~「最後の花火に今年もなったな、何年たっても思い出してしまうな」(「若者のすべて」)~
アグレッシブ福原・フェラーリ黒田電撃復活!!真夏の夜の青山に時の流れを超えた伝説が生まれる!
前代未聞の暑さに襲われる日本列島、感動の嵐を巻き起こすパリオリンピックがいよいよ佳境、一方で夏の甲子園が開幕、いやがおうにも熱い夏、この日ビッグアプセットに新たな伝説が生まれた。初対戦のアメットとのマッチメークとなった青山運動場野球場、この日17時プレーボールのこの試合、第二次村上政権スタートに2人のレジェンドが駆けつけたのだ。
まず2012年以来、なんと12年ぶりの参加となったのはアグレッシブ福原、2000年代に不動のトップバッターとして活躍、通算139試合出場、2006年MIP、盗塁王4回、そして2005年の年間51盗塁は19年を経たいまだに破られていないシーズンレコードをもつレジェンド、2010年代以降は育児とマラソンにシフトチェンジしたが決して衰えることのない野球への情熱が、村上第二次政権発足のニュースにチームに駆けつけてくれた。12年たった今も変わらない飄々とした独特の風貌はあのまま変わらず、チームに元気を与える福ちゃんの電撃復活に試合前のクラブハウスは一気にヒートアップだ!
そしてもう一人、2014年以来10年ぶりの参加となったのは、伝説中のレジェンド、フェラーリ黒田だ!2010年MVP、首位打者3回、本塁打王3回、盗塁王2回のマルチプレーヤー、2005年のシーズン10本塁打もいまだ破られていないシーズンレコード、そして伝説となった豊島運動場での推定150メートルの驚異の柵越え弾など、記憶にも記録にも残るスーパーレジェンドも颯爽と登場、10数年の時がとまったかのようなゲーム前のクラブハウスの盛り上がり、同じく電撃復活したマダックス末永、また初参加の助っ人富田さん、先週左大腿部肉離れで全治14日の故障者リスト入りしこの日は名実ともにロイヤルボックスに入ったノビータ大河原、そして福原・黒田の両レジェンドの復活にいてもたってもいられず仕事を切り上げ試合途中にベンチに飛び入りした社長兼CEO大友と、総勢14人のオールスターズがベンチに勢ぞろい、青山球場隣接の港区立青山小学校のスピーカーから夕方5時のチャイムが鳴り、これを合図に真夏の夜のゲームがプレーボールだ。
初対戦のアメットは高校野球経験者が半数をしめる見るからに強豪、初回表には先発末永に襲い掛かり、ノーアウト1塁から相手2番がいきなり右中間の高さ10メートルのネットを軽々と超えテニスコートの青山マダムたちに打ち込む衝撃弾でいきなり2点を先制、ビッツアプセットベンチにも暗雲が立ち込めるが、末永はここを冷静に後続を打ち取り初回は2失点でおさえる。
ビッグアプセットの反撃は2回裏、ツーアウトランナーなしから丸野がショート内野安打で出塁すると、久々登場の谷上が完璧な左中間のエンタイトルツーベースで2・3塁とし、つづく櫻町の打席で相手投手がワイルドピッチ、ホームベース裏が狭い青山球場、微妙なタイミングと思われたがこの日も名古屋から駆け付けた3塁走者丸野が果敢にスタート、ぎりぎりのタイミングでホームへの鮮やかなスライディングが決まり1点を返す!丸野のアグレッシブな走塁で反撃開始だ。
4回表のアメットの攻撃では、末永は3安打で3点を失うが、この回はレフトに入った谷上が好守備を連発、ファールゾーンフェンスぎりぎりのフライを好捕すると、最後はレフトスタンド寸前のフェンス際のフライをナイスキャッチ!強力打線に多彩な変化球で挑む末永を盛り立てるナイスプレーだ!
4点ビハインドで迎えた4回裏、ワンアウトから4番芝田が高めボール気味の快速球をジャストミート、左中間を快心のライナーで突破するツーベースでチャンスメークすると、つづく5番富田が左中間への完璧なエンタイトルツーベース、これで芝田が生還し1点を返す!
そしてつづく5回裏には先頭谷上がフォアボールで出ると、つづく櫻町がこれも高め速球をジャストミート、目にもとまらぬ完璧ライナーが右中間突破しこれで1・3塁、そしてここで登場は監督復帰の村上、試合前は監督に専念すべくバッティングは遠慮するとの発言もあった村上だが、アグレッシブ福原、フェラーリ黒田の電撃復帰、これに応える芝田・櫻町など往年の中心打者の完璧バッティングに触発されたオヤブン村上、ここで変化球にくらいつきレフト前に鮮やかに弾き返すタイムリーだ!オヤブンの完璧タイムリーで1点を返すと往年のスーパースターが揃ったビッグアプセットベンチもやんややんやの大喝采だ!そして1・3塁から1番黒田の鋭い当たりがピッチャーゴロとなるが、これがゲッツー崩れとなるところで鋭くスタートした3塁走者櫻町がホームイン!これでこの回2点を返し4-5の1点差に詰め寄った!
ビッグアプセットはこのあと5回から末永のあとライアン小川がマウンドに上がるが、小川もますます増した球威と安定感の増した変化球を駆使し強力アメット打線を翻弄、7回には3安打で1点を失ったものの安定感あるピッチングで試合を締め、ビッグアプセット打線も最後の最後まであきらめず反撃を試みるが、いま一歩力及ばず4-6でゲームセットとなった。
試合は惜敗したものの、試合後のビッグアプセットベンチには爽やかな感動と達成感がにじむ。2007年以来17年ぶりとなった第二次村上政権を聞いてかけつけた2000年代、2010年代のレジェンドたち。ローヤー窪田、コネチカット橋爪、ストロングアーム橋本、マダックス末永などの復帰に加え、この日ついに登場したアグレッシブ福原とフェラーリ黒田の参加、往年の当時と変わらないバッティングフォーム、福原は変わらぬ飄々とした風貌で鋭い出足、ライトでは果敢にライトゴロにチャレンジするなど変わらぬアグレッシブプレーを見せ、ショートに入った黒田も変わらぬ広い守備範囲で難しいフライを何度も好捕、2000年代のビッグアプセット第一次黄金時代を支えたレジェンド2人のプレーはビッグアプセットナインの時間を一気に止めてみせた。
福原・黒田も当時高校生だった谷上の大人ぶりに驚くが、谷上も久々登場ながらツーベースを含むマルチヒットで野球の楽しさを堪能、レジェンド2人の登場に柄にもなく緊張気味の丸野、石井大和も縦横無地の活躍、石井大和はこの日もマルチヒットで首位打者を独走、丸野も先制のホームを踏みレジェンド末永を巧みにリードするなど試合をリードした。この日も参加のコネチカット橋爪も変わらず大声でベンチからナインを鼓舞、そして後半入ったセカンドでは人柄通りの堅実なアンダートスでの好守を見せる、助っ人参加の富田も数々のナイスプレーを連発、そして鋭いバッティングでビッグアプセットに喝を入れ、この日先発のマダックス末永もさらに多彩になった変化球を駆使したピッチングで60代のニューモデル投法でビッグアプセットナインの度肝をぬき、そしてレジェンドたちの復帰に奮い立った往年のクリーンアップ、芝田は左中間、櫻町は右中間、そして村上はレフト前に快心の打球を放ち還暦パワーを見せつける、真夏の夜の青山に集ったビッグアプセットナインそれぞれが想いをぶつける万感のゲームだ。
夕方5時の小学校のチャイムで始まった試合、試合途中からは照明塔に灯が入りカクテル光線がグランドを照らす、日中36度の猛暑となり真夏のピークはまだ去らない東京地方も、日が暮れて暑さが少し和らぎ、そしてこの日グランド間近で開催される神宮外苑花火大会のざわめきが真夏の夜の感傷をひきたたせる。激しい湿気で全身汗だくの身体をシャワーで洗い流しクラブハウスを出るビッグアプセットナイン、久々の再会と素晴らしい野球を経験した喜び、花火大会に向かう浴衣姿の男女を横目にこの日用意された四谷三丁目の名店中華での打ち上げに向かうが、ここで神宮外苑花火大会がスタートだ。
暑い夏の夜、大音量で夜空に展開する夢のような花火、子供のころ夏休みの夜に見上げた花火、真夏の野球部の練習後に見上げた夏の夜空、30年前、20年前、そして10年前のビッグアプセットでの奮闘のあとの真夏の夜の夢、数々の夏の夜の記憶が花火の大音量とそれを見上げるビッグアプセットナインの胸中によみがえる。絶品よだれ鶏、焼き餃子、麻婆豆腐などを次々と消化するビッグアプセットナイン、20年前の昔話や最近の近況アップデートなど話はつきることがない。ビッグアプセットと野球を通じてともに汗を流した仲間たちの邂逅に時間が止まる。真夏の夜の花火と最高の想いを胸に、何年たっても思い出してしまうだろう、伝説の夜は終わることなく更けていくのであった。
<監督コメント>
この日の相手、平均年齢は約33歳でほとんどのメンバーが高校野球硬式経験者という精鋭チームだ。さすがに相手打線の振りは鋭く、先発・末永は相手上位打線の長打等で4回を投げ5点を奪われた。しかし、あの打線を5失点で抑えたのはさすがだ。我がチームに勝つチャンスを充分に残すナイスピッチングだった。リリーフでマウンドに立った小川さんも思い切り腕を振り、ストレート・変化球とも効果的に決まり、末永に負けず劣らずの素晴らしい投球。
打線も各人が鋭い打球を連発し、相手チームにプレッシャーをかけ続けた。
またこの日は、福原選手、黒田選手の久々の参戦があり、以前と変わらぬ両選手のプレーぶりに勇気と、ある種、感動をもらった。当時を知るメンバーは、しばし“フィールド・オブ・ドリームス”の世界にタイムスリップしていた。
そして助っ人で参戦してくれた富田さんの攻守にわたる溌剌としたプレーが、我がチームの戦いをグッと引き締めてくれた。多謝。
若い軍団のチームに惜しくも負けはしたが、皆が勝利に向けて取り組む姿には大いなる希望を感じる。まだまだやれる……、そう思った。