第19話. 空間次元のコンパクト化と時間の矢について (2005/05/20 予告編作成、2005/06/21 発表、2005/07/03 ピンク字部分を加筆)
超紐理論では、この宇宙は10次元ないし11次元の時空であり、その内の6次元ないし7次元の空間がコンパクト化されているということになっています。
コンパクト化とは、本当にコンパクト化されている (空間が時間と共に成長していない) のでしょうか?
それとも、空間そのものはコンパクト化されていなくて、広がっているにも関わらず、物質がその空間に関与していないということも考えられます。
同様に時間という次元は、他の空間という次元と同様に時間と共に膨張していると仮定し、且つ「時間次元の構成要素が基本単位増加することが、時間が進むことの基本単位である」、ということを仮定しますと、我々が時間次元を自由に移動できないのは、物質が時間次元の表面 (最新の時間次元の構成要素) とのみしか関与しないから、ということも考えられます。 あたかも湧き出る泉の水の表面に浮かんだゴミか油のように、物質は泉の内部 (過去の時間構成要素) とは関係を持たず、泉の界面 (表面)とのみ関係を持つ (スクリーンに投影された映像というイメージです) ということも考えられます。(これが時間の矢の意味。)
「第9話 宇宙は一輪の花?」 の花の絵 (二次元時空)に従うと、物質は時空の花弁の縁にのみ存在して、この縁に沿ってのみ移動できるものとして表されます。
このモデルで、光がどのように伝わるのか、あるいは重力を始めとする4つの力がどのように伝わるのか (伝わるのは時空の表層だけなのか) について、別の話(例えば第20話) で考えてみたいと思います。