2022.3.09 わが国企業がアジア市場で活躍するには?
~期待されるアジア債券市場構想~
「アジア域内の共存共栄, ともに平和で豊かな社会を築くための地道な経済連携活動を紹介」 

NPO法人新現役ネット 主催

現場から見た世界情勢セミナー第17回

わが国企業がアジア市場で活躍するには?

~期待されるアジア債券市場構想~

「アジア域内の共存共栄, ともに平和で豊かな社会を築くための地道な経済連携活動を紹介」

2022年3月9日

犬飼 重仁

三菱商事 財務 OB

アジア開発銀行(ADB) ABMF コンサルタント

元 早稲田大学 法学学術院・研究院 教授
一般社団法人 アジア資本市場協議会 代表理事  

三菱商事OBの犬飼と申します。宜しくお願い致します。

2週間前にロシアによるウクライナ侵攻という、とんでもない危機が起きましたが、思ってもみなかったことが起こるのが危機です。そんなときに「アジア域内の共存共栄, ともに平和で豊かな社会を築くための地道な経済連携活動を紹介」というタイトルで、危機に対してどう対処したらいいかということについてお話させて頂けることは、自分自身危機に直面した経験を持つものとして、何かのめぐりあわせと感じます。

本日は、自らの会社人生とその後の研究者人生の中で、自らの実体験と実践に基づいて、日本と英国とアジアの人々との交流を通じて得られたものを中心にお伝えしたいと思います。

---

•本日は、アジアに住む我々が、世界で起きた危機を教訓として前向きにとらえ、共に助け合い、将来の危機に対峙し、共に平和で穏やかで明日に希望を持って暮らせる社会ができるよう、どんな取り組みが行われているか、その一端をお伝えします。

•地味な活動で宣伝もされていないので知られていませんが、四半世紀25年前の「アジア通貨危機」以降、アジア域内では各国の民と官の専門家の自主的な協力で、息長く国の垣根を越えて、危機対応力のある各国の債券市場を発展させようというプロジェクトが行われており、当方もそのチームの一員です。日本政府は、アジアに進出している日本企業の円滑な現地通貨建て資金調達実現の観点からも、長年その活動を支援しています。

•そこで、その発端となった1997年の「アジア通貨危機」からの経緯も含め、アジア開銀が事務局となり、域内の民と官の専門家とパートナーシップを組んで取り組んできた「アジア債券市場育成のための取組み」について簡潔にご紹介します。またそれらの取り組みは、日本の企業が、どうすれば危機に対処し、アジアに進出して成功できるかというテーマとも関連していますので、その点も最後に触れてみたいと思います。

コメント付きプレゼンテーションへのリンク(PDF)