かなり前（2000年）の話であるが，かみさんが欲し いというのでわが家でもT社の「排気循環式掃除機」を購入した．もともとそのようなことができるのか疑問に思いながら，しばらくは使っていたが，吸引力が 弱いので，使用しなくなった．捨てるにはもったいないので，工作の際木屑の掃除のためにたまに使用したが，ホースや本体管径が大きく小回りが効かないので 最近は充電式のハンディー型が取って代わった．

メーカー（T社）の推奨する「おすすめ」ではゴミが残る．そこで「強」でやると改善されるが，これまでのものと較べるとやはり吸引力が弱い．半田の小さ いクズなども吸い込むことはできない．スイッチONと同時にブラシが回転し，ブラシが叩きだした微細なゴミを排気で浮き上がらせ吸引する方式とのことであ る．当然のことながら，A４用紙を吸引力で吸い付かせることはできない．排気方式の「付属品」モードに切り替えると吸い付けることができるが，本来の使用 法ではない．

ところで，「排気循環式掃除機」，「排気がゼロ」などを宣伝文句にした掃除機のコマーシャルは最近聞かなくなった．画期的な製品なら今も売れているはずであるが，ネットで調べると市場から消えてしまって久しいようである．

ネット上で閲覧できる製品評価の記事の一部をそのまま以下に示した． 前者は生産中止を提言し，後者は従来型と比較して吸引力が弱いことを指摘している．

株式会社 生活環境研究所（アレルギーと生活環境を考える）の見解

本来は排気として本体後部から出る風が、本体、ホース、延長管内を循環し、ヘッド部でその排気を床に吹きつけられてゴミを浮き上がらせ、再び吸引すると 言う仕組みです。排気がきれいとか、汚いとかの問題どころではなく、床のホコリをまともに吹き飛ばすのですからたまったものではありません。掃除機ではな く「ホコリ吹き飛ばし機」 と言っても過言ではないと思います。

直ちに、生産中止、販売中止して欲しい掃除機です。

特に、ホコリやダニアレルギーの方はお使いにならない方がよい掃除機です。

独立行政法人 国民生活センターの比較試験結果の一部を以下に示した．

溝の砂ごみの除去能力では、排気循環タイプやコードレスタイプ、紙パック不要タイプが、ハイパワー（1000W）の従来タイプより小さい傾向にあった。また、排気は、排気循環タイプなどが比較的きれいであった。

鳴り物入りで売り出す程の画期的な商品ではなかったようである．メーカーは自己満足だけで販売しているのだろうか．開発段階は極秘に行う必要があると思 うが，発売前には最小限の客観的評価を行ってほしいものである．その後，わが家で購入したのはN社のセンサーによるゴミ検知方式の掃除機であり，現在も使 用している． （2011/08/01)