第10話. 時空は光も物質もない状態でも、その構造の中にエネルギーを蓄えている (2004/09/26)
一般に空間は物質を入れている容器と考えられており、物質の全く無い空間(真空)は光(電磁波)の伝わる媒体ではあるが、それ自体がエネルギーを蓄えるということは仕組みとして考えられていませんでした。
ところが、近年、インフレーション理論の中で、加速度膨張の理由として「真空の相転移」ということが提唱されました。相転移とは水蒸気が水になったり、水が氷になったりすることで、その構造変化に伴い「潜熱」としてエネルギーを開放または吸収します。インフレーション理論では、宇宙誕生後のある時点で真空の構造変化(相転移)が起こり、莫大なエネルギーを潜熱として解放し、それにより宇宙膨張は加速したと言っています。つまり真空の構造の中にエネルギーを蓄える仕組みがあると言っていると思います。
そうすると、逆に、物質や光を閉じ込めてどんどん圧縮していくと、やがて時空構造が変わってそこに物質や光と等価のエネルギーが潜熱として蓄えられるということになりませんか? ブラックホールは物質の核力すら重力に逆らうことが出来ずに無限に押しつぶされてしまう(重力崩壊)ということですが、無限に押しつぶされてしまうというところがどうにも納得できません。どこかで時空構造が変わって、その構造の中に吸収されるか、あるいは重力に反発する斥力が生まれてそれによって支えられるとか(その時点では物質は我々の知っている物質ではなくなっていると思いますが)、そういうことがあるのではないかと思います。
つまり、物質と光はエネルギーというレベルで互換ですが、時空構造まで含めて互換ということではないのでしょうか?
宇宙は、時空までもが素粒子以下に折りたたまれたものがリバウンスして、あたかも折りたたまれた紙を広げるように時空構造を変えながらエネルギーを開放したのではないでしょうか。重力に対抗して時空を押し広げている斥力の基として言われている暗黒エネルギーは時空構造の中に蓄えられているエネルギーのことではないでしょうか?