.:..:::::::::.:.:.:::.. '';;;;;;;;;;;'''';:';;:;:;;;;;::::.. } . . . . ', :;;.';;;;;;;;;;;:;::;:;:::::;:;:;::.:.::;:;:. ::;;;;;:::: '::;;;;;;;;;;'''::: ; . 。 + . . , ';:;;:;;:.:.:;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;::::.. ";;;;;;: "'';:;;::::. ,' . . ゚ , :::::: ,;;;;;;;;":;:;:;;;:;;;;;;;;;: ';;;;;;: '',:;;;''::: ,' 。 ゚ . 。 ... '., ':;;;;;:;:;:;:;;.;;;;;;;;;;;::. '' / . .. 、 ..'':.:. ::::::.:. '' ,.' . * 。 . 丶 ;;. '',. / . . . \ ::,. ,. ' ゚ + . ' , , '゙ ゙ 、 ,,,,,,_____,,,,... ''"
46 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:59:00 ID:6o6EHAUo0
( ´_ゝ`)「それは……どういう意味だ?」
|゚ノ ^∀^)「私は、生まれる前に一度死んだんです。たぶん」
爪゚ー゚)「……前世の記憶、ってやつかな?」
|゚ノ ^∀^)「ゼンセというのはよくわかりませんけど、思い出したんです」
(´<_` )「その、死ぬ前のことは?」
|゚ノ ^∀^)「わからないです。死んだときのことだけです」
<(' _'<人ノ「……なるほど。その時の死にたくないという想いが、洗脳教育を跳ね除けるほどのものだったと」
|゚ノ ^∀^)「痛くて、苦しくて、殺してやりたくて。……死にたくなくて」
(´・_ゝ・`)「殺してやりたい……? ということは君は、誰かに殺された?」
|゚ノ ^∀^)「たぶん。よくわかりませんけど」
(´<_` )「ふむ……。前世の記憶という話はそれなりに聞くが、どうにもな」
<(' _'<人ノ「聞いた話では、本当の話もごく稀にあるそうです。私も実際に対峙するのは初めてですが」
( ´_ゝ`)「その道の美和ちゃんが聞いたってことは本当なんだろうな。 そして逆に、その道の美和ちゃんが対峙したことがないくらいにレアでもある、と」
47 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 22:59:33 ID:6o6EHAUo0
|゚ノ ^∀^)「それから、あったかい気持ちと一緒に浮かんできた顔もあります。 やさしそうなおじいちゃんとおねえちゃん」
( ´_ゝ`)「むぅ……殺された相手とかじゃなくて家族か? なんか繋がってないな」
爪゚ー゚)「まあ、そんなもんじゃないかい? そもそもが不条理な出来事だしね」
<(' _'<人ノ「ですね。……それで、あなたは死にたくないと思って逃げ出した」
|゚ノ ^∀^)「はい」
( ´_ゝ`)「ってことは……近々死ぬような予定があった?」
|゚ノ ^∀^)「そうです、もうじき死ぬことになってました」
(´<_` )「あー……この先聞きたくねーな」
<(' _'<人ノ「はい……。その、何故あなたは死ぬことになっていたんですか?」
|゚ノ ^∀^)「私は食用奴隷なので。近々解体されてお肉になる予定でした」
( ´_ゝ`)「Oh...」
(;´・_ゝ・`)「うぇ……」
(´<_` )「その……思い出す前は、どういう気持ちだったんです?」
48 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 23:00:06 ID:6o6EHAUo0
|゚ノ ^∀^)「私たちは神様のお役に立つために生まれてきたので、とても幸せなことだと」
(;´・_ゝ・`)「……」
( ´_ゝ`)「洗脳ガンギマリすぎだろ……実は逃げ出してきたの後悔してたり?」
|゚ノ ^∀^)「いいえ、死にたくないです。今までの全てがどうでもよくなるくらい」
(´<_` )(よっぽどな死に方したのかな……)
爪゚ー゚)「僕ら、神様に攫われたある日本人を助けに来たんだけど。協力してくれる気はあるかい?」
( ´_ゝ`)(まあ、現時点でここにいるとは限らないんだけど)
|゚ノ ^∀^)「そうすれば生きられるなら」
(´<_` )「そもそも、あなた逃げ出してどうするつもりだったんです?」
|゚ノ ^∀^)「え?」
( ´_ゝ`)「追われないのが本当だとしても水とか食料とか。どうするつもりだったんだ?」
|゚ノ;^∀^)「……」
爪゚ー゚)「どう考えてもサバイバル知識なんかなさそうだしね」
( ´_ゝ`)「ここで俺らに出会ったのはマジで運がよかったな。こっちも助けるから、そっちも力を貸してくれ」
49 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 23:00:39 ID:6o6EHAUo0
|゚ノ ^∀^)「私にできることなら何でもします。それで生きられるなら」
( ´_ゝ`)「ん、今何でもするって言った?」
(´<_` )「脊髄反射で会話してんじゃねーよアホ」
|゚ノ ^∀^)「何でもします!」
爪゚ー゚)「であれば、この島のことをもっと色々教えて貰いたいね」
<(' _'<人ノ「そうですね。我々がこの先生きのこるためにはそれが重要です」
|゚ノ ^∀^)「私が知ってることなら何でも聞いてください」
( ´_ゝ`)「そりゃ助かるな。だが何から聞いたもんか」
(´<_` )(知識量かなり少なそうだし、常識が違いすぎるから聴き方も結構難しそうだ)
爪゚ー゚)「それじゃあ取り調べを始めようか、佐須田くん」
( ´_ゝ`)「取り調べじゃねーし佐須田くんでもねーよ」
<(' _'<人ノ「では、真理男くん達が先に夜番ですか?」
(´<_` )「そうなるな」
50 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 23:01:13 ID:6o6EHAUo0
(´・_ゝ・`)「僕はどうすればいいかな?」
( ´_ゝ`)「魔術講義する暇もなさそうだし、先休んでてよ」
爪゚ー゚)「そうだね、その方が人数バランスもいいし」
(´・_ゝ・`)「わかったよ」
(´<_` )「それじゃ、俺らは寝るぞ」
<(' _'<人ノ「真理男くん、よろしくお願いします」
( ´_ゝ`)「おう」
爪゚ー゚)「……さて。コーヒーのおかわりはいるかい?」
|゚ノ ^∀^)「オカワリ?」
( ´_ゝ`)「その概念もないか。もう一杯飲むかってこと」
|゚ノ ^∀^)「飲みたいです」
( ´_ゝ`)「おし、ちょっと待ってな」
―――。
51 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 23:01:47 ID:6o6EHAUo0 パチ ` ,ヾ、 ` ヽ、 ,ノ )´( 、 ノY ) Y 人 .Yィ (:.、)ノ' ノ ,(.ノY ' パチ パチ _,ノ .. . .ソ `ヘ( 从;: .:. ノ i /_) ,; . Y ⌒ヽ .;:.. ...::;, ヽ 丶 _人ノ, ... . ; ( 从ヽ ..;,ノ r===<彡イ二 ヘ;#;;从ノ="(ン(",, (\,ノ´フ,{='に}/{てニ}r=ィへ,)≡==- >`てk-'ト、iノ//ヽ)ー'レr小)人ミ三≧ (ノメ'トf //けi」(ノ'(ツハ)ト)三≧ ^^''"'"ケ) (ハ)"(ハ)ヽ)"^^
52 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 23:02:20 ID:6o6EHAUo0
( ´_ゝ`)「で、だ。何から聞こうか」
爪゚ー゚)「僕としてはあれかな。レモナ、君って魔術は使えるのかな?」
|゚ノ ^∀^)「いいえ、家畜なので」
( ´_ゝ`)「ほう、そういうものなのか」
|゚ノ ^∀^)「はい、魔術は信徒様が使うものなので。信徒様から家畜になった人は使えたりしますけど」
爪゚ー゚)「信徒様ねぇ。そもそも、そういった身分はどういったものがあるのかな?」
|゚ノ ^∀^)「一番偉いのは神様です。人間の中では教皇様、祭司長様、祭司様、信徒様です。その下に奴隷と家畜がいます」
( ´_ゝ`)「なるほど。神様というのは鮫の頭をした奴らであってるか?」
|゚ノ ^∀^)「はい。それから、神様が使う使徒様は信徒様と同等の扱いです」
爪゚ー゚)「それは、魚から手足が生えた?」
|゚ノ ^∀^)「そうです」
( ´_ゝ`)「神様や使徒様の中で上下関係とかはあったりするのか?」
|゚ノ ^∀^)「それは知りません。教えられていないので」
爪゚ー゚)「ふむ、なるほどね」
53 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 23:03:04 ID:6o6EHAUo0
( ´_ゝ`)「それぞれどれくらいの人数がいるかわかったりは?」
|゚ノ ^∀^)「たぶん家畜と奴隷が一番多いと思います。教皇様は一人しかいません。祭司長様は何人かいるらしいです。 ただ、どっちも普段は外にいるって聞いてます」
爪゚ー゚)「神様はどれくらい?」
|゚ノ ^∀^)「わからないです」
( ´_ゝ`)「B地区以外ではどういった地区があるんだ?」
|゚ノ ^∀^)「ええと……神様が住んでいるA地区、物を作っているC地区、お米とかを作っているD地区、魚を獲っているE地区です」
爪゚ー゚)「それぞれの位置関係はわかるかい?」
|゚ノ ^∀^)9m「あっちの方にA地区、あっちの方にC地区、あっちの方にD地区があるらしいです」
( ´_ゝ`)「A地区が北、C地区が西、D地区が南か」
爪゚ー゚)「……彼女の方向感覚があっているなら、だけどね」
( ´_ゝ`)「ちなみにレモナ。君は他の地区に行ったことは?」
|゚ノ ^∀^)「B-1地区から出たことはないです」
爪゚ー゚)「むぅ」
54 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 23:03:38 ID:6o6EHAUo0
( ´_ゝ`)「米と言ってたが。米が主食なのか?」
|゚ノ ^∀^)「シュショクというのはわかりませんが、お米はよく食べます」
爪゚ー゚)「他によく食べるものは?」
|゚ノ ^∀^)「お魚や貝や海藻です。お野菜はたまに、あとは程度の悪い家畜の肉は私たちが食べることもあります」
(;´_ゝ`)「Oh...」
爪;゚ー゚)「それは……思う所はないのかい?」
|゚ノ ^∀^)「家畜なんかに食べられるのは可哀想だなあ、とは」
(;´_ゝ`)「な、なるほど……」
|゚ノ ^∀^)「死にたくない今では、絶対に嫌ですけど。前はできれば神様に食べて貰いたいなあとか、そんな感じでした」
爪;゚ー゚)「いやあ思った以上にヤバいなあ……ハハハ」
(;´_ゝ`)「いや全く。流石の俺らでもドン引きするレベル」
|゚ノ ^∀^)「?」
爪゚ー゚)「とはいえ君はいざとなれば人肉くらい普通に食べそうだけどね?」
( ´_ゝ`)「……まあ否定はせん。大事の前の小事であれば、だが」
55 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 23:04:13 ID:6o6EHAUo0
爪゚ー゚)「僕は正直割り切るの厳しいかもなあ……食べられる方なら多少興味あるけど」
( ´_ゝ`)「えぇ……?」
爪゚ー゚)「想像するとちょっと興奮しないかい?」
( ´_ゝ`)「しない」
爪゚ー゚)「えぇ……?」
|゚ノ ^∀^)「あ、わかります」
( ´_ゝ`)「えぇ……?」
爪゚ー゚)「恐らく、それも家畜の教育システムに組み込まれてるんだろうね」
( ´_ゝ`)「教育もされてないのにそうなってる奴がここに」
爪゚ー゚)「そりゃ、天然がいなきゃ人工もいないだろうさ」
( ´_ゝ`)「一番アレなとこを普通に体現しないで欲しいんだけど??」
爪゚ー゚)「いや、食べられたいってだけなら実に平和的な話じゃないか」
( ´_ゝ`)「平和って何だっけ??」
爪゚ー゚)「平和? "双方が納得している"ってことじゃないのかい?」
( ´_ゝ`)「……普通に同意できちまうのが腹立つ」
56 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 23:04:46 ID:6o6EHAUo0
爪゚ー゚)「……しかし、大きいな」
( ´_ゝ`)「ん? レモナの魔力の話、か?(いくら地流さんでもここで乳の話じゃない、よな?)」
爪゚ー゚)「そう。明らかに僕より多い。君よりはちょっと少ないかな?」
( ´_ゝ`)「そりゃまた。訓練も何もなしで、ってなると」
爪゚ー゚)「魔力操作の素質さえあれば、普通に天才レベルかもしれない」
|゚ノ ^∀^)「え?」
( ´_ゝ`)「もしかしたら、だが。だからこそ前世の記憶が蘇ったのかもな」
爪゚ー゚)「なんとなくだけど、因果が逆な気はするかな。じゃなきゃ、生まれつき魔力が多い人は大体前世の記憶を持ってることになる」
( ´_ゝ`)「あー、確かに一理ある。ってことは逆か、前世の記憶が蘇ったことによって魔力量が増えた」
爪゚ー゚)「そっちの方がしっくり来るね。それによって前世の魔力量を引き継いだ、とか」
( ´_ゝ`)「……その理屈で言うと前世は魔術師っぽいかな」
爪゚ー゚)「僕はそう思ってる。だから、何なら教えれば今すぐ魔術使えそうだなって」
( ´_ゝ`)「ふむ、試してみるか?」
|゚ノ ^∀^)「???」
57 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 23:05:20 ID:6o6EHAUo0_,,,、、 -ー ' ´ ,. - 、 ___,,,,、、 -{。 ゚}--- 、、、、、,,,,,,,,,,________ __.,,,、、 -‐ ' ´ `:ー.´  ̄ ̄```rー ''''''¨¨´ _ ,, 、、 - - ゚ー 、、、,,,,,___ ,、 ' ´ 。  ̄`¨'' ー 、、,,_ ,、 ' ´ ゚ __,,,,,,,,、、、、゚ ,,,,,__ ・ `'' 、,、 '´ ,、 ゚ 。- '''¨´´ ̄ ゚ ・ ・  ̄``¨''' 。 、 ` ,、 '´ ,,、、 -。゚ ー r'ゝ、_,r'ヾゝ-'´!、 ー 、、゚ ¨`ヽ 、 ,、 '´ ,、 '´ ゞ'´ _,,,,、、、、、,,,,,_ ヾ・、゚ `゚ヽ。、 `ヽ、 '´ , '´ , ' ´。 .r゚、 _r'´ `ヽ . ,ゝ゚。 ヽ `ヽ、 ヽ , ' , '´ , ' \`¨''`¨'' ‐ ''¨´''''¨´/ ヽ `ヽ、 ヽ、 ' ,i' ,i' `¨'' ー---─ '''¨´ ヽ 'i ヽ { { { } } } 'i, i, i, ノ ノ 丿 ヽ .ヽ ヽ、 , '´ , ' , ' `ヽ、 `ヽ、 `''' ー- 、、,,,,,,,,,,,, _ ,,,,,,,、、 '´ ,、 '´ , '´
58 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 23:05:53 ID:6o6EHAUo0
|゚ノ;^∀^)「あっ!?」
( ´_ゝ`)「マジでできちゃった」
爪゚ー゚)「ふっ、僕の勘も捨てたもんじゃないね」
( ´_ゝ`)「おめでとう、これで君は今日から魔術師だ、レモナ」
|゚ノ;^∀^)「……」
爪゚ー゚)「おや? あまり嬉しそうじゃないね?」
|゚ノ;^∀^)「び、びっくりして……」
( ´_ゝ`)「よかったな、これで俺らが健闘虚しく全滅しても水には困らないぞ」
爪゚ー゚)「いや、水だけじゃどうにもならんでしょ。それに全滅とか縁起でもない」
( ´_ゝ`)「まあそうなんだが」
|゚ノ;^∀^)「まさか私が魔術を使えるなんて……」
爪゚ー゚)「ふふん、僕の慧眼を称えるがいい」
( ´_ゝ`)「すごいなー、あこがれちゃうなー」
爪゚ー゚)「それほどでもない」
|゚ノ ^∀^)「???」
59 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 23:06:27 ID:6o6EHAUo0
( ´_ゝ`)「そうとわかれば護身用の魔術仕込んどきたいな」
爪゚ー゚)「僕は戦闘用の魔術は無理だよ?」
( ´_ゝ`)「俺も強化しか使えん。……明日弟者と美和ちゃんに頼むか」
爪゚ー゚)「だね。レモナが戦力として数えられれば多少なり生存率上がるし」
|゚ノ ^∀^)「あの……?」
( ´_ゝ`)「そういえば。一応聞いておくけど、戦い方とかは知ってる?」
|゚ノ ^∀^)「えっ?」
爪゚ー゚)「格闘技、武術、狩猟、何でもいいけど。何か身を守るための暴力は身に着けているかな?」
|゚ノ ^∀^)「いいえ、そういうのは特に……」
( ´_ゝ`)「ま、だろうな。であれば強化は教えても意味がない」
爪゚ー゚)「やっぱ美和達に任せるしかないか。……あ、念話と探知は伝授しておきたいな」
( ´_ゝ`)「それはでかいな。あるとないとじゃ大違い」
|゚ノ ^∀^)「ネンワ? タンチ?」
爪゚ー゚)「ま、使ってみりゃわかるよ」
―――。
60 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 23:07:01 ID:6o6EHAUo0::::::::::::::::::::::::::::.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:. . . . . . . . . . . . 。 . . .::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. . . . . _,. -―- .,_ . ゚. . . ゚ . + .. .::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. .. . . . ,. ' .,,,::::;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::..` 、 . + . . .::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:. . . . ,. '゙;:::::"''''' ::::: ::::..."'':::::''::''::;;;: ` .、 . . . ゚ . . .:::::.:.:.:.:.:.:.:.: . . . . , ':::::::::'' ,;;;;;;;;;;;:::::::::::::. ;;;;;;;::;,. .ヽ ゚ 。::.:.:.:.:.:.:. . . . . ,.':::::::::;;;::::;;:::;;;;;;;;:::::::::::::::::::..,;;;:::::::::;;:";;. ヽ . . . . ゚ .:.:.:.:.:.: . . . ,.';::::::::::.:.:.:.::..;;;;;;;;;;:::::::.:.:.:.:::.:.:;;;:;:;;::;;:::::::. ,. . '., . . * . 。:.:.. . . . /;;;;;;;;;;;:;:;::;;;:;:;::::;:;:;::::::::::::''",,..,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:::::,,. .;;;;;;;,. ', 。 ゚ . . . .:.:. . . ,'::;;;;;;;;;;;;;:: : ;:;:;::;::.:::::::;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;:;:;:::;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:: ";;;;;' ', . . 。 ゚ .:. . . ; ';;;;;;;;;;:;:;:::,,:::::.:.:.:.::::::::;:;;;;:::::.:.:.;;;;;::::::;;;:;:;;;;;;;;;;;;;::::::., ;;;. ; + . 。. .. . { ,. ';;;;;;;;;;;;;;:;:;::::::.:.:.:..:::::::::.:.:.:::.. '';;;;;;;;;;;'''';:';;:;:;;;;;::::.. } . . . . ', :;;.';;;;;;;;;;;:;::;:;:::::;:;:;::.:.::;:;:. ::;;;;;:::: '::;;;;;;;;;;'''::: ; . 。 + . . , ';:;;:;;:.:.:;;;;;;;;;;;;;:;:;:;;;;;::::.. ";;;;;;: "'';:;;::::. ,' . . ゚ , :::::: ,;;;;;;;;":;:;:;;;:;;;;;;;;;: ';;;;;;: '',:;;;''::: ,' 。 ゚ . 。 ... '., ':;;;;;:;:;:;:;;.;;;;;;;;;;;::. '' / . .. 、 ..'':.:. ::::::.:. '' ,.' . * 。 . 丶 ;;. '',. / . . . \ ::,. ,. ' ゚ + . ' , , '゙ ゙ 、 ,,,,,,_____,,,,... ''"
61 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 23:07:35 ID:6o6EHAUo0
(´<_` )「はよっす」
<(' _'<人ノ「おはようございます」
(´-_ゝ・`)「ふぅ……なかなかきついね」
( ´_ゝ`)「確かにきつい。レモナの探知が形になったらローテを改めたい」
(´<_` )「……? その口ぶり、レモナさんは」
爪゚ー゚)「いやあ、これが出鱈目に優秀でね。明日、君らに戦闘用の魔術を仕込んで貰えたら完璧かな?」
( ´_ゝ`)「正直、"習得している"というよりは"思い出している"って感じ」
<(' _'<人ノ「なるほど……前世の記憶持ちですし、そういうこともあるのかもしれません」
(´・_ゝ・`)「え、もしかしてレモナさんも手から水が」
( ´_ゝ`)「もう出ちゃう」
(´・_ゝ・`)「えぇ……」
爪゚ー゚)「まあまあ、盛岡さんも素質はあると思うから。チートバグミズチと比べず頑張って貰いたい」
(´<_` )「ミズチは余計ですが」
爪゚ー゚)「そうかい?」
(´<_` )「そうです」
62 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 23:08:08 ID:6o6EHAUo0,',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',','.'.'.'.'.': : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : '.'.'.'.'.',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',','.'.'.'.'.'.' : : : : : : : : : : : ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; : : : : '.'.'.',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',','.'.'.': : : : : : : : : : : : : : :、vw::=:=:=≡≡=:=:=:w:z;ィ:v:,: : : : : : '.'.'.',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',','.'.'.' : : : : : : : : : : : 、vゞ:'ヾ`.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:".:.イ vィ;';'; : : : : '.'.',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',','.'.'.' : : : : : : : : : : : 、vヾ`.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:"イ 'ィv,: : : : : '.'.',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',','.'.'.' : : : : : : : : ミxヾ`.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.>-‐-<.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.彡;ィ : : : : '.',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',','.'.'.' : : : : : : : : ミ:ヾ`.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:Y'´::::::::::i::::::::::ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'彡,: : : : '.',',',',',',',',',',',',',',',',',',','.'.'.' : : : : : : : :ミxゞ`.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:._/::::::::::::::::||::::::::::::::::Y:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.';v'ィ: : : : .',',',',',',',',',',',',',',',',','.'.' : : : : : : : :ミx゙`.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.-=:::::;、::::::::::::::::::||::::::::::::::::::.ー-.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:."'ィ; : : : :.',',',',',',',',',',',',',',' : : : : : : ミイ".:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ̄人 :::::::::::::||::::::::::::::::.-─  ̄:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.彡 : : : :',',',',',',',',',',',',': : :_:_:,,::斗弍=‐-: : :.: _:_:_:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:乂:::::::.....i:::::::::::::.ノ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'彡; : : : ',',',',',',',',',',',;': ´: : : : : : : : : : : : : : : : : : :  ̄: : `: ¨: :¬:=:―:-` =--‐―':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i彡ィ; : : .',',',',',',',',',',,',',',',',',',',',',',',',',',',',',' ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`: :ー-:::.:_::::::::;.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}爻ハ:_ : : ',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',' ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; : : : : : : : : : : : : : : : : : : :`:・:┴:-: : :-:―:一彡'゙ ̄:`: : : :.',',',',',',',',',,',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',', ; ; ; ; ; ; ; ; : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ; ; ; ; ; ;,',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',',','
63 : ◆KDJGUfbY2o [] :2024/01/08(月) 23:08:41 ID:6o6EHAUo0
<(' _';<人ノ「っ……!?」
Case12「海色の声」 Day5B「目覚めたる家畜」
To be continued...