2025年度も、新メンバーを迎えての研究室活動を始めました。これからの1年、2年、3年間で、今できないことを楽しんで、やりたいけど今はできないことを一つずつ、自分のできることに変えていってもらいたいと思います。
月初のキックオフミーティングでは「ボトルネックと向き合おう」という話をしました。
★「課題を見つけて取り組む」というけど、どうやって?
問題解決力を持とうという言葉はよく聞かれますが、その前にすべきことはないでしょうか? それは、問題(課題)を見つけること。もっと言うと、問題に解決すべき優先順位をつけること、つまり「まず何が足りないのか」を的確に見定められることが大切ではないでしょうか?
言葉を変えると、何がボトルネックなのかということですね。何か目標を持ったときに、足りないことは通常山ほどあるわけです。年度末に学外の人とのプロジェクトで、実際にちょっと困ったことがあったのですが、プロジェクトのトップが「ボトルネックがどこか」を押さえていないと問題解決に向けて進むことができないのです。問題は小さいものも挙げればいくつもあるので、ボトルネックをぼかしても色々言えはするわけですが、律速段階とも言える一番のこの問題がこれでしょ、ここでしょ、ここを何とかしないと根本の問題が解決しないでしょ、ということに力を割けないと、問題解決は前に進みませんということが起こるんですね。
卒研~院生の皆さんそれぞれにも、色々とできたら良いな、やりたいことができるようになったら良いなということがあると思います。その「できないこと」もいくつもあることでしょう。それは決して悪いことではなく、それを認識しながら色々なことに取り組めることはむしろ望ましい状況と言えます。それがたくさんあるのは望ましいことですが、その中で「何が一番の障害なのか」「妨げになっているのか」「何が一番の原因なのか」を見つけられるようになってほしいと思うのです。冒頭から述べている「ボトルネック」はまさにこのことであるわけです。
★困難に向き合ってチャンスにする
しかし、ボトルネックは自分の一番の弱点とも言えることなので、 それと向き合うことは時につらく大変な作業かもしれません。それでも、研究室活動はそれと向き合って試行錯誤をすることが特に許される時間です。その今がチャンスだと思って、これからまず1年、ボトルネックと向き合うということを考えてもらうといいなと思います。
では、そのために何をしてみるといいでしょうか? 当研究室では「質問力を上げよう」ということを大切にして、皆さんに実践してもらっていますが、その質問をもちろん周りの人たちに対してすることに加えて、自分にも質問を投げかけてください。それを継続できるようになってください。例えば、レポートやプレゼンの資料などを作るときには、ぺぺぺっと時間のない中で作ってやっつけているときもあると思いますが、一度作ってみたそれに対して、自分が使っているこの言葉合っているかな? この絵で伝えたいことが伝わる形になっているかな? などということ。それを一つ一つ、気づく範囲がいいので、自分に質問を投げられるようになってほしいなと思います。今は、そういった資料を初めにドラフトする際にChatGPTのような生成AIを使うことも多いと思います。そのときに、返ってきた/出力されたこれは自分が伝えたいこと、伝えるべきことを的確に表しているかを確認して仕上げることが必須のスキルになります。今こそ「自分に質問をする力」が求められているのです。
是非とも自身のボトルネックに向き合い、それを克服すべく色々なことを試して成長していってもらいたいと思います。もちろん、その過程ではつらいと感じることもあるかもしれません。そういったときに互いに励ましあえる仲間も大切にして、成長を勝ち取っていってもらいたいと思います。今年度もがんばっていきましょう!