~「勝利は最も忍耐強い人にもたらされる」(ナポレオン)~
ライアン小川6イニング熱投!集中打と粘りの守備でリバーサイドユナイテッドに快勝!!
ロサンジェルスドジャースとシカゴカブスの開幕東京シリーズを目前に両チームが来日、本格的なベースボールシーズンの幕開けに日本中が沸き上がるこの日、ビッグアプセットナインが今期第7戦に集結したのは江戸川区篠崎のポニーランド前グランド、昨年初対戦のリバーサイドユナイテッドさんの招聘を受けての試合だ。その名の通り江戸川区の河川敷を本拠地としていると思われる同チームは試合1時間前に集合しノックを敢行、ベンチにはおそろいのヘルメットがずらりと並ぶ気合十分のチームだ。一方のビッグアプセット3塁側ベンチ、グランドから約1キロ離れた駐車場から荷物係の芝田が両手両肩に5つの荷物を抱えようやくベンチ裏に到着したところ、前監督櫻町の「あれ、何やってんの」というつれないひと言に脱力、折からの寒さもありいまひとつ盛り上がらないビッグアプセットベンチだた、キャッチボール、トスバッティングとアップを続けるうちに次第に集中力を増していき、13時きっかりにプレーボールだ。
初回表、ビッグアプセットの先発はライアン小川、相手先頭打者をフォアボールで歩かせるとワンアウトから相手3番に内野安打、そして盗塁を許しワンアウト2・3塁から相手4番にレフト前に打たれ2者生還で2点先制を許す。そして続く5番を三振に切って取ったあと続く2者連続ヒットを打たれツーアウトながら満塁、しかしこのピンチで小川は力投、相手8番を再び三振に切って取りこのピンチに追加点を許さない。思えばこのシーンが大きかった。
初回裏反撃のビッグアプセット、1番谷上が相手エラーで出るも牧、芝田が倒れツーアウト2塁、しかしここで4番山下がフルスイングすると曇り空に鋭い打球が舞い上がり、これがレフトの頭上を軽々と超えるタイムリーツーベース、これで谷上が還って1点を返す!そして続く5番櫻町が鮮やかに流し打ちで三遊間を破って1・3塁となったところで相手投手のワイルドピッチがあり山下が生還!これであっという間にビッグアプセットは2-2にタイに追いついた。
そして試合はここから2-2で両チームの粘り合いの状況を呈し始める。リバーサイドユナイテッド先発投手は有効なチェンジアップを武器に2・3回のビッグアプセット打線をいずれも三者凡退に打ち取る。一方ビッグアプセットのライアン小川は、2回はワンアウト1塁のあと2者を抑え、3回はツーアウト1・2塁のピンチを迎えるがここも得点を許さない。4回表にはワンアウトからフォアボールで出したランナーが盗塁を敢行、しかしこの日キャッチャーに入った牧が2塁にレーザービーム、ショート西村も難しいバウンドを鮮やかに救い上げタッチアウトにする見事なプレーでピンチを防ぐ。
小川の粘りのピッチングで追加点を許さないまま同点で迎えた4回裏、二巡目を迎えたビッグアプセット打線がついに爆発する。まず先頭谷上がショート内野安打で出ると、つづく2番牧が技ありのセフティバントで内野安打、3番芝田がチェンジアップを引きつけて快心のセンター前ヒットでノーアウト満塁、ここで4番山下のレフト前のフライに相手レフトがぎりぎり追いつかず、結果的にスタートの遅れた牧がサードでアウトになるがこれで谷上が生還しついに1点リードだ!そして櫻町が倒れツーアウト2・3塁となったところで鈴木が強烈に三遊間突破、これで芝田が還りさらに1点追加だ!さらにつづく大間が粘ってフォアボールを選び満塁とすると、ここで助っ人参加の鈴木秀紀が華麗な流し打ちでセカンド頭上を抜くライト前タイムリーで山下がホームインでさらに1点!そしてさらにつづく満塁の場面で西村が強烈にショート頭上を破る鮮やかなタイムリー、これで鈴木、大間が相次いで生還しさらに2点!この回ビッグアプセットはなんと6安打を集中、一気に5点を奪うビッグイニングだ!
打線爆発で一気に大量リードを奪ったビッグアプセットはその後も粘りの守りをみせる。5回表には先頭打者にヒットで出塁を許すが、つづく2番を打ち取った後相手3番のセカンドフライでダブルプレーでチェンジ、6回表には先頭打者をフォアボールで出したあと、つづく打者の打球がダブルプレーに絶好の打球と思われた瞬間、なぜか突然透明グローブが出現、その後の打者にもフォアボールでノーアウト満塁の大ピンチを迎える。しかし今日の小川は6イニング目に入っても球威と粘りが衰えない、この絶体絶命のピンチで続く打者をキャッチャーゴロでホームアウト、つづく相手8番を浅いライトフライ、これを鈴木秀紀が前進ナイスキャッチでサードランナーのタッチアップを許さず、そして最後は相手9番をセカンドゴロに打ち取り、ノーアウト満塁のピンチを3者を打ち取るナイスピッチングで無失点で切り抜けた。
その後試合は6回裏にビッグアプセットが相手投手の制球難につけこみ3点を追加、最終回にはクローザー牧が予定よりはやや手間取ったものの最終回を締め、今シーズン最高のゲームでの勝利となった。初回先制された後、ツーアウトから反撃の口火を切った山下の打撃、そして4回の6安打集中の打撃爆発、開幕から飛ばす芝田、鈴木が4割台後半のハイレベルの首位打者争いを継続、櫻町、西村もバッティング好調だ。そしてこの日最大の勝因はライアン小川の粘り強いピッチング、試合が膠着状態のなか数々のピンチを鋭い変化球と衰えない球威で6イニングを投げ切り試合の流れを決して相手に渡さなかった。守備でもライト鈴木秀紀がたびたび固い守備で外野を締め、久々にキャッチャーに入った牧も鋭い出足でフライやゴロを鮮やかに処理、盗塁も阻止するなど大活躍、そしてセカンド大間は6つの守備機会を完璧に守り切る堅守で小川を援護した。攻守が完全にかみあった快心のゲームに試合後のベンチ裏のビッグアプセットナインにも笑顔が弾ける。
そして試合後は、昨シーズン首位打者・ゴールデングラブをダブル受賞のボビー牧ジュニアの表彰式、村上監督からトロフィーが手渡され記念撮影、そして笑顔の牧からここで今年8月にパパになる予定との電撃発表でビッグアプセットナインは大いに盛り上がる。ボギー牧ジュニアにボビー牧ジュニア・ジュニアが誕生するというビッグニュース、いよいよ年貢を納める体制の牧の成長ぶりにビッグアプセットナインも感慨深げだ。
そしてナインは車と都営新宿線に分譲し東へ、途中想定外の出来事に遭遇しながらもなんとか新宿御苑前に到着し、ビッグアプセット初チャンレンジの地元中華に入店、丸テーブルを囲んで快心のゲームの余韻と牧の祝賀ニュースの喜びに浸る。餃子や麻婆豆腐という定番メニュー、生ビールと紹興酒ボトルが次々とオーダーされ、地元サラリーマンのランチスポットと思しき中華店側もこの大型オーダーの連続にどんどんヒートアップ、最高のゲームと野球の楽しさを改めて堪能したビッグアプセットナイン、小雨が降り始めた新宿御苑界隈を熱い思いを冷めやらぬなか次の名店を目指してそぞろ歩くのであった。
【監督コメント】
ナイスゲーム。いい勝利だ。
皆が活躍し皆がミスもした。それでもチーム力で勝った。
今シーズン、負けは混んでいるが毎試合いい試合をできている。それが今日はしっかりと勝利に結びついた。
クリーンアップのいい打撃、一二番の出塁、ツーアウトからの素晴らしいタイムリー、四死球をもぎ取っての貪欲な攻め、そして何より小川さんの好投と大間さんをはじめとした堅実な守り。気持ちいい勝ちだったね。
次週も頑張ろう!