大学教育では,一定の基礎教育の後,自分で問題点を掘り起こしそれを解決する能力を醸成するための教育として卒業研究が準備されている.3年後期に就職が 決まれば4年次は卒業研究に専念できるはずである.しかし,実際は就職活動が延々と続き,卒論研究は形式的になってしまっているといっても過言ではない. それに加えて,低学年からの就職試験を想定した常識ペーパーテスト,面接対応テスト等で本来の勉強ができないと言っている学生も多い.一方,就職活動がイ ンターネットを利用する形態に変化して久しいが,このことが混乱の一因になっている.採用する側はインターネット上にホームページを開設し,企業紹介やエ ントリーの窓口を作っている.学生は次から次にネット上を駆け巡り取りあえずエントリーしなければならない.採用側はエントリーさせることで第一次書類選 考的に門前払いができるそうである.ホームページを設置し運用するための費用はかなりの額にのぼるので,中小企業には負担になる.そのため,ホームページ を持たない会社には,大企業に就職できない人材が回って来ないわけである.