~「待ってろ、夏」~
末永完投!ビッグアプセット打線10安打猛攻!鈴木将平、怒涛の若巨鯨スライディング!
走攻守充実の全員野球で前半戦最終戦に快勝!!
午後6時45分、灼熱の太陽は地平線に沈み、一塁側後方の西の空が鮮やかなオレンジ色に染まる、ようやく薄暗くなったなか4基の照明塔に灯が入り美しいカクテル光線が外野の芝生を鮮やかに浮かび上がらせる夏の夕暮れ、城北中央公園の豊かな森林からはセミの大合唱がつづく。最終回の攻撃で反撃をみせるKeysersは1点を返し試合は8-3でまだビッグアプセットが5点のリード。しかし粘りを見せるKeysers打線の前にこの回フォアボールと不運な内野安打で1点、さらに内野エラーもあってワンアウト1・2塁とピンチは続く。
するとこの切羽詰まったピンチでスーパープレーが飛び出す。ここでピッチャー末永とショート橋本のアイコンタクトが成立、素早くベースに入る橋本に完璧のタイミングで末永がマウンド上で反転、鋭い牽制球は絶妙のコントロールでセカンドベース真上へ、ベースに駆け込んだ橋本がボールをつかむとほぼ同時に鋭いタッチ、ホームを狙っていたセカンドランナーが必死に戻るがタッチアウト!末永・橋本の完璧なコンビネーションが成立しツーアウトだ!そしてつづく打者は相手1番、この試合初回先頭でいきなり右中間のスリーベースを打たれた強打者がフルスイングした打球はライト上空に高々と舞い上がる、暮れなずむ空に舞い上がったボールがカクテル光線に浮かび上がる、長い滞空時間で一瞬時がとまり、ビッグアプセットナイン全員が息を飲んで見つめるなか、ライト大河原がいつになく余裕の構えで落下点に入ると全く危なげない体勢でがっちりこの打球をキャッチ!この瞬間、グランド上のビッグアプセット全員がガッツポーズで喜びが爆発する。2025年度オールスターブレーク前の前半戦最終戦は、走攻守に充実したビッグアプセットの圧勝、そしてその幕切れはこの試合を象徴するような鮮やかなコンビネーションと大河原のナイスキャッチで劇的なゲームセットとなった。
台風9号が銚子沖を通過し台風一過、真夏の暑さが戻った城北中央公園はこの日最高気温35度、しかしプレーボールとなる17時には日は西に傾き、グランドのほとんどが日陰に入るコンディションだ。暑さ対策万全のビッグアプセットは初回から怒涛の攻めをみせる。
初回表、先頭黒田がフォアボールででると2番大間が鮮やかにセンター前に弾き返すクリーンヒットで1・2塁、ここで3番芝田が相手先発投手のカーブに体制崩されそうになるぎりぎりで踏みとどまる技ありのスイングでジャストミート、打球はレフト線を突破しこれがタイムリースリーベースとなり黒田、大間がホームインしていきなり2点先制だ!さらにワンアウトから5番鈴木将平が外角高めのフォーシームをジャストミートすると、鋭い打球が右中間へ、流し打ちとは思えない飛距離でこれがタイムリーツーベースとなり芝田が生還しさらに1点!ビッグアプセットは初回電撃的な先制攻撃で3点を先取する。
しかしその裏、若手中心のKeysersは全員鋭い振りでビッグアプセット先発の末永に立ち向かう。この回先頭がいきなり右中間突破のスリーベースで出ると、ワンアウト後相手3番は見事な流し打ちで1塁線突破のスリーベース、これで1点を返され3-1、しかし末永はつづくワンアウト3塁のピンチで相手4・5番をピッチャーフライ、三振にきってとりこの回1点でしのぐ。後で思えばこれが大きかった。
すると2回表のビッグアプセット、先頭田辺がフォアボールででると、ワンアウトから1番黒田が快心のフルスイングでレフト線へ、これがワンバウンドでスタンドに入るエンタイトルツーベースとなり、これで2塁に進んでいた田辺が生還、この回さらに1点追加で4-1だ!
しかしKeysersも黙っていない。その裏、末永はこの回先頭にフォアボールを与えるとつづく相手7番はレフト前ヒット、つづく8番を三振に打ち取ったもののさらにつづく相手9番にレフト前に弾き返されワンアウト満塁の大ピンチ、こうなったら今日はノーガードの打ち合いか、とビッグアプセットナインが覚悟を決めかけたが、ここで末永が粘りのピッチングをみせる。つづく相手10番をピッチャーゴロに打ち取りホームフォースアウトでツーアウト満塁とすると、最後は相手11番を威力満天のツーシームが外角ギリギリに決まる見逃し三振!末永はワンアウト満塁のピンチを無失点で切り抜け、これで一気にビッグアプセットは試合の流れをつかむ。
末永は4回裏のエラー絡みで1点を失ったものの試合後半はさらにピッチを上げる、そして守備陣も末永を盛り立て、3回裏には相手1番のサードベンチ前に上がったフライにサード大間が猛ダッシュ、これを地面ぎりぎりでキャッチするファインプレー!ファースト芝田も従来のフライ嫌いを克服し、この日も2つの難しいフライを難なくキャッチ、試合は4-2のまま5回に進む。
するとビッグアプセット打線が怒涛の波状攻撃をみせたのが5回表だ。ワンアウトから芝田が内野安打で出て相手エラーで2塁に、さらにワイルドピッチで3塁に進むと、ここで山下が4番の仕事、サード頭上を鮮やかに破る快心のレフト前タイムリーで芝田が生還しこの回1点!さらにツーアウトから橋本フォアボールで1・2塁とすると、ここで打撃好調の西村がセンター前に弾き返す、するとセカンドランナー鈴木将平がセカンドから怒涛の走塁、相手センターの強肩バックホームでホームクロスプレーとなったが、鈴木将平が砂煙をあげてホームに滑り込みセーフ!20キロ減量しても威力は衰えない鈴木の若巨鯨スライディングが炸裂し1点追加、これでビッグアプセットベンチも一気にヒートアップだ。すると1・3塁からの西村盗塁で2・3塁とすると、今度は8番木全がレフト前に弾き返し、これが橋本、西村を迎え入れる2点タイムリー!この回ビッグアプセットは4安打、タイムリー3本の鮮やかな波状攻撃で一気に4点を追加だ!そして迎えた5回裏、Keysersの反撃を末永・橋本の鮮やかコンビネーション、そして劇的大河原のナイスキャッチで締めくくり、前半戦最終戦は8-3でビッグアプセットの快勝となった。
末永の熱投、そして末永を援護した大間、大河原のナイスプレー、打線は10安打8得点と爆発、鈴木の怒涛の巨鯨スライディングなど走攻守全てが完璧なゲーム、日が暮れて空もようやく暗くなった城北中央公園、きれいに整備されたグランドがカクテル光線に一層映える。暗くなってもセミの合唱はおさまらないが、涼しい風がグランドの上を吹き抜け、充実のゲームにビッグアプセットナインは最高に充実の表情だ。
これで2025年度、オールスターブレーク前の前半戦は22試合10勝12敗、開幕後は4連敗からはじまったがその後チームを見事に立て直し、「楽しんで勝つ」というチームのモットーを見事に具現化した村上監督の手腕は見事だ。ガルシアパーラ西村はこの日もタイムリーを含むマルチヒットでついに打率トップに立ち、これもトップを独走する打点部門とともに初の打撃タイトルにロックオンだ。西村を先頭に鈴木秀紀、芝田、櫻町、山下の5人が3割台前半で並ぶという、首位打者争いは史上稀にみる激戦、一方鈴木将平がさらに打率を上げ、打率4割台で規定打席にあと1打席にポジショニング、本命・丸野は2割台後半で老齢打撃陣を一気に抜き去るべく射程に入れる、さらにホームランは佐藤達路、鈴木将平、黒田、谷上、牧の5人が1本ずつで並ぶというこれも先の読めない展開、投手部門では末永が勝利数、防御率ともトップを走るが、安定感を増してきた丸野、さらに先週見事な完投で賞賛をあびた小川の後半戦巻き返しが見込まれ、これも予断を許さない。
充実の全員野球での快勝、夏の夕暮れのセミの声、カクテル光線に鮮やかに浮かび上がった美しいグランド、この野球の喜びは50年前の少年時代から何も変わらない。感動と喜びで充実したビッグアプセットナインは火照った身体をシャワーで流し、そして大河原が手際よく予約した池袋西口の名店中華に直行だ。最高の試合、最高の仲間、最高の中華に生ビール、酷暑がつづく日本だが、暑い暑いと文句を言っていてもはじまらない、コンディションを整え、身体を手入れし、そしてグランドでひとつのボールに集中する、そして全員で勝ち取った勝利、夏の夕暮れにその勝利の余韻を皆で味わえる喜び、「待ってろ、夏」の気持ちでシーズン再開の2週間後からの後半戦、まだまだつづく猛暑の夏に立ち向かおう、そう誓い合いながら絶品中華を満喫した還暦越え、ほぼ還暦、そしてほぼ50代のビッグアプセットナインは、さらなる野球への挑戦への思いを胸に、まだまだ暑い池袋西口の街を彷徨い歩くのであった。
【監督コメント】
ご参加の皆様、暑い中、お疲れ様でした。
今日は前半戦の最終ゲーム。何とかいい試合をして締めくくりたかった。
じゃんけんに勝ち先攻を選択。
一番・二番が塁に出て、芝田、鈴木将さんのタイムリーでの先制、見事であり思惑通りとなった。
その裏、先発末永は振りの鋭い相手打線に長打を二本くらうものの、最少の一失点で切り抜ける集中力ある対応。キャッチャーの要求に絶妙なコントロールで応え、中軸を本当にうまく抑えた。
その後も緩急をつけたナイスピッチング! チェンジアップとカーブの制球が特に良く、また右バッターの外角ギリギリのツーシームをここというところで効果的に決めてくれた。
追加点が欲しいところでの黒田くんのタイムリー、山下のタイムリーと、いずれもレフト線への鋭いあたり。頼もしい一打。
また、西村と木全のしぶといタイムリーヒットが勝負を決定づけた。
最終回は、相手の諦めない反撃にあい、しぶとく攻め込まれるが、末永と橋本くんの呼吸ピッタリのセカンド牽制でアウトを奪い、皆が救われた。
そして、クライマックス、ライトへ高々と上がったフライ。「取ってくれ!」と祈ったよ。大河原、ナイスキャッチ!
いい野球をやって勝てた。
気持ちいいナイスゲームだった。
前半戦、お疲れ様でした。
今シーズンは四連敗から始まり、なかなか調子が出なかったが、徐々に投打の、攻守の歯車が噛み合い、いいゲームが続いていると思います。後半戦もこの調子で頑張っていきましょう!
野球は楽しい。都合のつきます時は、皆様、積極的なご参加を引き続きよろしくお願い申し上げます。