1)九電のやらせメールは原発会社の体質を露呈したものであり,これまでにも同様な 事例があったであろうと思わせるに十分な結果になってしまった.玄海原発3号機では2009年末にプルサーマルの営業運転が開始されているが,公正な議論 が行われたか疑問を感じる人が多くなったことは事実である.
原子力発電は火力発電とは根本的に異なるというのに,石油を燃やすのと同じような説明が行われてきた.一般の人は原発のことなど理解できるはずはないという経営者の考えが見え隠れする.
電話で根回ししたというのならともかくメールで依頼したというから呆れたものであ る.決して根回しを肯定しているわけではない.インターネットは政治体制までも変える情報拡散力を持っており,さらに内部告発的な行為は日常茶飯事であ る.そのようなこともシュミレーションできないわけだから想定外の出来事を予想するなどできるはずがないと考えた方がよい.
今回も日頃メールなど自分ではやらない秘書任せのIT音痴世代が部下に指示したのであろう.
2)松本元大臣の言葉は福岡(九州)で普通に使用されているだろうか?
「県でコンセンサス得ろよ.そうしないと我々何もしないぞ.ちゃんとやれ」,「いま あとから入ってきたけど,お客さんが来るときは,自分が入ってきてからお客さんを呼べ.いいか? 長幼の序がわかっている自衛隊ならやるぞ.わかった? しっかりやれよ.今の最後の言葉はオフレコです.いいですか? 皆さん。絶対書いたらその社は終わりだから」
「知恵を出したところは助けるが,知恵を出さないやつは助けない」
「九州の人間だから,東北の何市がどこの県とか分からない」
久しくこのような会話(口調を含めた)に直接お目にかかったことがない.
最後に耳にしたのは20年以上前の話になる.助教授の頃,教授と助手の間で交わされ た会話(叱責時)がこのようなたぐいのものであった.しかし,その会話には,濃密な師弟関係(ここまで育て上げた)という前提があった.傍から見ていても 違和感は感じなかったが,助手はそれなりに反発していた(親離れ現象).松本元大臣と村井知事の間柄はそういう関係ではないらしいからきわめて異常であ る.
政治家の世界は,権威主義そのものであり,優越感を味わいたいから大臣になりたがると考えるべきであり,国会審議でお目にかかる品格のない数々の言動は当たり前なのかもしれない.
それにしても元国会議員の養祖父が聞いたら泣くのではないだろうか. (2011/7/9)