3月18日に、2024年度の理科大の学位授与式を終えてきました。ゼミ生の皆さんに言うべきことは躊躇なく伝えてきた私が、修了生に言わなくてはいけないことはもうありません。ただただ修了生たちとのこれまでの時間は、学びが試した数だけ手にできるのだということを感じさせてくれるものでした。学びの先の成長もまた然りです。
手元で起こることや見えることを毎回言語化し、問題解決に取り組んだことは、試行がうまくいったときも思わぬ失敗に終わったときも、予想が合っていたときも外れていたときも、すべてが学びの機会になったと思います。成功よりも失敗の方でより学びが得られるということも、きっと数多く経験し実感をしたはずです。そもそも大発見というものは、予想外の状況をよく分析し、考察し、次の一歩を踏み出した先にこそ生まれるものです。産みの苦しみとはよく言ったもので、予想を外したとき如何にそれと向き合い、如何に次の一手を選ぶかが、きっとこれからも目の前に現れる様々な出来事の成否を分けるのです。
特に私はゼミで「(なかなか)答えを言わない」スタンスですので、訊けば答えをもらえるかもしれなかった道と比べると、大変な思いをした人もいるかもしれません。しかし、答えの代わりに「ヒント」や「次の一手の選び方」を受け止めた皆さんの学修は見事でした。助け合う仲間の存在の大きさも改めて感じたかもしれません。如何に助けを求めるか、どう求めると本当に必要な助けをもらえるか。もはや言うまでもなく、その助けの求め方ですらも、目の前の様々な課題に相対するときに確かに活きる力なのです。
なお、答えを言わないスタンスの私が答えを言うときは、もう本当にどうしようもなく時間が無いときか、相手を諦めているときのどちらかです。
年度末は、大学院の修士論文発表会の半月後に、卒研発表会がありました。卒研発表会の前に、準備段階の途中の資料に対してフィードバックをし合った皆さんの資料は、最後はあまり私からコメントをせずともその時点でてきる完成に近いレベルに達していました。そんな皆さんの相互の関係がただただ素晴らしいと思いますし、皆さんにもチームでそれができたことに、一人一人が自信を持ってほしいと思います。
1, 2ヶ月前、学内での最後の研究発表では終わっても緊張の表情が解けていなかった人も、今日は晴れやかな表情を見せてくれてとても嬉しく思いました。修了生たちが新天地で、健康第一で、幸福な人生を歩まれることを心からいつまでも願い続けています。そして旅立つ人も残る人も、また次の試行、次のチャレンジを楽しんでいきましょう。
これからがはっぴーやで!