田の色の早濃くなりぬ吟行会 ('00/05/21 川越)
五月雨や巣落ちの雛の親呼びし ('00/05/22 守谷)
沙羅双樹五百羅漢に散りし後 ('00/05/21 川越)
雲去りてオリオン現る大舞台 ('00/12/15 北柏)
寒き夜をどこで過ごすや冬の蝶 ('00/12/17 谷中)
大掃除蝿が顔出し様子見る ('00/12/17 谷中)
風の中枯葉か羽虫か舞い行けり ('00/12/17 谷中)
冬の蝶何処から来たり何処へ去る ('00/12/17 谷中)
地を蹴って生き物のごと枯葉駆け ('01/01/01 守谷)
雪解けに覗く玉龍なお青く ('01/02/21 守谷)
雪掻きの音心地よく朝寝かな ('01/02/21 守谷)
ボンネット水を信じるトンボあり ('01/10/06 守谷)
夜回りに迷惑そうに睨む蝦蟇 ('03/04/30)
ユリの木と名付けし人の事思う ('03/05/25 小石川植物園 吟行会)
咲いている姿は見せずユリの木は ('03/05/25 小石川植物園 吟行会)
さあどうぞソメイヨシノのサクランボ ('03/05/25 小石川植物園 吟行会)
我が庭を棲家と決めし赤とんぼ ('04/07/04 守谷)
梅雨晴れ間ニイニイ蝉のかすかなり (04/07/04 水元公園)
緑陰で何を話すか若夫婦 ('04/07/04 水元公園)
我が腕を一途な目して登る蝉 ('04/07/26 守谷。玄関で裏返っていた蝉を拾い上げて)
けし畑大海原を望む丘 ('05/05/22 葛西臨海公園)
海わたる風受け止めしけしの花 ('05/05/22 葛西臨海公園)
観覧車青葉の海に聳え立ち ('05/05/22 葛西臨海公園)
蝉時雨旧き良き日を運び来て ('05/08/21)
蝉時雨野山を駆けし幼き日 ('2005/08/21)
我が行く手待っているよな虫の声 ('2005/09/16 守谷)
虫たちが専属バンド夜の道 ('2005/09/16 守谷)
同じ虫鳴いているよな秋の道 ('2005/09/16 守谷)
我が横に附いて来るよな虫の声 ('2005/09/16 守谷)
おしめりや土の香りの匂いたち ('2005/11/03 守谷)
日の影の移る様見て日を過ごし ('2006/03/04 守谷)
犯人を見つけてみればシジュウカラ ('2006/04/22 守谷)
(大切に養生している苔をむしりとる犯人が、巣造りのための床集めに奔走しているつがいのシジュウカラであることを発見して)
東屋はソフトにビールにシジュウカラ ('07/05/20 浜離宮)
東屋でビール一杯風を聴く ('07/05/20 浜離宮)
乳飲み子に緑の風の行き渡り ('07/05/20 浜離宮)
渡り行く風を目にする青田かな ('07/07/16 守谷)
飲み屋街明けて訪ねる赤とんぼ ('07/10/04 新橋)
ランパブを明けて訪ねる赤とんぼ ('07/10/04 新橋)
田へジャンプ堤防降りし子らの橇 ('08/02/04 守谷、大雪の翌日)
藪枯らしカナムグラ居る藪の上 ('08/09/01 守谷)
崖の上凌霄花 (ノウゼンカズラ) の仰ぐ空 ('08/09/01 守谷)
洪水が無かりし様な蝉時雨 ('08/09/01 守谷)
洪水を知ってか知らずか蝉時雨 ('08/09/01 守谷、利根川遊水地の洪水)
我が庭のこの木を愛でる蝉多し ('09/08/08 守谷)
原爆忌先師もこの日逝きにけり ('09/08/08 谷中)
駒込や先師を偲ぶ蝉時雨 ('09/08/08 谷中)
漸くに残暑見舞いのハム送る ('09/08/08 守谷)
久々にクーラー止めて眠る夜 ('09/09/12 守谷)
秋風や49日の手配終え ('09/09/12 中野)
豆腐屋の笛の音親し秋の暮れ ('09/09/12 守谷)
駅の音間じかに聞こゆ秋の夕 ('09/09/12 谷中)
コスモスもアワダチソウも菊祭り ('09/10/24 守谷)
今はもう母とあがなう栗おこわ ('09/10/24 中野)
いつの間にアワダチソウの野原かな ('09/10/24 守谷)
ウォーキング今日はコスモス畑まで ('09/10/24 守谷)
舗装路のドングリボロリ踏み割られ ('09/10/24 守谷)
波の様にメジロ来たりてまた去りぬ (09/11/14 谷中)
今朝ほどは落ち葉散り積む円了日 (09/11/14 谷中)
芋粥のほっこり出来て円了日 ('09/11/14 谷中)
木枯らしも峠を過ぎて円了日 (09/11/14 谷中)
良く見れば実をかざしたるカナメモチ ('09/11/30 守谷)
陽の当たるほうだけ散りた並木道 ('09/12/2 守谷)
時雨れるやゲーム機持ちて孫来る ('09/12/2 守谷)
草紅葉この空地にも光当て ('09/12/2 守谷)
波のよに紅葉揺らしてメジロ去る ('09/12/6 谷中)
凍りつき今朝は掃き得ぬ落ち葉かな ('10/01/16 守谷)
元旦や小鳥水浴び日の暮れぬ ('10/01/16 守谷)
関東の北限見ゆる冬日和 ('10/01/16 筑波エクスプレス)
国境の雪山望む跨線橋 ('10/01/16 筑波エクスプレス)
山茶花の映りし窓に跳ぶメジロ ('10/01/16 守谷)
カーリングスーパーショットにしびれるや ('10/02/20 守谷)
小鳥かと見れば小枝を滑る雪 ('10/02/20 守谷)
雨水とは名ばかりのみで庭を掃く ('10/02/20 守谷)
雪解けの音を奏でる庭木かな ('10/02/20 守谷)
ポタポタと小枝揺らして雪ゆるむ (!10/02/20 守谷)
クロモジのそれとは見えぬ花盛り ('10/03/13 守谷)
見回して在りかを尋ぬ沈丁花 ('10/03/13 守谷)
土佐水木花とは見えぬ花をつけ ('10/03/13 守谷)
朝刊のポストに匂う沈丁花 (10/03/13 守谷)
並木道積もるは花か淡雪か ('10/04/17 守谷)
花びらの上に積もりし春の雪 ('10/04/17 守谷)
淡雪の消えて季節の確かなり ('10/04/17 守谷)
窓打つは何かと見れば春の雪 (10/04/17 守谷)
二分咲きの下で始まる花の宴 ('10/04/17 守谷)
休耕もいくつかありぬ田植えかな ('10/05/14 守谷)
青嵐一日吹かれ歩こうか ('10/05/14 守谷)
青嵐この木あの森波立たせ ('10/05/14 守谷)
見渡せばどこもかしこも青嵐 ('10/05/14 守谷)
静けさや待合で見る青嵐 ('10/05/14 守谷)
梅雨前の日差し強し師を送る ('10/06/12 谷中)
居士寮に緑の風や午睡時 ('10/06/12 谷中)
苔の上散りしはサラサウツギかな ('10/06/12 谷中)
円了日そろそろ梅雨の気配あり ('10/06/12 谷中)
苔庭に映える朱色のアマリリス ('10/06/12 谷中)
家壁の白きを増して梅雨明けり (2010/07/17 守谷)
野球帽見送る母や梅雨明けり (2010/07/17 守谷)
夏空の下をゆるゆるバス来たり (2010/07/17 守谷)
玄関を出でて眼に入る夏の空 (2010/07/17 守谷)
電線にきちんと並ぶ赤とんぼ (2010/07/17 守谷)
西空に大入道の峰並び (2010/07/17 守谷)
家壁の白さまぶしき梅雨明けり (2010/07/17 守谷)
水遣りを終えて息継ぐ晩夏かな (2010/08/19 守谷)
毎朝の掃除をせよという槿 (2010/08/19 守谷)
みそはぎの墓前にありぬ蝉時雨 (2010/08/19 守谷)
鉢皿に小鳥水浴ぶ晩夏かな (2010/08/19 守谷)
秋の夜をクロスワードに励む妻 (2010/9/7 守谷)
枝豆の香り引き立ちビールかな (2010/9/7 守谷)
久々の雨となりぬ白露かな (2010/9/7 守谷)
テレビではさんま祭りと芋煮会 (2010/9/7 守谷)
窓開けて急に飛び込む虫の声 (2010/9/7 守谷)
天高くスカイツリーを望む窓 (2010/10/15 谷中擇木道場)
栗おこわ今年も妻と笠間にて (2010/10/14 岩間)
根津神社下町祭りの準備中 (2010/10/15 根津)
鉢植えのイチジクひとつ実をつけり (2010/10/15 守谷)
天高く我を肥やすかあなご寿司 (2010/10/15 さんさき坂)
門前で秋の蛸飯買い求め (2010/10/15 根津)
ハナミズキ里の秋を早告げり (2010/11/13 守谷)
黄葉のユリノキ仰ぐ博物館 (2010/11/13 上野)
経行の桜紅葉や谷中墓地 (2010/11/13 谷中)
無風流倉庫から見る里の秋 (2010/12/11 みらい平)
山までも行かずとも良い里の秋 (2010/12/11 みらい平)
物流の倉庫から見る里の秋 (2010/12/11 みらい平)
綿くずのように空舞うすすき種 (2010/12/11 みらい平)
にぎりめし鳥と分け合う秋ランチ (2010/12/11 みらい平)
出来良くて暫く残す注連飾り (2011/01/15 守谷)
年賀状発受の気持ちすれ違う (2011/01/15 守谷)
冬荒れの予報に山の人思う ('2011/01/15 守谷)
陽だまりに五重の塔の礎石あり ('2011/01/30 谷中)
冬落ち葉ファンで蹴散らす墓掃除 (2011/01/30 谷中)
冬木立礎石を囲み静かなり (2011/01/30 谷中)
夏みかん塀の上より顔を出し (2011/01/30 谷中)
オリオンや五重の塔の跡照らし (2011/01/30 谷中)
春疾風訪ねる家の見つからず ('2011/04/07 守谷)
お茶すれば屋敷林からウグイスが (2011/04/07 守谷)
春疾風鶏小屋も騒がしい (2011/04/07 守谷)
春疾風玄関土間でお茶をする (2011/04/07 守谷)
五月雨や頭を垂れし薔薇を切る ('2011/05/10 守谷)
燕と目が合う二階窓辺かな ('2011/05/10 守谷)
水田と河が溶け合う田植え時 ('2011/05/10 守谷)
梅雨晴れ間一筆啓上果てしなく (2011/06/08 守谷)
ホホジロが電線上で手紙書く (2011/06/08 守谷)
紫陽花の色づく前の入り宣言 (2011/06/08 守谷)
堤防で拾いし亀を田へ戻す (2011/06/08 守谷)
入り宣言紫陽花も未だ色づかぬ (2011/06/08)
縁台があればと思う夜半の風 (2011/07/09 守谷)
空梅雨や重き並木は変わらずや (2011/07/09 守谷)
槿咲くサルスベリさん未だですか (2011/07/09 守谷)
重き空ノウゼンカズラ知らぬ顔 (2011/07/09 守谷)
七変化最後の色となりたるや (2011/07/09 守谷)
原爆忌今年も先師の墓参り (2011/08/05 守谷)
夏雲を仰ぎ見たりし路地の奥 (2011/08/5 守谷)
夏雲のもくもくありぬスカイツリー (2011/008/05 守谷)
お別れを告げる書状を受く暮秋 (2011/09/10 守谷)
花芽半分喰われし花の開く秋 (2011/09/10 守谷)