第5話. グラビトン(重力子)は光速を超えるのか? (2004/08/29)
現在自然界に存在する力として知られているのは電磁気力、重力、弱い力、強い力の4つであり、それぞれの力はそれを媒介する粒子の交換によって成り立っていると言われています。たとえば電磁気力は光子の交換によって成り立ち、重力はグラビトンの交換によって成り立っていると言います。
ところで、ブラックホールが周辺の物質・天体に重力を及ぼしているのは明らかですから、ブラックホールと周辺の物質・天体とはグラビトンを交換していることになります。しかし、ブラックホールからは光さえも出てこれないという事実があります。事象の地平線というものがあり、あまりにも強い重力のために地平線の先 (ブラックホールの内部) からは光さえも出てこれず、そこから先の情報は外部に伝えられませんから、それゆえ事象の地平線と言われています。
しかし、グラビトンは重力を媒介するために出てこれる。ということは、グラビトンは光速を超えるということになりませんか?
「いやいや、グラビトンはそもそも重力を媒介する粒子だから重力の影響を受けずにブラックホールから出てこれるのであって、重力の影響を受ける光子と比較してはいけない」 というのかも知れませんが、それにしても、グラビトンからブラックホールの内部の情報を入手できることになりませんか?