第23話. DNA/RNAによらない生命の可能性 (2005/08/21予告編作成、9/10加筆、12/24加筆発表)
地球上の生命の基本はDNA/RNAによる自己複製ですが、DNA/RNAによらない自己複製の仕組みは無いのでしょうか?
地球上では、DNA/RNAによらない自己複製の仕組みは、狂牛病やCJDを起こす変異プリオンたんぱく質 (これは自己複製というよりは感染と呼ぶべきか? 変異プリオンたんぱく質は感染すると正常なプリオンたんぱく質のアミノ酸配列を変えずに、その構造を自分と同じ構造---1部の螺旋構造を伸びきった不安定な構造に変化させる---) 以外ではこれまで発見されたという話を聞いていませんが、他に存在していないのでしょうか? 存在していないとしたら何故でしょう? DNA/RNAの仕組みはこの地球で起きえる環境変化に最も強い耐性を持っていたということは間違いないと思いますが、他に同様の仕組みがあってもよさそうなのに、何故無いのでしょう?
例えば台風やハリケーンはどうでしょうか? 地球上の海洋と大陸が生まれてから (大陸は今の形となるはるか以前の、パンゲア超大陸や、その前のロディニア超大陸、更にその前の恐らく10億年以上昔から) 海洋の特定の地域で発生を繰り返してきたことでしょう。この仕組みも、ある意味で生命のようなものだと思います。この地球環境の中で、恐らく10億年以上も昔から継続して同じ仕掛けのシステムを維持してきたわけですから。
台風が生命のようなものだという主張には、大多数の方々が違和感を覚えられると思いますが、地球とは違う環境では、その環境での環境変化に最も強い耐性を持った仕組みが理論的にはありえると思いますし、それがDNA/RNAである必要性は全く無いと思います。
しかし、仮に他の惑星や衛星、あるいは何らかの天体、もしくは宇宙の中のある領域で、その領域の環境変化に耐えて特定の仕組みを維持しようとしている何者かを発見したとして、それが例えばDNA/RNAであるとしたら、いろいろなことを確認したくなるでしょう。 例えば、それと地球のDNA/RNAとの類似性を調べ、共通の祖先から生まれたものかどうか、独自に発展したものであるかどうか等。