~「身軽な人生」~
佐藤達路、劇的グランドスラム!父親の自覚・牧勝ち越し弾!丸野熱投!
橋爪「羽根木の呪縛」解除ならず!各自人生を背負った全員野球で快勝!!
東京地方も梅雨があけ、夕方以降の試合限定の方針で臨むビッグアプセット、この日は午後4時試合開始の夢の島でのほりぃーずとの試合だ。この日は諸事情でしばらく欠場が続いていた櫻町が約2か月ぶりの参加、さらには佐藤達路、加藤、牧などの公私とも多忙な若手メンバーが参加し、若手中堅ベテラン織り交ぜて総勢14人が結集し暑さを乗り切り勝利を目指すビッグアプセットだ。
この日ビッグアプセット先発マウンドは丸野、この日はいつも以上にストレートの威力と変化球のキレが抜群で、3回までほりぃーず打線をノーヒットと完璧に抑え込む。すると3回裏のビッグアプセットの攻撃、ワンアウトから相手エラーで出た田辺を一塁において、谷上が完璧ジャストミートで左中間突破の大飛球、これを受けて1塁から田辺が決死の走塁で長躯ホームイン!谷上のタイムリースリーベースでビッグアプセットは先制だ!
しかし明けた4回表、ここまで完璧におさえていた先発丸野が相手2番・4番にホームランを打たれ、1イニングまさかの2発で逆転されてしまう。しかし強力メンバーを組んだビッグアプセットはここからの粘り腰が強い。その裏この回先頭の鈴木秀紀が鮮やかにライト前に弾き返し出塁すると、ワンアウトから黒田のセカンド強襲ヒットでチャンス拡大、そして3番、MLBオールスターから帰国直後の佐藤が完璧ジャストミートでライトへのタイムリーツーベース!これで1点を加え2-2の同点に追いついた!
するとつづく5回裏のビッグアプセットの攻撃、ツーアウト3塁の場面で久々登場の牧、来月には女の子のパパとなることが確定し人生の年貢を納めつつある牧が気合のジャストミート、これが相手センターを襲う鋭いライナーで、ランナー山下につづいて牧もダイヤモンドを駆け抜けるランニングホームラン!牧の父親の自覚打法の勝ち越しホームランで4-2と勝ち越しだ!
勝ち越して先発丸野に勝利投手の権利がついたビッグアプセットは村上監督が佐藤を救援マウンドに送る。佐藤はこの回先頭をフォアボールで歩かせるも、この走者が果敢に挑んだ二盗に対しキャッチャーに回った丸野から二塁送球、微妙なショートバウンドをさばいたショート牧が鮮やかなタッチプレーでランナーアウト!牧の父親の自覚ファインプレーで相手のチャンスの目を摘み、この回佐藤は無失点で抑える。
そして迎えた6回裏に最大の見せ場がやってくる。相手二番手投手の制球難につけこみ、ワンアウト2・3塁のチャンスでサードランナーは橋爪だ。橋爪といえば9年前の2016年4月9日、羽根木公園でのTFMとの対戦での「ゴロゴー事件」の呪縛だ。これを察知したベンチのクラッチ芝田から「ここはゴロゴーだ、結果責任はオレがとる」と大声で指示が出てこれに意を強くした橋爪は鋭いスタートを相次いで切る。9年前の呪縛を解こうと決死のスタートを繰り返す橋爪だがバッター村上は残念ながら三振でツーアウト、ギャンブルスタートによる呪縛解除が幻となった直後、バッター黒田の場面で今度は相手投手がワイルドピッチ、ボールがバックネット前に転がるとベンチから大歓声、3塁ランナー橋爪も猛ダッシュで果敢にホームを狙う、誰もが追加点だ、と思ったその瞬間、三本間2/3まで到達した橋爪がそこでストップ、ここで謎の1秒間の静止があったのち、橋爪は謎の反転で三塁へ戻る。昭和19年のフィリピン・レイテ湾海戦における栗田艦隊の「謎の反転」、あのウインストン・チャーチルもノーベル文学賞を受賞した著書で言及したあの歴史的反転にも例えられる謎の橋爪ターンにビッグアプセットベンチも一瞬何が起こったのかと当惑の沈黙だ。
試合後橋爪が語ったところによると、芝田が責任を取ると言ったのはゴロゴーについてであって、その言葉にワイルドピッチは含まれていなかった、なので途中で静止し決裁を待ったがそれがなかったため反転した、とのこと。あの謎の1秒間の静止はベンチの決裁待ちの時間であったことが判明、ビッグアプセットベンチのシナリオ設定の脇の甘さが出て橋爪の呪縛解除は今後に持ち越しとなった。
こうした一連の騒動があったあと、黒田がフォアボールを選んで満塁とすると、つづく丸野もフォアボールを選び押し出しで1点追加!そして迎えた3番佐藤、あの史上初の引き分けホームラン競争決着に持ち込まれたMLBオールスターのあったアトランタから夢の島に駆けつけた佐藤は完璧にイメージができあがっていた。そのイメージとは、延長ホームラン競争を決めたシュワーバー3連発、その3発目のイメージそのもののスイングで振りぬいた佐藤の打球は、ビッグアプセットベンチの大歓声を追い風にライトに舞い上がり、ライトスタンド上段に突き刺さるグランドスラムだ!佐藤達路はこの日ツーベース2本、満塁ホームランの猛打賞、5打点の大活躍、身軽な人生を満喫する佐藤が試合を決定づけた。
するとこれに触発されたが、こちらは堅実な人生を送る4番加藤もストレートを一閃、これが深々と守っていた相手レフトのさらに頭上を越える大飛球、ビッグアプセットナインの脳裏に刻まれた19年前、2006年3月11日豊島運動場でのエクソダス戦、フェラーリ黒田の脅威の110m弾に匹敵する大飛球は、夢の島ではありえないレフトフェンスをワンバウンドで超えるエンタイトルツーベース、まさかの110mエンタイトルという衝撃の打撃でまたもビッグアプセットナインの度肝を抜いた。試合はこのまま時間切れで終了、最終回の5点が効いてビッグアプセットは9-2の快勝となった。
3安打8塁打5打点の佐藤の大活躍が光ったが、一方先発丸野のピッチングが勝利を呼び寄せたのは間違いない。さらに加藤の大飛球、牧の勝ち越しホームラン、田辺、谷上いずれも大飛球のスリーベースなど各自の打撃も爆発した。勝利投手となった丸野はこれで今季4勝目で末永と並びハーラーダービートップに並ぶ。そして鈴木将平が規定打席未達となったこともあり、この日もクリーンヒットを放った鈴木秀紀が打率トップに浮上、一方で鈴木将平、谷上、田辺があとわずかで規定打席の水準で3割超えの打率をキープするなど、シーズン後半を迎えた個人記録争いもいよいよ熱を帯びてきた。
真夏の夜の快勝に試合後のビッグアプセットナインは大満足でグランドを整備し、暑いシャワーで汗を流し、そしていつもの錦糸町・中華名店になだれ込む。あっという間に生ビールと絶品餃子、さらには絶品甘辛唐揚げが次々と消化され、快勝の余韻に酔うビッグアプセットナイン。身軽になる者、新たな責任を負う者、人生二毛作を模索する者、それぞれがそれぞれの人生を背負いながら、集結する土曜日のグランドでともに汗を流し、そして数々の名プレーに酔いしれる。どんな人生を送る者にも、皆で共有するこの人生の1ページが最高のスパイスを与えてくることに変わりはない。ここから続く真夏を乗り切り、今年も充実したシーズンを送る決意を胸に、参議院選挙最終日を迎え喧騒の錦糸町前を彷徨いつづけるビッグアプセットナインであった。
【監督コメント】
おかえり、櫻町。
先発投手予定だった末永が急遽参加できなくなってしまったが、その代わりというわけでもなかろうが、鈴木秀、加藤くん、佐藤達路くんが急遽参加となり、コアメンバー14人が揃う。それにプラスして試合途中で大御所・大河原がユニフォームを着ずに参戦してくれた。
急遽3人の強打者が揃ったこともあり、今日は初回から猛攻撃で勝負を決めたいとの思いが、試合前の監督の頭にはあった。
しかし、思い通りにはいかないのが野球だ。
ここで先発投手の丸野くんがキレキレのストレートとスライダーで打たせてとるナイスピッチング。守備陣も好プレーで応えてくれた。
中盤以降は打線が期待通りに活躍。谷上くん、田辺さん、牧くん、鈴木秀、加藤くん、そして達路くんの好打・長打は見事。我チームの底力・層の厚さを示してくれました。
今日も全員野球のナイスゲーム!
いい勝利だった。