1.ひみラボとは?

【活動目的・概要】

富山大学理学部・氷見市連携研究室(ひみラボ)では,『地域の豊かな自然を守り,その豊かさを広く活用・発信していく』ことを目的にしています.その目的を達成するために,氷見市やその周辺地域における希少生物の保全に関する学術研究の展開,富山大学理学部教育における活用,地元教育関係機関との連携活動,そして地域住民への普及啓発活動などを行っています.これらの活動は,富山大学が掲げる教育と研究の充実,そしてそれらを介した地域貢献という大きな目標に即した活動でもあります.


氷見市惣領・仏生寺地区の高台にあります。

【設立の経緯】

2011年3月末に閉校となる氷見市仏生寺小学校の跡地利用(廃校利用)を検討する中で,2011年3月30日に,富山大学理学部と氷見市との間で連携協力に関する協定が締結されました.そして2011年4月1日から,富山大学理学部・氷見市連携研究室として,活動を開始しました.

【研究活動の概要】

当初から,主に富山大学理学部生物学科山崎研究室が,ひみラボにおいて活動しています.山崎研究室と氷見市との連携により,氷見市に生息する国指定天然記念物であるイタセンパラや希少生物のヤツメウナギ類の保全を目的とした研究を行っています.その中で,ひみラボを活用した水槽実験や計測・顕微鏡観察,遺伝子解析を行い,また周辺河川におけるイタセンパラ生態調査,それ以外の魚類生息状況調査および環境影響評価を実施しています.

ひみラボ近くの仏生寺川における生物調査風景

イタセンパラをはじめとした研究対象生物の自然生息地近くで研究活動を実施できることは,自然状態の把握や再現,生物への負担軽減,そして調査の平易性・簡便性など,大きな利点があります.これら研究は,卒業論文研究の一環として行われているものもあります.そして得られた成果については,地域住民への情報発信にとどまらず,学術論文・学会への発表を行っています.

研究活動の詳細については,「2.連携研究活動」のページをご覧ください.

【地域連携の概要】

地域の教育関連機関との連携活動として,主に氷見市内の小学校や中学校に出向いて,イタセンパラや自然に関する話をしたり,共同で野外生物調査をするなどの活動を行っています.また,夏季には,ひみラボにおいて,富山大学から数名の教員が参加して,地域の小学生,中学生,高校生向けの体験型学習の場を提供しています.

地元の小学生が参加した野外体験の様子

地域住民への普及啓発活動として,生物や自然に関して活動している市民団体向けセミナーの実施や,ひみラボの研究活動報告会を開催しています.また,ひみラボ内に『ひみラボ水族館』を開設し,地域に生息する生物の飼育展示や研究内容のパネル紹介を通して,来訪者が自由に見学・学習できる場を提供しております.

ひみラボ水族館の個別展示ゾーンの風景

地域連携の詳細については,「3.教育活動・イベント」,「4.ひみっ子ラボ」,「5.ひみラボ水族館」のページをご覧ください.

(ページ作成:2021年9月8日)