2012年07月ー09月

2012年9月30日 サイエンスフェスティバルで出張展示

富山大学五福キャンパスで開催されたサイエンスフェスティバルにおいて,開館直前のひみラボ水族館の出張展示が行われました.

ひみラボから,約10種類の魚とパネルを持ち運び,展示しました.写真は,記録用に来場者のいない時に撮影されたものですが,期間中多くの方にご覧いただきました.

2012年9月28日 お魚採集中

主にひみラボ水族館での展示用に,氷見各地の川で魚の採集を続けています.今日もひみラボ眼下を流れる仏生寺川の中流域に行ってきました.そしてフナなどの個体を増やすことができましたが,一番の成果は「メナダ」が採集されたことです.このメナダは,主に海を生活の場としますが,汽水域にとどまらず,川の中流域までは遡上してくることがあります.今日捕獲した魚は,元気に水槽の中で泳いでいます.水族館オープンの際には,ぜひ見に来てください.

生態展示水槽の様子をひみラボ水族館のページに掲載しました.氷見市重点雇用の皆さんによる力作です.

2012年9月14日 水族館準備着々

昨日に引き続き,今日はひみラボ水族館で展示する魚を採集に行ってきました.行先は,氷見市北部の河川.主な狙いはハゼ類です.個別展示ももちろんですが,生態展示として,複数種を同時に泳がせる水槽のための魚たちも必要です.炎天下での調査でしたが,成果は上々.採集できた主な魚は次の通り:

シマヨシノボリ,トウヨシノボリ,ルリヨシノボリ,ヌマチチブ,ウキゴリ,マハゼ,アカオビシマハゼ(今後詳細に同定).

このうち,マハゼやアカオビシマハゼは,河口部で採集されました.これらの魚は一生のうちの多くを海で過ごしますが,塩分が混ざる河口域にはいりこんでくることもあるようです.学問上,このような一時的に「川」を利用する魚も『淡水魚』に含めることがあります.そのため,当面は川の魚や生物の展示を目指すひみラボ水族館においても,これら「淡水魚」を飼育・展示していきます.

また,水族館にご来場いただいた皆様へのプレゼントとして,『氷見の川のお魚カード』を準備しております.

イタセンパラをはじめ,現在までのところ,写真の4種を含めて11種類出来上がっています.今後,全魚種を目指して,作成していきます.このカードでは,魚の写真や生息場所,あるいは生態的特徴について紹介してあります.このカードで,魚について親しみを深めてもらえれば幸いです.

なお,ひみラボ水族館の開館時期につきましては,現在日程調整中です.決まり次第,ホームページ上でもご案内いたします.

2012年9月13日 秋はイタセンパラの季節

イタセンパラは秋に卵を産みます.そのため、ひみラボで取り組んでいるイタセンパラ研究も、秋は大忙しです.今日はその準備を行いました.

まず、イタセンパラの遺伝子の特徴を継続的に調べているのですが、今日はそのための試料採集を行いました.一時的にイタセンパラを取り上げ、「ひれ」の一部を切り取り、再び水の中に戻します.この「ひれ」の一部から、遺伝子を調べることができるのです.

次に、昨年に続き、イタセンパラの産卵実験を行います.そのための個体は、春の時点で捕獲し、ひみラボで飼育してきました.そして今日は、卵をうみこませるためのイシガイ(二枚貝)を採集してきました.イタセンパラが自然生息する河川流域には、二枚貝もたくさんいます.このことからもイタセンパラと二枚貝との切っても切れない関係がみえてきますね.

2012年8月24日 ひみっ子ラボ開催!

「ひみっ子ラボ」が開催されました.

23日は中学生向け、24日は小学生向けです.詳細は、「ひみっ子ラボ」のページをご覧ください.

両日とも、30名弱の参加者があり、みなさん熱心に講義や実習に取り組んでいました.

写真は、小学生向けに行った「ひみラボ水族館」を活用した実習です.

今年の夏休みのひみラボ公開イベントはこれで終わりですが、今後もこのようなイベントを開催していきたいと思います.ぜひ、ご参加ください.

2012年8月21日 おもしろ科学クラブ開催

今日は,湖南小学校の「自然・おもしろ科学クラブ」による河川生物調査が行われました.場所は仏生寺川上流.毎回行っているところです.20名弱の生徒さんたちが参加されました.何人かは昨年も参加しており,魚採りはずいぶんと慣れているようでした.

到着して簡単な説明をした後,早速川に入って採集開始.石の下流に網をおいて,上手に追い込んでいました.中には慣れない子もいましたが,次第にコツを覚えていき,約1時間の調査が終わることには,みんな多くの魚を採っていました.今回採れた魚は,タカハヤ,シマドジョウ,カワヨシノボリ,そしてスナヤツメ南方種.この他,サワガニやヒダサンショウウオも採集されました.

採集の後,それぞれの生き物について説明をした後,その場に放流.生徒さんも魚たちも,みんな元気に帰っていきました.生徒さんにとっては,夏のいい思い出になれば幸いです.

2012年8月12日 岐阜高校御一行様ご来室

ひみラボに岐阜高校のT先生と生徒さん2名にお越しいただいた.

彼らは本日まで開催されていた全国高校文化祭に参加され、その足で氷見まで来ていただいた.高文祭での発表はサンショウウオの話であったのだが、生徒さんはどちらも魚に興味があるとのこと.そこで、イタセンパラ関連の場所を案内して、氷見を堪能いただいた.そして夜は、富山の味覚をご堪能いただいた.

彼らの話を聞いていると、実にアクティブに活動しているようだ.今回、富山に滞在中にも宿泊地周辺の川で採集をおこなったとのこと.今でもこういう生徒さんがいると思うと、将来頼もしい限りです.

十二町の水郷公園にあるオニバス池を見学中.

2012年7月13日 イノシシ調査は続く...

今日も雨の中、イノシシ調査へ.天気が悪かったため、遠出はせずに、近場でこれまでに見つかったぬた場を再調査しました.

2012年7月20日 イタセンパラ水槽を設置しました

9月下旬の開館に向けて準備が進むひみラボ水族館に、イタセンパラ水槽を設置しました(詳しくはこちらをご覧ください).昨年生まれた成体が泳いでいます.ひみラボ水族館には、イタセンパラ以外のタナゴの仲間も展示してありますので、見比べてみてください.また、今年生まれたイタセンパラも展示中です.ずいぶんと大きくなりました.こちらもあわせてご覧ください.

続いてお知らせです.今年の「ひみっ子ラボ」の開催が決定しました.「ひみっ子ラボ2012年度」のページをご覧ください.今年は、富山大学理学部から3名の教員を招き、「気象」、「微生物」、「野山の生き物」をテーマとした講義と体験実習を実施します.実習内容の一部も掲載しました.奮ってご参加ください.

今日の活動としては、午前中にゼミナールを行い、午後は主にヤツメウナギの計測です.ヤツメウナギは冷たい水を好むため、この時期はエアコンにより室温管理された場所での飼育が必要となります.それでも夏場は成長が停滞すると考えられており、この辺のデータを取っていきたいと考えています.

河川調査で採集した魚を選別中.ほとんどの魚の名前を知っていて、山崎研の学生よりも頼もしいくらいでした.

2012年8月10日 氷見臨海実験2日目

朝7時、地元の方が用意してくれた朝ごはんをいただき、実習2日目がスタート.おそらく普段よりもしっかりとした朝食をとった学生たちは、朝から頑張って種同定作業に取り組んでいました.加えて、氷見のお魚屋さんから提供いただいた近海で漁獲された魚たちの種同定も開始.私がみると、半分くらいは種名がわかるのものでも、学生にとっては、初めてみる魚たちばかりのようだ.

結局、昼過ぎまで生物分類に悪戦苦闘.その後、各自2つの生物をスケッチさせて、実習もほぼ終わり.採集した生物は、当面はひみラボ水族館で展示することに.現在、タッチプールが設置されていますので、興味ある方はご覧ください.

2012年8月9日 氷見臨海実験初日

氷見での臨海実験が始まりました.

今日は朝から阿尾海岸で生物採集.その後、ひみラボへ移動して、生物のソーティング、そして分類です.

海は多少波がありましたが、無事に生物採集を行うことができました.昨年に比べると、ウミウシとヤドカリが多い印象を受けました.海藻も昨年よりは繁茂していたようにみえましたので、沿岸の環境が改善されてきた結果だといいのですが.

ひみラボでの活動として、昨年はすぐに生物分類を始めたのですが、今回は採ってきた海藻などから、微生物をより分ける(ソーティング)作業を第一に始めました.その結果、『大漁!』.例年2日目に行う作業ですが、そうすると小さな生物が死んでしまうのか、あまり多くの生物が得られません.しかし今回は、実に多彩な生き物たちを得ることができました.むしろ種類が多すぎて、種同定作業が大変そうです.時間はたっぷりありますから、学生たちに頑張ってもらいましょう.

2012年8月3日 臨海実験の下見へ

早いもので、8月です.来週にはひみラボと阿尾海岸を活用した臨海実験が開催されます.そこで今日は現地下見へ.こちらが、阿尾海岸です、、、と写真を載せるはずだったのですが、カメラが故障.水中撮影できるカメラだったのですが、使っているうちにパッキンが緩んで浸水したのか、電源がつかなくなってしまいました.ということで、ここから先は想像lにお任せします.

何はともあれ、海の状態は例年と大差ないように見えました.見えました、というのは、風・波ともに強く、とても調査ポイントに入れる状況ではありませんでした.午後から行ったので、おそらく海風が出たのでしょう.実習当日は、海風への対応もあって、午前中の調査です.今のところ天気の大きな崩れはないようですが、とにかく無事に終わってほしいと思います.

田んぼの真ん中を突き抜けるようにイノシシと思しき生き物が通った跡があります.1か月くらい前にも確認した痕跡ですが、跡がはっきり残ってしまうようです.近くにはぬた場と思しき場所も残されていました.ただ幸いにして、その後は被害にあっていないようです.

こちらは調査で活躍する軽車両.林道などは細い道が多いため、小型車両が活躍します.今日は別の場所でもイノシシの痕跡を発見しました.近くにおられた方に聞くと、畑のジャガイモなどが被害にあっているとのこと.「早くなんとかしてください」これが現場の声です.私たちの活動は、今すぐイノシシを減らすことには直結しませんが、少しでも今後の被害軽減に役立てるよう努力していきたいと思います.

ところで、今年もひみラボを活用した地域の子供たち向け実習『ひみっ子ラボ』を開催することが決定しました.詳細は近々氷見市から発表されますが、その後、このページでもご案内していきたいと思います.昨年に勝るとも劣らぬ興味深い話になるかと思います.奮ってご参加ください.

2012年7月3日 宇宙戦艦!?

夏休みの工作で作った宇宙戦艦、、、ではありません.廃材を利用した漁礁です.

建築材の廃材をもちいて、さまざまな形の漁礁を作成して、ひみラボのプールに浮かべました.そもそも漁礁とは、海などで、魚が集まる自然構造物や場所のことを指しますが、漁獲対象魚を集めたり、稚魚の育成のために、人工的に作成し、設置したものも漁礁(あるいは人工漁礁)と呼びます.今回は、川魚のための人工漁礁を作ってみました.

設置してものの10分.さっそく魚が集まってきました.

拡大するとこんな感じです.魚の黒い影が見えますか?

今は、プールの魚を対象とした実験段階ですが、いずれは自然河川における魚類保護などにも活用されることが期待されます.