2008.03.15
連続講演会 第2回
金融サービス市場法制の
グランドデザイン

早稲田大学COE・総合研究開発機構(NIRA)主催

早稲田大学COE・総合研究開発機構(NIRA)主催

連続講演会⦅第2回⦆

金融サービス市場法制のグランドデザイン

季刊 企業と法創造「特集・金融資本市場インフラ改革の課題(続)」(2009年2月発刊) (通巻第十六号) 所収


〈日 時〉 2008年3月15日㈯ 14:00 〜18:45

〈場 所〉 早稲田大学西早稲田キャンパス8号館地下B107教室


〈第2回講演会 次第〉

14:00 開会挨拶と運営次第説明 犬飼重仁(早稲田大学客員教授・NIRA Senior Fellow)

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14:10 講演⑴ 「金融サービス市場法規制システム高度化への展望」

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犬飼重仁(早稲田大学客員教授・NIRA Senior Fellow)

14:55 講演⑵ 「成熟市民社会日本に相応しい企業,金融・資本市場法制の構想とは」

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上村達男(早稲田大学法学部長・法学学術院長・早稲田大学 21世紀COE《企業法制と法創造》総合研究所所長)

15:40 講演⑶ 「利用者の視点と市場の視点」

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神田秀樹(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

休憩(16:30 〜16:45)

16:45 パネルディスカッション「金融資本市場法制が目指したものとその将来」

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神田秀樹(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

内山昌秋(トレードウィン株式会社代表取締役)

上村達男(早稲田大学法学部長・法学学術院長)

(司会)犬飼重仁(早稲田大学客員教授・NIRA Senior Fellow)

17:45 Q&A

18:15 特別講演「金融商品取引法の施行とそれを踏まえた現在の働き」

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三井秀範(金融庁総務企画局企業開示課長(前市場課長)

18:45 閉会

研究報告書 金融資本市場インフラ改革への構想 Ⅱ 

季刊 企業と法創造「特集・金融資本市場インフラ改革の課題(続)」(2009年2月発刊) (通巻第十六号) 所収


第1部 金融資本市場インフラ改革の課題

研究報告書 金融資本市場インフラ改革への構想 II

本文を閲覧 (P.5-8)

犬飼重仁 編


研究報告書 金融資本市場インフラ改革への構想 Ⅱ 犬飼重仁 編

はじめに  

NIRAにおいて,早稲田大学COE他の協力を 得て行なわれた,平成17(2005)年7月からの 「東アジア地域の金融市場の一体性確立に向け ての戦略ヴィジョン」研究プロジェクト,それ を引き継いだ平成18(2006)年11月からの「ア ジア域内の金融資本市場育成への戦略ヴィジョ ン」研究プロジェクト等の成果も踏まえ,平成 14(2002)年以来NIRAにおいて継続してきた 金融資本市場に関する一連の「シリーズ研究」 の総まとめを行うべく,平成19(2007)年9月 から平成20(2008)年3月までの7ヶ月実施さ れたのが,今般の「金融資本市場改革への構想」 研究プロジェクトである。  

その間, 

⑴ 平成17(2005)年から平成19(2007)年に かけてNIRAで行なったアジア資本市場に関 する研究の成果は,平成19(2007)年3月に, 東京大学教授神田秀樹座長のもと,犬飼以下 で,NIRA研究報告書・提言『アジア域内国 際債市場創設構想』(犬飼重仁編著.単行本と してLexisNexisより出版)にまとめられた。

 ⑵ これと並行して,首相官邸が主催し,伊藤 元重NIRA理事長(東京大学教授)が座長を 務めた「アジア・ゲートウェイ戦略会議」に 対して,金融資本市場関連の政策提言を行う べく,NIRAの研究会の中に分科会が組織さ れ た。 

そ の 提 言 は,『NIRA金 融 プ ラ ッ ト フォーム小委員会提言』として,平成19 (2007)年3月,アジア・ゲートウェイ戦略会 議に提出された。 このNIRA小委員会提言と上記NIRA研究 報告書の提言は,官邸のアジア・ゲートウェ イ戦略会議事務局において詳細にわたって参 照され,それらの重要な骨子部分が,同戦略 会議の実際の提言(金融部分)に活かされる こととなった。(紀要第15号所収の研究報告 書1−2及び1−3参照)

 ⑶ NIRAの平成17(2005)年以降のアジア域 内金融資本市場に関する研究成果として,平 成19(2007)年6月に設立した「アジア資本 市場協議会(CMAA)」では,NIRAの研究会 と相互に協力し,アジア域内の金融資本市場 のヴィジョンと市場ルールと市場インフラの あり方について,継続的に議論を行なってき た。 

これらの研究の成果は,平成19(2007)年 10月初頭にボストンで開催されたSIBOS 2007*において,「アジア資本市場のハーモナ イ ゼ ー シ ョ ン へ の 戦 略;Asian InterRegional Professional Securities Market(AIR-PSM)」(講演者:犬飼重仁) として,発表された。

その講演内容を含む継続研究の成果は,平 成20(2008)年3月31日に,LexisNexisより, NIRA英文研究報告書『Grand Design for An Asian Inter-Regional Professional Securities Market (AIR-PSM)』(犬飼重仁 編著)として出版された。

これは,NIRAと アジア資本市場協議会(CMAA),早稲田大 学COE《企業法制と法創造》総合研究所, SWIFTグループの協力によって実現したも のである。 

*SIBOS 2007:全世界レベルでの金融サービスの動 向とSWIFTコミュニティの今後について討議し, 戦略を共有することを目的とした国際的なイベン ト(Conference & Exhibition)。犬飼は,SWIFTよ り,同イベントに,講演者として招待を受けた。

 ⑷ また,平成15(2003)年以来の,NIRAと 早稲田大学COE《企業法制と法創造》総合研 究所との共同研究「金融サービス市場法制研 究(法と市場と市民社会のあり方に関する研 究会)」の成果の一つの反映として,平成19 (2007)年4月には「金融ADR・オンブズマ ン研究会」という独立の研究会が設立され, 同時に第一次提言が発表された。 

⑸ さらに同年11月には,この金融ADR制度 分野の中間的な研究成果として,LexisNexis 社より単行本「日本版金融オンブズマンへの 構想」(犬飼重仁・田中圭子編)を出版した。 

なお,その研究の一環として,金融ADR・オ ンブズマン研究会の簗瀬捨治会長と同研究会 幹事でNIRA研究会メンバー田中圭子氏と犬 飼の3名は,平成19(2007)年9月下旬にロ ンドンで開催された金融オンブズマン世界大 会(INFO’2007)に出席したが,そこでの知 見をもとに,平成20(2008)年1月19日には, 早稲田大学COE《企業法制と法創造》総合研 究所とNIRAの主催の講演会において,その 継続研究の中間的な成果を報告した。(本研 究報告書Ⅱ所収の連続講演会第1回の議事録 参照)

 ⑹ 平成15(2003)年以来,NIRAと早稲田大 学COE《企業法制と法創造》総合研究所との 共同研究の成果である2つのNIRA研究報告 書,『日本版金融オンブズマンへの構想』 (2007年11月LexisNexis社刊)と『金融サービ ス市場法制のグランドデザイン』(2007年11 月東洋経済新報社刊)の出版記念を兼ねて, 連続講演会を,早稲田大学西早稲田キャンパ スにおいて開催した(第一回:平成20年1月 19日/第二回:3月15日)。

これらの連続講演 会では,いずれも金融庁の総務企画局の課長 による特別講演が実現している。(本研究報 告書Ⅱ所収の連続講演会の議事録参照)  

上記⑴から⑹等の研究成果を踏まえて,ここ に2分冊の,本研究報告書『金融資本市場イン フラ改革構想Ⅰ・Ⅱ』を策定し,公表する次第 である。 紀要第15号所収の研究報告書『金融資本市場 インフラ改革構想Ⅰ』は,論考・提言編であり, 本研究報告書『金融資本市場インフラ改革構想 Ⅱ』は,上記の連続講演会議事要旨である。 

なお,本研究は,通常の研究会の枠組みで NIRAが開催する従来の形式ではなく,断続的 なミーティング,およびメイルや電話等のやり 取りの組み合わせにより,それぞれに,研究会 メンバー同士のコミュニケーションを中核とし て,これらに外部の研究者や市場関係者や公的 機関の方々等が自発的/主体的な協力者として 参加することを通じて実施されてきた。  

この場をお借りして,われわれの研究にお力 をお貸しいただいた方々に,心より御礼を申し 上げる。

 2008年6月16日 6年間のNIRA在籍の最後の日に, NIRAの皆様に感謝を込めて 

プロジェクト・リーダー 犬飼 重仁