入道ヶ岳南面より小岐須渓谷の山の家駐車場脇を蛇行して御幣川に流れ込む滝ヶ谷沿いに、二本松尾根の通報ポイントP5の滝ヶ谷分岐へ抜けるコースです。
椿神社側の大堰堤上より登る二本松尾根のルートに比べて谷が屈曲している分、分岐点までの距離が長く、私の足では駐車場から二本松尾根P5迄一時間半程かかります。
しかし何度も谷を横切って谷沿いに遡る道は、杉の林道を延々と歩む椿側の道に比べると景色の変化も大きく見方によっては楽しみも多いのではないかと思います。
登山口は小岐須渓谷山の家に隣接する駐車場より恩幣林道を挟んで建つ公共トイレの隣にあります。左手の尾根裾に沿って少し進むと滝ヶ谷の流れが右手から登山道に並行するようになります。
小岐須渓谷の駐車場の対面に滝ヶ谷コース登山道入口のP1標識がある。
嘗て、この道の少し先で石灰岩(大理石)の採掘が行われていたため、道の周囲に左手の山腹から大理石のズリが大量に散乱している場所を通過します。この採掘跡は現在椿岩と呼ばれる岩登りの練習コースとなっています。
滝ヶ谷道の入り口に付近の道沿いには石灰岩のズリが転がっている。転石を割ってみると大理石の美しい模様が現れる。
駐車場より見た椿岩。垂直に近い岩場で直登するにはある程度の技術と勇気がいる。
下から見上げた椿岩。下部には採掘坑があり周囲に大量のズリが散乱する。
石灰岩の岩盤は、頂きまで30m程度のものですが、ほぼ垂直に聳えており、私のような初心者がフリークライミングで頂きに立とうと思うとかなり厳しいものです。
道の右を流れる滝ヶ谷の転石にも白色の石灰岩(結晶化石灰岩)が多く、入道ヶ岳を覆う泥岩や砂岩系の黒っぽい石と鮮やかな対比を見せます。
椿岩への分岐を過ぎて少し進むと左手山腹よりの沢を渡渉しますがこの辺りには綺麗な石灰岩(大理石)の露頭がみられます。石灰岩は熱変成を受け結晶化の程度が高いため、鈴鹿山脈北部の山々の石灰岩のように多数の化石を確認できるわけではありませんが、場所によっては化石らしいものを認められる岩もあります。
水流による石灰岩侵蝕面は独特の形をとる。
この沢を越え杉林の中を少し進むと谷に降りて谷の本流と支流の間に発達した岩盤を越えますが、滑りやすいためか小さな鎖場となっています。
黒い堆積岩の鎖場を超えると直ぐに谷の渡渉点に出る
谷の石も泥岩や砂岩系の変成岩が殆どとなる
この辺りまで来ると転石も白っぽい石灰岩は殆ど目立たなくなり泥岩や粘板岩系の黒っぽい石に置き変わってゆきます。
この先で谷を左岸へと渡れば直ぐにP3のポイントが在ります。この辺りは右手の山肌に杉の倒木が多数散乱して苔むしており、その苔の間に発芽した杉の幼苗を見ることができます。
杉林の谷間はを行くP3付近の林道は湿気にとみ、倒木がコケで覆われる。
登山道(林道)は谷床から少し高度を保って杉林の中を進みますが暫くすると小さな堰堤の上部で再び谷床まで下り、谷の右岸へと渡リますが直ぐに左岸へと渡り返して、再び次の堰堤で右岸の杉林へと出ます。
滝ヶ谷道は入道ヶ岳の南斜面に貼りだした日当たりの良い尾根に並行して谷伝いに付けられているため、中腹辺りまで登山道周辺は杉檜の植林帯に覆われています。
しかし登山道は谷から大きく逸れることなく、谷筋につきながら川岸を交互に進むため、谷の眺めを交互楽しめて林道コースの単調さからは多少開放されます。
P4手前の堰堤。2012年秋の台風で、この堰堤は抜けてしまった様だ。この堰堤のすぐ先にP4の池ヶ谷分岐がある。
池ヶ谷分岐
P3から2つ目の堰堤を越えて右岸の杉林を進むとすぐにP4のポイントがあります。登山口P1からP4迄35分程度です。このP4より杉林の中でルートを西にとって林の中を抜け、谷右岸の尾根上に出て 池ヶ谷P6へと通じる分岐があります。
杉林の中は踏み跡も分かりにくく標識もありませんが、枝沢が開けだす手前で杉林が切れ尾根に取り付く辺りからルートがはっきり分かるようになります。私の場合、滝ヶ谷P4から池ヶ谷P6迄は上り1時間、下り35分程でしょうか。水平距離は900m前後と思われますが350mの高低差があり思いの外厳しい道程です。
人の入らぬ植林帯の道はわかりづらい。時には目印もあてにならないから要注意。杉林の切れる手前で右手の尾根に取って返す。
尾根のトラバース道から尾根稜線の道ははっきりと分かりやすい。枝分かれした木の処で入道ヶ岳南陵に出て稜線沿いに池ヶ谷P6へ通じる。
杉林の中は目印もあまりなくルートが分かり難いので、地図で位置を取れる人でなければ踏み込むのを控えたほうが良いと思います。植林帯に道が切られている場合、所有者が森林管理のために目印を付ける場合が良くあります。
入山者の少ないコースで、誤ってこのような目印に付いて行ってしまうと、とんでもない場所へ入り込んでしまうことがありますから、なれない方は踏み込まないほうが無難です。周囲の視界も悪くあえて踏み込むほど面白みのある道ではないと思えます。
滝ヶ谷・二本松尾根へ
P4より谷沿いに杉の林道を進むと小沢の手前にP5が在ります。植林帯はP5の先で切れ、この辺りから谷の上部が扇型に開けて、広葉樹の低い潅木が不規則に茂り足元にはガレの多い急傾斜の悪路に変わります。
ガレを踏んで、扇型に開けた谷の斜面を斜めに登るとP6があります。この辺りは斜面のガレが崩壊して足場が崩れやすい箇所があり注意が要ります。谷はかなり下方を流れていますが進むに従って大きな滝を伴いどんどん高度を上げてきます。
渓の右岸にそって滝の上部を巻きながら進むとP7に出ます。谷床は既に登山道と同じ高さまで高度までを上げており、P7のすぐ先の黒色の岩盤の露頭するポイントで谷を渡り二本松尾根P5から通じる道と連絡します。
P7の先で最後に滝ヶ谷を横切り、二本松尾根からの道へ向かう。
岩は結構急傾斜で滑りやすく鎖場となっています。此処を登れば後は広葉樹の林間に切られた平坦な道づたいに数分で二本松尾根P5へと出ます。
黒色の泥岩の岩場は急斜面で鎖が架けられている。ここを超えるとの二本松尾根P5へのなだらかな道に通じる
谷を渡り尾根道に出れば後は尾根を水平に横切って稜線上にある二本松尾根P5へと至る。小岐須登山口より1時間半程。