~「雨を喜び、風を楽しみ」(長嶋茂雄)~
末永快投!橋本・木全マルチヒット!大河原通算200四死球達成!木全通算100塁打達成!
攻守完璧なナイスゲームでミスター長嶋に勝利を捧ぐ!
ミスター長嶋は生前、親交の深かった日本放送深沢アナウンサーに言った。「雨にもまけず、風にも負けず、っていう考え方は好きじゃない、雨や風も野球の一部、雨を喜び、風を楽しまなくては」そう、この日のガス橋グランドは折からの梅雨前線の影響で時折小雨が降り、そしてセンターからホームに強めの逆風が吹きつける、まさにミスターの言うコンディション、この状況の中でビッグアプセットは攻守に躍動、雨を喜び、風を楽しみつつ、初対戦のライジングホッパーズに快勝した。
雨風のなかのプレーボール、初回スターティングイニングのビッグアプセットは先頭大間がフォアボールを選ぶと、2番丸野が高めストレートを強振、逆風をものともしないまさにロケットビームのダブル、そして芝田がフォアボールを選ぶとつづく山下も選んで押し出しで先制!するとつづく橋本が鋭く三遊間を破り1点、田辺フォアボールで押し出し、小川が秘技・インターフェアのナイスなバットコントロールで押し出し、そして満塁となったところでつづく8番木全、ストレートを強振するとこれが折からの逆風をついてレフトへ、そしてレフト頭上を深々とやぶる大飛球、これがいわゆるタイムリーダブルとなりさらに2点を追加、こうしてこの回、長短打、フォアボール、打撃妨害とあらゆるテクニックを駆使して6点を先制する、まさにロケットスタートをみせた。
さらにつづく2回裏ビッグアプセット、ワンアウトから芝田がまたもフォアボールを選ぶと、山下が技ありのテクニックでセンター前に弾き返し、1・2塁となったところで橋本がこれも技ありの流し打ち、ライト線を見事に破るダブルで芝田が還り1点!するとつづく田辺も三遊間突破でつづき、さきほど快心ダブルの木全が今度はレフト前に弾き返しさらに1点!これで木全はこの日3つの塁打を記録し、史上29人目の通算100塁打を達成だ!さらに記録ラッシュはつづき、つづく大河原が気合の押し出しフォアボールを選ぶと、これが大河原の史上7人目となる通算200四死球だ!今まで村上、西村、石井、大友、芝田、櫻町の6人しか達成していない大記録に到達した大河原は駄目押しとも言える押し出しウォークにしてやったりの笑顔でファーストベースに仁王立ちだ。さらにこの回は大間の犠牲フライ、芝田の押し出しフォアボールなどもあり7点を追加、この時点で13-0と試合の主導権を完全に握った。
一方ビッグアプセット先発の末永は、鋭い変化球と頭脳的なピッチングで若手中心のライジングホッパーズ打線を翻弄、ヒットは2回に打たれた2本のみで4イニングをシャットアウトだ。この好投にビッグアプセットナインも守備で応える。3回ツーアウトからはセンター前に上がった難しいフライ、逆風でボールが押し戻されるなかショート橋本が必死の背走、最後は振り向きざまにこのボールをキャッチすると、両手でボールを抑える執念のプレーで後頭部をグランドに打ちながらもこれを好捕!雨風をものともしないビッグプレーにビッグアプセットベンチも最高潮のヒートアップだ!4回には相手1番のジャストミートをファースト芝田ががっちりキャッチ、ショートに回った大間がさすがのランニングスローで相手ヒットを封じると、サードに回った田辺も三遊間のゴロを鮮やかにさばき、歌舞伎の所作を取り入れた右手ひらひら投法でファーストアウト!この日の守備陣も完璧な守りで末永を盛り立てる。
試合はこのあとリリーフにたった小川が、5回は三者凡退に抑えたものの6回になぜか突然ライジングホッパーズ打線とタイミングがあってしまい、6回途中で急遽丸野にマウンドをスイッチ。最後は丸野が抑えて13-8でゲームセット、雨を喜び、風を楽しんだビッグアプセット、いわゆるひとつの快心のゲームセットとなった。
ミスター長嶋の現役引退はビッグアプセット最年長組が小学校5年生の秋だった。かくいう筆者も、毎日のテレビ中継はもちろん、当時の後楽園球場、神宮球場でミスター現役時代の雄氏を7,8回目撃したことが鮮明に記憶されている。流れるようなフィールディング、左中間突破のツーベースで1塁を駆け抜ける姿、そしてウェイティングサークルで片膝をついて戦況を見守る姿は、まさにオーラのかたまり、筆者も打席でのミスターのルーティンを真似して悦に入っていたものだ。常に前向きに状況をとらえ戦っていく姿勢は、今日のような雨を喜び、風を楽しむゲームでまさに本領が発揮されたはずだ。
ミスターの教えを胸に快心のゲームを終えたビッグアプセットナイン、ていねいにグランドを整備し、強まった雨を避けるためガス橋下の空地に移動し着替えると、最近発掘された下丸子駅前の名店中華・聚楽園に直行、快心のゲームの場面場面を語り合いながら、野球の楽しみを噛みしめるビッグアプセットナイン。満腹になって店を出ると雨はやんでいる、天に上ったミスターの野球愛を引き継ぎ、倒れるまでグランドで戦っていこう、残りのシーズンに向けて静かに闘志を燃やしながら下丸子界隈をそぞろ歩くビッグアプセットナインであった。
【監督コメント】
初対戦となるライジング・ハッバースさんとの試合。相手チームの最年長者は30歳との情報を試合中にキャッチ。まぁ、平均年齢でも、わからないが、多分、我々の半分くらいだろう。
でも、それが何なんだ!?
我々らも相手チームも歳で勝負するわけじゃない。野球というゲームでの勝負だ。
勝つためには、相手にスキを見せてはいけない。取れる時には点を取り、守るべき時には最少失点で切り抜ける。それを実践しないと勝てない。
それは、年齢を重ねている我々の方が充分に理解しているはす。
そんな意思統一がとれた一戦であったと思っている。
末永、ナイスピッチング!
橋本くん、木全、丸野くん、田辺さん、山下、小川さん、ナイスバッティング!
ナイスゲームだった! 久々に。