2011-50

東北関東大震災から1ヶ月

大地震の後,放射能漏れに関連して次のように書いた.

人間社会では0か1かで議論できないことが多いが、原子力発電と住民の関係では、絶対に0でなければならない問題である。

1ヶ月経ってみると,そのことが言い過ぎではないことを知ることとなった.

4月12日朝のNHKニュースで,原発事故の深刻度を示す国際原子力事象評価尺度(INES)を最も深刻なレベル7に引き上げることを報じている.86年のチェルノブイリ原発事故と同じレベルである(数値的には1桁低いが).

それを反映してか,半径20キロより遠いところに住んでいる地域でも積算線量に基づき局所的にレベルの高い町の人達にも避難するように呼びかけるようである.

「直ちには人体に影響はない」と言い続けてきたが,説得力がなくなってきている.外国人が一斉に成田から帰国する姿を見て,オーバーではないかと言った人も今は沈黙しているようである.

野党やマスコミは,現政権の対応を非難するが,誰が首相になっても原発問題の解決が早まることはないだろう.一般の化学反応とはことなり,放射性物質の 崩壊速度を早めることはできない(半減期を短くすることはできない)からである.豪腕の人物が登場し,命令一下仮設住宅用の宅地造成が現在よりも早く進む ことはあっても,原発事故の後処理が急展開で進むことはない.

市民を徐々に慣らすより,真実を語って理解してもらった上で今後の方針を決めた方がよい.

昨夜からマグニチュード7レベルの震度6強,弱の地震が起きている.専門家は余震と言うが,巨大地震からは離れた内陸で起きていることを考えると単なる余震ではないような気がするが,素人の考えだろうか.


[一言]このような状況は,「想定外」ということで許されることではない.