2011-41

大震災から3ヶ月

東北関東大地震から3ヶ月が経過した.

副次的に発生した原発事故は予想通りの最悪の事態であることが判明した.

マスコミは,相変わらず事故対応に対する政府の無能ぶりを批判し続けている.数十年後,現在を振り返った時,この間の進捗状況はどのように映るだろうか.恐らく,誰が対応してもこの程度のスピードと対応策しかなかったということになるだろう.

非常事態を宣言し,強権的に事を運べばもっとスピーディーに事が運ぶかもしれない が,それは政治体制を過去に戻さないかぎり実現しないだろう.与野党が逆転しても原発問題が急速に解決することはありえない.かえって原発推進を推し進め てきた責任が今以上に問われることになり,その対応に苦慮することは必至である.

原発事故の情報提供が操作されているという意見が多いが,事故の重大性のため人間 が容易に近づけず,提供する判断材料がないだけのことである.国産ロボットが,米国製に代わり,ようやく投入されるそうである.原発作業員が手を出せない 作業が進めば情報が増えるだろう.そのような状態であることを正直に言えばよいのに言わないのも理解できない.

12日には,基準値以上のストロンチウム89,90が海水から検出されたと報道さ れている.このうちストロンチウム90は,半減期が約29年と長く,体内に取り込まれると骨に蓄積しやすい.保安院審議官は12日の記者会見で「ストロン チウムは,海で希釈されて大きな影響はないと思うが,監視を続けたい」としている.無限希釈されるから安全という神話は過去の公害問題で否定されているは ずである.また,歴史に学ぼうとしない人間の習性が見えてくる.水産庁も先月から魚介類の調査を始めているとのことである.正確な情報提供を期待したい.

(2011/6/13)