第31話. 人の心の働きは連鎖反応と制御機構によって成り立っている (2006/02/26 予告編作成、2006/03/21加筆発表)
今回は、下調べを全く行っていない本物の勝手な仮説です。(いつもは多少は下調べを行うのですが)
連鎖反応として良く知られているのは炎や核分裂反応ですが、人の心も恐らく連鎖反応であり、その制御が中途半端になった状態が夢だと思います。
核分裂反応で、原子核にぶつかった中性子によって新たにたたき出される中性子の数が、ぶつかった原子核に吸収される中性子の数よりも多くなると、加速度的に核分裂反応が促進するように、また、例えば炭素を含む化合物があるレベル以上の熱と酸素を与えられると酸素との化学反応を起こし、そこで生成される反応熱がまた反応を加速させるように、人の心も働いていると思います。
人の心の働きは恐らく、脳のあるところで発生した分子化学反応が脳波と呼ばれる微弱な電磁波を引き起こし、その脳波が記憶のシナプスや思考回路を刺激して新たな脳波を起こし、それが連鎖反応的に進むのではないかと思います。
炎や核分裂反応等の連鎖反応は、連鎖反応の材料と温度があるレベル以下になると、反応が収束に向かうように、心の連鎖反応も、制御する機構があって、どこかの記憶のシナプスを突付いた時か、あるいは、眠るという一連の手続きの中のどこかで連鎖反応をやめるというスイッチが入って、反応が収束するのではないかと思います。
また、人の心は監視と制御の仕組みを持っていると思います。自身の心の働いた軌跡を記録する場所があり、その記録を逐次確認しながら、次の行動や考えを補正していると思います。自己嫌悪は、まさにそのような過程で生み出されるものだと思います。
脳には少なくとも思考回路と記録回路の2つがあり、恐らくそれぞれが独立して稼動していると思います。思考回路は、コンピューターに例えればシングル・プロセッサーであり、一度に一つの事 (考え、思考) しか行っていないと思います。思考回路上では、思考⇒確認⇒思考(確認結果に基づく次の行動のための)⇒思考⇒確認⇒・・・が繰り返されていると思います。行動の補正の思考の際には、短期的な記録内容と、長期に保存されている記録が参照されていると思います。
人間は、生まれてから成長する過程で多くのフィードバック機構を身に付けてきています。耳の悪い人がうまくしゃべれないように、フィードバック機構が正しく構成されていないと人の行動は適切さを欠いてしまいます。
脳の働きもフィードバック機構 (思考や行動の記録とその参照) に頼っており、そのどこかに (例えば短期の記録機構や長期の記録機構、記録の参照機構、等のどこかに) 欠損が発生すると、思考や行動に支障が出るのだと思います。
夢は、このフィードバック機構 (特に思考の記録と参照部分) がいいかげんに働いている状態で、そのために思考の流れが制御されず散漫になっている状態だと思います。また、夢を見ている状態では、人間の他の機能 (例えば運動や言葉をしゃべる機能) も制限されていることは皆さんのご自身の経験でお分かりになると思います。