生ごみ処理

2011-20

長寿命電化製品(2021年4月稼働中)

我が家では,松下電工の生ごみ処理機 (生ごみイーター) を使い続けて10年以上になる.玄関横に置いているため,使い始めて数年後の台風で吹き飛ばされキズがついた.風雨にさらされながらそれでもちゃんと動いているタフな機械である.

最近は加熱乾燥方式も出ているが, 家庭用ゴミ処理の草分である微生物で処理する方式である.おが屑のようなチップの中に生ごみを投入するとゆっくり攪拌されながら何時の間にか生ごみが消えてなくなるというものである.正確には,好気性微生物によって生ごみ等の有機物を酸化分解し,最終的には二酸化炭素と水に分解する. 

「チップは数カ月毎に指定の新しいチップと交換しなさい」ということになっているが,チップには菌が植え付けられているわけではないらしい.菌の繁殖に都合の良い状態に水分を維持し,酸素を供給するために固型物全体に流動性をもたせる必要がある.そのためだから木屑的なものであれば何でもよいようである.交換時に1/3程度古いものを残して木工細工で出た木屑(主におが屑)を代用してみたが問題なく使用できる.また菌の活性が低下したら添加するものが別途市販されているが,購入する必要はない.微生物はあちこちに存在する.浄化槽に入れる微生物も庭先の水たまりの水で十分と業者から聞いたことがある.投入する生ごみにもたくさん含まれているので,おが屑だけでもよいはずである(菌が増えるのに時間がかかるかもしれないが). 

生ごみ処理機本体はモーターとベルトの簡単なメカニズムのため,まず故障することはない.温度や水分のセンサーがあり,必要なときは弱いヒーターが入るようである.流動性が低くなりチップ交換が必要な状態になった時や不都合があるとLEDが点滅するが,警告だけで攪拌が止まることはない.シャベルを使って手で混ぜることを厭わなければプラスチック容器と木屑や籾殻があれば簡単に処理できるはずである. 

市販の生ごみ処理機は,メカが簡単である割には交換チップを含め商品が高価である.機器を購入する際,購入費を助成する自治体も増えたようであるが,その分価格が高くなっているのではないかと思うのは私だけだろうか(熊本市の場合,電気式で購入額の1/2,上限3万円). 

ところで,水の少ない山小屋や南極では“バイオトイレ”というものが実用化されている.原理は生ごみ処理とまったく同じであり,排泄物をオガクズなどとともに攪拌して好気性微生物を活発化させ,分解・堆肥化させる.登山する際は1回分に必要なおが屑を持参することを義務付けたらいかがだろうか. 

注:古くなり交換したチップは花などの用土に混ぜてやると肥料になる.これは実証済みである.(2011/10/28) 

追記  (2021年4月8日)

5年前の熊本地震でも壊れることなく, 約25年間稼働している. 交換用チップは現在も通販で購入することができる.