154 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 22:52:28 ID:9dog0Vjg0前回のあらすじ・この一か月。月例祭の一日が繰り返されてるんや・さくのかみと儀式について知ることができれば、脱出する方法も見えてくると思います・んー、世捨て人の婆さんのとこでも行ってみるか?
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ | 流石だよな、俺ら | \_ _____ __/ V V d( ´_ゝ`)人(´<_` )b \ /. \ / l l l l //l | | l\\  ̄  ̄.  ̄  ̄
【標準AA環境】
※右のAAのズレない環境が標準です。 | |\|/ | | | | ∧ ∧ |/⌒ヽ、| ∧_∧ | ∧∧ | |(,,゚Д゚)||,,゚ Θ゚)|(; ´Д`)|(=゚ω゚)|
155 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 22:53:03 ID:9dog0Vjg0Case11-Day4B``'x;';';'ノ,vivu,;';';'ミミメヾ;:ミ:从;';'ミミミミYヾ;:ミ:淡x;';'ミミミミメヾ;:ミ:ハ淡<⌒^7 _,,..、、--‐'''""´;';ミミミミメヾ;:ミ:ヾ}淡!`丶(,、、 γ⌒ヽ __ _,,,、、--‐''´;';':;.:,:;.:,;';';';';';';';'i:i:;'ミミミミミミメヾ;:ソ淡ノ, : ::)ノ'㍉ー-{i:i:i:i:i:}_,.、-''"~ : : : : : : : : : :``'ィi〔i:i:;:;:i:i:i:i:i:;';';';';';';';'i:i:i:i:;:;:i:i:i:i:i:_:_:ミミミ|ミ:ミ|iミ.:.:シ爻彡';:.〈;';'.:..;';'`'㍉i:i:i:ソ:;.:,ィzzzzxX父爻xv'⌒ヽ__,..-‐ー…¬冖 ''' ""  ̄. . : . . . . .;';';';')j___」Lと|i:i:i:i:ソ:;.:ノ,;';';';';'.: . .:ン ```~TニT爻淡淡爻:;.:,:;.:,ノ: : : : :xx<ぅs。 . . . : . . . . : . . . : . . .,.:'´. . : . . . : : . . ⌒``"``^⌒^^´. . : . . . : ``''ー''"⌒¨´`^^´__r~く乂爻:. . .`丶 . . : . . : . . . : . . .. . : . . : . . : . . : . . : . . : . . : : /\~ ̄\ . : . : . : . : . : . : ..( ノい乂爻淡爻.:. ノ . : . : . : : :,: . .: , .: , .: , .: , .: .,: . .: , .: / \ \ . . : . . : . . : . . Y辷爻;';'爻淡爻ツ′. : . : . : . .: .: .: .:.: , .: , .: , .: , .: , .: , .: , . / \ \. : . : ..,v~、、乂..:.乂. 爻ミ.:;';'ソ r~~、、 . : . : .,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´,.:'.../|∠二二二二7 \__\ ノ(.. ノ⌒丶`Tトミミメミメヾ;乂 ノン爻. : .`㍉ . : . :,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´,.:' | | ̄|┌┐ | |.:.:.:辷 ;' ;';'乂爻淡淡爻ヾ;:ミメ^'^ンく.: .:;';'.: } i. : .. : .:´:´:´:´:┌┐:´:vivン_| | _|└┘ | Γ|γ乂爻父狄淡爻爻父父ミメ::; :;. 爻ソ.: ;';';'ン゚ .: .: .: .:=====)=|::::|=ノ什ノ|:::|""""゙;゙|:|丁 丁 TTニ7=-‐_、r-<⌒'爻淡淡慫衒衒慫淡淡父__ソソ, : , : , : ,ノィ(ノィ(ノ(|::::|v(ノメ川;|:::|kv:;.: : |:|乂ノ(ノ ノ;:ノ; '( ``'ミ;';'``~ _n⌒'v蕊蕊ッ'^'X彩'′, : , : , : , : , : ,しル《ノ.: |::::|ノ(ノ从ノ|::从小vivifノし(ノし':;.:,:;.:,狄 `'㍉.:;'.;';'ミミメv_`iii´.:'.:'n.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'{ノVソし人从;';'Yi:i:少'冖㍊:, . . ノ(ノ.:ノミメ;';';';'i:ン ´"'爻:;.:,i:i:i:;'^ソ7ァ┴‐- __ ;";";";";";";找ルノ(《州川;';i洲り;'.:. ノ《价ミrf爻リンルンi:i:ソ . . : ``'爻:;.:,狄;';'ノ州川 i i^^'冖¬vvu:`i:Y; 狄ノjル州:从州i:狄;';')水ツンミメハノi:i:ツ'′ . . :. :...:`'爻洲州川狄狄州川i:i:゙;゙;゙;;'ノ八ノハ从ノノノ从小价ソ少沙';';':;.ノ.:.:丿'′ .: : ``'爻ミ狄刈狄ノ川i:i:i::;.:,
156 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 22:53:36 ID:9dog0Vjg0
( ´_ゝ`)「あれがその世捨て人の婆さんの家か」
リ゚▽゚ リ<l「せや。多分帰ってると思うんやけど」
(´<_` )「まあ、留守のようなら待ちますか」
( ´_ゝ`)「だな、そのうち帰ってくるのはわかってるわけだし」
ハ’ノ_’ ハ「えっ……? ちょっと待ってください」
(´<_` )「どうしました?」
ハ’ノ_’;ハ「念のため家に探知をしてみたんですが、反応が……」
リ゚▽゚ リ<l「何やて?」
( ´_ゝ`)「……結界か? 他のものか?」
ハ’ノ_’;ハ「侵入を拒む類の結界です。それも、結構古風な」
(´<_` )「それは」
( ´_ゝ`)「んー……古風ってとこからすると婆さんが張ったもんなのかな?」
157 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 22:54:10 ID:9dog0Vjg0
(´<_` )「どうする?」
( ´_ゝ`)「まあ問題ないだろ、最悪夕方の船に乗ってリセットできるし」
リ゚▽゚ リ<l「あんま安易にやるのもどうかと思うけどな、あれも結構正気削れるで正直」
ハ’ノ_’ ハ「同感です」
( ´_ゝ`)「あくまで最悪は、だ。恐らくまずい可能性は低いと思うし、それに」
(´<_` )「飛び込んでかなきゃどうにもならん、か」
( ´_ゝ`)「そういうこと。穏当な行動の選択肢があまりない以上、尻込みしててもしゃあない」
リ゚▽゚ リ<l「あー、それはまあそうやな、身に沁みとるで」
ハ’ノ_’ ハ「うーん、そう言われるとそうですけど」
(´<_` )「いざとなったら例のスタングレネード的ガジェットよろしく」
ハ’ノ_’ ハ「あ、それ聞いてちょっと気になったんですけど、使っちゃったものは繰り返した時どうなるんですかね?」
リ゚▽゚ リ<l「元に戻るで。じゃなきゃ今頃うちの服とかミステリの被害者より酷いことになっとるわ」
ハ’ノ_’ ハ「ん、なるほど」
158 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 22:54:43 ID:9dog0Vjg0
( ´_ゝ`)「んじゃ、声かけるか。ごめんくださーい!」
………
( ´_ゝ`)「ありゃ、留守か?」
リ゚▽゚ リ<l「ま、そんなら待たせてもらおか。よっこらせ」
ハ’ノ_’ ハ「俺は周辺をちょっと調べてみます」
(´<_` )「付き合います」
( ´_ゝ`)「ほどほどにな、戻ってきて不審がられても面倒だし」
(´<_` )「確かに」
ハ’ノ_’ ハ「すぐ戻りますよ」
( ´_ゝ`)「ならいい」
―――。
159 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 22:55:17 ID:9dog0Vjg0
リ゚▽゚ リ<l「あ、戻ってきたみたいやで」
( ´_ゝ`)「おっ」
(´<_` )「すぐ切り上げて正解でしたね」
ハ’ノ_’ ハ「ですねー、ただでさえ怪しげな集団ですし」
( ´_ゝ`)「双子と外国人とコスプレイヤーの集団とかもうね」
リ゚▽゚ リ<l「せやな、ってコスプレちゃうわ」
( ´_ゝ`)「そうか?」
リ゚▽゚ リ<l「そうや」
ハ’ノ_’ ハ「えぇー……それが普段着って方が無理ありますけど」
リ゚▽゚ リ<l「いつでも見られとる思っとけってムカキンも言うとるやん」
(´<_` )「それってそういう意味なんでしたっけ……?」
八-ム-)
160 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 22:55:51 ID:9dog0Vjg0
( ´_ゝ`)(思ったより全然老婆感薄いな……60行ってないくらいか?)
八-ム-)「何だい、あんたら」
( ´_ゝ`)「ただの旅行者、だったらよかったんだけどな」
(´<_` )「人を探しに来たんですが。ちょっと、おかしなことに巻き込まれていまして」
八-ム-)「ああ……悪いこと言わないから早く帰んな」
リ゚▽゚ リ<l「そうしたいのは山々なんやけどなぁ……」
ハ’ノ_’ ハ「島から出られないんです」
八-ム-)「ん? それはどういうことだい?」
( ´_ゝ`)「言葉通り。船に乗っても気づいたら公民館に戻ってる」
八-ム-)「むぅ……? ああ、立ち話もなんだね。入んな」
(´<_` )「え? あ、はい」
ハ’ノ_’ ハ「あの、いいんですか? 自分で言うのも何ですが結構怪しげな集団だと思うんですけど」
八-ム-)「構いやしないよ。こんな婆一人どうこうしたってどーにもならんからね」
( ´_ゝ`)「んじゃ遠慮なく」
161 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 22:56:25 ID:9dog0Vjg0【老婆の家 居間】 | {二二}{二二| {二二}{二ニ ,'| ! .二} |二}{二二}{二二} | | | {二二}{二二| {二二}に. ,' j | ニ二} |二}{二二}{二二} | | | {二二}{二二| {二二}{ニ. ,′| ! .二} |二}{二二}{二二} | | | {二二}{二二| {二二}{ニ..' ニ.|__| ニ二} |二}{二二}{二二} | | | {二二}{二二| {二二}{ニ..辷z.!i_..ニ} |二}{二二}{二二} | | | {二二}{二二| {二二}{ ../.:::::::::::::::/ニ} |二}{二二}{二二} | | | {二二}{二二| {二二}{ くx=┬< .ニ} |二}{二二}{二二} | | | {二二}{二二| {二二}{二二 八 二} |二}{二二}{二二} | | | {二二}{二二| {二二}{二二.〈上〉 .二} |二}{二二}{二二} | | | {二二}{二二| {二二}{二二 r=' 二二} |二}{二二}{二二} | | ,廴_____,|______`爪 __,|__________|__|_ >'´ ___ r、 (二) __,トニニニオ___'´ / /二.Y´ `Y 二 乂___,乂.二二∨\ ,/ /:.:.rz介=─=介z:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.∨ \ / /:.:.:.':.:":':.:.:.:.:.:":.':.:.':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:∨ \ / ,/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄∨ 丶 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
162 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 22:56:59 ID:9dog0Vjg0
( ´_ゝ`)「まさかの囲炉裏」
八-ム-)「あたしの稼ぎじゃガス買うのも一苦労だからね。基本は水と米以外自給自足さね」
(´<_` )「大変ですね」
八-ム-)「何の因果か、随分と長生きしちまったもんだよ」
ハ’ノ_’ ハ「おいくつなんですか?」
八-ム-)「今年60だよ」
( ´_ゝ`)「お、還暦か、そりゃめでたい」
ハ’ノ_’ ハ「「おめでとうございます」」(´<_` )
リ゚▽゚ リ<l「おめでとさんやで」
八-ム-)「……何で生きてるのかもわからん老いぼれだけど、そう言われると何か嬉しいねえ」
ハ’ノ_’ ハ「いえ、まだまだお若いですよ」
( ´_ゝ`)b「生きてるだけで丸儲け」
(´<_` )「これまで相当なご苦労があったのだとお見受けします。 それでも日々仕事をして生活してらっしゃるのは尊敬します」
八-ム-)「そうだねえ……色々あったさ、そう、色々ね」
163 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 22:57:33 ID:9dog0Vjg0
( ´_ゝ`)「その色々を聞きたいんだけど」
(´<_` )「その前に。自己紹介が遅れてすみません、流石累次です。こちらが兄の」
( ´_ゝ`)「流石真理男だ」
ハ’ノ_’ ハ「ハロルド・エンヴィーです」
リ゚▽゚ リ<l「木葉茜やで」
八-ム-)「あたしゃ吉野ツルだよ」
( ´_ゝ`)「ん、吉野って」
(´<_` )「……ハルさんのお母さんでしょうか?」
八-ム-)「ああ、そうさね」
ハ’ノ_’ ハ「えっ、そうだったんですね」
( ´_ゝ`)(彼女、母親を僻地に放っておくようなタイプには見えんが……信仰の違い故か?)
「おーい、ばあちゃーん!」
164 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 22:58:06 ID:9dog0Vjg0
八^⊿^)「「ん??」」リ’-’ル
八-ム-)「おや、隼人にリル。今はお客さんが来てるんだ、ちょっと待っておくれ」
八^⊿^)「客……?」リ’-’ル「お客さん?」
ハ’ノ_’ ハ「お孫さんですか?」
八-ム-)「ああ。二人とも、お客さんに挨拶しな」
八^⊿^)「……吉野隼人、です」
\リ’-’ル「リルだよ!」
( ´_ゝ`)「お、礼儀正しいな若人達。流石真理男、探偵だ」
八^⊿^)「探偵……?」
(´<_` )「弟の累次です」
ハ’ノ_’ ハ「ハロルド・エンヴィーです」
リ゚▽゚ リ<l「木葉茜や」
リ’-’ル「わっ! お洋服可愛い!」
リ゚▽゚ リ<l「あはは、ありがとさんやで」
165 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 22:58:40 ID:9dog0Vjg0
( ´_ゝ`)「二人はよく遊びに来るのか?」
八^⊿^)「うん、いや、はい」
( ´_ゝ`)「別に無理して敬語なんて使わんでいいぞ」
八^⊿^)「え?」
リ゚▽゚ リ<l「せやな、無礼講や無礼講」
ハ’ノ_’ ハ「無礼講って宴会とかじゃなかったでしたっけ?」
(´<_` )「言葉の意味は置いといていいかと」
八^⊿^)「ほんとか?」
( ´_ゝ`)b「男に二言はない」
リ’-’ル「おなじかおー??」ペタペタ
(´<_` )「んっ? いや、ちょっと」
166 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 22:59:13 ID:9dog0Vjg0
( ´_ゝ`)「弟者はロリに好かれる」
(´<_` )「おい、あらぬ風評はやめろ」
リ゚▽゚ リ<l「あっ……」スッ
(´<_`;)「地味に距離取らないでください!」
( ´_ゝ`)(そういや合法ロリだな……)
リ’-’ル「?」
八^⊿^)「おい、リルに手ぇ出したらただじゃおかねーぞ」
(´<_` )「いや真に受けないでください」
( ´_ゝ`)「悪い悪い、ちょっとしたジョークだ。弟者は性犯罪者ではない」
ハ’ノ_’ ハ「俺はそういうジョーク嫌いです」
( ´_ゝ`)「む、すまんな」
リ゚▽゚ リ<l「えー、何やうちらが悪いみたいやん?」
(´<_` )「悪いです」
八-ム-)「悪いなあ」
167 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 22:59:47 ID:9dog0Vjg0
( ´_ゝ`)「ええーっと、DOGEZA??」
リ゚▽゚ リ<l「おっ、ええやん。一度やってみたかったんや」
(´<_` )「やめい」
八^⊿^)「えーと……よくわかんねーけどあんたロリコンじゃないのか?」
(´<_` )「断じて」
( ´_ゝ`)(いやそれは嘘だろ、普通に見境があるだけで)
八^⊿^)「……そりゃそうか。あんたみたいな真面目そうなやつが巌のクソ野郎と同じわけない」
( ´_ゝ`)(ん?)
ハ’ノ_’ ハ「ん?」
(´<_` )「巌って、山口さんですか?」
ハ’ノ_’ ハ「……えっ、ロリコンなんですかあの人?」
八^⊿^)「リルにベタベタ触ってきやがる」
( ´_ゝ`)「「アウト」」(´<_` )
ハ’ノ_’ ハ「アウト」
( ´_ゝ`)ノシ「スリーアウト、チェンジで」
168 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:00:22 ID:9dog0Vjg0
( ´_ゝ`)「え何、あんまそんな感じなかったけど。言われてみれば目線が怪しかった気も……?」
(´<_` )「マジか」
ハ’ノ_’ ハ「えぇ……」
八-ム-)「いや、あいつはただ見境がないだけだね」
( ´_ゝ`)「ああ、そういうこと?」
ハ’ノ_’ ハ「えぇ……」
リ゚▽゚ リ<l「どっちみち近寄らんとこ」
八^⊿^)「リルは俺が守る」
( ´_ゝ`)「気に入った。俺らでよければ力になるぞ」
(´<_` )「ええと、一応聞いときますけど警察とかは?」
八-ム-)「役に立ったことは一度もないさね」
ハ’ノ_’ ハ「はぇー……何だかとんでもないところに来てしまいましたね」
( ´_ゝ`)「色んな意味でな」
169 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:00:55 ID:9dog0Vjg0
リ’-’ル「お兄ちゃんお外いこー!」
八^⊿^)「ん? おう!」
八-ム-)「行っといで。猪に気をつけるんだよ」
八^⊿^)「わかってるって! 行くぞリル!」
リ’-’ル「わー!」
ハ’ノ_’ ハ「良いお孫さんですね」
八-ム-)「ああ、あたしなんかにゃ勿体ない孫たちさ」
(´<_` )「あの……聞いていいかわかりませんが、どうしてここに住まわれてるんですか?」
八-ム-)「山の管理なんて誰もやりたがらんからね、誰かがやらにゃならん」
リ゚▽゚ リ<l「作業小屋があれば十分な気するけどな」
( ´_ゝ`)「あー、もういいか。ぶっちゃけ村の人たちとの折り合いがよくないからっしょ?」
八-ム-)「……ま、そうだね」
170 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:01:29 ID:9dog0Vjg0
( ´_ゝ`)「その、折り合いが悪い理由を聞きたいんだけど」
八-ム-)「……」
ハ’ノ_’ ハ「別にあなたが魔術師だから、ってわけでもないですよね」
八;-ム-)「!? あんた」
ハ’ノ_’ ハ「改めまして。品川商事顧問魔術師のハロルドです」
( ´_ゝ`)「えっ、顧問魔術師とか何それ初耳なんだが」
ハ’ノ_’ ハ「あはは、なんかとんでもない好待遇で招致されちゃいまして……」
(´<_` )「俺らに付き合っちゃって大丈夫だったんですか?」
ハ’ノ_’ ハ「ボスの了承は得てますよ。他ならぬあなた方の頼みってことで」
八-ム-)「驚いた、あんた魔術師なのかい」
ハ’ノ_’ ハ「ヘッポコですけどね」
( ´_ゝ`)「不本意ながら俺ら、魔術師や化け物と戦ったりヤバい橋には慣れてる」
(´<_` )「本当に不本意ながらな……」
リ゚▽゚ リ<l「いやどんな探偵やねん」
171 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:02:02 ID:9dog0Vjg0
( ´_ゝ`)「というわけなんでまあ、心配ならご無用だし」
(´<_` )「何かしら手助けもできるかもしれません」
( ´_ゝ`)「とはいえ今はちょっと困ったことになってるから知恵を貸して欲しくて」
八-ム-)「うーん、なるほどねぇ……」
リ゚▽゚ リ<l「どうやろか?」
八-ム-)「……まずはその困ったこととやらを聞かせて貰おうかね」
( ´_ゝ`)「わかった」
(´<_` )「では、最初から説明します」
―――。
172 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:02:36 ID:9dog0Vjg0
八-ム-)「……なるほどねぇ、そういうカラクリだったのかい」
(´<_` )「何か思い当たることが?」
八-ム-)「まず、だけど。あたしには月例祭で稀人が供物にされる、という認識はあっても、 それが誰だったのか、どんな姿をしていたのか、とんと記憶がない」
( ´_ゝ`)「なるほど」
八-ム-)「改めて考えてみるまで気づかなかったけどねぇ、随分とおかしなことだよ」
リ゚▽゚ リ<l「ん、月例祭出とらんって聞いとったけど」
八-ム-)「あたしだって昔は出てたさ、この生活を始めるまでは」
(´<_` )「どうしてこのような生活を?」
八-ム-)「村での生活がしにくくなっちまってねぇ、当時山の管理をしてた婆様がくたばったこともあって、 あたしが手を上げたというわけさ」
( ´_ゝ`)「理由について詳しく」
八-ム-)「ろくでもない島だよ、ここは。さっさと滅んじまえばいいんだ」
リ゚▽゚ リ<l「なんやめっちゃ激しいやん」
173 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:03:09 ID:9dog0Vjg0
八-ム-)「……あたしもね、稀人だったんだよ」
リ゚▽゚ リ<l「えっ?」
八-ム-)「乗ってた船が座礁してね、救命ボートで辿り着いたのがこの島だったのさ」
( ´_ゝ`)「なるほど」
八-ム-)「……状況からして他にも乗員はいたと思うんだけどね、記憶にはない。 恐らく、供物にされたってことだろうね」
(´<_` )「それは、たまたま新月の日に辿り着いたということですか?」
八-ム-)「いいや。色々理由をつけて何日も留め置かれたんだよ。 最後の方は銃持って脅されとったね」
ハ’ノ_’ ハ「うわぁ……」
リ゚▽゚ リ<l「それで、なんであんただけ残ったんや?」
八-ム-)「……当時の村長だった100歳の妖怪爺に気に入られたから、だろうね」
( ´_ゝ`)「あー……そういう」
(´<_` )「最悪だ……」
174 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:03:43 ID:9dog0Vjg0
八-ム-)「本当に最悪だよ。夜毎誰かしらに犯されたからね」
( ´_ゝ`)「……薄々思ってたんだけど。もしかしてこの島、夫婦の概念がない?」
八-ム-)「そうさね。この島じゃ女は男どもの共有所有物だよ」
リ゚▽゚ リ<l「うわ……」
(´<_` )「……」
八-ム-)「誰が父親かなんてわかりゃしないからね、産まれた子供は母親の姓を継ぐのさ」
( ´_ゝ`)「何だろう、思った以上に最悪でドン引きしている」
(´<_` )「奇遇だな、兄者」
ハ’ノ_’ ハ「ほんとに」
八-ム-)「狭い島だ、代を重ねれば血が煮詰まるからね。 たまにあたしみたいなのを捕らえて外の血を入れてるんだよ」
リ゚▽゚;リ<l「こわー……もしかして新月の日で逆に助かったんか?」
( ´_ゝ`)「そういうことになりそうだな……」
175 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:04:17 ID:9dog0Vjg0
(´<_` )「しかしその理屈でいうと……島から逃さないような仕組みがあるなら人口爆発しそうですが」
( ´_ゝ`)「確かに。そこにも何かカラクリがある?」
八-ム-)「供物にされるのは稀人だけじゃない」
ハ’ノ_’ ハ「え……」
八-ム-)「病人やカタワ、爪弾き者は供物に選ばれる。それも全く記憶はないけどね、そういうことになってる」
リ゚▽゚ リ<l「……何やろ、絶句もんやな」
( ´_ゝ`)「あんたが選ばれないのは……山の管理を誰もやりたくないから?」
八-ム-)「そういうことさ。男は漁に出て、女は男に尽くして家事育児をするのが美徳とされてるからね。 山仕事なんて誰もやりたがらないのさ。今はあたし含めた爪弾き者達で回してるよ」
リ゚▽゚ リ<l「あれ、他にもおるんやな。そりゃそうか、一人でできるもんやなし」
八-ム-)「常駐はあたしともう一人だね。他は必要な時に回される」
(´<_` )「何だろう……島から脱出しようと思ったりは?」
八-ム-)「そりゃ思ったさ。でもまあ、難しいね。今ならできなくもないと思うけども」
( ´_ゝ`)「……孫たちか」
八-ム-)「そうだね。隼人とリルをよそに連れて行く。今は準備期間といったところさ」
176 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:04:51 ID:9dog0Vjg0
リ゚▽゚ リ<l「隼人はなんや島の思想に染まっとらん感じやったな。反抗期やからか?」
八-ム-)「あたしの影響もあるだろうけどね。真っすぐないい子だよ」
ハ’ノ_’ ハ「あー……もしかしたらこの家の結界が関係あるかもしれません」
( ´_ゝ`)「む?」
ハ’ノ_’ ハ「この島、たぶんさくのかみの魔力らしきものが薄っすら漂っててですね。 それが島の人の情操にも影響を与えているかもしれません」
リ゚▽゚ リ<l「なんやて?」
(´<_` )「ハロルドさん、そういうのは早めに教えて欲しいんですが……」
ハ’ノ_’ ハ「いや、俺もちょっとした違和感程度だったんですよ。 この家に入って、外との違いで何となくわかってきたというか」
八-ム-)「そうかい……ハルの時は村の中で結界なんて張ってなかったからね。 あの子には色々と思うところもあるけど、悪いことをしたかね……」
( ´_ゝ`)「いやそんなん気付くの無理っしょ。あんたのせいじゃないって」
リ゚▽゚ リ<l「せやで」
177 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:05:25 ID:9dog0Vjg0
( ´_ゝ`)「なんとなく、子供たちはこの島の軛から解き放てる可能性がありそうなことがわかってしまったが」
ハ’ノ_’ ハ「いや、言ってから思いましたけど短時間の滞在でそこまで変わるとは到底……あくまで要素の一つでしかないかと」
(´<_` )「どのみち、流石に手が回らん。別に俺ら正義の味方でもないし……」
( ´_ゝ`)「まあ、特課に通報しとくくらいかな……」
ハ’ノ_’ ハ「ローレンツ先輩からこの辺の教会に話を通して貰うのもいいかもしれません。 何なら、この話を聞いたら自ら出張してくるかも」
リ゚▽゚ リ<l「何や凄いツテとかそんなんがある感じ?」
( ´_ゝ`)「政府のオカルト対処部隊とバチカンのエクソシスト」
リ゚▽゚ リ<l「えぇ……なにそれヤバ」
八-ム-)「ほう……そんなのがあるのかい」
(´<_` )「そのツテを頼るにはまず脱出の必要があるわけですが」
ハ’ノ_’ ハ「何か思い当たることありませんかね?」
八-ム-)「ふむ……」
178 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:05:58 ID:9dog0Vjg0
八-ム-)「何かあるとすれば、村長の家かさくのかみの社だろうね」
( ´_ゝ`)「やっぱりそうなるか……」
(´<_` )「もうちょっと容易そうな搦め手とかないですかね?」
八-ム-)「何か知ってそうな有力な魔術師は村長の家に詰めてるからね。 強いて言えばばらけて行動しているところを狙うくらいさ」
リ゚▽゚ リ<l「ん? ってことは社の見張りは大したことないんか?」
八-ム-)「猟銃を大したことがないと思うのであれば、そうだね。 魔術師としちゃいいとこあたしと同程度のペーペーさ」
( ´_ゝ`)「猟銃は普通に大したことあるな。使い手がヘボならどうとでもなるが」
(´<_` )「実戦経験少なそうだしな、兄者なら普通に何とかなりそう」
ハ’ノ_’ ハ「俺がサポートすれば普通にいけそうですね。とりあえずそっちから当たりますか?」
( ´_ゝ`)「村長の家はルナティック過ぎるしな、見張りに拷問なり夢の臨界なりかけて足掛かりを得たい」
リ゚▽゚ リ<l「夢の臨界?」
(´<_` )「詳細は省きますが知ってる情報を抜ける魔術です」
179 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:06:32 ID:9dog0Vjg0
( ´_ゝ`)「おし、俺とハロルドさんでちょっくら行ってくるわ。 弟者と茜ちゃんさんはここで待機しといて」
(´<_` )「二人で大丈夫か?」
( ´_ゝ`)「むしろ身軽な方がいい」
(´<_` )「なるほど。……吉野さん、暫くいさせて貰って構いませんか?」
八-ム-)「ああ、構わないよ」
( ´_ゝ`)「ついでに何か良さそうな魔術あったら弟者に教えてやってくれない?」
八-ム-)「構わんけど……あんたらも魔術を使うのかい?」
(´<_` )「成り行きで身に着けたのでラインナップはかなり偏ってますが……」
リ゚▽゚ リ<l「なあなあ、それってうちも覚えられるか?」
( ´_ゝ`)「流石にゼロからは短期でどうにもならんと思うぞ」
ハ’ノ_’ ハ「ですね、余程の天才なら可能性はゼロじゃありませんが。 俺は割とすぐ使えましたけど、後で知った話では魔術師の家系だったみたいですし……」
リ゚▽゚ リ<l「えー、そうなんか。残念やな」
(;´_ゝ`)(別府の魔術書改めてヤバすぎる……)
180 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:07:06 ID:9dog0Vjg0【さくのかみの洞穴】 |:――- __ /⌒ ̄ ̄ 、_ |: { \ __ /_ \ }_⌒ ̄ ̄ノ^ ___ j 、 >''“” ̄ ̄ ̄”“''<\ 、 | ̄⌒}f  ̄ { | ̄ ̄ { ̄ ̄ ̄ ̄ |/::::::::::::::::::::::::::: : : . .. ..\ 、 \ {{ ̄ ̄ ̄ { | { 〃::::::::::::::::::::::::::::::::: : : : : : ..∧ V 、 { { | { i{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ∧ V } _}____ノ_ / __ ノ=‐― __.i{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i } 厂⌒≧=― ̄ ̄ ̄⌒\__/⌒ ̄ { ]{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i } / { { { ]{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i }_/{ _」___ { { ]{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i } ̄ ̄ ̄⌒\{ { { ]{::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : : . . . ..}/ ノ] { { ノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: : : : : . . ....{ { { { /⌒ r ┐:::::::::::::::::::::: : : : : : : . . ....{ ノ―=冖⌒ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄{ 八_ノ=――- _____」___/⌒ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(__)
181 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:07:40 ID:9dog0Vjg0
( ´_ゝ`)(なるほど、あれか……立ち姿から、大した使い手ではなさそうだ)
ハ’ノ_’ ハ(魔力は……俺よりちょい下くらいか? まあ問題なさそうかな)
( ´_ゝ`)b(そんじゃ手筈通り)
ハ’ノ_’ ハb(おけです)
。ハ’ノ_’ ハっ/
。 ―=≡>ハ’ノ_’ ハっ/
` ' 、 ノヾ ' )ヽ/ ヽ、ノ|ノ´ ------- ―== ニ ニ二 二ニ ニ ==― -------- ) ( , '´⌒`Y´⌒` 、 , \
182 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:08:13 ID:9dog0Vjg0
(;・村・)「!? て、手がッ……!?」
三( ´_ゝ`)┫「いただきっ!」
(;・村・)「!?」
\\ | | | / /. \\\ .| | | / / \\ | | /'! / \\.. | | ./ ! // \ |\ | //| |___ \ | \ | .// .l_ / ____| |\\/\// / / \ ____| \/\/ / / _______ \ \ /  ̄ ̄ __ / \ \ __lV 、_  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄― "" / ――― / / , > へ´ ` 、 ̄ ̄ / ―― / /// Y l\ \ く ―――――― / /./ ! \ | ̄ \ / / // /! .! l\ \l ! ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ // ..// / ...! l l \ | \ / //// | .l l l \ | \ / / / / l ∥l \ | \\ ./ / // l .i ` \\
183 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:08:47 ID:9dog0Vjg0
(;・村(::)「ぐっ……!」
( ´_ゝ`)┫「大声を出せば殺す。……さて、質問に答えて貰おうか」
(;・村(::)「何だと? 誰がっ――!?」
( ´_ゝ`)┫))村(::) ゴッ!
ハ’ノ_’ ハ「あー、やっぱ大声出させずには厳しかったですね」
( ´_ゝ`)┫「しゃあなし、気絶させちったしプランB」
ハ’ノ_’ ハ「とりあえず中に運びますか」
184 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:09:21 ID:9dog0Vjg0【さくのかみの社】 lj i .| | .|l゙.゛ | ュ! U | | lj !| │l U ` l .! l ! .! | l .| | l゙ ″ .| .| .| .lU.! |ゞ .! .| lj二二二二二二∨二 U 二二二二 lj二二二二二 .lj二二.lj二二二 .lj 二 .U .∨二二 .レ゙ !.l二二.| |二 l l二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二 lj二二二. lj二 .lj二二二二二二二二二二二___________________二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二| ......::::::::i二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ_______┏━━┓______/二二二二二二二二二二二二二三三三三三三三三三三三三三三三三|. . __i___┃ ┃____ .:::|三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三|...|____┗━━┛____i ;;.:|三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三| ..::::| . | ..::::|三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三| ..:::::| | :::::::|三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三| ...:::| | . .::::::|三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三| ..:::::| | .:.:::::|三三三三三三三三三三三三三三二二二二二二二二二二二二二二二二| ..:::::::| | .::: :::|二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二. | .:::::.:::::| | .:: .::::|二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二 | ..::::::::| | .::::::::|二二二二二二二二二二二二二二二二r、二二二二二、、二二二二二二二| ..:::::::::| | .::::.::::::|二二二二二二 ,,, .八 .,,二二二二-、/ `-''-.二二二 ー''‐二二,i、, __ .| ..::::::::::| | ..:::::::::::|_(:::::;;;;;;)_/ '"⌒ ".!.ヽ、二二二二 `.´ .―-..、 (;;;;;;; / /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|\ \;;;;;;;;)-、l 〟 .| ,′ Ο (;;;;;;./ /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|\ \;;;;;;;;;;;) (;;;;;/ /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|\ \;;;;;;;;)======= .(::/| ,| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|,\ \ ∧三三 ノ゙'ー ーー- / .ヽ ∧ ".´ ._r'"゙'、 ____ " `゙" 三三三三三三 ∧ ∧` --'''"゛ 三三三三三三∧三三三三..r'"⌒ 、 二二三三三三三三三三三三三三三三 ,i、、
185 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:09:54 ID:9dog0Vjg0
ハ’ノ_’;ハ「うわ、最悪です……いるだけで気分悪くなってきます」
( ´_ゝ`)「確かに嫌な感じはするが、そんなにか?」
ハ’ノ_’;ハ「これ感じないってどんだけ酔っぱらってたんだ俺……」
( ´_ゝ`)「屈強な男にときめく程度には酔っぱらってたな」
ハ’ノ_’;ハ「うわー……」
( ´_ゝ`)「んじゃ俺はこいつに魔術かけるから、見張りよろしく」
ハ’ノ_’;ハ「あ、はい。外で見張っときます」
( ´_ゝ`)「よろしく」
―――。
186 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:10:27 ID:9dog0Vjg0
ハ’ノ_’ ハ「どうですか?」
( ´_ゝ`)「気分最悪で収穫はちょっとだけ。 ツルさんの話のウラが取れたのと、村長のとこにいるトキオって男がクサい」
ハ’ノ_’ ハ「ふむ……?」
( ´_ゝ`)「祭りの時村長の後ろに控えてたうちのハゲてない方」
ハ’ノ_’ ハ「ああ、あの人ですか」
( ´_ゝ`)「魔力とか感じなかったか?」
ハ’ノ_’ ハ「パッシブ探知では特に」
( ´_ゝ`)「そうか。たぶんあいつが大魔術師」
ハ’ノ_’ ハ「何を見たんです?」
( ´_ゝ`)「どうも村長が気を使ってる節があるのと、わたつみの兵を魔術で串刺しにしてた」
ハ’ノ_’ ハ「わたつみの兵というと、上半身が魚類の?」
( ´_ゝ`)「それ。フィレンクトさんが苦戦する程度には強い」
ハ’ノ_’ ハ「それだと俺は普通に秒殺されそうですね……」
187 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:11:01 ID:9dog0Vjg0
( ´_ゝ`)「……もしかすると、リトライしまくる必要あるかもな」
ハ’ノ_’ ハ「はぁー……持ちますかね、正気?」
( ´_ゝ`)「わかんねーけど。潜入トライアンドエラーの必要ありそうだ」
ハ’ノ_’ ハ「嫌になりますね……あっ、そうだ、社も調べましょうよ」
( ´_ゝ`)「む、そうだな。ついでに破壊も試みるか?」
ハ’ノ_’ ハ「え、他の皆に無断でやっちゃっていいんですかね?」
( ´_ゝ`)「社調べて何もなきゃ村長宅訪問デスマーチになりそうだし。 むしろ今試してみといた方がいいかなと」
ハ’ノ_’ ハ「うーん……確かにそうかもですね」
( ´_ゝ`)「ま、調べてみてからだけどな」
―――。
188 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:11:34 ID:9dog0Vjg0
ハ’ノ_’;ハ「うーん、特に気になるものはありませんね、語弊はありますが」
(;´_ゝ`)「何となく予想はしてたけどな、語弊はあるけど」
ハ’ノ_’;ハ「で、その語弊が」
(;´_ゝ`)「……なーんだろね、この宝玉っぽいの」
.,.,.,,,.,.,.. ,g:'戀戀戀戀'g:.、 ,g必戀戀戀戀戀:沁;, ,犇:ji戀戀鑾鑾戀戀i:犇, ;淡:i戀戀鑾鬱鑾戀戀i:淡; 淡:戀戀鑾鬱鬱鑾戀戀:淡. ‘黍:i戀戀鑾鬱鑾戀戀i:淡’ '淡:i戀:戀鑾鑾戀:戀i:淡' ‘鳰戀戀戀戀戀戀炒’ ‘'%:戀戀戀戀:沙'゙. `¨“““““¨´
ハ’ノ_’;ハ「絶対ヤバいやつですよこれ。島を薄く覆ってる魔力、発生源これです」
(;´_ゝ`)「触れたら取り返しのつかないことになりそうな気がプンプンする……」
189 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:12:08 ID:9dog0Vjg0
ハ’ノ_’;ハ「破壊、やってみます? 俺は正直今すぐ逃げ出したい、解析もしたくない」
(;´_ゝ`)「奇遇だな、俺も逃げ出したい。明らか元凶だろこれ。何であんな雑魚見張りしかいないんだ?」
ハ’ノ_’;ハ「誰にもどうすることもできないからでは?」
(;´_ゝ`)「あー、それだわ。すげーしっくりきた」
ハ’ノ_’;ハ「で、どうします?」
(;´_ゝ`)「撤収」
ハ’ノ_’;ハ「彼はどうするんです? 手の傷は治癒魔術で治しましたが」
(;´_ゝ`)「多少なり夢と現実の境界を操作してある。元の立ち位置で寝かせとけば状況的に夢だと思うだろうよ」
ハ’ノ_’;ハ「エグい魔術ですね……」
(;´_ゝ`)「時間かけて深度上げればマジで夢と現実の区別つかなくなるからな……」
―――。
190 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:12:42 ID:9dog0Vjg0【吉野ツルの家】``'x;';';'ノ,vivu,;';';'ミミメヾ;:ミ:从;';'ミミミミYヾ;:ミ:淡x;';'ミミミミメヾ;:ミ:ハ淡<⌒^7 _,,..、、--‐'''""´;';ミミミミメヾ;:ミ:ヾ}淡!`丶(,、、 γ⌒ヽ __ _,,,、、--‐''´;';':;.:,:;.:,;';';';';';';';'i:i:;'ミミミミミミメヾ;:ソ淡ノ, : ::)ノ'㍉ー-{i:i:i:i:i:}_,.、-''"~ : : : : : : : : : :``'ィi〔i:i:;:;:i:i:i:i:i:;';';';';';';';'i:i:i:i:;:;:i:i:i:i:i:_:_:ミミミ|ミ:ミ|iミ.:.:シ爻彡';:.〈;';'.:..;';'`'㍉i:i:i:ソ:;.:,ィzzzzxX父爻xv'⌒ヽ__,..-‐ー…¬冖 ''' ""  ̄. . : . . . . .;';';';')j___」Lと|i:i:i:i:ソ:;.:ノ,;';';';';'.: . .:ン ```~TニT爻淡淡爻:;.:,:;.:,ノ: : : : :xx<ぅs。 . . . : . . . . : . . . : . . .,.:'´. . : . . . : : . . ⌒``"``^⌒^^´. . : . . . : ``''ー''"⌒¨´`^^´__r~く乂爻:. . .`丶 . . : . . : . . . : . . .. . : . . : . . : . . : . . : . . : . . : : /\~ ̄\ . : . : . : . : . : . : ..( ノい乂爻淡爻.:. ノ . : . : . : : :,: . .: , .: , .: , .: , .: .,: . .: , .: / \ \ . . : . . : . . : . . Y辷爻;';'爻淡爻ツ′. : . : . : . .: .: .: .:.: , .: , .: , .: , .: , .: , .: , . / \ \. : . : ..,v~、、乂..:.乂. 爻ミ.:;';'ソ r~~、、 . : . : .,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´,.:'.../|∠二二二二7 \__\ ノ(.. ノ⌒丶`Tトミミメミメヾ;乂 ノン爻. : .`㍉ . : . :,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´,.:'´,.:' | | ̄|┌┐ | |.:.:.:辷 ;' ;';'乂爻淡淡爻ヾ;:ミメ^'^ンく.: .:;';'.: } i. : .. : .:´:´:´:´:┌┐:´:vivン_| | _|└┘ | Γ|γ乂爻父狄淡爻爻父父ミメ::; :;. 爻ソ.: ;';';'ン゚ .: .: .: .:=====)=|::::|=ノ什ノ|:::|""""゙;゙|:|丁 丁 TTニ7=-‐_、r-<⌒'爻淡淡慫衒衒慫淡淡父__ソソ, : , : , : ,ノィ(ノィ(ノ(|::::|v(ノメ川;|:::|kv:;.: : |:|乂ノ(ノ ノ;:ノ; '( ``'ミ;';'``~ _n⌒'v蕊蕊ッ'^'X彩'′, : , : , : , : , : ,しル《ノ.: |::::|ノ(ノ从ノ|::从小vivifノし(ノし':;.:,:;.:,狄 `'㍉.:;'.;';'ミミメv_`iii´.:'.:'n.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'.:'{ノVソし人从;';'Yi:i:少'冖㍊:, . . ノ(ノ.:ノミメ;';';';'i:ン ´"'爻:;.:,i:i:i:;'^ソ7ァ┴‐- __ ;";";";";";";找ルノ(《州川;';i洲り;'.:. ノ《价ミrf爻リンルンi:i:ソ . . : ``'爻:;.:,狄;';'ノ州川 i i^^'冖¬vvu:`i:Y; 狄ノjル州:从州i:狄;';')水ツンミメハノi:i:ツ'′ . . :. :...:`'爻洲州川狄狄州川i:i:゙;゙;゙;;'ノ八ノハ从ノノノ从小价ソ少沙';';':;.ノ.:.:丿'′ .: : ``'爻ミ狄刈狄ノ川i:i:i::;.:,
191 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:13:16 ID:9dog0Vjg0
( ´_ゝ`)「戻ったぞ」
(´<_` )「おっ、兄者。……? 何かあったのか?」
( ´_ゝ`)「あ、やっぱわかる? 社の中に冷や汗もんの特級呪物が祀られててな……」
八-ム-)「ああ、あれかい……朔の秘石」
ハ’ノ_’ ハ「あれは何なんですか?」
八-ム-)「さてね……誰もが一目で怖れを抱く秘石。 古代に齎されたさくのかみの秘宝と言われているよ」
( ´_ゝ`)「あんなもんあるなら教えて欲しかったな……」
八-ム-)「思い出すのも嫌だから意識に上らなかったんだと思う。すまないね」
ハ’ノ_’ ハ「あー……なるほど、わかります」
リ゚▽゚ リ<l「そんなんあったんか?」
( ´_ゝ`)「祠の扉鍵開けしたら堂々と鎮座してたけど」
リ゚▽゚ リ<l「そうなんか、うちは結局扉一つ壊せんかったからな」
ハ’ノ_’ ハ「見なくてよかったと思いますよ。今からでも記憶から消したい」
192 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:13:49 ID:9dog0Vjg0
(´<_` )「それで、収穫は?」
( ´_ゝ`)「ほぼなし。村長の側近のトキオってやつが大魔術師だろうってくらい」
リ゚▽゚ リ<l「時雄かー、ハゲてない方やな」
(´<_` )「ああ、若い方の」
八-ム-)「時雄……? あたしと同じくらいの年の筈だけどね」
( ´_ゝ`)「えっ? いやいくら若く見えるって言っても流石に……」
ハ’ノ_’ ハ「下手したら10代に見えましたが……」
八-ム-)「同名の別人……っていうのも少し違和感があるね。 あたしが若い頃も時雄は村長の側近の若い男で凄腕の魔術師だった」
リ゚▽゚ リ<l「……襲名性とかか?」
八-ム-)「うーん……そんなの聞いたことないけどね」
( ´_ゝ`)「まあ大魔術師だからな……普通に当人でもおかしくはないか?」
ハ’ノ_’ ハ「見た目変える程度なら俺でもできますし、そうですね」
リ゚▽゚ リ<l「なんや頭おかしくなりそうやわ」
193 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:14:23 ID:9dog0Vjg0
( ´_ゝ`)「これからマジで頭おかしくなるようなことしなきゃならんので、 その前にうまいもんでも食って英気を養いたいとこだな……」
Case11「捜朔島」 Day4B「朔の秘石」
To be continued...
194 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:14:56 ID:9dog0Vjg0Case11-Tips1 ヤバいの
*(‘‘)*「さて、信徒候補の様子は、っと」
|::━◎┥「エラー:対象をロストしました」
*(‘‘)*「えっ?」
|::━◎┥「エラー:対象をロストしました」
*(;‘‘)*「えええええぇっ!?」
*(;‘‘)*「嘘ぉ、まさか死んだ? いやでも、それならアラート鳴るはずだし……履歴!」
|::━◎┥「履歴を表示します」
*(‘‘)*「うーん……捜朔島? 情報ちょうだい」
|::━◎┥「検索中...ヒット:295,000件」
*(‘‘)*「……うわ、閉鎖的な島かー。これはヤバいの熟成されててもおかしくないね。アクセス」
|::━◎┥「エラー:アクセスに失敗しました」
*(‘‘)*「むぅー……」
195 : ◆KDJGUfbY2o [] :2023/05/17(水) 23:15:30 ID:9dog0Vjg0Case11-Tips2 なーんか
( ´ー`)「おい、伊藤」
(=゚ω゚)ノ「何ですか警部」
( ´ー`)「なーんか、忘れてる気がすんだよな」
(=゚ω゚)ノ「何の話ですか?」
( ´ー`)「……そういやこの後どこ行こうとしてたんだっけか?」
(=゚ω゚)ノ「何言ってんですか、署に帰るところですよ」
( ´ー`)「そうだっけ……?」
( "'Д')「お二人さん、チャーシュー大盛りお待ち!」
( ´ー`)「おっ、待ってました!」
(=゚ω゚)ノ「ありがとうございます」