合唱通信 No.7 ◇◇ “かのような気分”を大切に ◇◇ 2011/01/01
明けましておめでとうございます。
充実した楽しい合唱活動をめざし、歌い合わせる喜びを大いに堪能しハモる楽しさをいっそう満喫していただけるよう微力ながらがんばる所存でいます。どうぞよろしくお願い致します。
ところで、そのような楽しさをもたらすものの一つに、“かのような気分”があるだろうと私は思っています。それは、生活のさまざまな場面で実感できる「あたかも~になったかのような気分」「あたかも~であるかのような気分」のことです。草野球を楽しむ人たちは、まるで一流のプロ野球の選手になったかのような気分や昂揚感を感じる一瞬があったり、集中している自分に気づく瞬間があったりすることでしょう。また碁会所で烏鷺を戦わせる人たちも、プロ棋士であるかのような気分で対戦したり戦略を練ったりすることで、いっそう碁の奥深さに魅了され精進をひそかに誓うことがあるでしょう。そのように“かのような気分”になることでモノゴトの楽しみを増幅させたり、改めて自分自身を気づき直したりし、いっそう取り組みに弾みがついて心を躍らせるという経験をすることはよくあるし、身の回りでよく見られることです。
その典型的な例は「カラオケ」でしょう。カラオケが出現してから30年以上経ちますが、廃れるどころか「カラオケ」という言葉が世界の共通語として使われるほど、日本発のカルチャーとして隆盛を極めています。これほどにカラオケが根強い人気を持っているのも、あたかもプロ歌手になって歌っている“かのような気分”をもたらしてくれるしつらえになっていることが最大の要因だと思われます。よほどのことがなければ生のオーケストラの伴奏をバックに歌うということは望むべくもありません。それなのにオーケストラの伴奏に合わせて歌えるのです。その上まるで大きなホールで歌っているかのような残響やエコー効果などが“かのような気分”をいっそう高め、誰でも歌手になりきって歌うことができるのですから、その楽しさは推してはかるべしです。世界中でもてはやされるのもうなづけます。
そうした“かのような気分”は楽しさを味わわせてくれるだけでなく、高まりや深まりをめざそうとする心の動きを生じさせるということに重要な意味があると思っています。
そしてまた、それを感じさせてくれる環境は、カラオケ機器のような物理的な機能だけでなく、スポーツではチーム員のお互いが、オーケストラでは団員相互が生みだし味わわせてくれるものでもあるということに私は着目したいと思うのです。
みんなで歌い合わせることで、より深みのある表現をめざせることに気づいたり、それまでとは違ったその曲のよさに気づかされたり、快い響きを生み出す一員としての自分に気づいたり、みんなと一緒に歌える自分に気づいたりするといったことも、お互いがもたらす“かのような気分”を醸し出す「みんなで歌い、つくりだすしつらえ」によることは言うまでもありません。
今年もフロイデが合唱の魅力を味わい尽くす「歌う集団」として活動そのものを楽しんでいくためにも、そのような“かのような気分”を心いっぱいに受け止め、互いに“かのような気分”を味わってもらえる担い手として在ろうではありませんか。
2011年の念頭にあたってそんなことを考えてみました。
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