~「クローザー、誕生!」~
宿敵Tokyo Fight Moneyに真正面から立ち向かうも力負け!しかし山下超美技、櫻町クローザーシャットアウトで意地をみせる!
2月初旬の開幕から順調に試合を消化しつづけるビッグアプセット、しかしそんな我々の前に今年もあの猛暑が立ち向かってくる予感だ。まだGW前の4月というのにこの日は最高気温が28度、早くも62歳を迎えたオヤブン村上を始めとするビッグアプセットのシニアメンバーには早くも暑さの試練到来だ。またこの日は日陰ゼロの河川敷、ガス橋緑地、相手はあの宿敵Tokyo Fight Moneyだ。こうした事態にこの日はストロングアーム橋本、アグレッシブ福原といった2000年代のスター選手が今シーズン初参戦、先週コアメンバー入りとなった鈴木秀紀も意気揚々と参加し、宿敵相手に必勝を期してプレーボールだ。
ビッグアプセット先発の末永は初回裏、ワンアウトからエラーでランナーを出すとここから相手クリーンアップに3連打を浴び、再び内野エラーも絡んでこの回いきなり3点を献上してしまう。さすがTFM、少しでも隙をみせるとつけ込んでくる強敵だ。3回裏にはヒットででたランナーを犠牲フライで返され1点追加、4回裏にはツーアウト1塁から2連打を浴びさらに3点を追加されるなどどうしてもあと一歩のところで追加点を積み重ねられリードを広げられてしまう。
対するビッグアプセット打線は、相手先発伊藤投手に1・2回はノーヒット、3回表ワンアウトから鈴木秀紀がエラーで出たあと末永が鮮やかに1・2塁間を破りワンアウト1・2塁のチャンスをつくるが後続倒れ無得点。4回表には先頭田辺が鋭く三遊間突破のヒットでチャンスメークしたが、つづく3番芝田のジャストミートが相手ショート正面となるダブルプレーでまたもチャンスをつぶす。どうしても反撃の糸口が続かないまま、暑さのなか試合は進んでいく。
しかしこうした劣勢の中、意地を見せたのはビッグアプセット守備陣だ。2回裏ワンアウトから、相手10番のセンター前の鋭い当たりにセンター鈴木秀紀が猛ダッシュ、これを地面ぎりぎりでランニングキャッチするスーパープレー!そしてこの日のアツモリプレーは5回裏に飛び出した。連打とフォアボールでワンアウト満塁とされたところで、つづく相手7番の当たりは左中間ど真ん中への鋭いライナー、誰もが走者一掃の長打だ、と思った瞬間、これに敢然と立ち向かったのがビッグアプセットの誇るレフト・バズーカ山下だ。山下は鋭い出足で打球との距離を詰めると最後は左中間ど真ん中でこの打球にダイビング!メジャーのスーパープレー集を見ているかのような目の覚めるスーパープレーだ!犠牲フライとはなったものの、両軍ベンチからやんやの喝采があがるアツモリプレー、暑さに弱いと言われる山下がこのピンチでみせた気合のプレーにビッグアプセットベンチは一気にヒートアップだ!
山下は攻撃面でもビッグアプセットの意地をみせてくれた。7回表の攻撃、フォアボール2つでワンアウト2・3塁とチャンスメークしたところで山下は三遊間への鋭い当たり、これがタイムリー内野安打となり西村がようやく1点目のホームを踏み、ビッグアプセットは最終回にようやく一矢を報いることができた。
そしてこの日の隠れたハイライトはその後にやってきた。1-11となりエキシビジョンとなった7回裏のTMFの攻撃でビッグアプセットのマウンドに上がったのは、自ら志願した巨鯨ビッグ櫻町だ。大量リードされた試合で野手が投げるという、メジャーでよくある展開かと思いきや櫻町はストライク先行のピッチング、キャッチボールでみせる全力投球ではなくバッターのタイミングを外す軟投ピッチングで、先頭打者をサードフライ、続く伊藤選手を三振、その後ヒットを打たれたものの最後のバッターを再びサードフライで試合終了。外野にすらボールを飛ばさせなかったピッチングはビッグアプセット最後の意地をみせるに相応しい展開、昨年はトリプルプレーで無失点の実績を持つ櫻町、今シーズンも足掛け2年連続の防御率0.00という記録を達成して試合は終わったのであった。
強敵TMFに真正面から押し出された力負けの試合だったが、末永は引き続き鋭い変化球で強力打線に立ち向かうピッチング、久々参加の橋本も安定のサード守備をみせ、鈴木秀紀、福原も外野を走り回った。何より山下のスーパープレーと、櫻町の見事なクローザーぶりは暑さに弱いビッグアプセット最年長組をはじめナインに大きな勇気を与えるに十分な試合だったと言えよう。熱いとはいえまだ気温20度台、ゲームが終わってみれば心地よい多摩川の風に、ネット裏の公共水道の水が全身に心地よい。気を取り直したビッグアプセットナインは、いつもの下丸子駅前の中華名店に向かうがなんとラストオーダー直前で入店を断念、代わりに発見したもうひとつの駅前名店に飛び込むと、試合への反省と来週以降への意欲を胸に、冷えた生ビールを次々と身体に注ぎ込む。試合は負けても明日への希望はある、まだまだ続くシーズン、これからやってくる暑い夏への思い、負けても負けても挑みつづける姿勢を忘れないビッグアプセットナイン、まだ高い太陽を見上げながら、いい感じのローカル線色満載の東急多摩川線に乗り込み、次なる聖地に向けて歩みを続けるのであった。
【監督コメント】
東京ファイトマネーとの試合。
いつも辛酸をなめさせられている相手。
でも、勝つチャンスはある……、そう思って試合に臨んだ。
しかし、こちらは守るべきところで守れず、打つべきところで一本がでない。一方で相手は守るべきところで守り、打つべきところで打ってきた。
末永のナイスピッチングを鑑みれば、これほどの点差のつく試合ではなかった。
点差ほどの実力差はなかったと思うも、それは壮年と老年の違いなのか。
そんなことはない。
監督の気持ちで負けてしまった。
また、このチームとやりたい。
そして、今度こそ勝ちたい。
そう思い、今晩も寝ることとしよう。