~「希望のあるところには必ず試練がある。ただし希望は数が少なくおおかた抽象的だが、試練はいやというほどあっておおおかた具体的だ。」(村上春樹)~
宿敵ローヤーズにまたも勝てず!石井熱投で初勝利にあと一歩に迫るも無念の逆転負け!
春本番で最高気温がついに25度を超えたこの日、ビッグアプセットが都心ど真ん中の麻布球場に集結し挑むのは、過去14試合でいまだ勝ちのない宿敵東京ローヤーズ。今から10数年前、多摩川緑地であの北村弁護士率いるローヤーズに惜敗してから14試合、一昨年には最終回ツーアウトまで2点リードしながら無念の引き分けに持ち込まれるなど13敗1引分けと屈辱の対戦成績だ。とはいえ今年のビッグアプセットは違う、チーム打率はここまで驚異の3割2分、4割打者を3人揃えた充実打線に、この日は塚野兄弟や加藤といったほぼフルメンバー、櫻町監督は数年前にこの麻布球場で完全試合を記録した石井を先発にたて、若手・ベテランを交互に配するジグザグ打線をくみ気合全開で必勝の構えだ。
まず初回表のビッグアプセットの攻撃、昨年の猿江公園で苦杯をなめた最速130キロの相手先発剛球投手にジグザグ打線が襲い掛かる。まず先頭塚野智己がレフト線に見事に流し打つツーベースでいきなりのチャンスメーク!すると続く塚野敦也のショートゴロが相手エラーを誘いいきなりノーアウト1・3塁のビッグチャンス、ここで3番山下が高速スライダーにくらいつくサードゴロを放つとサードから塚野智己が快足を飛ばしてホームイン!理想的な攻撃でビッグアプセットはいきなりの先制だ!引き続きサードに塚野敦也が残るも、ここは後続が倒れて初回は1点どまり。
3回表のビッグアプセットの攻撃、うなる剛速球に果敢に立ち向かうビッグアプセット打線
はこの回、まず先頭丸野がしぶとくフォアボールを選びノーアウトで出塁、すかさず盗塁でノーアウト2塁のチャンスをつくる。続く櫻町、石井が連続三振に倒れツーアウトとなるが、ここで西村がセカンドベースよりにしぶとく弾き返すとこれが内野安打となるが、相手ファーストが手間取る一瞬の隙をみて丸野が果敢に3塁を回ってホームへ、相手ファーストから鋭いバックホームでホームベース上の微妙なタイミングのクロスプレー、ビッグアプセットナインが固唾をのむ中、丸野がベンチ方向に鋭く回り込むスライディングで相手キャッチャータッチを際どくかわして左手でベースタッチでセーフ!2006年WBC川崎宗則の伝説プレーを彷彿とさせる「神の手」スライディングで追加点、ビッグアプセットベンチも総立ちだ!
一方ビッグアプセット先発の石井、いい思い出しかない麻布球場のマウンドで強豪打線相手に見事な立ち回りをみせる。スライダーとチェンジアップを織り交ぜた多彩なピッチングに、時折コースを鋭くつくストレートでローヤーズ打線を翻弄、4回まで4イニングを2安打無四球、3三振で相手にサードベースを踏ませない快投だ!
一方ビッグアプセット打線も、ローヤーズ先発剛球投手になかなか追加点が取れず、5回にはお約束の伊東投手の中継ぎに加藤が真芯でとらえながらダブルプレーを喫するなど、いつもの術中にはまる展開となり、試合がやや膠着状態に入った嫌な予感。しかし時間は残り30分余りとなり、石井の熱投で5回表終了時点で2-0のリード、今日こそいける、と櫻町監督は櫻町、小川、西村、大河原の守備を封印、ファースト芝田も丸野に交替させ盤石の守備陣で逃げ切りを図る。
そして迎えた運命の5回裏ローヤーズの攻撃、先頭相手7番にしぶとく右中間に落とされるヒットでノーアウトで走者を出す。ここはギアを上げるところだ、と石井が気合を入れ直すがこの気合がやや空回りか、続く8・9番に無念の連続フォアボールを与えノーアウト満塁、この絶体絶命のピンチに内野陣は必勝バックホーム体制で気合を入れなおすが、ここで相手1番が鋭くセンター前に弾き返されまず1点、引き続きノーアウト満塁で続く伊東選手にスクイズを決められ2点、ついに同点となり引き続きワンアウト2・3塁のピンチ、何とか持ちこたえてくれ、とビッグアプセットベンチも総立ちで見守るクライマックスだ。
するとここで相手3番が石井のストレートをジャストミート、目にも止まらぬ打球が石井襲うがこれに鋭く反応した石井がこれをグラブに一度あて空中でボールをキャッチしアウト!さらに飛び出したサードランナーをみてすかさずサードに送球するが間一髪セーフ、セカンドランナーが大きく飛び出しておりセカンドはアウトのタイミングだったが一瞬の判断でこれは仕方ないところ、緊迫の場面で飛び出したスーパープレーにビッグアプセットベンチもやんやの喝采だ。
そしてツーアウト2・3塁となったところで迎えた相手4番、鋭く振り抜いた打球はライト後方へ舞い上がり、ライト伊藤が必死に追うが及ばずネット直撃のタイムリーヒット、これで走者2人が還りついに逆転となった。
逆に2点ビハインドとなったビッグアプセットも気合を入れなおすが、ローヤーズの継投策に翻弄され6・7回をいずれも3者凡退、ローヤーズ戦初勝利に片手が届くところまでいきながらも終盤の逆転に焦燥感は否めず、そのまま追加点なしで2-4のゲームセットとなった。
足掛け10数年で一度も勝てない屈辱、何度も勝利が見えたところで常にローヤーズの底力を見せつけられる展開に試合後のビッグアプセットナインの意気もあがらない。村上春樹の言うとおり、希望はそこに見えるがつねにその姿はぼんやり抽象的、一方で試練はいやに具体的で目の前にその事実をつきつけられる。とはいえ、明けない夜はない、この日魔の5回に集中打を浴びた石井だったが、その後6回も3者凡退に抑えるなど見事なピッチング、一昨年から2年連続で石井大和に奪われた最多勝タイトルを虎視眈々と狙い、また前人未到の通算150勝にもあと3と迫るなど、エースの座復活に本格的に狼煙をあげた。
逆転負けのショックは否めないが、来週からもシーズンは続く。最悪勝率記録を更新し、一時はその勝率が大阪市外局番06を下回ると騒がれた阪神タイガースもようやく勝率2割が見えてきた。何事にも試練はあるが、希望を胸にまた来週からのシーズンを頑張ろう、そう誓いつつ広尾商店街をそぞろ歩くビッグアプセットナインであった。
<監督コメント>
今回は14人の精鋭で臨んだローヤーズ戦15回目の挑戦だったが、惜しくも逆転負け。
好調な打線も今回は塚野智己くん、西村の2安打のみと打ち崩すことが出来なかった。
今日のオリックス打線が佐々木郎希相手にコンパクトに逆方向を狙ったように、次回は特に伊藤投手にはセンター返しするなど意識して臨みましょう❗️
石井さんは4回までは完璧なピッチングだったが、5回に力が入って下位打線に2四球が惜しかった。あの場面で監督がマウンドに行ってひと呼吸入れたら展開も変わったかも知れないという点が自分の反省点です。
山下の先制打、西村の2点目のタイムリーヒット、丸野くんのセカンドから一気にホームインの好走塁、ショート塚野智己くん、サード加藤くんのナイスプレー、センター塚野敦也くんの全力ダッシュ&バックホームなど、石井さんの好投を守備陣も必死に援護し、締まったゲームでした。
次回こそは撃破しましょう❗️
さて来週4月30日(土)は11時から板橋区小豆沢球場でメガシティと対戦です。
では来週❗️
みんな、よろしく❗️