不完全な商品

(エプソンデジカメ CP-800Sの巻)

2011-10

不完全な商品(エプソンデジカメ CP-800Sの巻)

使わなくなったPC関連機器類の整理の際,エプソン社製のデジカメCP-800S(写真中央)が出てきた.1999年に発売された機種で,1/2型CCD(画素数,214万画素(総画素)/206万画素(有効画素), 記録メディアは48MBコンパクトフラッシュを用い,単三2個で動くというものである.付属品として付いているNiH電池(1500mAH, 4本)が切れても単三乾電池があれば動くというので購入した.それまではフロッピーディスクに書き込むソニー社製Digital Mavica(30万画素,10倍ズーム,1997,右端)を使用していたので,当時としては画期的な製品であった.

エプソン カラリオ・フォト CP-800S 7万9,800円 99年10月28日

パソコン接続用キット(オプション) CP80SPCK 1万円 99年10月28日

しかし,購入して驚いたのは電池の持ちの悪いこと,液晶を見ながら撮影するとあっという間に電池がなくなってしまう.かなり高価であったので大損したなと思いながら使い続けていたが,家内が旅行に持って行くことになり,別のメーカー製の小型カメラ(左端)に買い換えた.

それ以来,ずっとお蔵入りしていたが,処分する前に最近のNiH充電池,エネループ(2000mAH)を入れて使用してみた.当時より電池容量が増えた分長持ちはするが,液晶画面を使った撮影時の電池の減り方はやはり正常ではない.

そこで,WEBで検索すると「EPSON CP800 は欠陥品」という結論が出ているようである.発売1年後には半値近くになっていた.「CP-800S」と「電池の持ち」のキーワードで検索すると「持ちの悪さ」に触れた記述が多いのにびっくりした.欠陥品と言い放っている人もいる.

結論的には,投資額に合わないシロモノであった.乗用車ならリコールの対象に相当すると言っても過言ではない.ゴミとして廃棄するには勿体無いので,容量の大きいNiH電池を使ってファインダー方式(液晶画面を使わない)でちょっとした観察日記のために使っている状況である.

「暮しの手帖」の商品テストみたいな意見になってしまったが,言っておかないと気が済まない人達に代わって取り上げた次第である..(2011/12/19)

追記

附属の充電器で充電する方式であるが,電池のリフレッシュ等がどのようにプログラムされているかわからない.ユーザーが適当に判断することを前提にしているということであれば家庭用に気軽に使えるものではない.最近のNiH電池は容量も1.5倍程度に増え,自然放電も非常に少なくなっている.エプソンは専用電池を使うように指示しているが,そのことがかえって裏目になっているわけである.