~「出会いは スローモーション」(中森明菜)~
谷上逆方向へのグランドスラム!末永力投!極寒の小豆沢公園、12点差を追い上げる熱戦!!
今期6戦目を迎えたビッグアプセット、この日強豪Aspensに招かれた小豆沢公園だが前週までの暖かさが一変、この日は最高気温6度、午後には都心も積雪が予想される寒さとなるが試合に臨む熱い気持ちは衰えることがない。しかし通算参加率断トツトップの櫻町前監督の欠席など、この週は人集めに苦労し何とか9人ジャストとなり各人がフル出場の覚悟で臨むゲーム、試合前村上監督もいつになく上機嫌だ。
プレーボール直後、この日先発の末永の変化球が冴えわたり、相手先頭打者をチェンジアップで空振り三振にとるが、変化が鋭すぎキャッチャー村上が後逸し振り逃げとなる。するとこの後ツーベースを含む3安打を打たれ初回いきなり3点を失うスタートだ。その裏ビッグアプセットは、先頭谷上が鋭くセンター前に弾き返して塁に出るが後続倒れて得点ならず。つづく2回、3回も1安打無得点と極寒の中ビッグアプセット打線になかなか熱があがってこない。
一方この日も末永は変化球が冴え、強打のAspens打線に立ち向かい2回を三者凡退に切って取るが、迎えた3回表、不運なエラーが2つ続く中でヒットを重ねられ5点を追加される。そして4回を再び無失点に抑えたあと5回には2安打とデットボールでノーアウト満塁のピンチ、ここでタイムリーと惜しいエラーなどでさらに4点を失ってしまう。
一方のビッグアプセット打線は試合中盤からようやく身体が温まってきた。しかし4回裏は先頭山下がフォアボールでチャンスメークするも後続が三者凡退、5回裏は先頭末永がフォアボール、つづく大河原が渾身のスイングで1・2塁間を突破する今期初ヒット、さらに谷上もセカンド内野安打でノーアウト満塁の大チャンス。しかしここで丸野がサードゴロで本塁封殺、そしてそして3番芝田もサードゴロ、本塁封殺後ファーストはセーフかと思われたが打者走者芝田の走塁がいまひとつスローモーションとなり一塁も間一髪アウトでダブルプレー、ノーアウト満塁のチャンスで得点できず、5回まで6残塁無得点と拙攻がつづく。この時点で0-12と強打のAspensに一方的にリードされる展開となった。
しかし一方的な試合展開でもビッグアプセットナインの心は折れない。末永はこの日完投を課せられ気合全開で強打Aspens打線に立ち向かい、要所要所を鋭い変化球で抑える。キャッチャー村上もフルイニング出場で再三ファールフライにダイビングを見せる気合十分、シーズン当初守備の不安が指摘されたサード芝田はこの日も3つのゴロを華麗にさばくが、この日輝いたのがセカンドに入ったコネチカット橋爪だ。この日は難しいフライを2つ見事にさばいたが、その後もピンチで2度のセカンドゴロを慎重に処理、しかも捕球後はファーストに向かって走り出し距離3メートル地点から下から慎重にトスするという、リスクを最小限に抑える国際派ビジネスパーソンの本領を発揮、試合後コネチカット橋爪はこの姿勢を「出会いはスローモーション」と銘打った。
一方的と思われた試合は、こうした末永とビッグアプセット守備陣の奮闘によっていつしか流れがビッグアプセットに傾き始めていた。それが一気に噴き出したのが試合残り30分を切って迎えた6回裏の攻撃だ。この回ワンアウトから鈴木がフォアボールで出ると、続く橋爪がスローモーションの守備と違って鋭いスイングで1・2塁間突破のヒットでチャンスを広げる。鋭いスイングにベンチのバズーカ山下が「あのスイングは普通ではない、絶対隠れてバッティングセンターに通っているはずだ」とつぶやく打撃でワンアウト1・2塁、するとつづく村上が伝家の宝刀デットボールで満塁とすると、つづく末永の打席で相手投手がピンチのプレッシャーに耐え兼ねセットポジションが決まらずボークで3塁ランナー鈴木がホームインでついに得点だ!そして末永がフォアボールを選び再び満塁とすると、続く先ほど今期初ヒットで気分上々の大河原も粘りに粘ってフォアボールを選び押し出しで2点目だ!一気に火が付いたビッグアプセット打線、ここで1番に帰ってバッターボックスには谷上、相手投手渾身のストレートをジャストミートすると打球が右中間の曇り空に高々と舞い上がる、これがフェンスを越え何と柵越えのグランドスラムだ!人生の新たなステージに立ち向かうプリンス谷上の逆方向への見事なグランドスラムにビッグアプセットベンチは総立ちで谷上を迎える、一気に試合はビッグアプセットペースだ。
完全に火がついたビッグアプセット打線、ランナーがなくなった後もつづく丸野が右中間を突破するツーベース、3番芝田が鮮やかにレフト前に打ち返しワンアウト1・3塁と再びビッグチャンスをつくると、4番山下が鋭く二遊間を突破、これで丸野が生還しこの回7点目だ!そして前週センター前に打ち返しながらも某走者がセカンドでフォースアウトとなりヒットを1本損した山下のまたも鋭いセンター前の当たりに、ファーストランナー芝田も決死の走塁、スローモーション返上の鋭い走塁でセカンドもセーフ!この後追加点はならなかったものの、この回ビッグアプセット打線は谷上の柵越えホームランを含む5安打4四死球で7点と一気に追い上げ7-13でゲームセットとなった。
試合は敗北となったものの、強打のAspens打線に真っ向から勝負を挑んだ末永、独特のスローモーション先方で内野陣を締めた橋爪はじめ守備陣の奮闘、後半一気に畳みかけた打撃陣、そして驚異の逆方向への柵越えグランドスラムの谷上と、それぞれに今後のシーズンに向けた手応えを感じた試合だ。全力で試合に臨めば新たな自分とも出会う、そして街を歩けば思わぬ出会いもある、その出会いは軽い目まいを誘うほどのスローモーション、気分も乗ったビッグアプセットナインは小豆沢から四谷三丁目の名店とんちゃんに直行、絶品サムギョプサルがあっという間に消化され、生ビールの続いてチャミスルのボトルが次々とオーダーされビッグアプセットナインの気勢がさらにあがる。この日は寒かったが翌週からは春の到来が予想され、2週間後にはいよいよメジャー東京シリーズも開幕、野球シーズン本番に向けてさらに充実のプレーを誓うビッグアプセットナイン、まだ明るい四谷三丁目の街を行く当てもなくそぞろ歩くのであった。
【監督コメント】
野球場へ向かう途中、板橋駅で乗り換えて三田線の新板橋駅へ行くのだが、間違って東口に出てしまい迷ってしまった。そこで街行く人に声を掛けると、若い可愛い女の子だった。彼女は優しく丁寧に教えてくれて、JRの駅まで一緒に歩き「あちら西口です。お気をつけて」と言ってくれて別れた。僕も勿論、丁重にお礼を言って。
こんな「出会い」ってあるんだなぁ。
本当にほのぼのする最高のひとときだった。
ということで、話変わって、今日も楽しく野球をできた。キャッチャーで最初から最後まで守りきりチームを支えた。
今シーズン、勝率は上がってこないが毎試合ナイスゲームだ。
今日は……、というより、今日も末永はナイスピッチング。そして、谷上くんの右への満塁ホームランはお見事でした。その他、皆々素晴らしいヒットを連ね、強豪チームに食い下がった。
3分の2がロートルのチームでありながら善戦したと思います。
来週も頑張るぞー!
まぁ、たまにはこんなコメントもいいだろう。
自己陶酔型。この日の審判のように。