新年度からラボワークを始めるのに先立ち、3月初めから新しい卒研生との面談や意見交換、実験室での注意事項の共有などを行ってきました。その注意事項には、爆発注意! 試薬を扱うにあたっての注意、複数のメンバーで実験スペースや機器を使用するにあたっての注意などがあったかと思います。
合わせて、私は卒研生に「自分なりのプラン」を一番初めに問い掛けました。これは、卒研テーマとしてどんなことをしたいかということ以上に、「自分がどんな人間になりたいか」ということを言葉にできるようにしよう、という問い掛けです。
自身がどんな力を得たいのか。
・・・自分の専門分野をベースに、隣の分野を理解できるようになりたい。うまく話ができるようになりたい。自分が伝えたいことを伝えられるようになりたい。人の気づいていない何かの重要性の見出し、その価値を根拠をもって伝えられるようになりたい・・・
その答えは十人十色です。人それぞれ、欲しい力は違っていい。むしろ、人に何と言われようとも自分は「自身がこんなことができるようになりたい」と思えることを見つけたらそれを大切にし、そうなれるように動き、試行錯誤を続けてほしいと思います。
卒研で何を経験できたら「勝ち」なのか。これは誰かが勝ったところで別の誰かが負けるという勝負ではもちろんありません。そしてその答えは人それぞれであるはずで、自分なりにラインを設け、それをクリアできるよう試行錯誤を繰り返すことが大切です。卒研に取り組む過程から、できるだけ多くの試行錯誤のチャンスを拾ってほしいと思います。
大学生活の最後に、自分の欲しい力を一つでも自分のものにしてもらうことができたらと思います。そしてまた次に自分が何かをしたいと思ったときに、それに向けて何か試せる力を自身が持てていたら。そんな力を得るチャンスとして卒研に向き合ってもらえたらと思いながら、今日から新年度のラボワークを始めます。