~「限りなく青い空に心震わせ、自由を駆ける鳥よ、振り返ることもせず」(旅立ちの日に)~
春満開の六郷土手にフリーマン打線奮闘!末永力投で強豪ハーデスに立ち向かうも無念の逆転負け!
メジャー東京シリーズの興奮さめやらぬ間にサッカー日本代表が世界最速で8大会連続のワールドカップ出場を決め、甲子園では選抜高校野球も開幕するなど春全開の日本列島、3日前の雪が嘘のようにこの日は最高気温23度、上着どころか半袖が気持ちいい絶好の春の陽気に、ビッグアプセットナインは今期第8戦に六郷土手に集結だ。1時間前にナインがグランドに現れると、一塁側後方の国道15号の橋の下では既にユニフォームに着替えたコネチカット橋爪が自主練習を開始、橋爪の気合にビッグアプセットナインの意気も上がる試合前だ。そして3月は別れと新たな旅立ちの季節、クラッチ芝田が4月からの完全フリーマンが確定、巨鯨ビッグ櫻町も1カ月間のフリーマン期間を獲得、オヤブン村上は半年後のフリーマン宣言を行うなど、人生フリーマンとなった谷上を含めフリーマン1号から4号が揃ったビッグアプセットベンチは春の陽気もあり試合前からウキウキ気分でプレーボールだ。
この日招聘を受けたのは強豪ハーデス、初回表、ビッグアプセット先発末永はワンアウトから相手2番をデットボールで出すと盗塁、ワイルドピッチでランナーが3塁に進んだところで相手3番に三遊間を破られ1点を献上する。その裏ビッグアプセットはツーアウト1塁から4番山下が先週から20年ぶりに新調した黄金金属バットでフルスイング、金属とは思えない大飛球でレフトオーバーするツーベースを放つが後続なく無得点。
0-1で迎えた2回裏ビッグアプセットの攻撃、先頭鈴木が鮮やかに三遊間を破ってチャンスメークすると、つづく橋爪、鈴木秀紀、末永、村上、大河原が5者連続フォアボールを選び、途中2つのワイルドピッチもあり3点を奪い逆転!さらにノーアウト満塁で1番フリーマン4号谷上がレフトへ高々と打ち上げるとこれが犠牲フライとなり末永がタッチアップで生還し4点目!そしてツーアウト1・2塁から3番フリーマン1号芝田が狙いを定めたインサイドのツーシームをフルスイング、快心のジャストミートがレフト後方を襲いこれが村上、大河原をホームに返すタイムリースリーベース!相手投球が乱れる間に芝田も生還しこの回一挙に7点を奪い7-1と逆転だ!
しかしここから強豪ハーデスがじりじりと追い上げを始める。3回表にはソロホームランにビッグアプセット内野陣のエラーも絡み3点、4回表には2安打とエラー、犠牲フライなどを絡め2点と徐々に加点、試合は7-6の1点差と緊迫の状況で終盤を迎える。ビッグアプセット打線は、3回裏先頭のフリーマン2号・櫻町が快心のレフトオーバーのツーベースを放つなど奮闘するがどうしても追加点を奪えない。一方守備でもいくつかエラーはあったものの、2回表ワンアウトではピッチャー、サード、ショートの間に緩く転がる難しいゴロをサード芝田がショート田辺と交錯しながらさばくファインプレー、3回表にはセカンド前方のフライを橋爪がおなじみリスク回避のポケットキャッチで好捕、4回裏にはレフト前の鋭いライナーにレフト山下がスライディンキャッチ、グランドに倒れながらもボールを離さないスーパープレーを見せるなど、高齢守備陣も必死に末永を支える。
毎回ランナーを出しながらも追加点が奪えず、7-6のまま最終回になだれ込む試合、村上監督もここは守り切るとナインに気合を入れる。しかし7回表ハーデスは、先頭バッタがいきなりレフト線を破るスリーベースでノーアウト3塁と同点のピンチ。続くバッターがフォアボールと盗塁でノーアウト2・3塁と逆転のピンチとなったところでスーパープレーが飛び出す。つづく相手9番に1塁ファールグランドへのフライにキャッチャー、フリーマン3号村上が頭からダイビング、地面にうちつけられた衝撃でミットからボールがこぼれかけるも、そのボールを右手で空中ゲットし倒れ込んだままのスーパーキャッチだ!2023年7月15日、エンジョイカップ敗者復活トーナメント決勝の最終回でみせた決死のダイビングを彷彿とさせるスーパーキャッチに、逆転の瀬戸際に立たされていたビッグアプセットナインは一気に奮い立つ。
シナリオではここで奮い立ったナインがファインプレーを連発し感動のゲームセット、となるはずだったが現実はフリーマンのように気楽には進まない。つづくバッターの打球の処理を誤りワンアウト満塁となったところでつづく相手10番にセンター前に弾き返されついに同点、そしてさらに満塁の場面でつづく相手11番はショートへの鋭いゴロ、この日慣れないショートにはいった田辺、今月ついに還暦を迎えた田辺が鋭いハーフバウンドを身体でとめると、倒れ込みながらバックホーム、これもハーフバウンドとなったところをキャッチャー村上が好捕しフォースアウト!まさにストロングボディをみせつけた田辺のナイスプレーで、これで同点でツーアウトだ!感動の勝利ではないがこのまま感動の引き分けに持ち込むかと思われたその瞬間、つづく相手12番が末永の初球を弾き返すとこれが左中間を抜ける満塁ホームラン。現実は無常にも奮闘するビッグアプセットナインをあざ笑うかのように大逆転のシナリオを用意していたのだった。
このまま試合は7-11の逆転負けでゲームセットとなったが、試合後のビッグアプセットナインは悔しさの中にも爽やかな達成感で笑顔いっぱいだ。末永は7イニング完投、11点を奪われたものの自責点5と力投した、芝田、山下、櫻町のクリーンアップがいずれも長打を放ち還暦フリーマンパワーを見せつけ、守備でも山下、芝田、田辺、そして村上のファインプレーが続出した。惜しまれるのはフォアボールと内野エラーが相手ヒットと絡んでしまい必要以上に失点が増えてしまった点だが、平均60.75歳の内野陣は想定以上の奮闘をみせたといえるだろう。
2日後に桜の開花が予想される東京地方、春の陽気と真っ青な青空に心も踊る、人生の新たな大空に、人生二毛作のセカンドステージに、不安を抱きながらフリーマンたちは心震わせる。逆転負けの悔しさと、野球を堪能した喜びと、新たな人生の大空に羽ばたく武者震いを全身に感じ、ビッグアプセットナインは試合後はおなじみ六郷土手駅前の名店中華に集結、今年初の20度越えとなったこの日は生ビールとニンニクたっぷりの餃子がことのほか美味い。そして監督村上から、今期助っ人として攻守に活躍、この日もライトでナイスキャッチを連発した鈴木秀紀の入団の提案され、この日出席のナイン全員からの賛同で新たなコアメンバーの入団が内定だ。新たなコアメンバー入団も内定し、打ち上げの宴はますます盛り上がる。還暦を迎え人生一週目を回り終えた田辺も含め、60代のメンバーの好守の活躍が目立つ今シーズン、人生セカンドステージを迎えた面々もますます意気上がり、それぞれの不安と期待を胸に秘めながらも今後のシーズンの奮闘を誓い合う。まだ春の陽高い六郷土手、大きく広がる青空に飛び立つ鳥のように自由に生きよう、そうフリーマンたちは近いながら早春の六郷土手をさまよい続けるのであった。
【監督コメント】
惜しくも負けてしまった。
相手チームさんの守備陣は若く、堅く、草野球ではセーフにしてくれるような打球をことごとくアウトにされてしまった。ワンチャンスにつけ入るスキがあれば、我々ももっと有利に試合を進められたと思えたが、そのチャンスをつかめなかった。皆が必死のプレーをしての結果、受けとめるしかない。
主力打撃陣の素晴らしい打棒、末永のピッチング、ロートル、ミドルエイジの頑張り、素晴らしかったと思う。
次もチャレンジあるのみ!