2011-63

入試と無縁な日々

厳寒のセンター試験が終わり,今日(1月24日)から国立大学の願書受付が開始された.いよいよ入試本番の時期を迎える.テレビのニュースは地元大学の初日の受付数と入試係職員の様子を報じていた.毎年同じ構成の画面であり,コメントも代わり映えがしない.

今週末から私立大学の前期日程試験があちこちで始まる.各大学は受験日が重ならない様に設定しているため,受験生は同種の大学を飛び回らなければならな い.どこも同種の試験を複数回実施するので重なる場合は別の日に受験することになる.ある薬系大学は各種の試験をそれぞれ複数回,あわせて十数回の試験を 行っている.

昨年末には各種の推薦入試(AO, 専願,自己,一般推薦等)が終わっているので,今年の受験生の動向は何となく掴んでいるだろう.大学生の就職難がどのように学部選択に反映するか簡単には予想できない.予備校によると


国公立大学など学費が安い大学を選ぶ

身近にある大学を選ぶ

受験校数を少なくする


といった「安・近・少」の傾向が見られるとのことである.

昨年までは,定員割れを恐れる周囲の雰囲気に左右され続けた.成る様にしか成らない大きな流れと思いながらも一喜一憂した.私立の場合は歩留まりがどの 程度か見極める必要があり苦労する.それも推薦(2種類).前期,後期,センター利用の最低でも5種類の入試について考える必要があるから入試関係者は大 変である.推薦入試は11月から始まるので,関係者は歩留まりや次の入試のことで正月どころではないことは何となく想像していただけると思う.

私にとってが,今年の正月は,後任教授人事,入試,卒業論文,修士論文,博士論文等を考える必要のない久しぶりの純粋無垢な日々であった.在職中の大学関係者からはお叱りを受けるかもしれないが,「リタイアする」と言うものはそういうものであるべきである.


[一言]正確には,年内を予定していた投稿論文が年を越した. 昨年3月末に退職する際,後任教授が決まっていなかったため,担当教科を非常勤で引き受けるよう依頼があったが,引き受けていたら常勤と変わらない日々を 送っていただろう.研究協力だけにしたのは正解であった.

(平成23年1月24日)