第13話. 時間の矢について (2005/01/02作成、2005/01/17加筆)
アインシュタインは時間と空間が同種のものであり、我々の宇宙は3次元の空間と1次元の時間とからなる四次元時空であると言いましたが、(超紐理論では10次元まで拡張されています)、時間には向きがあって、我々は決して時間軸をさかのぼることが出来ません。ブラックホールでは、時間軸に関する制約が外れて、代わりに空間の特定の方向 (ブラックホールの中心の向きと反対の方向) には決して進めないというように、空間軸に矢印が生まれるようです。
また、重力の強いところや加速度運動する物体では時間の進み方が遅くなり、あるいは運動する物体は光速に近ずくにつれて時間の進み方が遅くなるともいいます。
これらのことを直感的に捕らえると、以下のことが言えるような気がするのですが、どうでしょうか。
この宇宙は暗黒エネルギーという宇宙膨張の基となっている斥力と、物質を寄せ集める重力とのせめぎあいと言われていますが、重力は時空の膨張を引き止める方向にも働いています。重力の強いところでは時空の膨張速度が遅くなり、また、時空の膨張速度に近いスピードで運動する物体では、時空の膨張スピードとの差は小さくなります。ちょうど、膨張するゴム風船の表面を歩く蟻とゴム膜の広がるスピードとの差をイメージしてください。時空の膨張速度と我々の運動速度との差が時間の進み方のスピードになるのではないでしょうか。時空が膨張すると言うことと時間が一方向に進むということとは同義であり、重力等の影響で部分的に時空の膨張が遅いところでは時間の進み方は遅くなり、更に膨張の止まっているところがあれば、時間は停止すると言うことにならないでしょうか? 更に、ブラックホールのように時空が収縮しているところでは、時間の矢は向きを変えるまたは、空間に矢が出来るということではないでしょうか?