上の画面を説明します。
①はツール番号を選択します。
上の図の場合は128番のツールになります。
②はツールのコメント欄です。他のツールと区別するために特徴が描いてある。
このツールに違った刃をつけた場合は書き直します。
上の図の場合は、Dia(ダイヤの刃) D=16(刃径16MM) R(右回転)TL=42(刃長42MM)
③『データ』をクリックすると上に図のような設定画面が出てきます。
④選択しているツールの絵が表示されています。赤い枠のAの設定箇所を示しています。
左の図は④の柄を詳しく描いた図
⑤⑥(G1 G2)は刃の半径を入力
⑦⑧(G3 G4)は長さを入力
※刃物の先端からHSK63フォルダの上部の平らな部分までの長さです。
※青い枠Bは最初のツールの設定の時に入力します。
まったく同じ刃物を新品に交換もしくは再研磨した物に交換する場合はそのままの設定で大丈夫です。
⑨最大送り速度を入力
上の図の場合は最大送り速度15になります。(1分間で最大15メートル切削します)
※WoodWOP上でこの数値以上の送り速度を入力したとしても、適応されません。
各刃物に対しての最適送りスピードはライツの刃物カタログに載っています。
⑩最小回転数を入力
上の図の場合は1500回転
※あまり低い数値を入力すると主軸のモーターに負荷がかかるので良くない
⑪加工最大回転数を入力
上の図の場合は18000回転
実際の加工時の回転数を示す。⑫よりも余裕を持った数値を入力。
⑫最大ツール回転数を入力
上の図の場合は24000回転
※刃物の軸の部分に書かれている場合はその数値を入力。
⑬ユニットの回転方向をクリックする。
上の図の場合は右回転を選択している。HSK63のフォルダに回転方向が印刷されています。
⑮ 入力した数値の確定ボタン。ここをクリックすると変更した数値に確定します。
調整の仕方
各ユニットの刃物交換には、必ず手袋着用してください。
素手で触ると錆びます。錆びは精度に影響します!
1 HSK63フォルダから刃物を外す。専用工具を使用して回して外す。
新しく交換する刃物と取り替えます。下の図参照。
刃物の軸径が合わない場合はコレットも交換します。
新しい刃物の一番後ろの部分と、コレットの後ろの部分に合わせて取り付けます。
手加工のハンドルーターなどは、深堀のときに刃長が足りないと、左の図のようにコレットの掛かりを少なくして刃長をとろうとしますが、CNCでこのようなことをすると、回転ぶれを起して、危険です!加工材、吸着パットを破壊します
2 刃物をHSK63フォルダに取り付けたら、次にWZ-DBEの入力画面で設定します。
ノギスで測って入力します。冒頭の図の⑤(G1)⑥(G2)⑦(G3)⑧(G4)を入力。この時修正を加えた
数値入力した部分は
黄色い表示になります。この時点ではほぼ正確な数値入力で大丈夫です。
3 ツールチェンジャに格納します。
(この時点では、ただツールチェンジャに格納しただけです)
WOODWOPでルーター刃の調整用のデータを作成します。
外周加工で90度を出します。
刃長用、刃径用が必要。
4 MDFを用意します。
200×400 T15~21ぐらいの材料を用意する。
※ MDFでないといけないわけでは、ない。厚みが一番正確だと思われるため。
以下 W=200 L=400 T=21のMDFを利用した場合で説明
5 WoodWOPで作成した、ルーター調整用のデータを開きます。
外周加工をしたのち、次の順番で調整します。
A 刃長を調整する。
B 刃径を調整する。
A 刃長を調整する。
ノコユニットを使用して、MDFの四方をカットする。
Z寸法20にして、直線を加工する。
上の画像参照
初めに①のZ寸法をノギスで、調べる。 この時点では、刃物の刃長は正確ではないので、加工材の厚みに対して1mm程度、切削してみる。
WZ-DBEの誤設定を想定して、切削開始ギリギリで一旦停止してから切削する。
①を測った時に20.5mmあった場合。 WZ-DBEのG3、G4入力に0.5プラスした数値を入力しなおす。
例 G3 G4を127に設定していた場合
127に0.5プラスして 127.5を入力する。
①を測った時に19.5mmあった場合。 WZ-DBEのG3、G4入力に0.5マイナスした数値を入力しなおす。
例 G3 G4を127に設定していた場合
127に0.5マイナスして 126.5を入力する。
もう一度、今度はZ寸法を19mmにして直線加工をして、ノギスで測り数値が間違っていれば上記の工程を繰り返し、
0.0mm単位まで合わせる。
B 刃径を調整する。
次に刃径を調整する。
②のような、の90度の2辺を切削する。②をノギスで測る。
例 2辺の長さを100mm100mmにした場合
100mmの寸法が、100.3になった場合、WZ-DBEで設定した数値より、半径が小さい。
例 G1 G2を8に設定してある場合
8に0.3マイナスして
7.7を入力する。
100mmの寸法が、99.7になった場合、WZ-DBEで設定した数値より、半径が大きい。
例 G1 G2を8に設定してある場合
8に0.3プラスして
8.3を入力する。
もう一度、今度は95mm95mmの2辺加工をして、ノギスで測り数値が間違っていれば上記の工程を繰り返し、
0.0mm単位まで合わせる。
A B を設定できたら、終了です。通常の加工できます。
刃長、刃径がそれぞれ調整が合っていないと、交換調整後の製品全てが狂います。
時間かけても完璧に調整しなくてはいけません。