~「与えられた己の人生を正しく生き抜く術、それは端的に言って己の肉体に命じて己の足で
より長くより遠く歩くということに違いない」(石原慎太郎)~
オヤブン村上、史上3人目の通算600試合達成!宿敵安信タイガースとのガチンコ勝負は1点をめぐる攻防の後に惜敗!
2月下旬を迎えても日本列島を大寒波が襲うこの日、時おりみせる太陽がかりそめの暖かさを運んでくれるものの、全身が凍えるような夢の島球場にビッグアプセットナインは今期第4戦に集結だ。そしてこの日は、われらが監督、オヤブン村上がビッグアプセット史上3人目となる通算600試合となるメモリアルゲーム、そして相手はみずほ統一王座決定戦を争った宿敵安信タイガース、負けるわけにはいかないゲームにコアメンバー11人が必勝の構えでプレーボールを迎える。
初回表の安信タイガースの攻撃、ビッグアプセット先発末永は相手1番をフォアボールで出すと、間一髪でアウトのタイミングの牽制がなぜかエラーとなりランナーは2塁へ、すると続く2番に流し打ちで三遊間を破られいきなり先生を許す。その後もアンラッキーなテキサスヒットが続き初回いきなり2点を失うスタートだ。
しかしその裏ビッグアプセットはすかさず反撃、先頭石井大和がいきなり初球をセンター前に鋭く弾き返すと2盗・3盗を続けざまにきめ、その後2者が倒れたもののツーアウト3塁、ここで真打4番櫻町が相手先発佐藤投手のスライダーをフルスイング一閃、鋭い打球がライトフェンス直撃の衝撃弾、なぜかシングルヒットとなるものの石井大和がかえり1点を返す!4番の仕事で初回を終わって1-2で試合が進む。
するとここから試合はビッグアプセット末永、安信タイガース佐藤の両投手の投手戦に入っていく。初回アンラッキーな展開で2点を失った末永は2回以降立ち直り、この日はストレートの威力とスライダーを始めとする変化球のキレが抜群、2回から5回までの4イニングを2安打無失点の完璧なピッチング、安信タイガースに追加点を許さない。一方ビッグアプセット打線は、2回にはワンアウトから田辺が鮮やかに三遊間突破するヒットででるが残塁、4回にはワンアウトから芝田がフォアボール、櫻町が1・2塁間を破るヒット、さらに鈴木のキャッチャー前の打球がフィルダーズチョイスを誘いツーアウト満塁の大チャンスをつくるがここも後続続かず、初回の攻防のあと両チームとも追加点を奪えないまま試合は終盤6回を迎える。
そして迎えた6回表の安信タイガースの攻撃、先頭相手3番に三遊間突破、つづく4番にデットボールを許しノーアウト1・2塁の大ピンチ、そしてその後ワンアウト1・3塁となったところで相手1塁走者がスタート、600試合目を迎えたキャッチャー村上からのレーザービームでこのランナーを2塁手前でタッチアウト、と思われたその瞬間そのランナーが反転、ショート西村がサードランナーを眼で牽制しながらこのランナーを追う、そして3塁ランナーがスタートした瞬間、西村が満を持してバックホームするが、これが間一髪のタッチプレーでセーフ、痛恨の3点目を献上してしまった。
しかし村上の通算600試合のメモリアルゲームをこれで諦めるビッグアプセットではない。その裏、この回先頭の大河原が粘りに粘ってフォアボールを選ぶと3塁側ビッグアプセットはやんやの大喝采、そして1番に戻って石井大和がレフト前に弾き返しチャンスを広げると、ワンアウトから芝田がジャストミートで二遊間を突破、これでワンアウト満塁の大チャンス。ここで千両役者、4番櫻町に期待がかかったが櫻町はセカンドゴロ、これで大河原がホームインし2-3と1点差とにじり寄るが、ツーアウト2・3塁の同点・逆転のチャンスをモノにできず1点差どまり。
そして7回表、マウンドに上がった石井大和に対して不運なヒットが続き、相手1番のホームランもありこの回4点を失い一気に点差を広げられてしまう。そしてその裏、最終回に望みをつなぐビッグアプセットは先頭鈴木が三遊間突破で出ると、田辺もフォアボールを選び1・2塁、ツーアウトとなったあと末永が鋭くライト前に弾き返しツーアウト満塁と最後の見せ場をつくるが、ビッグアプセットベンチ総立ちの中大歓声の打席になった大河原が集中力マックスでマン振りを繰り返すが最後はあえなく凡退、ゲームセットとなった。
最後は突き放されてしまったが、終盤まで1点を争う攻防で緊張感マックスのナイスゲーム。先発末永は威力満点のストレートとキレのよい変化球のコンビネーションが抜群で、強力安信タイガース打線を抑えた。打撃陣も石井大和、櫻町がマルチヒットで気を吐き、芝田と鈴木は打率5割をキープと、湿り気味のビッグアプセット打線にも火がついてきた。一方この日7イニングで残塁10、今シーズンも4試合で8得点と得点力不足が最大の課題だがここは気温の上昇とともに解消されることを祈ろう。そしてこの日気を吐いたのがかねて課題と指摘されていた高齢内野陣だ。この日は末永の緩急自在のピッチングもあり、ファースト櫻町が4つ、セカンド田辺が6つ、サード芝田が5つ、ショート西村が2つの打球を無難に処理、還暦平均の守備陣がほぼ完璧な守備をみせた。
そしてビッグアプセットナインの先頭を切って1カ月半後には62歳を迎えるオヤブン村上、2003年4月19日、上井草スポーツセンターでのエクソダス戦で史上1試合目を記録して以来、足掛け23年でついに通算600試合に到達だ!この日通算795試合目を迎えたビッグアプセットの歴史の中で、通算出席率79.5%は数年間の大阪転勤を考えると驚異的な貢献といえよう。トップの櫻町745試合、通算2位の大河原636試合につづく金字塔の達成だ。この日も初回にキャッチャーファールフライにダイビングキャッチをみせ、6回には間一髪で盗塁刺殺を試みるなど、チーム最年長の闘志は衰えるところを知らない。
20年以上前からビッグアプセット黄金バッテリーを組む末永のナイスピッチング、熟年内野守備陣の奮闘、櫻町のフェン直弾など、年齢を重ねても己の足で一歩でも多く、一歩でも遠く歩く気概を失わない、村上の通算600試合の偉業を称えつつその信条を改めて心に誓うビッグアプセットナイン、日が西に傾き寒さが増すなか、おなじみ錦糸町の名店中華に直行、絶品甘辛唐揚げや餃子など名物メニューが生ビールとともに次々と消化される。自らの足と自らの胃袋を頼りに、明日からの今シーズン、さらに一歩でも遠くに歩いていくぞ、と改めて心に誓いつつどっぷり日の暮れた錦糸町界隈をそぞろ歩くビッグアプセットナインであった。
【監督コメント】
末永は初回こそ若干の守備の乱れと不運とも言えるヒットで2点を取られたが、抜いた変化球なども駆使して強力打線相手に見事な投球だった。
攻撃陣も大和くん、芝田、櫻町、田辺さん、末永と素晴らしいヒットを放ったが、あと1本、2本、チャンスでのヒットが打てなかった。相手チームさんの力投と守備に封じられた感じだ。
ベテラン勢の守備力も、末永の頑張りに呼応するように向上している良い雰囲気はある。下を向かず、次戦以降もチャレンジだ。