2004.5.24 NIRA Market Governance Forum
マーケットガバナンス・フォーラム パネルディスカッション
「低金利時代 暮らしを守る金融イノベーション」
~金融サービスをめぐる法制化への課題~
(CMAA設立の背景となる参考情報)
NIRA30周年記念シンポジウム
マーケットガバナンス・フォーラム
2004.5.24
NHK千代田放送会館2F ホールスタジオ スペースエコー
【第2部】
パネルディスカッション 「低金利時代 暮らしを守る金融イノベーション」
(パネリスト) :高橋 伸子 生活経済ジャーナリスト
上村 達男 早稲田大学 大学院 法学研究科 教授
神田 秀樹 東京大学 大学院 法学政治学研究科 教授
吉野 直行 慶應義塾大学 経済学部 教授
犬飼 重仁 総合研究開発機構 主任研究員・早稲田大学 客員教授
(司会) :町永 俊雄 NHK エグゼクティブ アナウンサー
概要:
千四百兆円に上る個人の金融資産は預貯金に偏在している。低金利時代にあってはほとんど果実を生まない。これでいいのか ―― 預貯金以外にどうして資産運用が広がらないのか。生活者を取り巻く環境は銀行任せの時代から自ら資産を運用する時代に移っている。 『自分の暮らしは自分で守る』 という自己責任社会へ変化している。そのためには市場が自由、公正でなければならない。銀行、証券、保険など業態別の垣根はますます低くなり、縦割りでとらえられない金融商品が次々に登場している。それらの金融商品を幅広くカバーし、消費者を十分に保護する横断的な法整備が求められている。そうした観点から、シンポジウムでは金融の現状を浮き彫りにしながら日本にふさわしい金融市場の在り方を探った。
提言: 「幸せのモデルは自らの手で」:
これまでのように、幸せのモデルが上から降ってくるのでない。自分たちで英知を集めて、一つの法制化を通して幸せのモデルを作り上げていくことが重要「金融消費者」:
生活者に求められているのは「金融消費者」としての自覚と行動であり、商品やサービスなどを見極め、良質な金融機関を選んでいかなければならない「法制は個人の生命、財産を守る」:
本格的な法制度をつくることによって市民社会や個人の生活を守るということは、単に投資を保護するというだけの問題でなく、国民一人一人を守る切実な問題である「販売ルールの積み重ねが消費者保護ルールの真髄」:
「リスクのある金融商品の販売を禁止する」となれば金融分野の成長を殺すようなものであり、単に金融消費者を保護すればいいというものでもない。販売に関する様々なルールを積み重ねていくことが、消費者保護の真髄である
町永俊雄アナウンサー
上村達男教授
神田秀樹教授
高橋信子生活経済ジャーナリスト
吉野直行教授
犬飼重仁主任研究員