手加工では絶対にこの失敗はしないはずですが、CNCによるこの失敗は大損害を招きます。
とくに、慣れてきてCNCの加工作業中に目を離してしまった場合や、
製作したNCデータを確認もせず
完璧なデータだと本人が思い込んだ場合に最悪な大損害が待っています。
上の図の左側は加工材の下に捨て板を載せて加工した場合、右側は直接加工材を載せた場合です。
何が?失敗しているのか以下説明
※どちらも失敗例です。
①の場合
捨て板の上に加工材を載せて、加工してますが、捨て板とその下の吸着パットまで切削してしまっている。
実際の加工では左の図のように捨て板の下の吸着パットまで切削していまいます。この失敗は、WoodWop上の些細な失敗で起こります。
左の図はWoodWOPの画面です。
①の部分に[未加工品Z]の項目があります。
この項目は②のアイコンによって選択できます。
②のアイコンをクリックすると、
[部材設定]のウインドウがでます。
左の図
この表示は加工材の下に何もないことを意味しています。
※下の図 部材設定の[A]の部分にチェックが入っている状態。
右の図
※下の図部材設定の[B]の部分にチェックが入っている状態
この表示は加工材の下に厚み23ミリの材料(捨て板)が載っていることを意味します。
この部材設定画面のチェックの入れ忘れただけで、
吸着パットを壊します。
吸着パットの上の部分のゴム部品で約4000円、
吸着パット全体は約3万円です(一個単価です)。この
データの作り方は、型板の製作、複雑な形状の芯材の作、
などに頻繁に使用します。
例えば4×8判のランバに何本も芯材を製作した場合、
吸着パットは最低でも、10個は使用します。
このチェックをし忘れ、確認もせず、加工終了した場合は、
たかが芯材製作で、最悪約30万円の大損害を受けます。
もちろん、吸着パットを破壊するということはベンチャー3に
材料を載せられなくなるということなので、その後の加工は
一切出来なくなり、その日に加工しなければ間に合わない
物件の場合、その損害は30万どころではありません。
じゃあ手加工でやるしか選択肢がなくなることになりま
すが手加工で間に合う、わけがないです。
マウス操作でいえば1クリックのことで、これだけの被害を、
会社に与えかねない危険がCNC操作にあるわけです。
②の場合
切削箇所の下に、吸着パットがあって吸着パットまで切削している。
この失敗の原因は色々ありますが、どれも些細なことです。些細なことですが吸着パットを壊すので上記のような被害を受けます。
考えられる原因
加工と吸着パットの位置をまったく考えづず、加工してしまう。
WoodWOPで設定した吸着パットの位置に正しく置かなかった。
WoodWOPで切削箇所上に吸着パット位置をおいてしまった。
吸着パットを正しい位置に置いたと思い込んでしまった。
どれも、些細なことです。
失敗を防ぐには、一連の作業の流れを決めていつも同じにすることです。
決めた作業の流れから外れた時に失敗が起こりやすいです。
どちらも、失敗例です。