~「二十億光年の孤独に、僕は思わずくしゃみをした」(谷川俊太郎)~
小さな白球に想いを乗せるビッグアプセットナイン、20歳下の強豪Roughにガチンコ完敗!!
11月も後半に入り、激動の2024年シーズンも残り2試合となったビッグアプセット。11月と言えば、ビッグアプセットの永久欠番エースナンバー18、46年前の桐朋中学野球部エース、ドクター朝田の命日が今年もやってきた。この前週に9回目の朝田の命日を迎え、ビッグアプセット最年長組は格別の思いをもって久しぶりの羽根木公園に集結だ。数か月前、高反発バットが禁止となって以来避けていた羽根木公園に招待して頂いたのは、これも中学野球部同級生を中心とした初対戦のRough、しかし年齢はビッグアプセット最年長組よりちょうど20年若いチーム、ビッグアプセットは鈴木の紹介で攻守好打の助っ人、小川(泰)を加えたものの、その年齢差に玉砕覚悟でのプレーボールだ。
プレーボール直後の初回裏、Rough打線はさっそくビッグアプセット先発の末永に襲いかかる。先頭にいきなり左中間を破られるツーベースを打たれると、その後も連打とビッグアプセット守備の若干の乱れで初回に2点を失う。
しかし2回表、ビッグアプセット打線は20歳若いチームに全力で反撃だ。この回先頭芝田がショート強襲ヒットで出ると、ツーアウトから西村のフォアボールと大河原の秘技・打撃妨害で満塁、するとここでマダックス末永が鮮やかにライト前に弾き返しこれで1点!さらに満塁から村上のピッチャーゴロが相手エラーを誘いこれで西村、大河原が激走でホームを落とし入れ2点を追加し3-2と逆転だ!芝田、西村、大河原、村上の最年長組の奮闘での逆転にビッグアプセットベンチも一気にヒートアップだ。
しかしビッグアプセットが意地を見せたのはここまでだった。このあと、2回裏には5安打集中で5点、3回にはホームランを含む4安打を浴び2点、4回にもヒットとフォアボール2つで1点と、じりじりとRoughにリードを許してしまう。対するビッグアプセット打線は次々と繰り出すRoughの継投を前に打線も沈黙、鈴木、西村などが快心のヒットを放つも打線がつながらず、追加点が取れない。
しかし一方、天国の朝田五郎に恥ずかしいゲームは見せられないと守備陣が奮闘、2回裏には3点を失いさらにノーアウト1塁で次打者にセンター前に打たれたが、ここでサードに向かう1塁走者をセンター鈴木・セカンド田辺の中継が完璧に決まり、ランナーの肩口をすり抜けたボールをつかんだサード芝田のタッチでランナーアウト!5回裏には1点を失った後ノーアウト2・3塁で難しいバウンドのサードゴロを芝田がさばきバックホームで、キャッチャー小川泰のタッチも決まりタッチアウト!さらにワンアウト1・3塁から相手2番のショートゴロをガルシアパーラ西村が華麗にさばくとこれもホームタッチアウト!そしてセカンドを狙うバッターランナーを見て小川泰がセカンドに送球すると、相手1塁ランナーが果敢にサードを回りホームを狙う、するとセカンド田辺が躊躇せずカットプレーで再びバックホームでまたもタッチアウト!ピッチャーが小川に代わった5回裏には、相手この回先頭の左中間への火の出るライナーに、センター鈴木が激走逆シングルでランニングキャッチ!そして6回裏には、ワンアウト2・3塁のピンチで相手10番が放ったライト後方への大飛球、これにこの日ライトに入った助っ人鈴木秀紀、これも最年長組・桐朋同級生の鈴木秀がこれを背走しながら劇的ジャンピングキャッチ!還暦超えの最年長組、還暦まじかの田辺も含め、この日ビッグアプセット守備陣は若干の乱れを除いて劇的ファインプレーを連発だ!
試合は20歳年下のRoughに力負けとなったものの、数々のスーパープレーを見せた守備陣は充実の表情、先発末永は失点に反省しきりだが鋭い変化球は相変わらずのキレをみせバッティングで鮮やかなタイムリーで気を吐いた。リリーフ小川は最近キレを増したカットボールが有効に決まり試合を締める。また上記コメントでは触れなかったが、この日ファーストフル出場の櫻町、この日フリーマン打法は不発だったが守備では1・2塁間の鋭いゴロを難なくさばくナイスプレーをみせた。力の差はあったが、Roughナインもビッグアプセット守備陣の奮闘に20年後の自分たちを投影したに違いない。試合は負けたものの、まだまだやれる、もっと上手くなる、という手応えをつかんだビッグアプセットナイン、秋も深まる羽根木公園の肌寒い風をも感じない熱い思いでグランドを後にする。
人類は小さな球の上で、眠り起きそして働く。宇宙はひずんでいる、それ故みんなは求めあう。宇宙はどんどん膨らんでいく、それ故みんなは不安である。二十億光年のかなたで見守ってくれているであろう朝田五郎を想い、ぼくらは思わずくしゃみをする。求めあい、そして不安に悩む心も、このダイヤモンドで小さい白球という球をひたすら追いかけることで、あの国立のグランドで走り、息を切らしながら宮林を見上げたあの頃と思いがつながることで救われる。二十億光年を越えることができる野球はすばらしい、いかんともしがたい守備の乱れも、打てるはずの変化球が打てない悔しさも、すべてを糧にしてまた明日からこの小さな球をひたすら追いかけていこう。秋も深まる世田谷の抜けるような青空に、そうした思いを改めて誓いながら、来週に迫ったシーズン最終戦に向け改めて闘志をかきたてるビッグアプセットナインであった。
【監督コメント】
11/23ROUGHとの試合。相手チームは中学の同級生が集まり草野球を楽しみ、皆さん41歳の年齢になるという。試合前は、「(bigupsetの)プロフィールに好感・親近感を持ち、目指したいチーム像です」との相手監督さんの殊勝なお言葉を頂戴。
しかし、試合が始まると我々より20歳ほど若い相手各打者は鋭い振りで、容赦なく襲いかかる。こちらも反撃し一時は逆転するも、最後まで手を緩めない相手の真剣野球に完敗だ。
負けはしたものの、ピッチャーの末永、小川は逃げることなくどんどんストライクを投げ込み勝負を挑む。また、ノーアウト2塁・3塁のピンチではショート西村、キャッチャー助っ人の小川さん、セカンド田辺のスキのないプレーでダブルプレーを奪うなど必死に食い下がる。得点差はあったが、決して下を向くことはない。ガチンコで戦い、まだまだやれると思えた。そんな一戦だった。
今週末11/30(土)は、12時から夢の島野球場7面でみずほ証券との試合。今シーズンの最終戦になります。皆様、奮ってご参加ください!